切り裂きジャック

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切り裂きジャック
Jack the Ripper
Drawing of a man with a pulled-up collar and pulled-down hat walking alone on a street watched by a group of well-dressed men behind him
1888年10月13日イラストレイテド・ロンドン・ニュースによる発行の記事。「With the Vigilance Committee in the East End: A Suspicious Character」
個人情報
本名 不明
別名 ジャック・ザ・リッパー
ホワイトチャペル・マーダー
殺人詳細
犠牲者数 売春婦5人+?
犯行期間 1888年–?
イギリス

切り裂きジャック(きりさきジャック、: Jack the Ripperジャック・ザ・リッパー)は、1888年イギリスで連続発生した猟奇殺人事件の犯人の通称。この事件は未解決事件であるが、犯人の正体についてはいくつもの説が唱えられている。

概説[編集]

切り裂きジャックが取り上げられたアメリカの雑誌『Puck』の表紙(1889年9月21日

1888年8月31日から11月9日の約2ヶ月間にロンドンイースト・エンドホワイトチャペルで少なくとも売春婦5人をバラバラにしたが、犯人の逮捕には至らなかった。署名入りの犯行予告を新聞社に送りつけるなど、劇場型犯罪の元祖とされる。当時の定義づけによる精神病患者から王室関係者まで、その正体については現在まで繰り返し論議がなされているが、1世紀以上経った現在も犯人は不明。

切り裂きジャックは売春婦を殺人の対象に選んだ。犯行は常に公共の場もしくはそれに近い場所で行われ、被害者はメスのような鋭利な刃物で喉を掻き切られ、その後、特定の臓器を摘出されるなどした。そのような事実から解剖学的知識があるとされ、ジャックの職業は医師だという説が有力視されている。

ただ、このような事件が起きていた間に、被害者の女性たちが警戒心もなく犯人を迎え入れていた形跡があることから、実は女性による犯行とする説もあった。また、犯行は1年以上続いたという説もある。

「ジャック」とはこの場合特定の人物の名前を示すわけではなく、日本でいう「名無しの権兵衛」のように英語圏で呼び方の定まっていない男性を指す名前である。

被害者[編集]

メアリー・ジェイン・ケリーの遺体写真、殺害現場にて
イギリスの風刺漫画雑誌『パンチ』の挿絵(1888年9月29日

切り裂きジャックの被害者については、8人や13人、20人とする説もあるが、確実に彼の犯行とされているのは以下の5名。

  • 1888年8月31日(金) - メアリー・アン・ニコルズ(42歳)
  • 1888年9月8日(土) - アーニー・チャップマン(47歳)子宮膀胱を犯人により持ち去られる。
  • 1888年9月30日(日) - エリザベス・ストライド(44歳)犯人が目撃されている唯一の事件。
  • 1888年9月30日(日) - キャサリン・エドウッズ(43歳)左の腎臓子宮を犯人に持ち去られる。
  • 1888年11月9日(金) - メアリー・ジェイン・ケリー(25歳)皮膚や内臓を含めほぼ完全にバラバラという最も残忍な殺され方をした。

犯行は夜、人目に付かない隔離されたような場所で行われ、週末・月末・もしくはそのすぐ後に実行されている点が共通しているが、相違点もある。キャサリン・エドウッズはただ一人、シティ・オブ・ロンドンで殺害された。メアリー・アン・ニコルズはただ一人、開けた通りで発見された。アーニー・チャップマンは他の被害者とは違い、夜明け後に殺害されたと見られている。

被害者(推定)[編集]

他に被害者として考えられている人物は以下の通り。

フェアリー・フェイ
1887年12月26日に殺害。腹部を杭で一突きされていた。
アニー・ミルウッド
1888年2月25日に下腹部・足を何度も刺された。彼女は一命を取り留めたが、退院後の3月に死亡した。
エイダ・ウィルソン
1888年3月28日に首を2度刺されるが一命を取り留めた。
エマ・エリザベス・スミス
1888年4月3日に襲われる。局部に鈍器を入れられて重傷を負うが、家まで歩いて帰った。警察には2・3人のギャング(一人はティーンエイジャー)に襲われたと話したという。2日後に病院で死亡。
マーサ・タブラム
1888年8月7日に殺害。39箇所を刺されていた。動機の欠如、犯行の残忍さ、地理的・時期的な点からも切り裂きジャックの被害者である可能性が高いと見られている。ただ、喉を掻き切るのではなく刺されている点が他の被害者と違う。
"ホワイトホール・ミステリー"
1888年10月2日、頭部のない女性の胴体がホワイトホールで発見された。片方の腕はピムリコの近くのテムズ川から発見された。片方の足は遺体が見つかった近くに埋められていたが、他の部分は発見されなかった。
アニー・ファーマー
1888年11月21日に首を切られるも、傷は深くなく命に別状はなかった。警察は自傷行為を疑い、捜査は中断された。
ローズ・ミレット
1888年12月22日に死亡。首に絞められた跡があり窒息死であったが、彼女が酔って人事不省の時に、自分のドレスの襟で誤って窒息したのではないかという説もある。
エリザベス・ジャクソン
1889年5月31日から6月25日までの間に、遺体の各部がテムズ川で見つかった。
アリス・マッケンジー
1889年7月17日に殺害。頚動脈を切断されていた。
"ピンチン通りの殺人"
1889年9月10日、"ホワイトホール・ミステリー"とよく似た状況で女性の胴体(腕は切断されていなかった)が発見された。この遺体はリディア・ハートという売春婦ではないかと見られている。"ホワイトホール・ミステリー"とこのケースは連続殺人と見なされ、犯人には"トルソ・キラー"や"トルソ・マーダー"というニックネームが付けられた。切り裂きジャックが"トルソ・キラー"なのか、他の人物なのかは分かっていない。前述のエリザベス・ジャクソンも"トルソ・キラー"の被害者ではないかという説がある。
フランシス・コールズ
1891年1月31日に喉を掻き切られて殺害された。
キャリー・ブラウン
1891年4月24日に殺害。しかし、彼女が殺害されたのはニューヨークマンハッタンである。彼女は最初に首を絞められ、次にナイフによって切断されていた。鼠径部に大きな傷があり、足や背中も刺されていた。彼女の卵巣がベッドの上で見つかったものの、持ち去られた部分はなかった。このケースは切り裂きジャックのケースとよく似ているものの、ロンドン警察は二つの事件の間につながりはないと結論づけた。

壁の落書き?[編集]

2件の殺人が犯された9月30日の早朝、アルフレッド・ロング巡査が犯行現場を捜索中、ゴールストン通りで血の付いた布を発見した。後にこの布はキャサリン・エドウッズのエプロンの一部ということが分かった。

その近くの壁には白いチョークで書かれた文書があった。その文書は「The Jews are the men That Will not be Blamed for nothing.」もしくは「The Jews are not The men That Will be Blamed for nothing.(ユダヤ人は理由もなく責められる人たちなのではない)」というものであった。

この文を見たトーマス・アーノルド警視は、夜が明けて人々がそれを目にすることを恐れた。彼はその文章が一般大衆の反ユダヤ主義的感情を煽るのではないかと思ったのである。事実、メアリ・アン・ニコルズの殺害以降、ユダヤ人の犯行ではないかという噂がイースト・エンドで流れていた。そのため、アーノルド警視はこの文書を消すように指示した。

この文章はスコットランドヤードの区域で見つかり、犯行場所はロンドン市警察の管轄内であったため、2つの異なった警察部隊に分かたれることになった。特にロンドン市警察の警察官たちはアーノルドに反対であった。この文章は証拠かもしれず、せめてその前に写真を撮るべきだと主張したがアーノルドは賛成せず、結局明け方に消されてしまう。

切り裂きジャックからの手紙[編集]

セントラル・ニューズに届いた手紙

1888年9月27日、切り裂きジャックを名乗る手紙が、新聞社セントラル・ニューズ・エイジェンシーに届いた。9月25日付けの消印が押された "Dear Boss" (親愛なるボスへ)の書き出しで始まるこの手紙の内容は、切り裂きジャックは売春婦を毛嫌いしており、警察には決して捕まらない、犯行はまだまだ続くと予告する挑発的なものであった。

この件が新聞で伝えられると、切り裂きジャックを名乗る手紙が何百通も新聞社などに届いたが、そのほとんどがいたずらかメディアによる自作自演であった。しかし、最初に届いたものを含む以下の3通は、偽物だとは断定できなかった。

  • 1888年9月27日配達(消印25日)
    セントラル・ニューズ社に届いた手紙。「切り裂きジャック」の署名がある最初のもの。
  • 1888年10月1日配達(消印同日)
    セントラル・ニューズ社に届いた葉書。「切り裂きジャック」の署名。
  • 1888年10月16日配達(消印15日)
    ホワイト・チャペル自警団代表ジョージ・ラスクに届いた小包。「切り裂きジャック」の署名はなく、「地獄より」の書き出しで始まっている。アルコール保存された腎臓が同封されており、人間の女性のものであると確認された。医学生によるいたずらだという説もあるが、酒の飲みすぎによりブライト病に犯されたものだという主張をする法医学者もいた。

被疑者[編集]

切り裂きジャックと思われる被疑者については多数いるが、その中でも特に有名なのは以下の人物である。

モンタギュー・ジョン・ドルイト(Montague John Druitt、1857年8月15日 - 1888年12月1日
弁護士、教師。風貌が当時の目撃証言と似ているとされた。最後の事件の後、12月1日にテムズ川に飛び込み自殺。
第1と第2の事件の時に所在不明。メルヴィル・マクノートン(事件当時の英国捜査当局の責任者)のメモにより20世紀半ばになってから有力な被疑者と呼ばれるようになった。メモによると精神病の持病があったらしいことが分かる。ただし、マクノートンのメモにも間違いが多く(たとえば職業を医師としている)、どこまで信用できるか不明。
マイケル・オストログ(Michael Ostrog、1833年 - 1904年頃?)
ロシア人医師。殺人を含む複数の前科があった。
ロシア海軍付きの外科医の経歴を持つ。詐欺や窃盗の常習犯で、警察に逮捕された末に精神医療施設に隔離された経験がある。ホワイトチャペルでの事件時に所在不明だったことから、捜査当局で疑わしい人物として名前が挙がっていた。
トマス・ニール・クリーム(Thomas Neill Cream、1850年5月27日 - 1892年11月15日
アメリカ人医師。危険な薬物(ストリキニーネ)を用いて売春婦を毒殺、「ランベスの毒殺魔」と呼ばれていた。
1892年に死刑執行。その際に絞首台で「自分が切り裂きジャックだ」と言い残した(正確には、"I am the Jack…"まで言った時に床板が外された)とされる。しかし一連の事件が起こった1888年当時、トマスはアメリカのイリノイ州にある刑務所に投獄されていたため犯行は不可能である。
アーロン・コスミンスキー(エアラン・コスミンスキ、Aaron Kosminski、1865年9月11日 - 1919年3月24日
ポーランド出身で1881年に家族と共にロンドンに移住したユダヤ系の理髪師。殺人があったイースト・エンドの近辺に住み、犯罪歴・精神病院の入院歴があり、売春婦を憎んでいた。
目撃者の証言により当局に逮捕されたが、重い精神の錯乱が見られ、筆跡に関しても切り裂きジャックが書いたとされる手紙のそれと一致しなかったとされるなど、証拠不十分を理由に起訴は断念された。証言も後に撤回されている。
1919年に強制入院先の精神病院で死亡。
ジェイムズ・メイブリック(James Maybrick、1838年10月24日 - 1889年5月11日
1889年に妻であるフローレンス・メイブリックに殺害された木綿商人。事件の3週間前、現場近くのミドルセクス・ストリートに部屋を借りた。1991年に発見された切り裂きジャックの物と思われる日記は、メイブリックのものとされている。また、現場で何度か目撃された、金色の口髭を生やしたジャックの特徴も彼に当てはまる。日記には、被害者の体の一部を持ち去り、食したとの記述もある。しかし100年以上経過しての発見である上に、その経緯が不明確であり、信用性には疑問を持たれている。
ジェイコブ・リーヴィー(Jacob Levy、1856年 - 1891年7月29日
ユダヤ人の精肉業者。犯人は「ユダヤ人」で「死体の解体に慣れていて、血まみれの格好をしていても怪しまれない精肉業者」というプロファイリングにより浮かび上がった被疑者。「ユダヤ人」説の根拠として、2件の殺人が発生した9月30日当日、1人目の殺害現場であるバーナー街の国際労働者会館前ではユダヤ教社会主義の会合が開かれており、2人目が殺害された犯行現場には被害者のエプロンが落ちていた場所の壁に「ユダヤ人は理由もなく責められる人たちではない」と落書きがされていたことが挙げられている。リーヴィーは梅毒に罹患しており、梅毒から来る精神障害をわずらい「不道徳な行いをしろ」という幻聴を聞いていたという記録がある。リーヴィーの妻は「夫はノイローゼにかかっていたようで、一晩中街を徘徊していることがあった」と証言している。事件当時、リーヴィーはフィールドゲート街からミドルエセックス街に引っ越したが、そのどちらも犯行現場を結んだ円内にあるため、地理的プロファイリングとも一致する。
犯行が4件で終わった理由としては、梅毒の症状が進んだことと、キャサリン・エドウッズの殺害現場を近所に住む同じユダヤ人の精肉業者ジョゼフ・リーヴィーに見られたからだとしている。ジョゼフは犯人がリーヴィーであることを知っていたが、事件発覚によるユダヤ人への迫害を恐れて、捜査陣に犯人像を詳しく語らなかったのではないかと言われている。それでも、ジョゼフの「犯人は被害者より8cm高かった」という身体的特徴はリーヴィーに当てはまる。なお、メアリー・ジェイン・ケリー殺害に関しては、解剖の手口が違うこと、唯一屋内で殺害されていることから、模倣犯によるものであるとしている(National Geographic Channel:Mystery Files #7"Jack The Ripper")。

仮説[編集]

  • 一般に、性的暴行を伴う快楽殺人の犯罪者は、自身の性的嗜好に適った被害者を選ぶ傾向があり(老若男女を問わず暴行を加えて殺害したアンドレイ・チカチーロのような例外もある)、切り裂きジャックについてもメアリーからキャサリンまでの被害者を考慮した場合、中年の女性にそうした志向を抱いていたと考えられる。しかし、メアリーは年若の女性であることから、便乗犯もしくは別人の犯行の可能性が指摘されている。実際に「ピンチン通りの殺人」(前述)など、切り裂きジャックとされる犯行または切り裂きジャックに類似した犯行を行った人物は、複数存在した可能性が指摘されている。
  • 5人目の被害者メアリーは、道徳的に見た際「最も残忍な殺され方」をしているが、医学的な見地に立てば「最も高度に外科的な殺され方」すなわち最も精確な技術の臓器摘出が行われており、医者を中心に別人の犯行の可能性が指摘されている。
  • 「犯人が夜間、警察官に怪しまれずに徘徊し、被害者の女性たちに近づける」という点などから警官による犯行も疑われ、事件後内部調査が行われたが有力な容疑者は出なかった。
  • 同時代の推理作家コナン・ドイルは切り裂きジャックの正体を「女装した男性」であると推理し、さらにやがて「切り裂きジャックは女性ではないか」という説も主張されるようになった。当時は女性による猟奇殺人大量殺人事件が横行しており、捜査当局も女性犯人説を疑った時期がある。ただし、犯罪学の見地から女性は同性を連続して殺害しにくいとされており、実際当時の女性の猟奇殺人・大量殺人犯は殺害対象のほとんどが男性であったため矛盾しており、この説に関しても懐疑的な意見がある。
  • 当時のイギリス女王ヴィクトリアの孫、クラレンス公アルバート・ヴィクターも一時期容疑者の1人とされていた。
  • 作家のパトリシア・コーンウェルが2002年に出版した『切り裂きジャック』(原題: Portrait of A Killer; Jack The Ripper Case Closed)では、自身で大金を投じてDNA鑑定筆跡鑑定を行い、画家のウォルター・シッカートを犯人であるとして名指ししたが、現存している捜査資料や物的証拠に乏しかったため反論も多かった。
  • 元警察官のトレヴァー・マリオット(Trevor Marriott)は、セントラル・ニューズ社のトーマス・ブリング(Thomas Bulling)記者がスクープ記事を書くために犯行声明の手紙を捏造し「切り裂きジャック」という人物を作り上げたとしている[1]
  • 1988年に元FBI捜査官のプロファイリングによって出された、最後の犠牲者メアリー・ケリーと同棲していたジョゼフ・バーネットが犯人であるという説が一番現実的であると言われている。
  • 2014年には、被害者の一人であるキャサリン・エドウッズの遺体のそばで見つかったショールと被害者・被疑者子孫のDNA鑑定により、アーロン・コスミンスキーが犯人であるという説が出された[2]

切り裂きジャックを扱った作品[編集]

切り裂きジャックは現在もなお正体の知れない神秘性などから、多くのフィクション作家の創作意欲を刺激してきた。特に、同時代・同じロンドンという設定の名探偵シャーロック・ホームズとの対決は、それ自体一つのジャンルともなっている(原作者コナン・ドイル自身は何も触れていない)。

小説[編集]

  • 下宿人(ベロック・ローンズ、1987年出版、早川書房)
    ジャックをモデルとした作品としては最も早いものの一つで、アルフレッド・ヒッチコックによる映画化で名高い。
  • オッターモール氏の手(トマス・バーク、江戸川乱歩編『世界短篇傑作集4』所収、1961年出版、東京創元社)
    ジャックをモデルとした、短篇ミステリの古典的名作。
  • 恐怖の研究(エラリー・クイーン、1976年出版、早川書房)
    エラリーの許に届けられのは、ジャックとホームズの戦いを綴ったワトスン博士の未公開原稿だった。ジャックの正体を19、20世紀の名探偵が解き明かす。
    シャーロック・ホームズとジャックとの対決を描いた映画 "A Study in Terror" (1965年)のノベライゼーション。なお、映画にはエラリーは登場していない。
  • 切り裂きジャックはあなたの友(ロバート・ブロック短編集『切り裂きジャックはあなたの友』所収、1979年出版、早川書房)
    黒魔術を操る不老不死の存在として描かれている。
  • 霧の国(山田正紀短編集『地球軍独立戦闘隊』所収、1982年出版、集英社)
    次々と人間に憑依する思念生命体として登場。
  • ドラキュラ紀元(キム・ニューマン 1992年/1995年、創元推理文庫(F2-1-1)ISBN 978-4-488-57601-1
    吸血鬼ドラキュラと19世紀の虚実の人・吸血鬼キャラクター満載の小説。
    ドラキュラに支配された英国で吸血鬼娼婦ばかりを狙う殺人鬼「銀ナイフ」ことジャックを、英国諜報部員と美少女吸血鬼が追跡する。
  • ルチフェロ(篠田真由美、1995年出版、学習研究社)
    菫色の瞳を持つパレルモ生まれのシチリア人が怯えるジャックの正体とは。
  • ホワイトチャペルの恐怖 シャーロック・ホームズ最大の事件(エドワード・B・ハナ、1992年/1996年 扶桑社ミステリー)
    ホームズもののパスティーシュ
  • シャーロック・ホームズ対切り裂きジャック(マイケル・ディブディン、2001年出版、河出書房新書)
    ホームズもののパスティーシュ。
  • 血文字GJ―猫子爵冒険譚(赤城毅、2005年出版、ノン・ノベル)
    1920年代のベルリンで起きた殺人事件。奇怪な連続殺人の犯人の1人として、切り裂きジャックが登場。
  • BLACK BLOOD BROTHERS
    凶行に及んだ吸血鬼が切り裂きジャックの正体として登場する。
  • 司書とハサミと短い鉛筆
    本に姿を変えた切り裂きジャックが敵として登場する。
  • きらめく刃の輝き(ベイジル・コッパー アンソロジー『ゴーサム・カフェで朝食を』所収、扶桑社ミステリー)
  • 一八八八切り裂きジャック(服部まゆみ、角川書店、2002年3月)ISBN 9784041785058
  • 時の地図(フェリクス・j・パルマ、宮崎真紀、2010年 ハヤカワ文庫NV)
    物語の導入部分に切り裂きジャック事件が引用され、被害者たちが実名で登場する。

映画・ドラマ[編集]

漫画・アニメ[編集]

  • FROM HELL - アラン・ムーア原作によるグラフィック・ノベル。後に映画化(→フロム・ヘル)。
    コリン・ウィルソンが紹介した新説を元としており、切り裂きジャックの正体はヴィクトリア女王の侍医のウィリアム・ガル博士。しかしガル医師は脳溢血の発作で1887年から体の自由が利かない状態であり、犯行が可能とは考えにくい。また、ウィルソン自身も、犯人についてはガル博士のようなひとかどの人物ではなく、現代の連続殺人犯にありがちな取るに足らない人間であろうとしている。
  • ジョジョの奇妙な冒険 Part1 ファントムブラッド - ゾンビになったという設定で登場。
  • パタリロ! - タイムマシンの誤作動で現代に連れてきてしまった青年が切り裂きジャックだった。彼は女性に身体を売って学費を稼ぐ貧乏な医学生で、女性を嫌悪しつつも現代で平凡に暮らせるかと思っていた。しかしパタリロ達を守るため殺人鬼の心臓を一撃で抉り取り、自らの正体が発覚した事を受けて過去のロンドンへ戻っていった。
  • 名探偵コナン ベイカー街の亡霊 - 仮想ゲームにおいて、ジャック・ザ・リッパーを捕まえることを目的としている。なお、このゲームではジャック・ザ・リッパーの正体は「不治の病に侵された貴族」という解釈がなされていたが、物語中でコンピューターによって内容が書き換えられ、当初とは全く異なる設定の女装した男性として登場した。また、作品内の現実におけるジャック・ザ・リッパーのその後についても間接的に描かれている。またコナンたちが目撃する犯行が実際に目撃された犯行と同じ第三の事件であるなどかなり史実に沿っている。
  • 上海妖魔鬼怪 - 主人公のジャックがジャック・ザ・リッパーその人(妖怪)であるとされている。
  • 風のシモン(坂口いく、集英社、1991年) - 魔物に魅入られ超能力を持った少年として登場。
  • 黒鷺死体宅配便 - 外伝『松岡國男妖怪退治』に悪霊となったジャック・ザ・リッパーが登場する。
  • 呪法解禁!!ハイド&クローサー - 切り裂きジャックの正体が呪術人形となっている。
  • GS美神 極楽大作戦!! - 斬りつけた相手の精神を乗っ取るという剃刀(霊刀)が登場し、これが切り裂きジャックの「本体」であったかのようなエピソードがある。
  • ミキストリ - 100年以上前から病院の地下に冷凍保存されていた切り裂きジャックの遺体がブードゥーの秘術によりバラバラに切断された状態で復活し、再び犯行を繰り返そうとする。ジャックの正体は警官の息子で、父親が犯行に気がついて殺害し、なぜ息子が切り裂きジャックになったのかを調べてもらうために、自分と息子の遺体を後世の研究者のために冷凍保存するよう遺言していた。
  • ジャバウォッキー - 正体はロンドン地下水道に暮らす恐竜人の一人である。連続殺人の動機は憂さ晴らしで、最後は地下にあるメタンガスタンクを爆破してロンドンを燃やそうと企んでいた。当初はその爪からヴェロキラプトルの末裔と思われていたが、真実は彼から爪を奪ったプロトケラトプスの末裔であった。
  • ノブナガン - 本作においては切り裂きジャックの正体はフローレンス・ナイチンゲールであり、細菌兵器テロを防ぐ為やむを得ず保菌者の娼婦たちを殺害したとしている。

ゲーム[編集]

切り裂きジャックをモチーフとする作品・キャラクター[編集]

切り裂きジャックをモチーフとする小説[編集]

  • 切り裂きジャック・百年の孤独(島田荘司、1988年出版、集英社)百年前のロンドンの事件が甦ったような、現代のベルリンで起きた娼婦連続猟奇殺人。
  • 切り裂き街のジャック(菊地秀行、1985年出版、早川書房)2105年に1888年のロンドンを再現したイーストエンドにジャックが現れる。
  • EME
    • 切り裂きジャックをモチーフにしたジャックを名乗る2人の亜人が敵として登場する。
  • Fate/strange fake - バーサーカーのサーヴァント。切り裂きジャックの『伝説』から凶器という記号の象徴として生み出された存在。
  • Fate/Apocrypha - アサシンのサーヴァント。こちらも「切り裂きジャック」だが、その正体は数万以上の孤児たちの怨念の集合体となったもの。
  • 黒い光赤城毅、2011年出版、講談社)短編集「書物輪舞」所収。オカルト書「黒い光」を読んだものが連続殺人鬼になる、という仮説を導入。
  • 問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月(竜ノ湖太郎、2013年出版、角川文庫)
  • 切り裂きジャックの告白中山七里、2013年出版、角川書店) - ジャックを名乗る犯人が、事件を彷彿とさせる連続猟奇殺人事件を起こす。

切り裂きジャックをモチーフとする映画・ドラマ[編集]

  • ザ・リッパー - (1982年制作のイタリア映画、ルチオ・フルチ監督)現代のニューヨークを舞台にしたサスペンスホラー映画。
  • 相棒 - 「平成の切り裂きジャック」の異名を持つ連続殺人犯が登場する。
  • ホワイトチャペル 終わりなき殺意 - (2009年2月に全英TVで放映されたサスペンス・ミニシリーズ、全3話)現代のロンドンで切り裂きジャックの犯行をそっくりまねた連続殺人事件が発生。模倣犯と断定した警察は120年前の事件を参考に犯人を追うが、それをあざ笑うかのように犯行は繰り返されてゆく。日本では同年11月にWOWOWにて放映。
  • クリミナル・マインド FBI行動分析課 - 第2シーズンの第18話「ニューオーリンズの切り裂きジャック」で、レイプ事件の被害に遭った女性が、逆に警察上層部と犯人の男たちの癒着によりふしだらな女の汚名を着せられてしまう。ただ一人だけ親身に捜査をしてくれた当時の担当刑事に詫びつつも、このレイプ被害者の女性は男たちに復讐すべく殺人に手を染める事件が発生した。
  • フロム・ヘル - アラン・ムーア原作、エディ・キャンベル作画のグラフィックノベル。及びそれを原作とした2001年製作の映画。主演ジョニー・デップ

切り裂きジャックをモチーフとする漫画・アニメ[編集]

  • 探偵学園Q - 切り裂きジャックを名乗る犯人による殺人事件が起こる。
  • 黒執事 - フィクションの中のイギリスで切り裂きジャック同様の事件が起き、女王の命により切り裂きジャックの件を暴く。女医と死神の2人が切り裂きジャックの正体。死神の鎌〈デスサイズ〉はチェーンソーに酷似したもの。なお、アニメ版の舞台は現実の19世紀末のイギリスとなっており、#切り裂きジャックを扱った作品になる。
  • 爆走兄弟レッツ&ゴー!! - 沖田カイ登場初期の頃、彼がビークスパイダーで草レース中のマシンを切り刻んでいくことから「切り裂きジャック」と呼ばれていた。
  • 悪魔のリドル - 作中に登場する殺人鬼である武智乙哉には「21世紀の切り裂きジャック」という通称が付けられている。

切り裂きジャックをモチーフとするゲーム[編集]

  • パワーストーンシリーズ - カプコン製3D対戦アクションゲーム。光り物と斬殺を好む包帯姿の殺人鬼のキャラクターのモデルとなっている。
  • アニマムンディ 〜終わりなき闇の舞踏〜 - PCのゴシックホラーアドベンチャーゲーム。切り裂きジャックをモデルにした「ウィスラー・ザ・リッパー」が登場する。
  • メタルギアソリッド2 - プラント編の主人公、雷電の本名だが「ジャック」という名前のみで、「ジャック・ザ・リッパー」は、少年兵時代の戦果から付けられたニックネームであり本当の姓は不明である。
  • トキメキファンタジー ラテール - 19世紀末イギリスに似た「ミステリーゾーン」と呼ばれる世界で、同様の事件が発生している。ボスキャラとして登場するジャックは片目・首の辺りに黒い包帯のようなものを巻いている女性で、片腕が伸びる。
  • オペレーション・ダークネス - 第二次世界大戦を舞台にしたシミュレーションRPG。人狼や超能力者で編成された英国特殊部隊「ブラッド・パック」の一員として「ジャック・ザ・リッパー」という隊員が登場する。公称28歳。銃剣等を用いた戦闘に優れる。劇中のセリフから彼が本物の切り裂きジャックであることが示唆されるが、第二次大戦時になぜ28歳前後の若者の姿なのかは不明。
  • メタルギアライジング - 本作2で登場した雷電の覚醒した姿。ゲーム後半では自らを「ジャックザリッパー」と名乗るようになる。
  • ウィル・オ・ウィスプ - 攻略キャラのひとり、ジャックがオーナーのヴィクターの計画のために「切り裂きジャック」と同系の殺人を犯している。ヴィクターの計画とは死んだ娘を生き返らせることで、魂の器として少女を殺害し体の一部を集めていた。

切り裂きジャックをモチーフとする音楽[編集]

出典[編集]

  1. ^ Jack the Ripper mystery solved by top detective after 125 years”. EXPRESS (2013年9月21日). 2014年3月27日閲覧。
  2. ^ “WORLD EXCLUSIVE: Jack the Ripper unmasked: How amateur sleuth used DNA breakthrough to identify Britain's most notorious criminal 126 years after string of terrible murders”. Daily Mail (Associated Newspapers Ltd.). (2014年9月6日). http://www.dailymail.co.uk/news/article-2746321/Jack-Ripper-unmasked-How-amateur-sleuth-used-DNA-breakthrough-identify-Britains-notorious-criminal-126-years-string-terrible-murders.html 2014年9月7日閲覧。 

関連文献[編集]

  • 『ロンドンの恐怖 切り裂きジャックとその時代』-(仁賀克雄著、1985年出版、早川書房)
  • 『切り裂きジャック 闇に消えた殺人鬼の新事実』-(仁賀克雄著、2004年出版、講談社)
  • 『切り裂きジャック 世紀末殺人鬼は誰だったのか?』-(コリン・ウィルソン、ロビン・オーデル著、2004年出版、徳間書店)
  • 『切り裂きジャック最終結論』-(スティーブン・ナイト著、2001年出版、成甲書房)
  • 『切り裂きジャック』-(パトリシア・コーンウェル著、2003年出版、講談社)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]