探偵
探偵(たんてい)とは、調査業者の一種。他人の秘密をひそかに調査したり、犯罪を犯した者を突き止めたりする者、またはその行為である。
一般には、他人の秘密をひそかに調査したり、犯罪を犯した者を突き止めたりする者とのイメージがあるが、あくまでも人(法人又は個人)からの依頼を受けて、面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により、特定人の所在又は行動についての情報を収集し、その結果を依頼者に報告する業務に従事している者やその営業を行っている業者のことである(実際には、日本の探偵が犯罪者を突き止めることはあまりない)。したがって、依頼の中で収集すべき情報が特定されている事が必要であり、探偵業者が勝手に判断して情報を収集するものではない。
よく似た意味を表す言葉として、興信所員がある。現在でも一応区別されるが、業務が重複することも極めて多く、現在では厳密に区別する意味は少ない(後述)。
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[編集] 概要
ここでは主に日本の探偵について記載する。
全国で探偵業者として公安委員会へ届出をしている業者数は、平成22年末で5172件。私立探偵(しりつたんてい)とも称される。探偵社や興信所に属する調査員であることが多く、基本的には、警察が多くの場合発生した事件を解決するのに対し、探偵は問題の予防対策を仕事とし、民事上の不法な行為を暴くことなどを業とする。
[編集] 探偵の歴史
19世紀後半の1889年(明治22年)頃、イギリスで現在の探偵と呼ぶ職業が始まり、その後19世紀終わり、アメリカでも現在の探偵の職業が開始された。
1891年(明治24年)5月21日の朝日新聞に帝國探明會という企業が「詐欺師や盗人の所在を調べる。他人の行動調査を実施する。」との広告を出稿していた事実が残されているのが確認される探偵社としては日本では最も古いものである。さらに1892年には、日銀や大阪地区の銀行などの出資を受け、外山脩造により、日本で最初の興信所である「商業興信所」が設立されている。
[編集] 探偵の業務
探偵の業務は、依頼によって、聞込み、尾行、張込み、その他調査を行うことである。推理小説、ドラマ、映画の中では、多くの探偵が殺人事件や凶悪事件の調査を行っているが、現実には、素行・浮気調査や人探し調査、法人や個人の信用状況の調査など企業や個人からの調査依頼が主である。
探偵業務が抱える問題として依頼者の秘密を守る反面、調査対象者のプライバシーを侵害することがある。このこともあり、2007年6月に施行された探偵業法では、「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」と規定され、さらに、調査契約を締結するには依頼者から「調査利用目的確認書」(調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面)の交付を受けなければならない義務を負っており、探偵業法及びその他法令に違反する内容の業務についての依頼を受任してはならないと規定されている。
- 行動調査 - 素行調査、浮気調査
- 行方調査 - 恩師、旧友、昔の恋人、初恋、債務者、家出人、失踪者 なお、ペット(愛玩動物)の捜索は除く。
- 信用調査 - 企業信用調査、個人信用調査
- 身辺調査 - 身上調査
- 社会関係調査 - 雇用調査、結婚調査
- 犯罪調査 - 詐欺事犯、いじめ・嫌がらせ対策、高齢者虐待防止。 アメリカでは、司法取引の材料を集める依頼もある。
- 保険調査 - 損害実態調査、自動車事故原因、火災原因、傷害保険
- 盗聴器発見 - 盗聴器発見、盗撮器発見
- 異性問題 - 不貞行為、ストーカー行為、家庭内暴力(ドメスティク・バイオレンス)、セックスレス相談
- 鑑定 - 指紋、声紋、筆跡、DNA鑑定、ポリグラフ検査
- 法人事業 - 市場調査、与信調査、資産調査、権利侵害対応、経営助言、M&A調査、ヘッドハンティング、ビジネスマッチング、メディア戦略、社員教育、ワークライフバランス推進
- その他 - 安全対策、危機管理、情報漏洩対策、プライバシー防衛、証拠資料収集、防諜、科学調査、海外調査
[編集] 探偵の権限
探偵には、特別な権限は付与されていない。探偵であっても、一般の民間と同等の権利義務しか発しない。つまり、身体に危険が及ぶ可能性がある。刑事訴訟法により、現行犯逮捕を除いた一切の司法警察権の行使は許されない。なお、日本で探偵業の届出を行っていたとしても、当然の事として日本国内でのみ有効であり、海外での探偵行為を行うには渡航先の法律やビザなどをクリアしなければならない。
[編集] 探偵社と興信所の違い
かつて、探偵社は社会関係調査(人の行動の調査・浮気調査・行方調査・結婚調査・犯罪調査など)を中心に行ない、興信所は経済関係調査(企業信用調査・個人信用調査・雇用調査・市場調査など)を主に行っていた。探偵社と興信所では、調査手法に違いがあるといわれていた。
探偵社の調査方法は、外観型調査手法といわれ、尾行や張り込み、行動監視を徹底とし、証拠が収集でき次第裏付けをとる聞き込み調査を実施して、証拠を固め、依頼者に報告するものである。警察の捜査方法と似ている点が多い。
これに対して、興信所の調査方法は、内観型調査手法といわれ、調査対象者に直接面接や電話による聞き取り(取材的方法)を実施して、調査対象者の言ったことに対して、後から裏付け調査を行って依頼者に報告するものである。
[編集] 探偵の調査料金
探偵社が行う調査の料金には、探偵業界として統一した料金体系が存在してない。これは、多くの場合に調査案件が異なっており、目的・条件などが異なるために「案件に伴う個別の見積りをする必要がある」との観点からである。また、業界団体が料金体系を統一化することも独占禁止法の違反とされるために、業界団体で目安の料金を表示したり、それを会員に指導することが許されてない。
尚、調査内容、調査方法、調査料金、調査期間、金銭の支払い時期及び方法等は探偵業法第8条(重要事項の説明)に基づき依頼者に書面を交付して説明しなければならない。
[編集] 世界の探偵
[編集] アメリカの場合
- アメリカでは州レベルで武器の保持も許される公的資格制度があり、事情に通じた元警察職員が転職したり個人開業したりする。また、探偵の特権ではないが、正当防衛を目的とした小型武器の所有が認められている。
- ピンカートン探偵社(世界探偵協会加盟)は、北米最大の法人探偵社。他に、シカゴの「ハーグレーブ・シークレットサービス」がある。
- カリフォルニア州の場合、各種の法執行官として一定の実務経験を有する者が、試験を通過して保証金を納めると許可状・身分証・身分章(バッジ)を交付され開業できる。
[編集] 国際探偵協会
- World Association of Detectives 世界探偵社協会(通称"WAD")
- Association of British Investigators イギリス調査組合(通称"ABI")
- COUNCIL OF INTERNATIONAL INVESTIGATORS 国際調査協議会(通称"CII")
[編集] フィクションの探偵
「名探偵」を主人公とする小説は欧米の探偵小説がルーツで、事件捜査の中心人物とされることが多い。日本における現実の探偵・調査業者の実態とはかけ離れた存在である。日本では主人公が探偵行為を行う小説はかつて「探偵小説」と呼ばれたが、推理をする人間が必ずしも「探偵」を職業にしているとは限らない為、現在は「推理小説」と呼ばれている。