萩尾望都
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萩尾 望都(はぎお もと、本名同じ、女性、1949年5月12日 - )は日本の漫画家。福岡県大牟田市生まれ。埼玉県飯能市在住。牡牛座。血液型はO型。
目次 |
[編集] 来歴
1949年、炭坑町である大牟田市で生まれ、4人兄弟の次女(姉・妹・弟)として育つ。「望都」は本名で、父親によって名付けられた。父親から聞く名前の由来は毎回違っていたが、その中で萩尾はモーツァルトの「モ」と「ト」を合わせたという説が有力だとしている[1]。
教育熱心な両親により、漫画を読むことを禁止されていた。幼稚園では時間の許す限り絵を描き、小学校では図書館に入り浸りギリシャ神話や世界名作全集、児童向けのSFシリーズなどを読んでいた。また、親戚の本屋に遊びに行っては漫画を読み、模写していた[1]。
中学入学後、漫画を描く友人ができ、漫画を描くための知識や漫画家になるためには作品を投稿する必要があることを知る。高校に入ると友人同士で作品を見せ合って相談しながら創作や投稿をするようになる。2年生の時に手塚治虫の『新選組』に強く感銘を受け、本気で漫画家を志す[1]。
高校卒業後も地元のデザイン専門学校で学びながら投稿を続けた。1969年、10作ほど投稿後、同郷の漫画家、平田真貴子のつてで講談社に持ち込みをした。そこで「何か短い作品を」と言われ、忘れられないうちにと2週間で20数枚の作品を仕上げ提出。その作品『ルルとミミ』が『なかよし』夏休み増刊号に掲載されてデビューした[1][2]。
同年10月頃上京。竹宮惠子と共同アパートで生活し、後に24年組と呼ばれることとなる漫画家たちと切磋琢磨の日々を送った。このアパートは後に大泉サロンと呼ばれることになる。ここで増山法恵から、様々な文化的な知識を吸収する。
その後、描きたいSFをテーマにした作品が採用されない時期が2年ほど続き、竹宮に伴われ小学館へネームを持ちこんだ。そこで編集者の山本順也に可能性を認められ、「自由にわがままに思い切り描かせたい」という方針のもと、本領を発揮するようになる[3]。1972年には、中学時代に読んだ石ノ森章太郎の『きりとばらとほしと』の吸血鬼の設定の一部をヒントにし、『ポーの一族』の連載を開始した[4]。
増山法恵の影響で、少年愛の世界に傾倒し始めた竹宮が萩尾を誘い、『悲しみの天使』という少年愛がテーマの映画を観に行ったが、それがバッドエンドであったために萩尾は主人公に同情し、救いのある話を、と『トーマの心臓』に着手した[1]。しかし、『トーマの心臓』を趣味的な作品と考えていた萩尾は、読者がついてこないのではないかと不安に思っていた。その不安は現実となり、初回の読者アンケートは最下位。既に萩尾の担当編集を離れ編集長になっていた山本からは打ち切りを宣告されたが、「もう少しで終わりになるから」と萩尾がかわしているうちに『ポーの一族』が単行本化され、初版3万部が3日で完売。『トーマの心臓』の評判も上がり連載は33回まで続くこととなった[3]。1976年には『ポーの一族』『11人いる!』で第21回小学館漫画賞を受賞した。
1980年『スター・レッド』、1983年『銀の三角』、1985年『X+Y』で星雲賞コミック部門受賞。1984年に発表した『半神』は、1986年に萩尾と野田秀樹による脚本で、夢の遊眠社によって上演された。1991年には厳格だった母親との葛藤を基にした『イグアナの娘』を発表し[5]、1996年にテレビ朝日系でドラマ化された。また、 1993年には三重県明和町で行われた野外演劇『斎王夢語』の脚本を手がけた。1997年『残酷な神が支配する』で第1回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞、2006年『バルバラ異界』で第27回日本SF大賞受賞。
手塚治虫文化賞選考委員を第7回(2003年)から第12回(2008年)までつとめた。また、2008年秋より、月刊アフタヌーンの漫画賞「四季賞」の選考委員[6]。
[編集] 関連項目
[編集] 作家
萩尾から影響を受けたと語る人物を記す。
[編集] アシスタント
[編集] 著作
[編集] 漫画
- 1969年
- ルルとミミ(『なかよし』夏休み増刊号)
- すてきな魔法(『なかよし』9月増刊号)
- 1970年
- 1971年
- ポーチで少女が小犬と(『COM』1月号)
- ベルとマイクのお話(『少女コミック』3・4合併号)
- 雪の子(『別冊少女コミック』3月号)
- 塔のある家(『少女コミック』12号)
- 花嫁をひろった男(『少女コミック』春の増刊号)
- ジェニファの恋のお相手は(『なかよし』4月号)
- かたっぽのふるぐつ(『なかよし』4月号増刊)
- かわいそうなママ(『別冊少女コミック』5月号)
- 精霊シリーズ(1971年-1974年)
- 精霊狩り(『別冊少女コミック』1971年7月号)
- ドアの中の私の息子(『少女コミック』1972年4月号)
- みんなでお茶を(少女コミック』1974年4月号)
- モードリン(『少女コミック』29号)
- 小夜の縫うゆかた(『少女コミック』夏の増刊)
- ケネスおじさんとふたご(『別冊少女コミック』9月号)
- もうひとつの恋(『少女コミック』39号)
- 10月の少女たち(『COM』10月号)
- 秋の旅(『別冊少女コミック』10月号)
- 白き森白き少年の笛(『少女コミック』45号)
- 11月のギムナジウム(『別冊少女コミック』11月号)
- 白い鳥になった少女(『別冊少女コミック』12月号) 原作:アンデルセン「パンをふんだ娘」
- セーラ・ヒルの聖夜(『少女コミック』冬の増刊号)
- 1972年
- あそび玉(『別冊少女コミック』1月号)
- みつくにの娘(『別冊少女コミック』お正月増刊)
- 毛糸玉にじゃれないで(『少女コミック』2号)
- ポーの一族(『別冊少女コミック』、1972年-1976年)
- 3月ウサギが集団で(『少女コミック』10号)
- ごめんあそばせ!(『少女コミック』12号)
- 妖精の子もり(『別冊少女コミック』5月号)
- 6月の声(『別冊少女コミック』6月号)
- ママレードちゃん(『少女コミック』23号)
- ミーア(『少女コミック』35号)
- とってもしあわせモトちゃん(『別冊少女コミック』『少女コミック』『ちゃお』『おひさま』1972年-1976年)
- 1973年
- 千本めのピン(『週刊少女コミック』正月増刊フラワーコミック)
- キャベツ畑の遺産相続人(『少女コミック』15号)
- オーマイ ケセィラ セラ(『少女コミック』21号)
- 1974年
- ハワードさんの新聞広告(『別冊少女コミック』3月号)
- ユニコーンの夢(『別冊少女コミック』4月号)
- トーマの心臓
- トーマの心臓(『少女コミック』1974年19号 - 52号)
- 湖畔にて - エーリク 十四と半分の年の夏(『ストロベリーフィールズ』に書き下ろし)
- 訪問者(『プチフラワー』1980年春の号・創刊号)
- まんがABC(『別冊少女コミック』6月号)
- プシキャット・プシキャット(『少女コミック』夏の増刊フラワーコミック)
- 1975年
- この娘うります!(『少女コミック』1975年6 - 16号)
- 温室(『セブンティーン』6月号)
- アロイス(『花とゆめ』10・11合併号 - 12号)
- 11人いる!
- 11人いる!(『別冊少女コミック』1975年9 - 11月号)
- 続・11人いる! 東の地平・西の永遠(『別冊少女コミック』1976年12月号 - 1977年2月号)
- スペース ストリート(『別冊少女コミック』1977年3 - 9月号)
- 赤ッ毛のいとこ(『セブンティーン』11月 - 1976年8月号)
- ヴィオリータ(『JOTOMO』12月号)
- 1976年
- 1977年
- 影のない森(『ビッグコミックオリジナル』2月5日号)
- Bradbury傑作選 原作:レイ・ブラッドベリ
- 十年目の毬絵(『ビッグコミックオリジナル』3月20日号)
- マリーン(『セブンティーン』5月号) 原作:今里孝子
- 百億の昼と千億の夜(『週刊少年チャンピオン』1977年34号 - 1978年2号) 原作:光瀬龍
- 1978年
- 1979年
- 1980年
- 1981年
- 一角獣種シリーズ
- A-A’(『プリンセス』1981年8月号)
- 4/4カトルカース(『プチフラワー』1983年11月号)
- X+Y(『プチフラワー』1984年7 - 8月号)
- 一角獣種シリーズ
- 1982年
- モザイク・ラセン(『プリンセス』9 - 12月号)
- 1983年
- 城(『プチフラワー』9月号)
- 1984年
- 1985年
- 1988年
- 完全犯罪 フェアリー(『プチフラワー』2 - 3月号)
- フラワーフェスティバル(『プチフラワー』7月号 - 1989年1月号・3・5・7月号)
- 1989年
- 海賊と姫君(『プチフラワー』9月号)
- 青い鳥(『プチフラワー』11月号)
- 海のアリア(『ASUKA』1989年8月号- 1991年5月号)
- 1990年
- ローマへの道(『プチフラワー』1・3・5・7・9月号)
- 真夏の夜の惑星(『プチフラワー』11月号)
- 1991年
- ロットバルト(『プチフラワー』1月号)
- ジュリエットの恋人(『プチフラワー』3月号)
- 感謝知らずの男(『プチフラワー』1991年5月号 - 1992年3月号)
- いるかいないかさがし(『週刊朝日百科「動物たちの地球」』1号(1991年6月23日805号)-72号
- カタルシス(『プチフラワー』11月号)
- 1992年
- イグアナの娘(『プチフラワー』5月号)
- 残酷な神が支配する(『プチフラワー』1992年7月号-2001)
- あぶない丘の家(『ASUKA増刊ファンタジーDX』1992年夏の号・秋の号 - 1994年10月号)
- 1994年
- 午後の日差し(『ビッグゴールド ビッグコミック増刊』14号)
- 学校へ行くクスリ(『ビッグゴールド ビッグコミック増刊』16号)
- 1998年
- 帰ってくる子(『チャイルド 異形コレクション7』に書き下ろし)
- 2002年
- バルバラ異界(『フラワーズ』2002年9月号 - 2005年8月号)
- 2005年
- 朝はバニラの香り(『フラワーズ』2005年12月号)
- 2006年
- あぶな坂HOTEL(『YOU』2006年第2号)
- 長靴をはいたシマ猫 (講談社MOOK「猫本」)
- ここではないどこか
- 山へ行く(『フラワーズ』2006年4月号)
- 宇宙船運転免許証(『フラワーズ』2006年5月号)
- あなたは誰ですか(『フラワーズ』2006年6月号)
- ゆれる世界(『フラワーズ』2006年7月号)
- メッセージ(『フラワーズ』2006年8月号)
- ビブラート(『フラワーズ』2006年11月号)
- 駅まで∞(『フラワーズ』2006年12月号)
- くろいひつじ(『フラワーズ』2007年1月号)
- 貴婦人-メッセージその2-(『フラワーズ』2007年3月号)
- 柳の木(『フラワーズ』2007年5月号)
- 青いドア(『フラワーズ』2007年8月号)
- オイディプス-メッセージその3-(『フラワーズ』2007年9月号)
- 世界の終わりにたった一人で(『フラワーズ』2007年10 - 11月号)
- あぶな坂HOTEL-3人のホスト-(『YOU』2006年第17号)
- 2007年
- さみしいときは(『フラワーズ』2007年4月号)
- バースディ・ケーキ(『SF Japan』2007年SUMMER号)
- 2008年
- レオくん
- レオくんのグルメ日記(『フラワーズ』2008年2月号)
- レオくんの映画スター(『フラワーズ』2008年3月号)
- レオくんの小学一年生(『フラワーズ』2008年7月号)
- レオくん
[編集] 小説
- 三年生のための創作童話(『小三教育技術』1975年4月号 - 1976年3月号)
- 音楽の在りて(『奇想天外』1977年4月号)
- CMをどうぞ(『奇想天外』1977年6月号)
- マンガ原人(『奇想天外』1977年8月号)
- 守人達(『奇想天外』1977年10月号)
- 闇夜に声がする(『奇想天外』1977年12月号)
- 子供の時間(『奇想天外』1978年2月号)
- ヘルマロッド殺し(『奇想天外』1978年4月号)
- プロメテにて(『奇想天外』1978年9月号)
- おもちゃ箱(『奇想天外』1978年11月号)
- クレバス(『奇想天外』1979年1月号)
- 美しの神の伝え(『奇想天外』1979年3月号 - 1980年2月号)
- 憑かれた男(『ソワレ』1977年12月号)
- 左手のパズル(書き下ろし)
[編集] 絵本・画集
- とってもしあわせモトちゃん - メルヘンリーフ 小学館 1972年12月
- 月夜のバイオリン - 萩尾望都童話の世界 - オリオン出版 1976年10月
- ストロベリーフィールズ - 新書館 1976年11月
- 少年よ - 萩尾望都イラスト詩集 - 白泉社 1976年12月
- 萩尾望都の世界 - 徳間書店 1978年7月
- Cherish Gallery 萩尾望都 自選複製原画集 - 白泉社 1978年9月
- 金銀砂岸 - 新書館 1980年8月
- 宇宙叙事詩 - 小学館 1972年12月
- 月夜のバイオリン - 新書館 1981年12月
- 狩人は眠らない - 幻境にて - チェリッシュ絵本館 白泉社 1984年5月
- 左手のパズル - 新書館 1995年8月 (絵・東逸子)
- 萩尾望都イラスト集 残酷な神が支配する - 小学館 2002年4月
- 金銀砂岸 - 増補愛蔵版 ブッキング 2006年8月
- トリッポンのこねこ - 教育画劇 2007年2月 (絵・こみねゆら)
- トリッポンとおばけ - 教育画劇 2007年2月 (絵・こみねゆら)
- トリッポンと王様 - 教育画劇 2007年2月 (絵・こみねゆら)
[編集] TVゲーム
[編集] 作品提供
[編集] ドラマ
- NHK少年ドラマシリーズ『11人いる!』(1977年1月)
- テレビ東京月曜女のサスペンス『春雷の目撃者 - その夜少女の告白は悲鳴に変わった』(1990年3月5日) - 原作「モードリン」
- テレビ朝日『イグアナの娘』(1996年4 - 6月) - 原作「イグアナの娘」
[編集] 映画
[編集] 舞台
- キュルトヘンの帽子 - グリムの国のジグソーパズル(1985年8月) - 原作・脚本を担当
- 半神 - 原作「半神」・脚本を共作
- アロイス(1992年7月) - 原作「アロイス」
- 斎王夢語(1993年9月) - 脚本を担当
- 演出・脚色:森田高并/三重県明和町国史跡特設会場
- 半神
- 劇団Studio Life『トーマの心臓』(1996年2月、1997年3月、1999年3月、2000年12月 - 2001年1月、2001年2月、2003年2月 - 3月、2006年)
- 劇団Studio Life『訪問者』(1998年7月、 2000年12月 - 2001年1月、2001年2月)
- アメリカン・パイ(2003年6 - 7月) - 原作「アメリカン・パイ」
- 演劇ユニット アクサル『11人いる!』(2004年6 - 7月)
- 劇団Studio Life『メッシュ』(2005年6月 - 7月)
[編集] ラジオドラマ
[編集] TV出演
- 笑っていいとも テレフォンショッキングのゲスト(1985年7月23日)
[編集] 映画出演
[編集] 参考文献
- 藤本由香里『少女まんが魂 現在を映す少女まんが完全ガイド&インタビュー集』白泉社、2000年12月、ISBN 4592731786
[編集] 脚注
- ^ a b c d e 立花隆ゼミ『調べて書く、発信する』インタビュー集 二十歳のころ 萩尾望都インタビュー参考。
- ^ 「漫画の道に不可能ない」漫画家・萩尾望都語る - MSN産経ニュース参考。
- ^ a b 西日本新聞 九集の100冊「千年書房」萩尾望都「トーマの心臓」参考。
- ^ 石ノ森章太郎 萬画大全集 動画インタビュー 萩尾望都参考
- ^ 『少女まんが魂 現在を映す少女まんが完全ガイド&インタビュー集』202頁参考。
- ^ 月刊アフタヌーン 2008年7月号 369頁参考。
- ^ 森博嗣『森博嗣のミステリィ工作室』参考
- ^ 『海のアリア①』解説「『精霊狩り』から始まった」参考


