クロスオーバー作品

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フィクションにおけるクロスオーバー作品(クロスオーバーさくひん)とは、狭義では複数の独立したシリーズが一時的に一つのストーリーを共有、進行させる事をいう。並立したストーリーラインを、新たなストーリーラインが横断して行くと解釈してこの名がついた。アメリカンコミックにおいて著しく発達した手法である。

概要[編集]

各ストーリーのキャラクターの共演によって話題を呼ぶ、不人気なシリーズに人気キャラクターを登場させて売上げを増やす、多くの巻数を必要とする複雑で雄大なストーリーを短い期間で展開できる、マンネリ防止などのメリットがある。

現在では、巻数が最初から決定された新しいタイトルを作って、そこに既成のシリーズキャラクターを多数投入する「オールスター物」(古くはギリシャ神話の『アルゴナウタイ』にまで遡るアイデア)、あるシリーズに他のシリーズのキャラクターが登場するがストーリーの受け渡しがないカメオ出演特別出演も、しばしばクロスオーバーと呼ばれる。

また、異なる主人公の物語同士が、同一世界、同一時間軸にあることを、作中で匂わされたりまた明示された場合、これもクロスオーバーと呼ぶことがある。双方に齟齬が出ないよう、厳密に設定が組まれた(特に「主人公共演」など物語の主軸に関わる部分を用いず「共通する脇役・用語」などを伏線とした場合)作品に関してはハイパーリンク作品とされることも多い。

似た効果を上げる手法として、まずキャラクターの容貌と名前を確立、固定して、それを異なる作品の異なる役柄に次々割り振る、手塚治虫の言うスター・システムや、あるシリーズのサブキャラクターを、後に別の新しいシリーズの主人公に据えるスピンオフ作品、多くのキャラクターが時には主役、時には脇役、また点景に回る、言及されるだけの作品もあるという、現実社会の人間の交流を紙上に再現するためバルザックが「人間喜劇」で繰り広げた人物再登場法、複数の作者が同一の世界を舞台にするシェアードワールド、複数の作品が、架空の長大な年代記のそこここを彩るエピソードとなる「未来史」がある。

主なクロスオーバー作品[編集]

ドラマ・コメディ作品[編集]

  • 怪鳥人間バットマン(グリーン・ホーネットが登場する話がある)
  • スタートレックシリーズ
  • クリス・カーター作品
    • ミレニアム』の事実上の最終回が『Xファイル』の1エピソードとして放送された。
    • 『ローン・ガンメン』の事実上の最終回が『Xファイル』の1エピソードとして放送された。
  • ジェリー・ブラッカイマー作品
    • 2002年5月、『CSI:マイアミ』の事実上の第1話が『CSI:科学捜査班』の1エピソードとして放送され、翌シーズンに正式な新番組として始まった。
    • 2004年5月、『CSI:ニューヨーク』の事実上の第1話が『CSI:マイアミ』の1エピソードとして放送され、翌シーズンに正式な新番組として始まった。
    • 2005年11月、『CSI:マイアミ』と『CSI:ニューヨーク』のクロスオーバーが行われた。前編はマイアミ編のエピソード(マック・テイラー刑事がゲスト)、後編はニューヨーク編のエピソード(ホレイショ・ケイン警部補がゲスト)として、2話構成で放送された。
    • 2007年5月、『コールドケース 迷宮事件簿』のスコッティ・ヴァレンズ刑事が『CSI:ニューヨーク』にゲストで登場した。これはニューヨーク編のみの1時間で完結。4日後に放送された『コールドケース』のエピソードではヴァレンズ刑事はすでにフィラデルフィア市に戻っていた。
    • 2007年11月、『FBI失踪者を追え!』(前編)と『CSI:科学捜査班』(後編)のクロスオーバー・エピソードが同じ日に2時間続けて放送された。これにより、CSIシリーズと『FBI失踪者を追え!』と『コールドケース』(全て、本国ではCBS系列で放送)が同じ世界観を共有していることが判明した。ただし、これらの作品に異なる配役で出演している俳優が数人いるため、注意が必要である。
    • 2009年11月、『CSI:マイアミ』と『CSI:ニューヨーク』と『CSI:科学捜査班』にまたがるクロスオーバー・エピソード『CSI:トリロジー』(本国での通称は『CSI: Trilogy』)が、同じ週の3日間にわたって放送された。『CSI:科学捜査班』の当時の主人公・レイモンド・ラングストン博士が、ある事件を追ってマイアミからニューヨークに飛び、最後にラスベガスに戻るという設定。
  • デビッド・E・ケリー作品
  • ジョス・ウィードン作品
    • エンジェル』の主人公が元々、『バフィー 〜恋する十字架〜』のレギュラーだったため、両番組に登場するキャラクターが数人おり、バフィー自身も『エンジェル』に数度、ゲストで登場している。
  • NBC系列で木曜夜放送のニューヨーク市が舞台のシットコム
    • あなたにムチュー』のポールが独身時代に借りていたアパートを『となりのサインフェルド』のクレイマーが引き継いだ。また、ポールとサインフェルドが街中でぶつかるというシーンもあった。しかし、『となりのサインフェルド』のキャラクターが『あなたにムチュー』をテレビで見ているというセリフもあり、矛盾している。
    • 『あなたにムチュー』のジェイミーとフランらしき人物(製作会社が異なるためか、キャラクター名は出なかった)が『フレンズ』のコーヒーハウス「セントラル・パーク」に現れ、フィービーをアースラと間違えるというシーンがあった。リサ・クドローは元々、『あなたにムチュー』で風変わりなウェイトレス、アースラを演じていたが、『フレンズ』で主役陣に抜擢され、フィービーを演じることになったのである。つまり、このシーンは単なるインサイド・ジョークだったが、視聴者の反応(とツッコミ)が大きかったため、「フィービーとアースラは双子姉妹」という設定が後付けされ、アースラも『フレンズ』に登場することになった。
    • 『あなたにムチュー』のジェイミーが停電を起こし、同夜(1994年11月3日)放送の『フレンズ』と『Madman of the People』(短命に終わったシットコム)でも停電になってしまうというクロスオーバーがあった。ただし、同夜放送の『となりのサインフェルド』では停電は起こらなかった。
  • ジェシカおばさんの事件簿』と『私立探偵マグナム
    • 前編は『私立探偵マグナム』、後編は『ジェシカおばさんの事件簿』のエピソードとして、2話構成で放送された。
  • ER 緊急救命室』と『サード・ウォッチ
    • 2002年4月に『ER』第8シーズン19話を前編、『サード・ウォッチ』第3シーズン19話を後編とするクロスオーバーが行われた。姉と姪の行方不明を知ったスーザンが単身ニューヨークに渡り、ボスコ&ヨーカス組と共に捜索をするというエピソード。両作品とも製作総指揮はジョン・ウェルズ。
  • NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』と『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班
    • 2009年4月、『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』のパイロット版が『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』のシーズン6内で前後編として放送され、9月に正式な新番組として始まった。
  • Hawaii Five-0』と『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』
    • 2012年5月にクロスオーバーが行われた。前編は『Hawaii Five-0』(カレンとサムがゲスト)、後編は『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』のエピソード(ダニーとチン・ホーがゲスト)として、2話構成で放送された。それより前の2011年10月24日に『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』のケンジーが『Hawaii Five-0』第2シーズン第30話にゲスト出演している。
  • グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』と『プライベート・プラクティス 迷えるオトナたち
    • 2007年5月、『プライベート・プラクティス 迷えるオトナたち』のパイロット版が『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』のシーズン6内で前後編として放送され、9月に正式な新番組として始まった。その後も数回両番組のクロスオーバーエピソードが放送された。
  • アイ・カーリー』と『ビクトリアス
    • 2011年6月、クロスオーバーエピソード「ロサンゼルスのパーティへ (iParty with Victorious)」が『アイ・カーリー』の第4シーズン第11~13話(NHK版第91~93話)で放送された。
    • 『アイ・カーリー』のNG紹介のエピソードでは、『ビクトリアス』のロビーのパペット(レックス)が出演していた。
    • 両ドラマのエイプリル・フールのエピソードもクロスオーバーとなっている。『アイ・カーリー』では『ビクトリアス』のロビーが、『ビクトリアス』では『アイ・カーリー』のスペンサーが登場する。
    • 2013年6月8日からは、『アイ・カーリー』のサムと、『ビクトリアス』のキャットを主人公としたスピンオフドラマ『サム&キャット』の放送が始まった。
  • サザエさんVS意地悪ばあさんVSいじわる看護婦

特撮作品[編集]

アニメ作品[編集]

竜の子プロダクション製作の『超時空要塞マクロス』・『超時空騎団サザンクロス[2] ・『機甲創世記モスピーダ[3]の3作品をハーモニーゴールド USA 社(Harmony Gold USA)がライセンス取得、同一世界の異なる時代と世代を描いた、連続する一つの大河シリーズとして翻案、再編集された作品。グラフィックノベル漫画も、同構想の基に現在も出版され続けている。
東映製作の『百獣王ゴライオン』の欧米輸出版を皮切りに、『機甲艦隊ダイラガーXV』、『光速電神アルベガス』等を同じ世界での物語として展開した超人気作のシリーズ。現在でも新シリーズが展開している[4]。元来はポピータカラとの海外商戦で生まれた、『トランスフォーマー』と同じコンセプトの企画。詳しくは『VOLTRON FORCE』参照。
タカラの『ミクロマン』及び『ダイアクロン』のメカニックを海外展開する際に同一の世界でのキャラクタとして設定変更したシリーズ。結果、世界各国のみならず、日本でも大人気を博し[5]、その後の一大展開へとつながった。現在の展開は日本での展開が中心となっている。ポピーの『ボルトロン』商品展開の元ともなった。

※上記三作品の共通点は何れも本来は別のアイテムが先行、アニメが追随する形で進行し、大人気を博している事と、元来は日本で生まれたシリーズのクロスオーバー化と云う点である。

映画作品[編集]

ビデオ作品[編集]

漫画作品[編集]

グラフィックノベル作品[編集]

小説[編集]

ゲーム作品[編集]

トレーディングカードゲーム[編集]

データカードダス[編集]

その他[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 前作のレギュラー3人が後期の回にて登場。
  2. ^ 以上の2作品は日本の広告代理店ビックウエストとの共同制作作品。
  3. ^ 超時空シリーズ」の『超時空世紀オーガス』は東京ムービー新社製作で放送権が異なる、また、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』はライセンスの売却に含まれていない。
  4. ^ 新シリーズは再び『ゴライオン』をプロットに、新メンバーを加えてLION VOLTRONが各種の強化を受ける形で展開されている。尚、欧米版『VOLTRON FORCE』のアニメは、日本輸出オリジナル版の他に、アメリカナイズされたキャラやメカが活躍するリメイク版があり、新シリーズはこちらの続編となる。又、『アルベガス』のアニメは放送されていない事になっている。
  5. ^ この日本での人気爆発の背景には、フジテレビの『笑っていいとも』が大きな関係をしていると云う逸話がある。当時日本で封切前の映画『ネバーエンディングストーリー』の主演子役がイベントで来日し、『いいとも』の出演となった。この時司会のタモリに日本のお土産にこの商品を欲し、その際未だこのシリーズが日本未展開だった事から同時通訳者とタモリの両名共"TRANSFORMERS"の語彙の和訳に変圧器と云う語彙を用いてしまった。しかしこの逸話から『TRANSFORMERS』が海外で大人気だと云う事実が知れ渡り、その後の日本逆輸入及び大人気へと発展した。
  6. ^ 第40話「ウルトラマンに逢いたい」より。