ボン教

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ボン教寺院(四川省)

ボン教(ボンきょう、ポン教ともいわれる)は、チベットで古代から続く民族宗教。チベット人独特の総合宗教文化。

目次

起源と特徴 [編集]

起源 [編集]

その起源は相当古くに遡り、人類最古の文化の一つに数えられている。ボン教のことを、チベットの土着の宗教だと紹介されることが多いが、実際はタジクシャンシュン経由で伝来していることは明確なので、外来の宗教である。ボン教とチベット仏教は相互に影響しながら発展してきた歴史があり、それぞれのなかに互いの影響を見てとることができる。ただし、ボン教には中央アジアにおける古代文明の痕跡がより色濃く見られることが指摘されている。

特徴 [編集]

ボン教はその体系を構築する際にインドで発生した仏教の用語を用いたため、チベットの宗教としての独自性のない「剽窃者」の烙印を押されてきた。しかし、その経典の中身をよく見てみると、インド仏教思想の枠の中では収まらないことが明らかになりつつある。またチベット文化の源泉のひとつとして、仏教のなかには見当たらない独特の要素をもっていることが指摘されている。こうした事情から今日、ボン教はチベット学や中央アジア史の最も先進的な研究対象のひとつと考えられている。ただし、一般にチベット仏教に由来しない民俗・信仰を「ボン教」としてひとくくりに認識しがちだが、数ある民間宗教と厳密な意味でのボン教は区別するべきである。

ボン教教団の総本山はメンリ僧院。その他にチベット内に存在する主な僧院としては、ユンドゥリン僧院、ナルシ僧院がある。総本山のメンリ僧院は現在、北インドにその機能を移している。

チベット仏教ニンマ派(古派)との相互影響が指摘されている。ゾクチェンという瞑想が伝えられていることも、ニンマ派と共通する点である。両者のゾクチェンの用語は基本的に同じものだが、その系譜や見解は明らかに異なる。

伝承では、チベットの西方にあるという神秘の国オルモルリンのシェンラプ・ミウォを始祖とする。

インド起源の仏教では「右繞」(うにょう)すなわち時計回りに巡って行くことを善しするが、ポン教には「左繞」(さにょう)すなわち左廻りを善しとする。このような些細な差異に加え、最も異なるのはその系譜である。ボン教とチベット仏教の関係は、いわば「仲の良い双子の兄弟」に例えることが可能である。

「それがチベット語で“チュー”と呼ばれようが、“ボン”と呼ばれようが、ダルマのことを特にボン教徒は宗派の派閥のことだとは思っていない。ダルマとは根源的な真実をそのまま表したもののことであり、時代と歴史を通じて何度も繰り返し述べられてきたもののことなのだ。根源的な真実のことばかりか、永遠の真実のことなのだ。ダルマとはただ単に特定の時代、つまり紀元前6世紀の北インドで生み出されたもののことだけを意味しない」 John Reynolds, Yungdrung Bon, The Eternal Tradition,7.

参考文献 [編集]

  • 『チベット ポン教の神がみ』 国立民族学博物館編、千里文化財団、2009年
  • ロポン・テンジン ナムダク 『智恵のエッセンス : ボン教のゾクチェンの教え』 春秋社、2007年ISBN 9784393135303
  • Karmay,SamtenGyaltsen 『The call of the blue cuckoo : an anthology of nine Bonpo texts on myths and rituals』 National Museum of Ethnology〈Senri ethnological reports, 32 . Bon studies ; 6〉、2002年ISBN 490190602X
  • デイヴィッド・スネルグローヴ 『チベット文化史』 春秋社、2003年ISBN 4393112326
  • Tenzin Namdak (2006). Bonpo Dzogchen teachings. Vajra Publications. ISBN 978-99946-720-5-9. 

関連項目 [編集]

  • 九寨溝 - 多くの観光客が訪問するボン教地域

外部リンク [編集]

チベットのボン教とは