あだち充

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あだち 充
本名 安達 充
(あだち みつる)
生誕 1951年2月9日(63歳)
日本の旗 日本群馬県伊勢崎市
国籍 日本の旗 日本
活動期間 1970年 -
ジャンル 少年漫画
児童漫画
少女漫画
代表作 みゆき
タッチ
H2
クロスゲーム
受賞 第28回小学館漫画賞少年少女部門
(『みゆき』『タッチ』)
第54回小学館漫画賞少年向け部門
(『クロスゲーム』)
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あだち 充(あだち みつる、本名:安達 充、1951年2月9日[1] - )は、日本漫画家群馬県伊勢崎市出身の男性[1]群馬県立前橋商業高等学校[1]血液型AB型[2]

主な作品に『みゆき』、『陽あたり良好!』、『タッチ』、『H2』、『クロスゲーム』など。ラブコメディ野球などのスポーツを絡めた青春ものを得意としており、1980年代以降高橋留美子とともに『週刊少年サンデー』の人気作家として活躍。またソフトで可愛らしい絵柄から少女漫画誌や学年誌にも作品を発表している。

来歴[編集]

少年時代は兄のあだち勉とともに貸本漫画の読者コーナーの常連であり、「群馬の天才兄弟」として知られた存在だった[3]。高校在学中に『COM』の新人賞で「虫と少年」が佳作2位に選ばれ、以後『COM』の読者コーナーにしばしば登場。1969年、一足先に漫画家となっていた兄に誘われて上京し、石井いさみアシスタントを経験、翌1970年に『デラックス少年サンデー』にて「消えた爆音」でデビュー。以降しばらく佐々木守やまさき十三などの漫画原作者と組んで作品を発表。初期には当時のブームであった劇画調の少年漫画を執筆するもヒットには恵まれず、幼年誌でのコミカライズや少女誌などに活躍の場を移し、徐々に画風がソフトなタッチになっていった。

1978年、再び少年誌に戻り、高校野球を題材にした『ナイン』を発表、少女漫画のライトな雰囲気を少年漫画に持ち込んだこの作品が転機となり、続く『みゆき』『タッチ』で人気作家の地位を確立する。1982年、上記2作で第28回小学館漫画賞少年少女部門を受賞。以降も『週刊少年サンデー』を中心に少年誌の第一線で活躍している。単行本発行部数は1990年に1億部を突破しており、2008年5月に小学館連載作家として初めて2億部を達成した[4]。2008年10月に『週刊少年サンデー』にて連載中だった『クロスゲーム』を突然休載。半年後の2009年3月に連載再開したが、休載となった理由は不明。2009年、『クロスゲーム』で第54回(平成20年度)小学館漫画賞少年向け部門を受賞。2010年、『ゲッサン』11月号が「あだち充画業40周年突破記念号」とされ、『アイドルA』第5話が連載中の『QあんどA』と同時掲載、さらに39人の作家によるトリビュート別冊が付録された。

デビュー当時を除き、小学館をメインに活動しているが、過去に週刊少年ジャンプで開催された愛読者賞に読者投票により選ばれている。「スケジュールの都合がつかない」という理由から辞退しているが[5]、週刊少年ジャンプとは何の接点もなく、ジャンプの人気投票的な愛読者賞にノミネートされたという事実に、人気の高さを窺い知る事が出来る。 幅広く、読者から支持されている為、サイン会やイベントでは行列ができ、警察が来た事がある。

2013年7月、永らく高校野球を題材に漫画を描いてきた実績を認められ、大会期間中にテレビ朝日系列局で放送される『熱闘甲子園』のキービジュアルイラストを担うことになった[6][7]

人物[編集]

  • 東京ヤクルトスワローズのファンであり、ファンクラブのポストカードや、球団の宣伝ポスターを執筆している。少年時代は”三原脩信者”であったため西鉄ライオンズ、つづいて大洋ホエールズのファンとなり、後に好みの選手が多く所属していたため中日ドラゴンズのファンとなった。そして広岡達朗監督時代(1976-79)のスワローズの連日のサヨナラ勝ちを生で目にしたためにスワローズファンとなり現在に至る[8][9]。 2003年からはスワローズのファンクラブのポストカードのおまけを描いていたが、2007年度からは会員カードにも起用されている。
  • 地元球団である群馬ダイヤモンドペガサスの選手が移動するときに使用するチームバスのイラストを執筆している。また、ダイヤモンドペガサスの後援会会員証のイラストも描いている。
  • 母校である前橋商業高等学校夏の甲子園に出場したときには応援に駆けつけたり、夏の群馬予選時の選手名鑑の広告欄、『前商健児』にイラストを描いた。
  • 岩崎良美のファンであり(「憧れの人」とも表現)、岩崎がアニメ『タッチ』の主題歌を担当する以前よりアルバムを聴いたり、彼女がパーソナリティーを務めるラジオ番組を毎週録音したりしていた[10]
  • 『タッチ』『ラフ』の実写化に関しては、長澤まさみの衣装に期待してオファーを受けたと冗談交じりに語った[11]
  • 小学生の頃から落語ファンで、中学の時には『落語大全集』を購入していた。好きな落語家は立川談志三遊亭圓生古今亭志ん生。作品にも時折落語のネタが現れる[12]
  • その影響からか落語出身のタレント伊集院光のファンであり、彼のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)のヘビーリスナーでもある[13]。朝から昼にかけては文化放送くにまるジャパン等を愛聴している。
  • 作中にしばしば作者自身が登場し、平然と作品に対する弁解や宣伝を行なうのも作品の特徴の一つ。作中に登場する際はサンバイザーがトレードマークだが、現実では一時期使っていたことがあるだけだという[14]。ほかに咥え煙草で眼鏡を掛け、身の丈ほどのペンを背負っているのが特徴。
  • いつも美空』連載時点でのあだち充のインタビューによると、原作のあるもの以外、ほぼ全ての作品が同じ世界観を持ち合わせているという。
  • あだちの妻は12歳年下の元アシスタント。

作品[編集]

長編[編集]

短編[編集]

  • ショートプログラム
    • 近況 - 『少年ビッグコミック』(1987年1号)
    • 交差点前 - 『少年ビッグコミック』(1986年4月号)
    • ショートプログラム - 『ヤングサンデー』(1987年創刊号)
    • テイク・オフ - 『ヤングサンデー』(1988年7号)
    • チェンジ - 『少年サンデー増刊号』(1985年10月号)
    • プラス1(ワン) - 『ちゃお』(1986年6月号)
    • むらさき - 『ちゃお』(1985年6月号)
    • なにがなんだか - 『少年ビッグコミック』(1985年1号 - 2号)
  • ショートプログラム2
    • 春が来る前に - 『プチコミック』(1992年4月号)
    • 若葉マーク - 『週刊ヤングサンデー』(1995年1号)
    • 途中下車 - 『週刊少年サンデー』(1994年36号)
    • 5×4P - 『ビッグコミックスペリオール』(1992年14号 - 18号)
      1. お茶をにごす
      2. おかわりいかがですか?
      3. ちょっとお客さん
      4. クリームソーダ
      5. 立つ鳥 お茶をにごす
    • 震度4 - 『週刊少年サンデー』(1988年27号)
    • エースをつぶせ! - 『小学四年生』(1992年10月号 - 11月号)
    • スプリング・コール - 『週刊少年サンデー』(1993年15号)
    • ゆく春 - 『ビッグコミックスピリッツ』(1993年17号)
    • 帰り道 - 『ヤングサンデー』(1989年20号、21号)
    • さよならゲーム - 『ビッグコミック増刊』(1991年夏の増刊号)
  • ショートプログラム3
    • 下駄とダイヤモンド - 『週刊ヤングサンデー』(1999年17号)
    • どこ吹く風 - 『ビッグコミックスピリッツ』(1992年8号)
    • 天使のハンマー - 『ビッグコミック』(1998年6号)
    • メモリーオフ - 『週刊少年サンデー』(2000年6号 - 7号)
    • 白い夏 - 『週刊少年サンデー』(2002年36・37合併号)、原作:武論尊
    • 四角い海 - 『少年サンデー30周年記念増刊号』(1989年)
    • アイドルA - 『週刊ヤングサンデー』(2005年36・37合併号、2006年17号、2007年5・6合併号)
    • 逃げた神様 - 『ビッグコミックONE』(2005年10月16日号)
    • ショートメール - 『サンデー超WINTER増刊号』(2006年)
  • ショートプログラム ガールズタイプ
    • 居候よりひとこと
    • 続・居候よりひとこと
    • 居候はつらいよ
    • 恋人宣言
    • SEASON
    • エースふたり
    • 気まぐれパンチ

その他[編集]

  • エッセイ集
    • がんばれ女のコ!(1984年12月18日、学習研究社)-(雑誌『SanSun』連載時のタイトルは『真夜中のひとりごと』)
    • 続・がんばれ女のコ!(1986年4月7日、学習研究社)
    • 完結編・がんばれ女のコ!(1988年1月12日、学習研究社)
  • イラスト集
    • Season's Album(2002年9月1日、小学館)
  • 装画
    • 大泉エッセイ ~僕が綴った16年 (2013年4月19日、メディアファクトリー) - 大泉洋のエッセイ集の表紙装画。装画は初めての仕事。大泉があだちの大ファンだということで叶ったもの。16年前の大泉を模したイラストになっている。
  • 『毎月あだち充』
  • あだち充の過去の作品のみをとりまぜて掲載している月刊誌。2011年4月より毎月刊行。

映像化作品[編集]

アニメ[編集]

連続テレビアニメ
  • みゆき(1983-1984年) - 全37話
  • タッチ(1985-1987年) - 全101話
  • 陽あたり良好!(1987-1988年) - 全48話
  • H2(1995-1996年) - 全41話
  • クロスゲーム(2009-2010年) - 全50話
単発テレビアニメ
  • ナイン(1983年)
    • ナイン2 恋人宣言(1983年)
    • ナイン 完結編(1984年)
  • タッチ Miss Lonely Yesterday あれから、君は…(1998年)
    • タッチ CROSS ROAD 風のゆくえ(2001年)
劇場版アニメ
  • ナイン オリジナル版(1983年)
  • タッチ 背番号のないエース(1986年)
    • タッチ2 さよならの贈り物(1986年)
    • タッチ3 君が通り過ぎたあとに -DON'T PASS ME BY-(1987年)
  • 陽あたり良好! KA・SU・MI 夢の中に君がいた(1988年)
オリジナルビデオアニメ
  • スローステップ(1991年) - 全5話

実写[編集]

連続テレビドラマ
単発テレビドラマ
  • みゆき(1986年)
  • ナイン(1987年)
  • タッチ(1987年)
実写映画
  • みゆき(1983年)
  • タッチ(2005年)
  • ラフ ROUGH(2006年)

関連人物[編集]

あだち勉
あだちの実兄でありギャグマンガ家。1982年-84年に弟をモデルにしたギャグ漫画『実録あだち充物語』を発表している。赤塚不二夫のチーフアシスタントを経てあだちプロの専務取締役に就任。弟からは親しみをこめて「バカあんちゃん」と呼ばれていた。2004年に胃がんにより逝去している。作品として「2軍のヘーマくん」他。
塩沢兼人
みゆき』などをはじめアニメ化された作品にほぼレギュラー出演した、あだち作品に縁の深い声優。2000年に急逝。
永島慎二
あだちは10代の頃永島のファンであり、よく絵の模写をしていた。あだちは高校卒業後は永島のアシスタントに就くことになっていたが、永島が仕事を放って海外に逃亡したため石井いさみに拾われることになった。『ビッグコミック1』2005年10月16日号の「追悼・永島慎二」では永島との思い出を描いた作品「逃げた神様」を執筆している。なおこの追悼企画はあだちが旧知の編集者に電話をかけたことが発端となったもの[12]
高橋留美子
1980年代以降、あだちともに『週刊少年サンデー』の看板作家を務める友人でありライバル。あだちは少年誌にこだわる理由について「高橋先生の存在が大きい」と述べている。年に数回会い、互いの作品の感想を述べ合うことがあるという[14]。週刊少年サンデー2006年43号巻末コメントにて「1作だけ違うペンネームをつけるとしたら、どんな名前にしますか?」という質問に対しての高橋は「あだち充。」と回答している。『タッチ』作中には高橋のサイン色紙が登場。2009年少年サンデー創刊50周年記念の際には合作漫画を連載し、これは『アイドルA』単行本に収録されている。
島本和彦
あだちとは互いにファン同士である。『タッチ』には島本の『炎の転校生』の主人公、滝沢昇がゲスト出演する回があるが、これは島本が『炎の転校生』連載終了後、アシスタントの使い方を勉強するために他の漫画家の制作現場を経験する目的で1話だけアシスタントに入った日にその場で島本が描いたもの[12]。なお、島本和彦と藤田和日郎の合作『からくり逆境サーカスナイン』では、あだちにより1コマのみ『タッチ』の主要人物3人が登場している。
ミスター・ポーゴ
プロレスラー。あだちとは高校の同級生であり雑誌で対談した事がある。この対談によると、『タッチ』の登場人物・松平孝太郎はポーゴがモデルだと言うことである。

アシスタント[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 日外アソシエーツ発行『漫画家人名事典』(2003年2月)ISBN 9784816917608、P18
  2. ^ 自身の作中にもAB型の登場人物が数多く登場する
  3. ^ 「クイックジャパン(以下QJ)」Vol.62より
  4. ^ 小学館HPより
  5. ^ 作品の執筆は無かったが、辞退した事へのお詫びに、自身の自画像とコメントを週刊少年ジャンプに寄せている
  6. ^ 朝日放送『熱闘甲子園』公式HP
  7. ^ 『熱闘甲子園』ポスタービジュアルはあだち充! ORICON STYLE 2013年7月1日付
  8. ^ QあんどA』5巻巻末のエッセイより。
  9. ^ しかし、『ラフ』(1987-89連載)の作中では、テレビ画面の中でジャイアンツのユニフォームを着て倒れている人物の背中に「D」と書かれた旗が突き刺してあるなど、ドラゴンズ贔屓であった様子もみられる。
  10. ^ 「あだち充の美女対談」『週刊少女コミック増刊号』9月16日号、小学館、1982年、10-13頁
  11. ^ 「原作者あだち充先生インタビュー」『週刊ファミ通』9月8日号、エンターブレイン、2006年、41頁
  12. ^ a b c 「QJ」 Vol.62「あだち充大辞典」より
  13. ^ JUNK」枠においての「ゲッサン」ラジオCMなど。
  14. ^ a b 「QJ」Vol.62インタビューより

参考文献[編集]

外部リンク[編集]