青ひげ

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ギュスターヴ・ドレによる青ひげの挿絵

青ひげ: La Barbe Bleue)は、シャルル・ペロー執筆の童話、およびその主人公の呼び名。グリム童話の初版にも収録されていたが、2版以降では削除された。

あらすじ(ペロー版)[編集]

ある金持ちの男は、青い髭を生やしたその風貌から「青髭」と呼ばれ、恐れられていた。また、青髭は、これまで何度も結婚しながら、その妻たちは、ことごとく行方不明になっていた。青髭は、ある兄妹の美人の姉妹に求婚し、紆余曲折の末、妹と結婚することになった。

結婚してしばらく経ったあるとき、青髭は、しばらくの間、外出することになったため、新妻に鍵束を渡し、「どこにでも入っていいが、この鍵束の中の小さなの小部屋にだけは絶対に入ってはいけない」と言いつけて外出していった。

しかし、新妻は好奇心の誘惑に負け、「小さなの鍵の小部屋」を開けてしまい、小部屋の中に青髭の先妻の死体を見つけた。新妻は、小部屋の中に青髭の先妻の死体を見つけた驚きで小さな鍵を血だまりに落としてしまい、すぐに小さな鍵を拾い上げたものの、魔法のかかった鍵に付いた血は、拭いても洗っても落とすことができなかった。

新妻が鍵を落としたその日の晩、外出から戻った青髭は新妻から預けた鍵束を受け取るが、立入禁止とした小部屋の小さな鍵が無かったことから、これを咎め、持ってこさせたものの、血の付いた小さな鍵を見て青髭は新妻が何をしたかを悟った。青髭に「小さな鍵の小部屋」を開けたことを咎められて殺害されそうになった新妻は、訪問の約束をしていた兄をあてにし、最後の祈りの時間と称して引き延ばしを図ったものの最期の瞬間が訪れようとしていた。

しかし、まさに新妻が殺害されようとした瞬間、間一髪で駆けつけた竜騎兵近衛騎兵の新妻の兄2人によって青髭は倒された。青髭には一人の跡継ぎもいなかったことから、新妻は青髭の遺産を全部手に入れて金持ちになり、その財産の一部を兄2人と姉のために使った。

ペロー版とグリム童話版の違い[編集]

ペロー版とグリム童話版では、次のような違いが見られる。

  • ペロー版では新妻の姉が登場するが、グリム童話版では登場しない。
  • ペロー版では兄の人数が2人であるが、グリム童話版では3人である。
  • ペロー版では兄の職業は軍人であるが、グリム童話版では明確に示されていない。
  • ペロー版では新妻と兄2人との事前の約束という形で青ひげの城に兄2人が現れるが、グリム童話版では兄3人が塔の上からの新妻の叫びを聞きつけて現れる形になっている。
  • ペロー版では殺された先妻たちの血が付いた鍵の血が落ちない理由について魔法によるものと明確にされているが、グリム童話版では明確に説明されていない。
  • ペロー版では富裕層の生活についてかなり詳しく書かれているが、グリム童話版では単に金持ちとしか説明されていない。
  • ペロー版では新妻が手に入れた青髭の遺産の使い道に関する後日談が書かれているが、グリム童話版では書かれていない。

史実でのモデル[編集]

主人公のモデルは一般的にはジャンヌ・ダルク戦友であるジル・ド・レとされているが、一方でヘンリー8世をモデルとする声もある。

青ひげが主題の作品[編集]

翻案等で、青ひげとその童話を主題としている作品。

1907年、オペラ=コミック座(パリ)で初演。モーリス・メーテルランクが「無用なる解放」を副題とした独自の青ひげを作成、その台本を元にデュカスが作曲した。デュカス唯一のオペラ作品。
1918年、ブダペスト歌劇場で初演。コダーイ・ゾルターンが作成した台本を元に、バルトークが作曲した。バルトーク唯一のオペラ。
バルトークのオペラを元にした作品。

外部リンク[編集]