未来少年コナン
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| 未来少年コナン | |
|---|---|
| ジャンル | SFメカアクション |
| アニメ | |
| 原作 | アレグサンダー=ケイ 「残された人びと」 |
| 企画 | 佐藤昭司(日本アニメーション) |
| 監督 | 宮崎駿 |
| シリーズ構成 | 宮崎駿 |
| 脚本 | 中野顕彰、吉川惣司、胡桃哲 |
| キャラクターデザイン | 宮崎駿、大塚康生 |
| メカニックデザイン | 宮崎駿、大塚康生 |
| アニメーション制作 | 日本アニメーション株式会社 |
| 製作 | 本橋浩一(日本アニメーション) |
| 放送局 | NHK総合テレビジョン |
| 放送期間 | 1978年4月4日 - 1978年10月31日 |
| 話数 | 26 |
| コピーライト表記 | ©NIPPON ANIMATION CO.,LTD. 1978 |
| ■テンプレート使用方法 ■ノート | |
『未来少年コナン』(みらいしょうねんこなん)は、1978年4月4日から10月31日にかけて、毎週火曜19時30分から20時00分まで日本放送協会(NHK)で放映された日本のアニメ作品である。放映話数は全26話。制作会社は日本アニメーション。
目次 |
作品概要
宮崎駿が初めて監督を担当した、宮崎作品の原点とも言える作品である。また、NHKが放映した最初のセルアニメーションシリーズである。1978年3月をもってNHK総合テレビの夕方の青少年向け番組の定番であった18時代の『少年ドラマシリーズ』の帯番組放映が終了しており、本アニメーションの放映開始時期である同年4月は、平日夕方の青少年向け番組が、1970年代の主要な時期を占めたパターンから大幅に改編された時期にあたっている。火曜日19時30分からの30分間は、この作品以後しばらくの間アニメーション枠となった。後番組は東映動画(現東映アニメーション)制作の『キャプテン・フューチャー』である。
本放送時の視聴率は振るわなかった。ある資料によると関東地区で平均8%だったという。NHKはPRのためNHK受信料徴収の際、同作品のシールを渡したこともある。後に再編集によって映画化されたが、その際には一部のテレビ版製作スタッフの意図に反して編集されたため問題になった。韓国では1982年に放送され爆発的なヒットとなった。特に韓国版の主題歌は放送終了後も運動会の応援歌の定番ソングとして歌われた。
1999年にはTBS系にて『未来少年コナンII タイガアドベンチャー』が放映されたが、舞台設定、登場人物など全く異なった設定のものである。
原作
原作は、アレグサンダー=ケイ(Alexander Key)の『残された人々(原題The Incredible Tide)』を原作としてクレジット。日本アニメーションがNHKにアニメ企画を提示した中の1本だったというが、本命企画ではなく、宮崎駿に日本アニメーションから監督依頼があったときもその本命の別作品の監督依頼だったという[1]。
中島順三プロデューサーによれば、NHK初のテレビアニメシリーズということで企画に応募した当初、日本アニメーションが手がけてきた世界名作劇場同様「家族で見られるようなものを」と考え、フランシス・ホジソン・バーネット作『秘密の花園』をアニメ化しようと思っていた。これが前述の「本命企画」であると推測される。しかし、中島は折からのアニメブームを考慮して「小学校5、6年生に向けた冒険活劇にしよう」と考えを変更し、幾つか提示した作品の中からNHK側が『残された人々』を選んだ。中島が監督に抜擢した宮崎駿は最初こそ「こんなものアニメにならないよ」と難色を示したが、後述のように設定やストーリーを大きく変更すること、作画監督に大塚康生を起用することを条件に監督を引き受けた。[2]
『残された人々』が当時の冷戦を背景とした濃厚な東西対決色を枠組みとしていることなど、暗いペシミスティックな要素を子供に見せることを宮崎が嫌ったこともあり[3]、ストーリー及び登場人物について大幅に脚色が加えられている。例えば、原作の舞台は最終戦争直後から戦後20年経過した世界に、主人公のコナンはアメリカ的自由主義社会を背負ったハイティーンの少年から豊かな自然の中で育ったプレティーンの自然児に、敵役の登場人物はロシア人を思わせる人名で共産主義国家の官僚的な人物像のマンスキーやレプコから戦災孤児という背景を背負って成長したモンスリーとレプカに、それぞれ変更されている。ただし、宮崎はハイハーバーをアメリカ、インダストリアをソ連とする見方には不快感を表明している[4]。
あらすじ
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
西暦2008年、核兵器をはるかに上回る威力の超磁力兵器による戦争で、人類は大半が死滅し、それまで築かれてきた高度な文明の多くが失われてしまった。地形は大きく変化し、多くの都市が海中に没した。
戦争から20年、コナンは「おじい」と二人、のこされ島と呼ばれる小さな島で平穏に暮らしていた。ある日、海岸に少女ラナが漂着する。ラナはハイハーバーという島で暮らしていたが、科学都市インダストリアの者たちにさらわれそうになり、隙を見て船から逃げ出していた。
インダストリアは、前時代の巨大な塔(三角塔)を中心とした都市だが、塔を維持するためのエネルギーが乏しかった。そこで、太陽エネルギーのシステムを復活させるため、その技術を持つラオ博士を探していた。しかしラオが見つからないため、ラオとテレパシーで会話できるという孫娘のラナを狙ったのだ。
コナンの奮闘空しく、おじいは殺され、ラナは再び連れ去られてしまう。コナンはおじいを埋葬し、ラナを救うため、そしてまだ見ぬ人々に出会うために島から旅立つ。やがて、多くの仲間を得て、世界征服を目論むレプカに立ち向かうことになる。
登場人物
主要人物
- コナン(声:小原乃梨子)
- のこされ島で誕生した自然を愛する快男児。人並み外れた驚異的な運動能力と根性を持っている。生まれてからずっと島で暮らしていたが、ラナとの出会いによって大きく運命が変わる。のこされ島時代から漁に使っていた銛を武器として用いる。
- ラナ(声:信沢三恵子)
- ハイハーバーに住んでいた少女。テレパシー能力を持ち、ティキーと心を通わせたり、祖父ラオ博士と言葉を介さずに意思疎通ができる。ラオ博士と関わりがあることからインダストリアに狙われている。コナンと出会い、強い信頼で結ばれていく。脅迫には屈しない気丈さがある。
- ブライアック・ラオ博士(声:山内雅人)
- ラナの祖父で太陽エネルギーの開発に関わった科学者。フライング・マシンでインダストリア脱出を図った際に行方不明となる。太陽エネルギーの発明が超磁力兵器の開発を招いたことに負い目を感じている。
- ジムシー(声:青木和代)
- コナンが島を出て最初に出会う男の子。首にまとっているのはコナンの乗ってきた筏の帆。コナンと互角に渡り合う運動能力の持ち主で、大の食いしん坊。最初はコナンと衝突したが仲間になる。コナンほどの熱血漢ではないが、友情には厚い。ハイハーバーでは養豚に関心を持つ。シリーズ後半ではダイスとの名コンビぶりで活躍。
- ダイス(声:永井一郎)
- インダストリア貿易局員で帆船「バラクーダ号」船長。普段はプラスチップの採取地とインダストリアの間を往復している。インダストリア周辺の海域を正確に把握しており、作業用ロボット「ロボノイド」を自在に操る。ハイハーバーからラナを拉致したが、インダストリアの委員会の理解を得られず、より一層インダストリアに反感を抱くようになる。ラナに愛情を寄せ、そのために軽率な行動に走ることもしばしば。
- レプカ(声:家弓家正)
- インダストリア行政局長。太陽エネルギーの秘密を握るラオ博士とラナを追う。密かに巨大飛行兵器ギガントによる世界征服を目論む[5]。
- モンスリー(声:吉田理保子)
- インダストリア行政局次長でレプカからの信頼が厚い。インダストリアでは数少ないコアブロック外の出身者でもある。理知的で美人ながら気が強い。レプカに指示されラナを追っていたが、ハイハーバーで遭遇した大津波の後、心境が変化していく。
その他の人物
- おじい(声:山内雅人)
- コナンと暮らしていた老人。コナンが「おじい」としか呼ばないため、正式な名前は分からない。かつてコナンの両親を含む船員達と地球を脱出しようとしたが、失敗してのこされ島に墜落し、以来この島に住んでいる。他の仲間達は死に絶えコナンと二人きりで生活し、ラナが漂着するまで他に人類が生き残っている場所があることを知らなかった。 未だ強圧支配を実施するインダストリアの人間を目の当たりにして憤りを感じ、爆弾を携えて抵抗し致命傷を負う。ベッドに横たえながら身を絞ってコナンに遺言を残し、この世を去る。
- インダストリアの地下都市に瓜二つの人物(声:山内雅人)が住む。
- モウ博士(声:雨森雅司)
- インダストリア最高委員会の中心人物。政策などの重要事項は、モウ博士ら最高委員会の承認を必要とする。委員会はレプカの行動に何かと口を挟むが、原子炉の維持のためには委員たちの存在は不可欠で、レプカにとってはまさに目の上のこぶである。委員たちはラナたちに中立的だが、レプカの横暴を制止することができない無力な存在として描かれる。
- パッチ(声:山内雅人)
- サルベージ船の責任者で船の引き揚げ作業を統率する。インダストリアの許可無くコナンとラナを働かせ始めたので、テリットの不審を買うことになる。
- テリット(声:納谷六朗)
- サルベージ船の作業員。二等市民への昇格を切望しているが、それに必要な点数を与えないパッチを目の敵にしている。パッチが去った後、あえなく事故死する。
- ルーケ(声:安原義人、田中秀幸)
- インダストリアの地下住人の中心的存在でラオ博士と面識がある。レプカの政策に反対したかどで他の地下住人と同じように額に烙印を押され、その上牢屋に押し込められていた。インダストリアに住む「おじいのそっくりさん」の息子。
- オーロ(声:石丸博也)
- ハイハーバーの本村の反対側の荒地で協調的な村人から離れて孤児たちを率いて生活しており、コナン達といざこざを起こす。自分がハイハーバーの支配者の器があると思い込んでおり、島をインダストリアの脅威に晒すことになる。妹のテラ(声:つかせのりこ)はジムシーと触れ合ううち、次第にオーロの元から離れていく。チート(声:田中秀幸)のように、自分たちで新しい生活を始めた孤児もいる。
- ガル(声:宮内幸平)
- ハイハーバーの漁師で、船を出して漁を行うほか、いけすも持っている。コナンに漁やハイハーバーの決まりを教える。爆薬に魅せられており、何でも手製の爆弾で解決しようとする。彼のいけすには戦争時にラオ博士が人々の救出に使ったフライング・マシンが置いてある。
- シャン(声:中村武己)
- ラナの叔父。ハイハーバーの村をすこし離れた所で診療所を営んでいる。ダイスがラナをさらいに来るまで妻のメイザルとともにラナを養っていた。中盤ではコナンやジムシーを自ら迎え入れて責任を負う。村での発言力も大きい。
- メイザル(声:斉藤昌子)
- ラオ博士の娘でシャンの妻。ラナの叔母にあたり、ラナから母親のように慕われている。
- 村長(声:水鳥鉄夫) - ハイハーバーの村長。
- クズゥ(声:水鳥鉄夫)、ドゥケ(声:若本紀昭) - モンスリーの部下
- ドンゴロス(声:神山卓三)、パスコ(声:池田勝) - バラクーダ号の船員
- グッチ(声:増岡弘) - バラクーダ号の調理師
- ルカ(声:水鳥鉄夫) - サルベージ船の作業員で、陸側で食堂も営んでいる。
- エイ(声:村松康雄)、ジュン(声:千葉順二) - インダストリア最高委員会の委員。普通のメガネをかけたほうがジュン博士で、黒メガネをかけているのがエイ博士。
- サク(声:塩屋翼) - ガルの息子
- タルコス(声:山下啓介) - ハイハーバーの風車村の責任者でダイスに鍛冶仕事を教える。
- ケイ(声:三田松五郎)
- ナレーション(声:伊武雅之)
その他
地理
- のこされ島
- おじい一行が地球脱出に失敗した際に墜落した島。浅瀬には軍艦の残骸があり、海中には都市が沈んでいる。周囲の海は魚が豊富で、しかも島の高台に突き刺さったおじいたちのロケットのコックピット部分(周辺の地層からの浸透?)から水が湧き出たので、おじいたちは生き延びることができた。コナンとおじいは、ロケットの下の石垣に囲まれた住居に住んでいる。戦争から年が経つにつれ島は樹木でおおわれ鳥たちも訪れるようになったが、おじいの仲間達は死に絶えコナンとおじいの二人だけになった。島のはずれに石造りの墓がある。
- 暴れ海
- ジムシーのいる島にたどり着くまでにコナンが通った海で、常に嵐・竜巻が吹き荒れている。
- プラスチップ島[6]
- 筏の漂着によりコナンがジムシーと出会った島。ジムシーは「オレの島」と呼んでいる。プラスチップの採取のためにバラクーダ号が定期的に訪れ、その際にジムシーは集めた食料(イモ・カエル・ネズミ)をバラクーダ号の調理師であるグッチを通じてタバタバ(たばこ状の嗜好品)と交換していた。もともとは多数の人間がいたが若者達は連れて行かれ今では年老いた人間が居るだけだという。ダイスらはその住人を使い、ロボノイドも駆使しながら何日かプラスチップの採取を行ったのちインダストリアに帰港する。
- インダストリア
- 前時代の産業的遺構を多く残した都市である。大陸の海岸線上に位置しており、周囲には砂漠が広がっている。人口は都市機能と比較すると飽和状態であるため新たに外部から人間を連れてくることは禁じられていた。三角塔を中心としてごく小規模な市街地を形成しているが地上に並ぶ家屋は多くが無人で[7]、人々の多くは三角塔内部か地下で生活している。インダストリアの行政機関は最高委員会とその下の局からなる。最高委員会は博士10名からなり、名目上最高権力を有している。三角塔のエネルギーの管理も最高委員会が行う。局には少なくとも行政局と貿易局の2つがあり、行政局はレプカが局長を務める。インダストリアの管轄内に居住している住民(サルベージ船周辺を含む)は、生活態度などによってつけられる点数に基づく等級に分けられる。等級は(囚人を含めれば)少なくとも4つあり、待遇や居住エリアは等級ごとに異なる(作中ではあまり詳しく触れられていない)。身分的に最下層の囚人たちは専用の銃型器具で額に星形の烙印を付けて区別され、居住区を地下に限定された上、衣類も粗末なものしか配給されない。街のはずれにはプラスチップの加工施設があり、バラクーダ号からトロッコで運ばれたプラスチップは石油に還元された上、ここでパンや衣類として加工されるほか石油のままガンボートへのエネルギーとして使用される。電力は原子炉によって賄われているが、炉の寿命がつきかけているため、三角塔の設備の使用(たとえばレーザー砲など)は原子炉に過負荷を強いることになる。三角塔における武力の使用もまた厳重に管理されており、三角塔の兵器やガンボートやファルコなどの戦力の使用・兵器庫の開放には委員会の承認が必要となるほか、護身用以外の武器の携行は禁じられている。
- ハイハーバー
- ラナがインダストリアに連れ去られる前に住んでいた島。大地殻変動によって死火山が海面上に残り、島となったもの[8]。周辺の気候は温暖で魚も豊富。住民は大地殻変動の際にラオ博士によって救出された人々からなっている。島の北側に火口湖を持ち、その周辺に村が形成されている。本村の外れには風車村があり、ラナもインダストリアに連れ去られる前にはここで働いていた[8]。南側の荒れ地はオーロの縄張りとなっており、また自動車道やバスなどの前時代の遺構も残されていて豚が飼育されている。チートたちの村も南側の海辺にあり、畜産を行っている。本村とは、陸路のほか、船で往来できる。人々はここで農業や漁業を営んでいる。
メカニック
- バラクーダ号
- プラスチップ輸送用の船。下部が膨らんだ独特の構造をしている。普段は帆を張って帆船とするが、緊急時には木炭ガスを動力源とすることもできる。左右には船にプラスチップを搬入するための作業船が備えられている。船長ダイスを始めとしてドンゴロス、パスコ、グッチら船員が乗り込む。
- ファルコ
- インダストリアの飛行艇。ギガントを除けばこの世界で(作中に登場する)唯一の飛行機。丸みを帯びた機体と大きな主翼を持ち水平尾翼がなく、垂直尾翼上端後方に水素ガスタービンエンジンで駆動するプロペラが付いている。最高速度時速360㎞。最低速度時速60㎞[9]。第11話で大破するが、第20話以降で固定式、旋回式機銃で武装して再登場している。
- ロボノイド
- インダストリアの作業用ロボット。燃焼式エンジンで駆動し、3本のレバーと4つのスイッチのみで両手両足を自在に操れる。インダストリアの地下街建設に使用されていたものの残りで[10]、人間より腕力が必要な作業に使われる。箱型のコックピットに手足のみというシンプルな構造。インダストリアの作業場で用いられるほか、バラクーダ号の船槽に搭載され、プラスチップ採取地で用いられる。
- フライングマシーン
- 反重力装置で飛行する乗り物。インダストリアでラオ博士が使用した機体と、ハイハーバーに隠されていた機体の2機が登場している。前者は紫色のドングリのような形で上部に小さなデッキを備え、防弾仕様で収納式の着陸脚が3つ、上部に展望デッキがそなえられている。後者は、作中で750km/hと高速かつ潜行することができるが、防弾装甲を持たない。小型旅客機仕様らしく、客室と小型の台所を備えている。
- ガンボート
- インダストリアに唯一残る軍艦で、直訳すると砲艦。設定資料によれば、全長58メートル、全幅8.3メートル、排水量415トン、ガスタービン動力、速力24ノット、76.2mm単装砲1門(前甲板)、23mm機関砲2門(艦橋)、57mm単装砲1門(後甲板)。多量の石油を消費するためインダストリア最高委員会の許可がなければ使用できない。大型火器や航洋船をもたないハイハーバー住民には大きな脅威となった。作中で幼少時のモンスリーが大変動直後に漂流中を救出された。インダストリアにはこの他にもモーターボート等の動力船が数隻ある。
- サルベージ船
- 沈没した船を引き揚げるために使用する作業船で、インダストリアの人もない砂漠地帯に係留されている。ただし今日の一般的なサルベージ船の形状とは異なり自力航行はできず、クレーンや巨大なマジックハンドのようなものが据え付けられたグロテスクな外見をしている。ここで引き揚げた船は、後のインダストリア脱出の際に使用されることになった。回収作業用として潜水服が備え付けられているが、酸素タンクを背負うものではなく船上からポンプで空気を供給する仕組みのヘルメット潜水型である。
- ギガント
- かつて全世界を滅ぼした最終兵器。巨大な全翼機で、一度大気圏外に離脱すれば、自ら太陽エネルギーを吸収して半永久的に飛行可能である。全身に大小100基の砲座を装備した空中要塞。機体はブロック構造になっており、損傷部位を速やかに切り離すことが可能である。インダストリアの地下に1機だけ残されていた。名前の由来はMe323である。2008年の大崩壊を起こした主力兵装は、機体下面にあるが劇中では登場していない[11]。
スタッフ
作画
日本アニメーション社内班とOH!プロダクションの2班が作画として参加[12]。作画枚数は6千枚から7千枚をかけている[13]。作画監督は、大塚康生が単名でクレジットされているが、事実上、宮崎駿と大塚のダブル体制である[14]。特にラナに関しては、1話のラナの大塚の作画修正を見て、2話以降のラナの作画監督は宮崎駿が行うようになった[15]。
音楽
N響アワーの司会でも知られる作曲家池辺晋一郎にとって本作は初のアニメ作品であった。子供向けを意識したのか、池辺の他の劇伴作品と比べてより明確な調性志向が強く、明るい音楽が多いのが特徴である。後にN響アワーでゲストに小原乃梨子を迎えた時には、冒頭でこそドラえもんののび太の声で「どこでもドアでウィーンに連れてってよ」と演じたものの、話題としては未来少年コナンに割いた時間も多かった。
脚本
クレジットされている脚本家は宮崎駿から渡されたシノプシスを元に脚本を執筆していたが、当時のプロデューサーにとってアニメには脚本が必要という慣例上そうしていただけで、実際にはそれの脚本はほとんど使われず、宮崎は直接絵コンテを描き降ろしている[16]。宮崎は脚本をあくまで叩き台として考えており、スケジュールが遅延して来たため、直接絵コンテから描くようになったとしている[17]。
スタッフリスト
- 一部、劇場版でのクレジットも含む。
- 原作:アレグサンダー=ケイ「残された人びと」
- 企画・製作:日本アニメーション株式会社
- 製作:本橋浩一
- 製作管理:高桑充
- 企画:佐藤昭司
- 音楽:池辺晋一郎
- 作画監督:大塚康生
- 美術監督:山本二三
- 撮影監督:三沢勝治
- 録音監督:斯波重治
- キャラクターデザイン・メカニックデザイン・場面設定・大道具・小道具:宮崎駿、大塚康生
- 動画チェック:前田英美
- 動画チェック助手:大島秀紀
- 美術補:阿部泰三郎
- 背景:アトリエローク(現:アトリエローク07) 阿部泰三郎、高野正道、笠原淳二、川本征平
- 色指定・仕上検査:保田道世
- 撮影:東京アニメーションフィルム(現:アニメフィルム) 金子仁、清水達正、小山信夫
- 編集:瀬山武司、割田枡男、上遠野英俊
- 現像:東洋現像所(現:IMAGICA)
- 演奏:コンセール・レニエ
- 効果:石田秀憲(石田サウンド(現:フィズサウンドクリエイション))
- 整音:桑原邦男
- 録音制作:オムニバスプロモーション
- 録音スタジオ:シネビーム・スタジオ
- 演出助手:鈴木孝義、馬場健一
- 制作進行:細田伸明(1~26話)、星出和彦、竹内考次、内山秀二、神田喜雅、照井清文
- 演出補:早川啓二
- プロデューサー:中島順三、遠藤重夫
- 演出:宮崎駿(1~26話)、高畑勲(9、10話)、早川啓二(11~26話)
- 監督:宮崎駿
- 制作:日本アニメーション、NHK
- © NIPPON ANIMATION CO.,LTD.1978
主題歌
- オープニングテーマ「いま、地球が目覚める」(歌:鎌田直純、山路ゆう子)
- エンディングテーマ「幸せの予感」(歌:鎌田直純、山路ゆう子)
-
- レーベルはNHKレコード(発売元はポリドール)
サブタイトル
| 話数 | サブタイトル | 脚本 | コンテ | 演出 | 背景 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | のこされ島 | 中野顕彰 | 宮崎駿 | 宮崎駿 | 阿部泰三郎 |
| 2 | 旅立ち | 胡桃哲 | |||
| 3 | 初めての仲間 | 中野顕彰 | 宮崎駿 早川啓二 |
高野正道 | |
| 4 | バラクーダ号 | 胡桃哲 | 阿部泰三郎 | ||
| 5 | インダストリア | 中野顕彰 | 奥田誠治 | 高野正道 | |
| 6 | ダイスの反逆 | 阿部泰三郎 | |||
| 7 | 追跡 | 高畑勲 | 高野正道 | ||
| 8 | 逃亡 | 宮崎駿、早川啓二 | 笠原淳二 | ||
| 9 | サルベージ船 | 吉川惣司 | 高畑勲 | 宮崎駿、高畑勲 | 阿部泰三郎 |
| 10 | ラオ博士 | 阿部泰三郎 高野正道 笠原淳二 |
|||
| 11 | 脱出 | 石黒昇 | 宮崎駿、早川啓二 | ||
| 12 | コアブロック | 中野顕彰 | 高畑勲 | ||
| 13 | ハイハーバー | ||||
| 14 | 島の一日 | とみの喜幸 | |||
| 15 | 荒地 | 吉川惣司 | 宮崎駿、早川啓二 | ||
| 16 | 二人の小屋 | 宮崎駿 | 高野正道 笠原淳二 |
||
| 17 | 戦闘 | 宮崎駿、鈴木孝義 | |||
| 18 | ガンボート | 宮崎駿 | |||
| 19 | 大津波 | 宮崎駿、早川啓二 | |||
| 20 | 再びインダストリアへ | 高畑勲 | |||
| 21 | 地下の住民たち | とみの喜幸 | |||
| 22 | 救出 | 宮崎駿 | |||
| 23 | 太陽塔 | 中野顕彰 | |||
| 24 | ギガント | ||||
| 25 | インダストリアの最期 | ||||
| 26 | 大団円 |
前後番組
| NHK総合 火曜19:30枠 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
|
未来少年コナン
|
||
映画版
未来少年コナン
NHKのテレビシリーズをまとめた総集編『未来少年コナン』が1979年に劇場公開された。同時上映作品は、同じく日本アニメーション制作の『野球狂の詩 北の狼南の虎』。
実写映画「海底大戦争」などの監督作品がある佐藤肇が総監督(映画OPでは監督とクレジット)を務めた。物語はかなり改変されており、ハイハーバーやギガントの存在が割愛されている。主題歌を歌うのは研ナオコで、BGMはテレビシリーズと別な曲に変更されていた。
ラオ博士が死ななかったり、インダストリアが沈まないなどラストのストーリーは改変され[18]、テレビシリーズとはかなり異なった趣きに仕上がっている。急性声帯炎を押して収録したコナン役の小原乃梨子も複雑な気持ちだったことを明かし[19]、当時のファンの反応はあまり芳しいものではなかった。安直に総集編を劇場公開した関係者を批判する声も少なくなかった。ビデオやLDは1984年に発売されたが、現在絶版状態にある。
本作を制作した日本アニメーションの社長本橋浩一とニッポン放送のラジオプロデューサーだったドン上野こと上野修が同級生だった関係から、ニッポン放送側から日本アニメーションに映画化の話が持ち込まれ、東映が製作協力と配給を行うことで製作が決定した[20]。
監督の佐藤肇と脚本の今戸栄一は東映側のプロデューサーによる指名であった[20]。しかし、企画当初は、総監督には宮崎の就任が予定されており、雑誌「アニメーション」1979年5月号(すばる書房)で発表があり、宮崎もコメントを寄せていた。しかし宮崎はテレビシリーズの再編集というアニメ映画のあり方に反対で、テレビシリーズ全26話を劇場で上映するか、続編を新作映画として制作することを要求して衝突。この再編集版には一切関わらずに、自らの名前も監督から外させた[21]宮崎駿の作品歴から再編集版は省かれている。
一方、映画を盛り上げるべく、1979年7月20日には、ファン1万人を集めて、日本武道館で「コナン・フェスティバル」を開催した。内容は、第1部が本作を上映しながら舞台上で声優が生アテレコを披露する「コナン・ストーリー」、第2部が作詞作曲した谷山浩子による劇場版主題歌の披露、第3部がささきいさお、堀江美都子、大杉久美子らアニメソング歌手と水島裕、神谷明、富山敬ら特別ゲストの声優によるアニメソング・ヒット・パレードというものであった[20]。
さらにニッポン放送は、映画公開の前日深夜となる1979年8月31日には『オールナイトニッポン』で4時間の生放送を行い、その中で新たに書き起こされた台本で本作の生ラジオドラマも放送された。演出は映画化を持ちかけたドン上野本人で[22]、声優もゲスト出演してファンと電話で交流したりもした[20]。
- 公開:1979年9月1日
- 上映時間:123分
- 製作:本橋浩一
- 製作管理:高桑充
- 企画:佐藤昭司
- 脚本:今戸栄一
- キャラクターデザイン:大塚康生
- 音楽:藤家虹二
- 音楽プロデューサー:上野修
- 録音:岡村昭治
- 音響効果:大平紀義
- 編集:田中修
- 選曲:石川孝
- 記録:宮本衣子
- プロデューサー:中島順三、足立和
- 総監督:佐藤肇
- 制作協力:東映株式会社
- 制作:日本アニメーション株式会社
主題歌
未来少年コナン 特別編 巨大機ギガントの復活
本作は、TVシリーズで人気の高かった「ギガント」「インダストリアの最期」「大団円」の3つの話を再編集したダイジェスト版である。同時上映は『超人ロック』。劇場公開日は『風の谷のナウシカ』と同日だが、こちらの方はほとんど話題にならなかった。
- 公開:1984年3月11日
- 上映時間:49分
- 公開:松竹系
- 製作:本橋浩一
- 製作管理:高桑充
- 企画:佐藤昭司
- プロデューサー:中島順三、遠藤重夫
- 演出補佐:早川啓二
- 演出助手:馬場健一
- 作画監督:大塚康生
- 脚本:中野顕彰
- 絵コンテ:宮崎駿
- 撮影監督:三沢勝治
- 音楽:池辺晋一郎
- 美術監督:山本二三
- 録音監督:斯波重治
- 録音スタジオ:ニュージャパンスタジオ
- 編集:瀬山武司
- 劇場版構成:吉田耕造
- フィルム構成:映像音響システム・YOSHI編集室
- 現像:東洋現像所
- 制作進行:細田伸明
- ナレーション:小林清志
- 監督:宮崎駿
- 制作:日本アニメーション株式会社・松竹株式会社
ゲーム
未来少年コナン(PCエンジン SUPER CD-ROM²)
2Dアクションゲーム。「のこされ島」「インダストリア」「ラオ博士」「ハイハーバー」「救出」「ギガント」の6ステージで構成されている。スプライトとBG(バックグラウンド)を駆使したプログラムによるドット絵で再現したオープニングやエンディング、アニメーションシーンが挿入され、アニメと同じ声優陣による音声が流れる(ただしナレーションは阪脩、ガルは水鳥鉄夫に変更されている)。
未来少年コナン DIGITAL LIBRARY
1995年10月20日発売、発売元:バンダイビジュアル)。3DO向けのアニメのデータベースソフト。2種類のミニゲームも収録されている。
未来少年コナン(プレイステーション2)
3Dポリゴンのトゥーンレンダリングによる3Dアクションゲーム。「残され島編」「インダストリア編」「ギガント編」の3部構成。カメラワークや操作性に問題があり、評価は良くない。オープニングやエンディング、ゲーム中にテレビアニメから取り込んだアニメーションムービーが流れる。しかしゲーム中の声優は5人のみで、コナン役の小原乃梨子以外はオリジナルとは違うキャストになっている。
本作の影響
本作を見たことで、アニメ業界を志したクリエイターも多い。本郷みつる[23]、摩砂雪[24]、井上俊之[25]、田中達之[26]など。スタジオジブリ作品の常連となったアニメーターの高坂希太郎も高校時代に本作を見て、宮崎駿と仕事が出来る可能性のあった作画スタジオのOH!プロダクションに入社したという[27]。平松禎史にとっては、絵を動かすことの面白さを教えられた作品であり、パラパラマンガを描くようになったという言わばアニメーターとしての原点となっている[28]。
本作には絵コンテで参加した富野由悠季は、『戦闘メカ ザブングル』を監督するにあたって、『未来少年コナン』を模倣するところから始めたと語っている[29]。また、当時新人だった押井守は、本作の絵コンテ集によってレイアウトを学び、高畑勲の絵コンテでのラオ博士の扱いでキャラクターを立たせる「戦略的な演出」を理解したという[30]。
さらに1995年に公開されたアメリカ映画『ウォーターワールド』が本作の影響を受けているのではないかという声がある[31] [32]。
ビデオグラム化
バンダイビジュアルが発売元にし、1990年4月にレーザーディスク全7枚組のLD-BOXが39,600円で発売。1997年にはLD-BOXに使われたマザーを素材にDVD-BOXが発売。2001年になって、ニュープリント、ニューテレシネで新たにマスターが作成されて、日本語字幕と音声と効果音のみ収録したMEトラックも追加された仕様のDVDが再発売された[33]。さらに2008年1月には、の本放送30周年記念として廉価版DVD-BOXが新たに初回限定で発売された[34]。
DVD(近年発売されたニュープリント版DVDも映像は新しいが音声は古い素材の流用)はバンダイビジュアルの意向で不適当なセリフが一部カットされている。(第3話のドンゴロスの「脳天パー」や第5話のレプカの「人非人(にんぴにん)」等)しかし再放送では、音声カットされていない場合が多い。
その他
脚注
- ^ 宮崎駿、富沢洋子「「コナン」を語る」『出発点 1979~1996』徳間書店、1996年、p.434。
- ^ NHK BS2『お宝TVデラックス テレビアニメ進化論』2008年12月6日放送
- ^ 「「コナン」を語る」『出発点 1979~1996』p.435
- ^ 「「コナン」を語る」『出発点 1979~1996』p.437
- ^ 裏設定ではあるが、天空の城ラピュタのムスカの末裔とされる。『ジブリ・ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』に記述がある。
- ^ 名前は未来少年コナン公式サイト(バンダイビジュアル)による。
- ^ DVD「未来少年コナン6」付属冊子
- ^ a b DVD「未来少年コナン5」付属冊子
- ^ DVD「未来少年コナン1」付属冊子
- ^ DVD「未来少年コナン3」付属冊子
- ^ DVD「未来少年コナン7」付属冊子
- ^ 『宮崎駿の<世界>』p.64
- ^ 『大塚康生インタビュー』p.85
- ^ 『大塚康生インタビュー』p.161
- ^ 『大塚康生インタビュー』p.46
- ^ 『大塚康生インタビュー』p.159
- ^ 宮崎駿「私にとってのシナリオ」『出発点 1979~1996』徳間書店、1996年、pp.98-99。
- ^ アニメージュ編集部編『劇場アニメ70年史』徳間書店、1989年、p.76.
- ^ 石黒昇、小原乃梨子『私設・アニメ17年史』大和書房、1980年、pp.185-187。
- ^ a b c d 「劇場公開決定! 未来少年コナン おまえの最期の大冒険がいま、はじまる」『アニメージュ』1979年9月号、徳間書店、
- ^ 『宮崎駿の世界』p.160
- ^ ドン上野『ミスター・ラジオが通る』実業之日本社、1986年、pp.92,115
- ^ 「本郷みつると仲間たちPART2」『アニメージュ』1996年9月号、徳間書店
- ^ 堀田純司、GAINAX『ガイナックス・インタビューズ』講談社、2005年、p.93
- ^ 小川びい、小黒祐一郎「アニメの作画を語ろう animator interview 井上俊之(1)」 WEBアニメスタイル 2001年3月29日
- ^ 小川びい、小黒祐一郎「アニメの作画を語ろう animator interview 田中達之(1)」 WEBアニメスタイル 2003年9月29日
- ^ 『ロマンアルバム・エクストラ61 風の谷のナウシカ』徳間書店、1984年、p.114
- ^ 『ガイナックス・インタビューズ』p.370
- ^ 『富野由悠季インタビュー集 富野語録』ラポート、1999年、pp.72-73.
- ^ 押井守『押井守1995-2004 これが僕の回答である』インフォバーン、2004年、pp.178-179
- ^ 岡田斗司夫「日本文化としてのアニメ」『キネマ旬報』1995年10月上旬号
- ^ 佐野眞一『日本映画は、いま スクリーンの裏側からの証言』TBSブリタニカ、1996年、p.136。アニメ研究家のおかだえみこの談話。
- ^ ニューマスター使用の「未来少年コナン」が再発売 AV Watch 2001年6月14日
- ^ 「DVD発売日一覧」 10月9日の更新情報 AV Watch 2007年10月10日
参考文献
- 『残された人びと』アレグザンダー・ケイ作 内田庶訳(岩崎書店)
- ファンタスティックコレクションNo.15『未来少年コナン』(朝日ソノラマ)
- アニメーション狂専誌FILM1/24別冊未来少年コナン(アニドウ)
- ロマンアルバム46 EXTRA 未来少年コナン(徳間書店)
- アニメージュ文庫『また、会えたね!未来少年コナン』(徳間書店)
- ラポート・デラックス3未来少年コナン大事典(ラポート)
- 未来少年コナン愛蔵版(学研:アニメディア)
- 未来少年コナン「LD-BOX」解説書(バンダイ)
- 季刊レーザービジョンレビュー1986・秋 第6号(株式会社・AVエクスプレス)
- 切通理作『宮崎駿の<世界>』筑摩書房・ちくま新書、2001年
- 大塚康生、森遊机『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年
外部リンク
- 未来少年コナン公式サイト(バンダイビジュアル)
- 未来少年コナン(日本アニメーション)
- 未来少年コナン(NHKアニメワールド)
- 未来少年コナン (ゲームソフト/PCエンジン)
- 未来少年コナン(ゲームソフト/PlayStation2)
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