ポーの一族

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ポーの一族』(ポーのいちぞく) は、萩尾望都による日本漫画作品。漫画雑誌『別冊少女コミック1972年3月号から1976年6月号に断続的に連載された。

目次

[編集] 概要

1972年、萩尾は中学時代に読んだ石ノ森章太郎の『きりとばらとほしと』の吸血鬼の設定の一部をヒントにして連載を開始[1]1974年に発売された単行本の初版3万部は発売から3日で完売した[2]1976年、第21回小学館漫画賞を受賞。

西洋に伝わる吸血鬼(バンパネラ)伝説を題材にした、少年の姿のまま永遠の時を生きる運命を背負わされた吸血鬼エドガーの物語。成長の代償に失うもの、大人になれない少年の姿が描写されている。200年以上の時間が交錯する構成で、舞台は18世紀の貴族の館から20世紀のギムナジウムまでさまざまである。作品発表当時としては異色の作品であり、少女漫画の読者層を増やした作品であると評価されている[3]。また、バンパネラ一族名「ポー」、主要人物エドガーとアランの名前はエドガー・アラン・ポーに一致する。

[編集] 作品

  1. すきとおった銀の髪(『[別冊少女コミック』1972年3月号)
  2. ポーの村(『別冊少女コミック』1972年7月号)
  3. グレンスミスの日記(『別冊少女コミック』1972年8月号)
  4. ポーの一族(『別冊少女コミック』1972年9月 - 12月号)
  5. メリーベルと銀のばら(『別冊少女コミック』1973年1月 - 3月号)
  6. 小鳥の巣(『別冊少女コミック』1973年4月 - 7月号)
  7. エヴァンズの遺書(『別冊少女コミック』1975年1月 - 2月号)
  8. ペニーレイン(『別冊少女コミック』1975年5月号)
  9. リデル・森の中(『別冊少女コミック』1975年6月号)
  10. ランプトンは語る(『別冊少女コミック』1975年7月号)
  11. ピカデリー7時(『別冊少女コミック』1975年8月号)
  12. はるかな国の花や小鳥(『少女コミック』1975年37号)
  13. ホームズの帽子(『別冊少女コミック』1975年11月号)
  14. 一週間(『別冊少女コミック』1975年9月号)
  15. エディス(『別冊少女コミック』1976年4月・6月号)

[編集] 登場人物

[編集] 年表


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


エドガーとメリーベル、エヴァンズ伯爵夫人の命でイルリー乳母により森へ捨てられる。老ハンナ・ポー、エドガーとメリーベルを拾う。
  • 1751年 フランク・ポーツネル男爵とシーラ(20歳)が結婚。
メリーベル、アート男爵家の養女に。
  • 1754年 老ハンナ・ポー、消滅。エドガー、大老ポーによりバンパネラに。エドガー、スコッティの村を追われポーツネル男爵夫妻と町へ。
  • 1757年 メリーベル、オズワルド・オー・エヴァンズ(22歳)とユーシス・エヴァンズに会う。ユーシス・エヴァンズ自殺。メリーベル、エヴァンズ家の養女に。メリーベル、エドガーに連れられバンパネラに。(「メリーベルと銀のばら」)
  • 1780年 オズワルド・オー・エヴァンズ、遺書を遺して死亡。
  • 1783年 クリフォード・エヴァンズ、館を図書館として市に寄贈。
  • 1810年 クリフォード・エヴァンズ、息子ヘンリー・エヴァンズにオズワルド・オー・エヴァンズの遺書を託して死去。
  • 1815年? エドガーとメリーベル、チャールズ(14歳)の近所に滞在。(「すきとおった銀の髪」)
  • 1820年1月 エドガーとメリーベル、ヘンリー・エヴァンズの館に滞在。(「エヴァンスの遺書」)
  • 1845年? エドガーとメリーベル、チャールズ(44歳)に会う。(「すきとおった銀の髪」)
  • 1865年7月7日 グレンスミス・ロングバード男爵(20歳)、ポーの村で2夜を過ごす。(「ポーの村」)
  • 1879年 エドガーとメリーベル、ポーツネル男爵夫妻とポーの村からシティへ移る。
メリーベル、ジャン・クリフォードに撃たれて消滅。ポーツネル男爵夫妻、消滅。エドガー、ジャン・クリフォードを撃つ。
アラン・トワイライト(14歳)、エドガーに連れられバンパネラに。(「ポーの一族」)
エドガー、アランを連れてウィッシュ村へ。
リデル、森でエドガーとアランと暮らし始める。(「ペニー・レイン」)
  • 1887年春 リデル(10歳)、エドガー、アランと別れて祖母と暮らし始める。(「リデル・森の中」)
  • 1888年9月30日 - 1889年4月15日 アーサー・トマス・クエントン卿、エドガーを描く。
  • 1889年8月21日 クエントン卿(33歳)、バンパネラに。
  • エドガー、エルゼリ・バードと会う?(「はるかな国の花や小鳥」)
  • 1899年12月25日 グレンスミス・ロングバード男爵、死亡。
  • 1900年 グレンスミスの娘エリザベス、トニー・ロングバードと結婚しドイツに渡る。
  • 1914年7月、第一次世界大戦勃発。トニー・ロングバード、戦死。
  • 1921年1月 エリザベスの次女ユーリエ(17歳)、死亡。
  • 1921年6月 エリザベスの長女ジュリエッタ、結婚。
  • 1922年 エリザベスの三女アンナ(17歳)、ピエール・ヘッセンと結婚。
  • エドガーとアラン、ポリスター卿に会いにロンドンへ?その後ラトランドへ?(「ピカデリー7時」)
  • 1923年 アンナ・ヘッセンの長男ピエール、誕生。
  • 1924年 アンナ・ヘッセンの長女エレーナ、誕生。
  • 1932年 アンナ・ヘッセンの四女マルグリット、誕生。
  • 1933年 アンナ・ヘッセンの次女ベルタ、死亡。
  • 1934年 ジョン・オービン(34歳)、ロンドンでエドガーに会う。(「ホームズの帽子」)
  • 1940年 ジョン・オービン、リデラード・ソドサにエドガーの話を聞く。(「リデル・森の中」)
  • 1942年 マルグリット・ヘッセン、エリザベス・ロングバードからグレンスミスの日記の話を聞く。(「グレンスミスの日記」)
  • 1945年 ジョン・オービン、エヴァンズ図書館でオズワルド・オー・エヴァンズの遺書とドクトル・トドの手記を発見。
  • 194?年 - 1952年夏 エドガーとアラン、ミッドランドでロビン・カーに会う。
  • 1950年8月21日 ドン・マーシャル、レスターへ旅行中にクエントン卿の館でエドガーを描いた絵を発見。国定公園の文化記念館でエドガー、アランと一夜を過ごす。
  • 1952年 ロビン・カー、両親が離婚し母親とリバプールへ。ロビン・カー、父親に連れられスイスへ。ロビン・カーの父、ロビンを西ドイツのガブリエル・スイス・ギムナジウムへ残して再婚しイタリアへ。
  • 1953年 ドン・マーシャル、同人誌に「ランプトン」を発表。
  • 1957年5月 ロビン・カー(12歳)、創立記念祭の前日に飛び下り自殺。
エドガーとアラン、ロビン・カーを迎えにリバプールへ。
アラン、カレンとジューンに会う? エドガーとアラン、リトルへブンでポラスト先生に会いドーバー海峡を越える?(「一週間」)
エドガーとアラン、ロビン・カーを追いスイスへ。
  • 1959年3月 エドガーとアラン、ガブリエル・スイス・ギムナジウムに転入。(「ポーの一族」「小鳥の巣」)
マルグリット・ヘッセンの甥ルイス、グレンスミスの日記の話を聞き、エドガーにメリーベルのことを尋ねる。(「グレンスミスの日記」)
  • 1959年5月 エドガーとアラン、マチアスを一族に加えようとするが、消滅。キリアン・ブルンスウィッグ、マチアスに噛まれる。エドガーとアラン、転校。(「小鳥の巣」)
  • 1960年 グレンスミスの曾孫マルグリット・ヘッセン、「グレンスミスの日記」発表。
  • 1964年 ドン・マーシャル(36歳)、マルグリット・ヘッセンと結婚。
  • 1965年夏 ドン・マーシャルとマルグリット、「パンパネラ狩り」を発表。
ジョン・オービン、クエントン卿の館を購入。
  • 1966年春 ルイス・バード、キリアン・ブルンスウィッグとテオドール・プロニスを訪ねる。
  • 1966年7月 ジョン・オービン、クエントン卿の館で集会を開く。館が出火し、シャーロッテ・エヴァンズ(14歳)死亡。(「ランプトンは語る」)
  • 1976年 エドガーとアラン、ロンドンでエディス・エヴァンズ(14歳)に会う。
アラン、ストラスフォードのクエントン卿からもらった絵をエディス・エヴァンズに渡す。
ジョン・オービン、エドガーに再会。
アラン、消滅?(後に萩尾自身が「アランが散っていたらエドガーは絵をあんなところに投げていなくなったりしない」と語っている。)
ジョン・オービン、クエントン卿を目撃。(「エディス」)

[編集] 作品中のマザーグース

『ポーの一族』には随所にマザーグースの詩の一節が用いられている。「メリーベルと銀のばら」に出てくる「ハンプティ・ダンプティ」(Humpty Dumpty)、「小鳥の巣」の「クック・ロビン」(Who killed Cock Robin?)、「ピカデリー7時」の「オレンジとレモン」(Oranges and Lemons)、「一週間」の「ジョージィ・ポージィ」(Georgie Porgie)など[要出典]

[編集] 作品中でのバンパネラの特徴

人間の血を吸うほかは、赤いバラやそのエキスを食用とし、基本的にそれ以外の食べ物は摂らない。また、ある程度の技量があれば、相手をバンパネラ化させることなく血を吸うことができ、触れるだけで生気を吸い取れるという(「ポーの村」)。映らないとされるに映るよう偽装することができる(「ポーの一族」)。十字架聖書は慣れることである程度苦手を克服できるが、十字架そのものよりも、それに込められた信仰が彼らにとっての脅威となる。

[編集] 番外編『とってもしあわせモトちゃん』

別作品のラブコメギャグ漫画『とってもしあわせモトちゃん』番外編「ジョニーウォーカーくんのバラのものがたり」には、自己パロディというべき、自称「ポーの一族のギャグタッチ」であるエロガー・ポーチネロが登場する。

ジョニー・ウォーカーは病気で寝ているガールフレンドのチェリーを見舞うため、バラを育てていた。おなかをすかせたエロガーはバラのつぼみを見つけると、モトちゃん(主人公であるかわいい生き物)に「咲いたら食べられる」という。これを見つけたジョニーは慌ててバラから追い払い、エロガーたちがおなかをすかせているのを見て食事を振る舞うが、エロガーは手を付けようとしない。そこでエロガーは自分の正体(バンパネラ)を明かし、ジョニーの血を吸おうとするが失敗。そのままジョニーの家に泊めてもらうが、翌朝花の咲いたバラを盗んでいってしまった。エロガーはバラを食べようとしたが、たまたま通りかかった家の少女(実はチェリー)が可愛いかったので譲り、そのまま去っていった。

エロガーはエドガーをシニア(一世)、自らをジュニア(二世)と称したが、実際の関係は不明。

[編集] ラジオドラマ

NHK-FM1980年1月1日 - 1月6日に放送された。

[編集] ラジオ

「連続ラジオドラマ ポーの一族」として、ラジオ関西で2007年10月6日より、アニたまどっとコムにて別バージョンがWEBラジオとして放送された[4]。ラジオドラマは地上波のみの放送だった。

[編集] パーソナリティ

[編集] ゲスト

[編集] ドラマCD

各4話ずつ収録で全6巻が発売された。ラジオとは異なるディレクターズカット版を収録し、原作者・萩尾望都のオリジナル図版を使用した特製リバーシブルジャケットを封入。

  • 出演者
エドガー:朴璐美
アラン:斎賀みつき
メリーベル:いのくちゆか
ポーツネル男爵:石飛幸治
男爵夫人:佐々木瑶子

[編集] 脚注

[編集] 外部リンク

小学館漫画賞少年少女部門
第20回 昭和49年度
(『漂流教室』ほか
楳図かずお
第21回 昭和50年度
『ポーの一族』・『11人いる!
萩尾望都
第22回 昭和51年度
がんばれ元気』/小山ゆう
キャプテン』・『プレイボール
ちばあきお
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