南国少年パプワくん

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南国少年パプワくん
ジャンル ギャグサイエンス・ファンタジー
漫画
作者 柴田亜美
出版社 エニックス(現スクウェア・エニックス
掲載誌 月刊少年ガンガン
発表号 1991年4月号 - 1995年6月号
巻数 全7巻
話数 全56話
アニメ
原作 柴田亜美
監督 高木淳
キャラクターデザイン 武内啓
音楽 中村暢之
アニメーション制作 日本アニメーション
製作 テレビ朝日、日本アニメーション
放送局 テレビ朝日系列
放送期間 1992年10月10日 - 1993年10月2日
話数 全42話
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

南国少年パプワくん』(なんごくしょうねんパプワくん)は、柴田亜美による日本漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。

月刊少年ガンガン』(エニックス〈現スクウェア・エニックス〉刊)において、1991年4月号から1995年6月号まで連載された。全56話、単行本は全7巻、新装版全7巻。また、続編として『PAPUWA』がある。

概要[編集]

『月刊少年ガンガン』の創刊と同時に連載が開始され、柴田亜美の(プロとしての)本格デビュー作になった。テレビアニメ化もされ人気を博し、『少年ガンガン』から初のアニメ作品となった。累計発行部数は600万部以上[1]

主人公の「シンタロー」が迷い込んだ不思議な島「パプワ島」での生活を描いたギャグ漫画。シンタローが島に住む謎の少年「パプワくん」や島の奇妙な生物達(作中では「ナマモノ」と呼ぶ)に振り回されて様々なトラブルに会う、というのが毎回のパターンである。連載の後半では少年漫画らしいバトル描写中心の展開になった。

また、連載中を通して女性キャラクターがたった一人しか登場しないことも特徴(なお、性別が「メス」だと思われるキャラクターは数名〈匹〉いるが、女性キャラらしい人物は一人だけである)。同性愛をモチーフにしたギャグが頻出するが、いわゆる下ネタは皆無という珍しい作風になっている。

連載開始秘話[編集]

作者が広告会社のイラストレーターとして働いていた当時、「ドラゴンクエスト4コママンガ劇場」で人気のあった作者に、『ガンガン』編集部から「新雑誌を創刊するから漫画を描いてみない?」と依頼が来る。これを、読み切り作品の依頼と作者が勝手に思い込み、読み切りのつもりで描いたのが、『南国少年パプワくん』の第1話目である。

完成した原稿を編集部に持っていったところ、編集者に「じゃあ続きのネーム持って来て」と言われ、作者はそこで初めて、これが連載作品の依頼であったことに気付いたという。

その後、第2話目までは会社に勤めながら描いていたが、やはり仕事と漫画家の両立は難しく、作者は会社を辞めることとなる。その際に上司に「漫画失敗したらいつでも戻って来いよ」という優しい言葉をかけてもらい、感動したらしい。

あらすじ[編集]

ガンマ団から青い秘石を盗み、追われる身となった青年シンタローは、ガンマ団の追っ手を振り切れずに海を漂うことになり、やがて流れ着いた島がパプワ島。島に住む唯一の人間パプワ、人語を話す生物(ナマモノ)と呼ばれる奇妙な動物達との交流、シンタローを追うガンマ団の刺客達との戦いを描く。

登場人物[編集]

用語[編集]

秘石
赤と青の2つがある、手のひらサイズの球状の石。2つを手に入れた者は世界を手に入れられるとも言われる。その出自は不明だが、遥か古代から存在しているようである。石に秘められた力が作り出したそれぞれの一族と共に、「聖域」であるパプワ島で長い年月を過ごしていた。赤の秘石はパプワ島の地下深くに安置されていたが、青の秘石は青の一族が島を出た際に持ち出され、シンタローに盗まれるまではガンマ団本部にあった。
物語序盤は、不思議な力を持ってはいるもののあくまでただの石だと思われていたが、『南国少年パプワくん』の後半において赤の秘石が登場した際、人格を持っていることが判明(最初から登場していた青の秘石は無口なだけであったらしい)。
なお、赤と青の秘石はその考えや行動方針が微妙に異なっており、仲があまり良くない。
赤の一族・青の一族
秘石が作り出した古代文明人の一族。
古代はやや対立しつつも秘石を守り平和に暮らしていたが、青の一族は秘石を持って島を脱出してしまう。この時に両一族の対立は決定的になったらしく、今でもヨッパライダーは青の一族を「邪悪な一族」と呼んで忌み嫌っている。
その後起こった災害によって1人の赤子(パプワ)を残し滅んでしまった。青の一族はその後も人間と交わり繁栄を続け、世代を経てガンマ団を創設し現在に至っている。
現在のパプワ島(第1のパプワ島)は、両一族の住む島々が沈んでいく中残った最後の島であったが、『南国少年パプワくん』のラストで他の島々が浮上する。その後に登場する島(第2のパプワ島)は、箱舟により、次元を超えてきた青の秘石が過去の記憶から創り出した物。
後に島に残っていた住民達の多くは異次元へと旅立ち、現在のパプワ島のナマモノと異次元の聖犬一族などの祖先となっている。
現在の青の一族は、ガンマ団総帥を兼ねている関係もあって、各国との対立バランスを保つため、結婚はせず全世界から優れた遺伝子を集め、選ばれた卵子により人工授精(実際は代理出産なのかは不明)によって男性のみが生まれるということが『PAPUWA』にて発覚する。
そのため、遺伝上の母親の存在は知らされておらず[2]一卵性多胎児を除き、同一の母を持つ者はほぼ皆無である[3]。他の青の一族の特徴として、青の一族の者は全て金髪である他、善悪の感情が欠落する特有の疾患を持つ者が時々生まれる。
秘石の番人
秘石を守ると言う使命を負った人間。
それぞれの秘石が自ら作り出した人間1人がその役目に就く。番人になると歳をとらなくなる上、仮に怪我をしたり死んだりしても秘石の力によって修復され蘇生するので基本的に交代することはない。
なお、初代秘石の番人は、互いの名を並べると「ヤヌス」になる。
秘石眼
赤・青の秘石の継承者一族が持っている特殊な眼。眼の力が発動すると超常的な力を発揮出来るが、コントロールできずに暴走することもある。
両目とも秘石眼である者と、片目だけが秘石眼である者が存在するが、サービス曰く、青の一族の歴史からして片目が普通であり、両目秘石眼は特異な存在であるとのこと。力は両目とも秘石眼である者の方が強い。作中に登場した赤の一族・青の一族ではパプワ、マジック、コタローが両目とも秘石眼であった。
眼魔砲
青の一族に伝わる秘技。気合とともに手から衝撃波を放つ。
ガンマ団
島を後にした青の一族の末裔が興した組織。「世界最強の殺し屋集団」との触れ込みであるが、多方面に渡る戦闘能力者を抱えており、実質的には傭兵部隊のような存在である。
『PAPUWA』にて、マジックが総帥の座をシンタローに譲ってからは、「悪い奴にのみ限定のお仕置き集団(ギャラはスイス銀行振込)」になっている。
ナマモノ
パプワ島に生息する生き物達の総称。

所収[編集]

アニメ[編集]

テレビ朝日系列フルネット局で1992年10月10日から1993年10月2日にわたり、土曜19時30分から20時00分の枠で全42話が放送された。ただし、朝日放送は自社制作のドラマ『部長刑事』を放送した関係上、夕方枠での先行ネットだった。大分朝日放送は開局日の関係で最終回のみ放送した。また、本放送終了後に開局したテレビ朝日系列局では、愛媛朝日テレビ山口朝日放送(最終回のみ同時ネット後、再放送で全話放送)琉球朝日放送で放送された。

テレビ朝日系列と他系列のクロスネット局では山形放送(当時日本テレビ系列優先ネットのクロスネット局)のみでの放送にとどまった。

さらに、系列外局では、番組販売扱いの遅れネットという形で宮崎放送TBS系列、テレビ朝日系列クロスネット局のテレビ宮崎フジテレビ系列優先のため)・テレビ岩手日本テレビ系列)で、本放送終了後にチューリップテレビ山陰放送(いずれもTBS系列)・高知放送日本テレビ系列)で、それぞれ放送されている。

アニメ化された範囲は原作単行本の4巻までで、シンタローが一旦島を離れる段階を最終話とした。

スタッフ[編集]

  • 原作:柴田亜美(エニックス『ガンガンコミックス』刊)
  • 製作:本橋浩一
  • 製作管理:本橋寿一、中島順三
  • 企画:佐藤昭司
  • 監督:高木淳
  • キャラクターデザイン:武内啓
  • 色彩設計:大平敬志
  • 美術設定:工藤剛一
  • 美術監督:川井憲
  • 音楽:中村暢之
  • 音響監督:本田保則
  • 撮影監督:森田俊昭
  • 編集:小野寺桂子
  • プロデューサー:太田賢司、遠藤重夫
  • 制作:テレビ朝日、日本アニメーション

主題歌[編集]

下記3曲のCDシングルは、いずれも日本コロムビアから発売された。

2001年の「ジャングルはいつもハレのちグゥ」放映時、オープニング主題歌の「LOVE☆トロピカ〜ナ」が「んばば・ラブソング」と酷似していると注目されたことがある。実際、動画投稿サイトなどでは「んばば・ラブソング」の曲に「LOVE☆トロピカ〜ナ」の歌詞をのせて歌えるかを検証するなどされたが、このことはどちらも同一の作曲者・小杉保夫によって制作されているために起こったものである。同様の現象は「三つ目がとおる」のオープニング主題歌「?(はてな)のブーメラン」と「ふたりはプリキュア」のオープニング主題歌「DANZEN! ふたりはプリキュア」などでも起こっている。

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 コンテ 演出 作画監督 放送日
1 んばば! きょうからお前も友達だ 海老沼三郎 高木淳 武内啓 1992年
10月10日
2 働けシンタロー! 食事は命がけだ 大山歳郎 細田雅弘 松本朋之 10月17日
3 生き字引きの筆! 東北ミヤギ登場 海老沼三郎 高木淳 矢部秋則 小曽根孝夫 10月24日
4 お帰りじぃちゃ! パプワの秘密 大山歳郎 稲垣卓也 新田義方 山崎隆生 10月31日
5 脳天気野郎忍者トットリくん参上 海老沼三郎 野崎郁子 稲垣卓也 武内啓 11月21日
6 パプワ島のふしぎな仲間全員集合 大山歳郎 林一男 松本朋之 11月28日
7 トン骨パワー! 博多どん太君登場 海老沼三郎 矢部秋則 小曽根孝夫 12月5日
8 大決戦だぞ! パプワの森の守り神 大山歳郎 新田義方 山崎隆生 12月12日
9 メリークリスマス! パプワ島聖夜 海老沼三郎 稲垣卓也 武内啓 12月19日
10 爆裂! 炎のアラシヤマおたべ攻撃 細田雅弘 松本朋之 12月26日
11 復活! ミヤギ・トットリのW攻撃 大山歳郎 矢部秋則 小曽根孝夫 1993年
1月9日
12 危機一髪! 記憶をのぞく秘密兵器 稲垣卓也 武内啓
藤井裕子
1月16日
13 探検! パプワ島地底に謎のトビラ 新田義方 平山英嗣 1月23日
14 シンタローのパパ? マジック総帥 大山歳郎 高木淳 稲垣卓也 武内啓 1月30日
15 珍プレー対決! 刺客甲子園球児だ 林一男 松本朋之 2月6日
16 刺客武者のコージ & キヌガサくん 海老沼三郎 矢部秋則 小曽根孝夫 2月13日
17 めざせ! 願いを叶えるイッポン竹 大山歳郎 平川達也 武内啓 2月20日
18 史上最強! グンマ博士 & ロボット 海老沼三郎 新田義方 平山英嗣 2月27日
19 イカ男の恐怖! 吹き荒れる愛の嵐 稲垣卓也 武内啓
藤井裕子
3月6日
20 ハチャメチャ! パプワ島大運動会 大山歳郎 細田雅弘 松本朋之 3月13日
21 秘石争奪戦! 4人の戦士夢の対決 矢部秋則 小曽根孝夫 3月20日
22 大騒動! 春のぴきぴきピクニック 海老沼三郎 高木淳 稲垣卓也 武内啓 4月10日
23 お花見怪獣ヨッパライダー出現! 大山歳郎 新田義方 平山英嗣 4月17日
24 子育てチャッピー! 白熊くん物語 稲垣卓也 武内啓
藤井裕子
4月24日
25 再上陸! 天才グンマ博士の新ロボ 林一男 松本朋之 5月1日
26 ステキに無敵! ドクター高松登場 藤本信行 矢部秋則 小曽根孝夫 5月8日
27 南国温泉の戦い! 地獄温泉別府丸 海老沼三郎 平川達也 武内啓 5月22日
28 シンタローの誕生日! パパ再登場 小松崎康弘 新田義方 平山英嗣 5月29日
29 さらばパプワ島! シンタロー脱出 藤本信行 斉藤次郎 武内啓
藤井裕子
6月5日
30 催眠術師! 津軽ジョッカー見参! 小松崎康弘 細田雅弘 松本朋之 6月12日
31 刺客ウイロー! 名古屋の魔法使い 藤本信行 矢部秋則 小曽根孝夫 6月19日
32 超人パプワ! 移動遊園地で大暴れ 小松崎康弘 稲垣卓也 武内啓 6月26日
33 イカ男ウミギシ涙! タンノの秘密 西村孝史 新田義方 平山英嗣 7月3日
34 狙われた秘石! 日光猿王とタロー 藤本信行 平川達也 武内啓
藤井裕子
7月10日
35 過去を映す鏡! マジック一族の謎 小松崎康弘 細田雅弘 松本朋之 7月24日
36 謎のサービス! 秘石眼を捨てた男 矢部秋則 小曽根孝夫 7月31日
37 サービス上陸! シンタローの秘策 西村孝史 斉藤次郎 武内啓 8月14日
38 対決! 四人の戦士VS無敵サービス 新田義方 平山英嗣 8月21日
39 パプワ島大騒動! オバケが出たぞ 小松崎康弘 稲垣卓也
高木淳
稲垣卓也 武内啓
藤井裕子
8月28日
40 ヒグラシの夢! あの空を飛びたい 細田雅弘 松本朋之 9月11日
41 大統領は誰だ! パプワ島の総選挙 西村孝史 矢部秋則 小曽根孝夫 9月25日
42 さよならパプワ島! みんな友達だ 高木淳 武内啓 10月2日
テレビ朝日系列 土曜19:30枠(1992年10月 - 1993年10月)
前番組 番組名 次番組
南国少年パプワくん

OVA「南国少年パプワくん 星降る夜に会いましょう」[編集]

原作にはあるもののTVアニメにはならなかったエピソード“星降る夜に会いましょう”がOVAとして販売された。

関連商品[編集]

カセットブック[編集]

アニメイトカセットコレクション(ムービック

  • 第一巻「コタローへ兄から愛のメッセージ!」(1993年7月1日)
  • 第二巻「雪国少女くり子ちゃん」(A面)「パプワトピア」(B面)(1994年2月1日)
  • 第三巻「ガンマ団本部奪回大作戦」(1994年10月1日)

オリジナルストーリーによるボイスドラマのカセットテープである。出演声優はテレビアニメ版と同じ。

ゲーム[編集]

  • 南国少年パプワくん(1994年3月25日発売、スーパーファミコン、販売:スクウェア・エニックス・開発:Daft)
  • 南国少年パプワくん・ガンマ団の野望(1994年3月25日発売 、ゲームボーイ、スクウェア・エニックス)

脚注[編集]

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  1. ^ 事業概要”. スクウェア・エニックス・ホールディングス (2013年6月25日). 2013年6月26日閲覧。
  2. ^ ただし『南国少年パプワくん』にてシンタローが回想録で赤子のコタローを抱き上げた際に「おふくろは〜」と言っていたことがある。
  3. ^ 確率計算上では、同一の母体から提供された卵子を持つ父親違い、及び父・母共に同一人物である者・卵子提供者が血縁関係にあるというのは存在するが、確認はされていない。

外部リンク[編集]