致死性家族性不眠症

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致死性家族性不眠症(ちしせいかぞくせいふみんしょう、Fatal Familial Insomnia:FFI)は、幻覚、重度の進行性不眠症頻脈等の症状に続き、全身の不随意運動痴呆を主徴とする中枢神経の変性疾患。WHO国際疾病分類第10版(ICD-10)ではA810、病名交換用コードはARCH。治療法は現在のところ見つかっておらず、発症後の余命は多くの場合約2年以内。[1]

イタリアの家系で見出され、日本ではごく少数の家系に見出されるのみである。[1]日本においても、変異性クロイツフェルト・ヤコブ病ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群と共にプリオン病に分類される。[1]プリオン蛋白遺伝子の変異した家系に見られるが、ほぼ同一の症状を示す散発性の遺伝子変異を持たない症例もある。後者は原因不明であり視床変性型CJDとして報告されている。いずれの場合も遺伝性があり、多くの場合は40~50歳代で発症し男女差はない。[1]また、脳波の周期性同期性放電は見られず、多くの場合発症から1年以内に昏睡に陥る。[1]なお、患者の脳組織には異常プリオンが蓄積されているため、伝達性がある。

症状[編集]

視床内で遺伝子異常により異常プリオンが発生、脳神経細胞が変性する。人間は通常、脳幹から視床を通り大脳新皮質に「寝ろ」という命令が行き渡り、外部からの刺激を遮断して睡眠に至るが、視床内の脳細胞が変性により機能しなくなることで、外部から大脳皮質への刺激が遮断されず、夜間の興奮や不眠などの症状が現れた末、約1年で意識がなくなり衰弱の末死に至る。[1]

症状が進行すると、睡眠でも覚醒でもなく、その狭間にいる奇妙な状態になる。

治療法[編集]

現在特効薬や有効な治療法は見つかっていない。[1]

関連項目[編集]

関連書籍[編集]

  • 『眠れない一族 食人の痕跡と殺人タンパクの謎』 ダニエル・T・マックス(紀伊国屋書店)
  •  ナショナル ジオグラフィック、2010年5月号 [日本版] p.90-109

脚注[編集]

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外部リンク[編集]