イタロ・カルヴィーノ

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イタロ・カルヴィーノ
Italo Calvino
Italo Calvino intervistato da Luigi Silori in RAI (1958).jpg
イタリアのテレビ取材をうけるカルヴィーノ(1958)
誕生 1923年10月15日
キューバの旗 キューバハバナ近郊
死没 1985年9月19日(満61歳没)
イタリアの旗 イタリア・シエーナ
職業 作家評論家
国籍 イタリアの旗 イタリア
主な受賞歴 オーストリア国家賞(1976)
世界幻想文学大賞生涯功労賞(1982)
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イタロ・カルヴィーノItalo Calvino, 1923年10月15日 - 1985年9月19日)は、イタリア小説家SF作家幻想文学作家児童文学作家、文学者、評論家。20世紀イタリアの国民的作家とされ、多彩な作風で「文学の魔術師」とも呼ばれる。

経歴[編集]

キューバハバナ近くの村で農学者の父と植物学者の母の間に生まれる。2歳の時に両親とともにイタリアに戻り、20歳までサンレーモで過す。トリノ大学農学部に入学。1943年ムッソリーニ失脚に伴い1945年のイタリア解放に至るまで、弟と一緒にパルチザンに参加し、ガリバルディ旅団に属した。

戦後はトリノ大学文学部に編入して卒業し、エイナウディ社編集部に入った。またイタリア共産党員としても活動し、機関誌『ウニタ』の編集局員も勤めたが、ハンガリー動乱などの社会的動向の影響で1956年に脱党した。

戦後、1945年に書いた短編小説が、カルヴィーノの2人の父と言われるパヴェーゼ、ヴィットリーニの目に止まり、雑誌『アレトゥーザ』『ポリテークニコ』に掲載されて作家デビュー。1947年にパルチザンでの体験を元にした長編『くもの巣の小道』を発表し、ネオレアリズモ文学の傑作と評される。その後、1952年の『まっぷたつの子爵』[1]、続いて『木のぼり男爵』[2]『不在の騎士』[3]という寓話的でファンタスティックな要素を持つ作品を発表。アンチ・ネオリアリズモ作品として注目を集め、この3作は1960年に『我々の祖先』(Il nostriantenati)と題した一巻としてまとめられた。その後も、科学的知見と空想力を駆使した『レ・コスミコミケ』、『柔らかい月』や、メタフィクションの手法による『冬の夜ひとりの旅人が』、マルコ・ポーロを語り手に架空の都市を描いてゆく『見えない都市』など、時に実験的な手法も取り入れた作品を主に発表するようになる。

1954-56年にかけては、「グリム童話集」に匹敵するものをという出版社の依頼で、イタリア全土から採集した民話をまとめた『イタリア民話集』の編纂も手掛けた。類型を整理した200編の民話を地域別にまとめ、また方言からの書き起こしなどもおこなった労作で、「「ピノッキオ」以来、イタリアに登場した子ども向けの本としてはもっともうつくしい作品[4]」(ナタリア・ギンズブルグ)と評された。

1959年にはヴィットリーニとともに雑誌『メナボー』を創刊、ヴィットリーニの死とともに1967年に終刊。

1962年にはオムニバス映画ボッカチオ'70」の第一話『レンツォとルチアーナ』の合同脚本に一部参加する。1970年にはアリオストオルランド狂乱』の現代向け編集版を、アルフレード・ジュリアーノによる『エルサレム解放』と同時刊行。

1976年には、国際文化交流基金の使節として来日し、その時の印象を記したエッセイは『砂のコレクション』の第一部に収められている。またこの時に、翻訳者の河島英昭米川良夫脇功らとも交流した。

60年代末からパリに「隠者として」居住し、晩年の5年間はローマに住んだ。1985年に脳卒中シエナの病院で死去。この時はコッシガ大統領も病院へ弔問に訪れたという。未完に終わった文学論『カルヴィーノの文学講義』は死後1988年に刊行された。

作品リスト[編集]

中編小説[編集]

  • くもの巣の小径 (Il Sentiero Dei Nidi Di Ragno) 1947年
  • アルゼンチン蟻 (La Formica Argentina) 1952年
  • まっぷたつの子爵 (Il Visconte Dimezzato) 1952年 ※『我々の祖先』三部作の1作目
  • 木のぼり男爵 (Il Barone Rampante) 1957年 ※『我々の祖先』三部作の2作目
  • 遠ざかる家 (La Speculazione Edilizia) 1957年
  • ポー川の若者たち (I giovani del Po) 1958年
  • スモッグ (La nuvola di smog) 1959年
  • 不在の騎士 (Il Cavaliere Inesistente) 1959年 ※『我々の祖先』三部作の3作目
  • 投票立会人の一日 (La giornata di uno scrutatore) 1963年
  • 見えない都市 (Le Città Invisibili) 1972年
  • 冬の夜ひとりの旅人が (Se Una Notte D'Inverno Un Viaggiatore) 1979年

短編集[編集]

  • 最後に鴉がやってくる (Ultimo viene il corvo) 1949年
  • 短編集(『むずかしい愛』『魔法の庭』) (I racconti) 1958年
  • レ・コスミコミケ (Le cosmicomiche) 1965年
  • 柔かい月 (Ti Con Zero) 1967年
  • 宿命の交わる城 (Il Castello Dei Destini Incrociati) 1973年
  • パロマー (Palomar) 1983年
  • サン・ジョヴァンニの道 (La strada di San Giovanni) 1990年

ジュブナイル[編集]

  • マルコヴァルドさんの四季 (Marcovaldo ovvero Le stagioni in città) 挿絵:セルジョ・トーファノ(Sergio Tofano) 1958年、

エッセイ・評論ほか[編集]

  • 水に流して (Una pietra sopra)1980年
  • 砂のコレクション (Collezione di sabbia) 1984年
  • カルヴィーノの文学講義―新たな千年紀のための六つのメモ (Lezioni americane−Sei proposte per il prossimo millennio) 1988年
  • なぜ古典を読むのか (Perche leggere i classici) 1991年

編著[編集]

  • イタリア民話集 (Fiabe Italiane) 1956年

日本語訳作品[編集]

長編[編集]

  • 『木のぼり男爵』米川良夫訳、白水社、1974 のちUブックス  
  • 『不在の騎士』本川洋子訳(全集・現代文学の発見)学藝書林、1970 
    • 脇功訳、松籟社、1989 
    • 米川良夫訳、国書刊行会、1989 のち河出文庫 
  • 『まっぷたつの子爵』河島英昭訳、晶文社、1971 
  • 『蜘蛛の巣の小道』花野秀男訳 白夜書房、1977
    • くもの巣の小道 米川良夫訳 福武書店 1990.10 のち文庫、ちくま文庫  
  • マルコ・ポーロの見えない都市 米川良夫訳 河出書房新社 1977.7 『見えない都市』河出文庫
  • 『宿命の交わる城』河島訳、講談社、1980 のち河出文庫 
  • 『冬の夜ひとりの旅人が』脇功訳、松籟社、1981 のちちくま文庫
  • 『遠ざかる家 建築投機』和田忠彦訳、松籟社、1985
  • 砂のコレクション 脇功訳 松籟社 1988.1

短編集[編集]

  • 『マルコヴァルドさんの四季』安藤美紀夫訳、岩波書店、1968 
    • 関口英子訳、岩波少年文庫、2009 
  • 『カナリア王子』安藤美紀夫訳 福音館、1969 のち文庫  
  • 『柔かい月』脇功訳、河出書房新社、1971 のちハヤカワ文庫、河出文庫   
  • 『みどりの小鳥―イタリア民話選』河島訳、岩波書店、1978 
  • 『レ・コスミコミケ』米川訳、早川書房 1978年、のち文庫
  • イタリアの怪奇民話 渡部容子訳、評論社、1982 
  • 『イタリア民話集』河島編訳、岩波文庫、1984‐85 
  • 『パロマー』和田忠彦訳、松籟社、1988 のち岩波文庫  
  • イタリアのむかし話 悪魔にもらったズボン/ほか 大久保昭男訳 偕成社 1989.6
  • 『魔法の庭』和田忠彦訳、晶文社 1991年 のちちくま文庫
  • 『むずかしい愛』和田訳、福武書店、1991 のち岩波文庫
  • 『サン・ジョヴァンニの道 書かれなかった「自伝」』和田訳、朝日新聞社、1999/10

エッセイ・講義など[編集]

  • 『なぜ古典を読むのか』 須賀敦子訳、みすず書房、1997/ 河出文庫、2012/4
  • 『カルヴィーノの文学講義 新たな千年紀のための六つのメモ』 和田忠彦訳、朝日新聞社、1999/ 岩波文庫、2011/4
  • 『水に流して カルヴィーノ文学・社会評論集』 和田忠彦・大辻康子・橋本勝雄訳、朝日新聞社、2000

脚注[編集]

  1. ^ 若き子爵メダルドはトルコ人との戦争に出かけ、無謀にも敵の大砲の前に身をさらしてしまい、まっぷたつに吹き飛ばされる。奇跡的に故郷に帰るが、半身は極端な悪、極端な善になっていた…。
  2. ^ 意地の悪い姉バッティスタに焼いたカタツムリ団子の上に爪楊枝で串刺しにされた生のカタツムリの頭が飾られている食事を出され拒否。12歳のコジモは死ぬまで樹上生活を続ける。
  3. ^ シャルルマーニュ大帝の軍に参加したアジルールフォという白銀の鎧を身に着けた騎士が登場する。実は鎧の中には人は入ってなくて、空っぽ。「不在」の騎士だった。
  4. ^ 和田忠彦訳『魔法の庭』文庫版解説

関連項目[編集]

外部リンク[編集]