グリム童話

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グリム童話(グリムどうわ、ドイツ語: Kinder- und Hausmärchen (KHM): キンダー ウント ハオスメルヒェン 子供たちと家庭の童話)はヤーコプ・ルートヴィヒ・カルル・グリムヴィルヘルム・カール・グリムからなるグリム兄弟によって編集された童話集。KHM200番までの他に児童の読む聖者物語 (Kinderlegenden) が10番まである。なお、初版の挿絵を描いた兄弟の末弟のルートヴィヒ・エーミール・グリムも著者と見なされる場合もある。

目次

[編集] 歴史

グリム童話が出版された時代、ドイツではシュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒涛)と呼ばれる文学運動が発生し、ドイツ固有の文学の見直しが叫ばれ、民謡童話に注目が集まっていた。その結果、様々な民謡集や童話集が発行されたが、その大半は編者による改作を受けており、原話とはほど遠いものとなっていた。そのため、グリム兄弟は資料性を求めて独自に童話の原話の収集を始める。1803年に兄弟はマールブルク大学ロマン派ブレンターノアヒムに出会った。

1810年頃、ブレンターノから童話集出版の話を持ちかけられた兄弟は草稿を貸し出すが、ブレンターノはこれを紛失し、童話集の話も流れてしまった。(20世紀に入って、この草稿はエーレンベルク修道院で発見されたため、『エーレンベルク稿』(Ölenberger Handschrift)と呼ばれる。)後に兄弟が自分たちの手で草稿の写しを元に1812年(第2巻は1815年)に発行した童話集が『グリム童話』の愛称で知られる『子どもと家庭の童話』である。初版発行時に文章の拙さ(兄弟が田舎の無学な女性から聞き取ったためとされた)や性的表現に対してクレームがついたため、数度にわたり改訂が行われた。日本でグリム童話が初めて紹介されたのは1924年(大正十三年)のことで、翻訳家、金田鬼一の手により完訳(断片、方言物を含む)。今では計248篇ものグリム童話を手軽に読むことができるようになった。また、初版の訳本も出版されている。

  • 草稿 - エーレンベルク稿
  • 初版 - 1812年(第2巻は1815年)156話
  • 第2版 - 1819年 161話
  • 第3版 - 1837年 168話
  • 第4版 - 1840年 178話
  • 第5版 - 1843年 194話
  • 第6版 - 1850年 200話
  • 第7版 - 1857年 200話

[編集] 民話研究の論点から

フランスペローが出版した『ペロー童話集』とは、同じ物語も収録されており、しばしば比較研究の対象とされる。後世の研究により、グリム童話集は長い間信じられていたような「ドイツの農家の非識字者の老婆から聞き取りをして、改変せずに出版されたもの」とは程遠いというのが、今日では通説になりつつある。物語研究者の間では有名な話であるが、グリムは版を重ねるごとに、物語を少しずつ改変(再話)している(例えば、白雪姫の実母を継母へ変更)。また、物語の採集元となった人物も少しずつ明らかになってきており、非識字者の老婆などというのは一人もいないのではないかとする意見もある。

ハインツ・レレケらの研究から例を挙げると、「フィッチャーの鳥」「めっけどり」「三枚の羽」などの提供者フリーデリケ・マンデルは、牧師の娘でフランス語を自由に操り、文学的教養も非常に高い。「一緒に暮らした猫とネズミ」「マリアの子ども」の提供者カッセルの町の薬局婦人ドロテア・ヴィルトとその娘は、ヴィルト夫人の父親はスイス出身の解剖学教授であり、母親は有名な言語学者の娘である。また、「赤ずきん」「いばら姫」「盗賊のお婿さん」などの提供者マリー・ハッセンプフルークとその妹たちの父親は、ヘッセン選帝侯国の高級官僚である。このころ、ペローの童話集はすでに刊行されており、文化的な家庭ではこの物語が読まれていた可能性も指摘され、一部の作品についてはドイツの民話を採集したものであるかどうかを疑う意見もある。しかし、民話を研究する上で貴重な資料であることには異論がない。

KHM 47 百槇の話(びゃくしんのはなし Von dem Machandelboom)のように、「マザー・グース」と共通するモチーフが見られる例もある。

グリム童話ほど有名ではないが、ルートヴィヒ・ベヒシュタインが発表したドイツ童話の本なども、グリムと同系統の民話をモチーフとしており、論文などでもよく比較されている。

[編集] KHMのリスト

[編集] 児童の読む聖者物語(Kinderlegenden)

[編集] 第7版までに削除された話

[編集] 関連文献

  • 竹原威滋『グリム童話と近代メルヘン』 三弥井書店 2006年 ISBN4-8382-3145-8

[編集] 外部リンク