金田鬼一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

金田 鬼一(かねだ きいち、1886年12月10日 - 1963年11月1日)は日本のドイツ文学者、翻訳家

日本にグリム童話を紹介し、NHKラジオドイツ語講座の講師をも担当した。旧姓は山本。

経歴[編集]

1886年、東京府に生まれる。親は帝室博物館の職員。

京華中学校から第一高等学校を経て、1909年東京帝国大学文学部独文科卒業[注釈 1]

その後ドイツ帝国に留学中、第一次世界大戦勃発のため留学期間を短縮して、1914年10月20日に帰国[1]

第四高等学校教授の後、学習院高等科教授となり、成蹊高等学校(1939年 - 1942年)などでも講師を務めた。

著書[編集]

  • 『「ソヴィエット」治下の勞農(露國に於ける文人生活)』(丸善學鐙編集室、『學鐙』第25号) 1921年
  • 『寓話文学』(岩波文庫、岩波講座世界文学 第8巻) 1934年
  • 『童話』(岩波文庫、岩波講座国語教育 第4巻)1937年
  • 『地上天國』(政界往来社、政界往来 第9巻) 1938年

翻訳[編集]

  • 「負けた人」(シュミットボンドイツ語版、近代劇大系刊行会、近代劇大系7(独墺篇3)) 1922年
  • 『世界童話大系2 独逸篇』(世界童話大系刊行会) 1924年
  • 『世界童話大系3 独逸篇2』(世界童話大系刊行会) 1927年
  • 『キルヒフェルトの牧師』(アンツェングルーベル近代社、世界戯曲全集) 1928年
  • 『あたし達死んでる者は蘇生つてから』(イプセン、近代社、世界戯曲全集) 1928年
  • 『ダマスクスへ』(ストリンドベルク、近代社、世界戯曲全集) 1930年
  • 『グリム童話集』(岩波文庫) 1929年 - 1934年

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 当時の日本は、御雇外国人のドイツ人も多く日本に滞在しており、東京府には東郷坂教会などドイツ系の教会もあった。

出典[編集]

  1. ^ 官報. (1914年11月04日). 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]