フリーランス

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フリーランス: freelance)とは、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。企業から請け負った業務を実際に遂行する本人をフリーランサーと呼ぶ。日本語では自由契約(ただし、プロスポーツでの選手契約を更新しないことを指す「自由契約」が有名なため、フリーランスを指して自由契約と呼ぶことはほとんどない)。一般的な職業分類では個人事業主自由業に該当する。

概要[編集]

単発の仕事として様々な仕事はするものの、その仕事を引き受ける都度契約を結ぶという形態をとる、請負である。現代、IT業界のプログラマ、出版業界のライタージャーナリスト小説家芸能人放送業界のプロデューサー放送作家脚本家演出家アニメーション制作現場など、様々な職種でフリーランサーが活躍している。クリエイター職のように専ら業務を担当する個人の能力によって成果が決まる職種にフリーランサーが多く見られる。

派遣社員は、派遣会社所属の従業員であるため、フリーランサーではない。

フリーランサーの収入は、フリーランサー本人の営業力と業務遂行能力によって決まるため、千差万別である。高い能力と有力な人脈を持つフリーランサーは同業のサラリーマンの数倍の年収を得る一方で、あまり優秀でない人や人脈の乏しい人はフリーター同然の厳しい生活を送っているなど、個々のケースにより様々で、毎月の収入が一定しないため、サラリーマンのように固定給を得て生活する労働者と比較して不安定な働き方とされている。

インターネットが浸透してきたことで、フリーランスの増加や社会の構造変化により、フリーランス化や社会回帰が取り上げられるようになった。

2000年、アメリカの政策評議会において公式レポートが提出された。アメリカのフリーランスの実態を調査したそのレポートは「全米国内の就業人口4200万人のうち、1300万人・就業人口の4人に1人が、何らかの形態でフリーランサーとして就労している」という内容であった。

日本国内におけるフリーランス人口の調査は、1990年代後半以降、明確に行われておらず現状を把握することは難しい。当時の調査では「自由業者の数が 200万人から230万人・事業所の登録数600万ヶ所以上」との数字があるが、これは日本国内の就業人口の40分の1程度である。

当時の20世紀末期における社会情勢と現在の21世紀初頭の10年間に、社会の雇用を取り巻く情勢は大きく変化しており、自由業という労働形態の定義や実際の職業分類の内情は、社会情勢に比例して大きく異なっていることが予想され、その現状と定義との乖離を把握して時代に沿った姿を明確にするため、その現在の実態は改めて正確な調査と定義が求められる。

語源[編集]

英語「freelance」の語源は、中世に遡る。中世は貴族は戦争の度に傭兵団と契約して戦争に臨んだ。その中で傭兵団を離れて戦場に臨む兵士達がいた。当時は槍騎兵 (lancer) が自分の従卒として歩兵や弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1戦闘単位としてカウントされた。まだ敵勢力と契約を交わしていない (: free) 戦闘単位 (: lance) を指す言葉として「freelance」が用いられるようになった。当時は兵士を指していた「free lancer」が、近世以降組織を離れて働く状態を指す言葉に変化した。フリーランスのフリー(: free)は、政治立場が自由さを意味するものであって、値段が無料という意味ではない。

税金の扱いなど[編集]

日本の税制上におけるフリーランス業の収入は事業所得として、経費を差し引いた分から決算して確定申告する必要がある。また、その収入が所得税法第204条に掲げる報酬等に該当する場合は所定の金額(原則として100万円以下であれば支払額の10%)が源泉徴収される。年度末になると確定申告書の作成作業に追われるフリーランサーも少なくない。

また芸能事務所に所属する芸能人についても、ほぼ全員が自身のマネジメントを所属事務所に委託している立場にあるため所属事務所から支払われるギャラは「事業所得」となり、専属芸能人であってもフリーランサー同様自分で確定申告を行う必要が生じる。ただし自身を代表とする法人を設立し、法人と芸能事務所の間で契約する形を取っている場合、タレント業収入は法人のものとなり、自身はその法人から役員報酬という形の給与所得を受け取ることとなる。

なお一般自営業者やフリーターと同じく国民健康保険国民年金に加入することが求められる。

フリーランス業の例[編集]

外部リンク[編集]

関連項目[編集]