風立ちぬ (宮崎駿の漫画)
| 風立ちぬ | |
|---|---|
| 漫画 | |
| 作者 | 宮崎駿 |
| 出版社 | 大日本絵画 |
| 掲載誌 | モデルグラフィックス |
| 発表号 | 2009年4月号 - 2010年1月号 |
| 話数 | 9話 |
| 映画 | |
| 監督 | 宮崎駿 |
| 制作 | スタジオジブリ |
| 封切日 | 2013年7月20日(予定) |
| 上映時間 | (不明) |
| テンプレート - ノート | |
| ウィキプロジェクト | 漫画、アニメ |
| ポータル | 漫画、アニメ |
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『風立ちぬ』(かぜたちぬ)は、宮崎駿による日本の漫画、およびそれを原作としたアニメーション映画。『モデルグラフィックス』(大日本絵画)において、2009年4月号から2010年1月号まで連載された。映画は2013年7月20日に公開される予定。
目次 |
概要[編集]
宮崎駿が『モデルグラフィックス』誌上にて発表した連載漫画であり、その後、スタジオジブリによりアニメーション映画化された[1][2][3][4]。映画は2013年夏に劇場公開される予定である[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10]。宮崎が長編アニメーション映画の監督を務めるのは、2008年の『崖の上のポニョ』以来となる[1][2][4][5][6][7][8][9][10]。また、宮崎が『モデルグラフィックス』に連載した漫画がアニメ化されるのは、1992年の『紅の豚』以来2作目となる[11]。漫画版の各話冒頭には作者名が書かれおり、第1回や第6回などでは本名の「宮崎駿」[12][13]名義となっていたが、第2回は「宮﨑グズオ」[14]名義となっていたが、第2回は「宮﨑グズオ」[14]、第3回は「宮﨑ノロオ」[15]、第4回は「宮﨑ノビオ」[16]、第5回は「宮﨑オソオ」[17]、第7回は「宮﨑YASUMIGACHI駿」[18]など自身の遅筆を捩った筆名を用いている。いずれの名義も手書きで書かれており、「崎」ではなく本名の「﨑」の字を使って表記されている。
実在の人物である堀越二郎をモデルに、その半生を描いた作品であるが[1][2][3][4][5][7][9][10]、堀辰雄の小説『風立ちぬ』からの着想も盛り込まれている[1][4][5][7][8][9][10]。そのため映画のポスターには両名の名を挙げており、2012年に公表された版では「堀越二郎と堀辰雄に敬意を表して」[4][5]、翌年公表された版では「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」と記されている。実際のエピソードを下敷きにしつつもオリジナル要素を盛り込んだストーリーが展開されるため、堀越の遺族に対して事前に相談し了解を得ている[5][19]。主人公の性格など人物像にもオリジナル要素が盛り込まれているが、その点についても堀越の息子は「そんなことは無論構わない」[5]と快諾した。なお、宮崎が監督した作品で、実在の人物を主人公とするのは初めてである[4][5]。宮崎は『宮崎駿の雑想ノート』など軍事を題材とした作品を多く描いているが、今作品のテーマとして、兵器である戦闘機などが好きな自分と戦争反対を訴える自分という矛盾を抱えた自らの姿が投影されている[20]。
また、スタジオジブリの鈴木敏夫に対して、アニメーション監督の庵野秀明が「零戦が飛ぶシーンがあるなら描かせてほしい」[21]と申し入れている。庵野の参加が正式決定すれば、1984年公開の『風の谷のナウシカ』以来の宮崎作品への参加となる[21](スタッフとしての庵野の参加があるかどうかは現在不明)。しかし、宮崎は、庵野に対して本作の主人公として出演するよう要請した[22]。庵野は困惑しつつもオーディションを受けたが、その直後に宮崎から改めて出演を依頼されたため、庵野も出演を受諾した[22]。宮崎は主人公のイメージとして「早口である」[22]「滑舌がよい」[22]「凛としている」[22]の3つを挙げており、庵野を選んだ理由として「いい声だからでなく、存在感で選んだ」[22]としている。
経緯[編集]
映画製作に至る経緯[編集]
宮崎駿が『モデルグラフィックス』に漫画版を連載し始めた当初は、本作を映画化することは全く考えていなかった。その後、鈴木敏夫が映画化を提案したが、宮崎は本作の内容が子供向けでないことを理由に反対していた[23]。宮崎は「アニメーション映画は子どものためにつくるもの。大人のための映画はつくっちゃいけない」[23]と主張していたが、鈴木は戦闘機や戦艦を好む一方で戦争反対を主張する宮崎の矛盾を指摘し「矛盾に対する自分の答えを、宮崎駿はそろそろ出すべき」[23]と述べて映画化を促した。映画版の企画書の中で、宮崎は製作意図について「この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである」[24]と述べている。
公開までの経緯[編集]
2012年12月の記者会見においては、高畑勲が監督したスタジオジブリの『かぐや姫の物語』も、同日公開の予定と発表されていた[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10]。宮崎と高畑の映画が同時期に公開されるのは、1988年に『となりのトトロ』と『火垂るの墓』が2本立て同時上映されて以来だが、今回は同時上映ではなく個別に上映される予定となっていた[3][4][5][7][9][10]。しかし、『かぐや姫の物語』は2013年に入っても絵コンテが完成しなかったことから、『かぐや姫の物語』は公開時期を延期し同年秋に公開されることとなった[25][26][27][28]。
あらすじ[編集]
航空技術者として活躍した堀越二郎が、主人公のモデルとなっている[1][2][3][4][5][7][9][10]。七試艦上戦闘機、九試単座戦闘機、零式艦上戦闘機の設計などを手掛けた、二郎の生涯が描かれている[1][2][3][4][9][10]。東京、名古屋、ドイツを舞台に、二郎の10代から30代までを中心に物語が展開される[5]。航空技術者としての活動とともに、オリジナル要素であるヒロインとの恋愛シーンも盛り込まれている[5][19]。
登場人物[編集]
漫画版においては、『モデルグラフィックス』に連載された『宮崎駿の雑想ノート』の諸作品と同様に、登場人物の多くが擬人化された動物の姿で描かれている。それに対して、映画版においては、登場人物は全てリアルな人間の姿で描かれている。
- 堀越 二郎(ほりこし じろう)
- 声 - 庵野秀明
- 本作の主人公。子供のころから飛行機に憧れ、東京の大学で航空工学を学んだ[5]。その後、ドイツへの留学を経て、航空技術者として数々の戦闘機を設計することになる[5]。七試艦上戦闘機の開発では、初めて設計主務を任されるが[16]、同機は飛行試験中に垂直尾翼が折れて墜落した[17]。失意の中、休暇で訪れた長野県北佐久郡軽井沢町で菜穂子に出会う[13]。その後、九試単座戦闘機の試作一号機に逆ガル翼を採用するなど、独創的な設計を行い、その非凡な才能を開花させる。
- 実在の人物である航空技術者の堀越二郎をモデルとしている[1][2][3][4][5][7][9][10]。
- 里見 菜穂子(さとみ なおこ)
- 声 - 瀧本美織
- 本作のヒロイン[5]。療養のため訪れた軽井沢町にて、二郎が作った逆ガル翼の紙飛行機が縁で知り合いになり、のちに交際するようになる[13]。
- 本作オリジナルの架空の人物である[5]。名前の由来は堀辰雄の小説『菜穂子』に因む[5]。
- 本庄(ほんじょう)
- 声 - 西島秀俊
- 二郎の同僚の航空技術者[29]。八試特殊偵察機、九試陸上攻撃機(のちの九六式陸上攻撃機)の設計主務を務めた[17][18]。
- 実在の人物である三菱重工業の本庄季郎をモデルとする。
- 黒川(くろかわ)
- 声 - 西村雅彦
- 二郎の上司[29]。二郎や菜穂子らを見守る。
- なお同名の登場人物が堀辰雄の小説『菜穂子』にも登場している。
- カストルプ
- 声 - スティーブン・アルパート
- 軽井沢町に滞在するドイツ人[29]。たまたま二郎や里見家と同宿だったことから、二郎と菜穂子が交際を始める際に立会人となった[13]。クレソンが好物で、フランツ・シューベルトの楽曲を好む[13]。
- 里見(さとみ)
- 声 - 風間杜夫
- 菜穂子の父親[29]。菜穂子との交際を申し出た二郎に対し、菜穂子の病状を伝え、考え直すよう諭す[13]。しかし、二郎の考えが変わらないことを知り、2人の交際を認める[13]。しかし、夜行列車を乗り継いで菜穂子の見舞いに来る二郎を心配し、菜穂子だけでなく自身の仕事も大事にするようアドバイスした[18]。
- 本作オリジナルの架空の人物である。
- 二郎の母(じろうのはは)
- 声 - 竹下景子
- 二郎の母親[29]。
- 堀越 加代(ほりこし かよ)
- 声 - 志田未来
- 二郎の妹[29]。
- 服部(はっとり)
- 声 - 國村隼
- 二郎が所属する設計課の課長[29]。七試艦上戦闘機の開発の失敗で失意の二郎に、休暇を与えた[17]。二郎の手腕を買っており、九試単座戦闘機の開発では設計主務として二郎を再び推薦する[17]。
- 実在の人物である三菱重工業の服部譲次をモデルとしている。
- 黒川夫人(くろかわふじん)
- 声 - 大竹しのぶ
- 二郎の上司である黒川の妻[29]。
- カプローニ
- 声 - 野村萬斎
- 世界的に著名な飛行機製作者[29]。夢の中で二郎と邂逅する。二郎の夢の中で「設計はセンスだ」[14]「創造的人生の持ち時間は10年だ」[14]と激励する。また、七試艦上戦闘機の設計に満足がいかない二郎を励まし[17]、同機の開発が失敗に終わった際には「泣く時はひとりで泣け」[17]と慰めた。
- 実在の人物であるカプロニ創業者のジャンニ・カプローニをモデルとしている[24]。映画版の企画書によれば、宮崎駿は本作で「零戦の設計者堀越二郎とイタリアの先輩ジャンニ・カプローニとの同じ志を持つ者の時空をこえた友情」[24]を描くとともに「いくたびもの挫折をこえて少年の日の夢にむかい力を尽すふたり」[24]の姿を描くと記している。
- メッサーシュミット
- 世界的に著名な飛行機製作者。合理性を重視し「技術革新は一気にすべきである」と語る。それに対して二郎は「われわれはセンスで貴君に対抗するであろう」と反論する。
- 実在の人物であるメッサーシュミット創業者のウィリー・メッサーシュミットをモデルとしている。
- 堀 辰雄(ほり たつお)
- 小説家。レストラン「ペリカン」で二郎に再会した際、「ぜひ君の美しいヒコーキをつくってくれたまえ」[15]と声をかけ励ます。
- 実在の人物である小説家の堀辰雄をモデルとしている。
劇場版アニメ[編集]
スタッフ[編集]
主題歌[編集]
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g h i “スタジオジブリ:新作は「ポニョ」以来5年ぶり宮崎駿作品 14年ぶり高畑作品と2本同時公開 - MANTANWEB(まんたんウェブ)”. スタジオジブリ : 新作は「ポニョ」以来5年ぶり宮崎駿作品 14年ぶり高畑作品と2本同時公開. 毎日新聞デジタル (2012年12月13日). 2012年12月13日閲覧。
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- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s “東宝 映画トピックス”. 「かぐや姫の物語」「風立ちぬ」スタジオジブリ新作発表会見. 東宝 (2012年12月13日). 2012年12月13日閲覧。
- ^ a b c “宮崎アニメ新作は「風立ちぬ」| Reuters”. 宮崎アニメ新作は「風立ちぬ」. トムソン・ロイター (2012年12月13日). 2012年12月13日閲覧。
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- ^ a b c d e f g h i “中日スポーツ:ジブリ来夏 巨匠対決!:芸能・社会(CHUNICHI Web)”. ジブリ来夏 巨匠対決!. 中日新聞社 (2012年12月14日). 2012年12月14日閲覧。
- ^ ヤンヤン (2012年12月14日). “スタジオ・ジブリ高畑勳作品と宮崎駿作品を同時公開!主役はかぐや姫と堀越二郎・堀辰雄 (2/2) : J-CASTテレビウォッチ”. スタジオ・ジブリ高畑勳作品と宮崎駿作品を同時公開!主役はかぐや姫と堀越二郎・堀辰雄. ジェイ・キャスト. 2012年12月14日閲覧。
- ^ 宮﨑駿「風立ちぬ――妄想カムバック(1)」、『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年4月。
- ^ a b c d e f g 宮﨑駿「風立ちぬ――妄想カムバック(6)」、『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年9月。
- ^ a b c d 宮﨑グズオ「風立ちぬ――妄想カムバック(2)」、『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年5月。
- ^ a b 宮﨑ノロオ「風立ちぬ――妄想カムバック(3)」、『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年6月。
- ^ a b 宮﨑ノビオ「風立ちぬ――妄想カムバック(4)」、『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年7月。
- ^ a b c d e f g 宮﨑オソオ「風立ちぬ――妄想カムバック(5)」、『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年8月。
- ^ a b c 宮﨑YASUMIGACHI駿「風立ちぬ――妄想カムバック(7)」、『モデルグラフィックス』、大日本絵画、2009年11月。
- ^ a b 伊藤徳裕 (2012年12月21日). “【伊藤徳裕のここに映画あり】風立ちぬ 宮崎アニメと縁がある群馬県 - MSN産経ニュース”. 風立ちぬ 宮崎アニメと縁がある群馬県. 産経デジタル. 2012年12月21日閲覧。
- ^ “ジブリ初、高畑勲&宮崎駿監督の最新作2作同日公開 (鈴木敏夫) ニュース-ORICON STYLE-”. ジブリ初、高畑勲&宮崎駿監督の最新作2作同日公開. オリコン (2012年12月13日). 2012年12月13日閲覧。
- ^ a b 鈴木敏夫「宮崎駿とヱヴァンゲリヲン――庵野秀明のナウシカ愛」、『文藝春秋』第91巻第2号、文藝春秋、2013年2月1日、 353頁。
- ^ a b c “東京新聞:9条 世界にアピールを スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫さん:憲法と、:特集・連載(TOKYO Web)”. 9条 世界にアピールを スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫さん. 中日新聞社 (2013年5月9日). 2013年5月9日閲覧。
- ^ a b c d 宮崎駿 (2011年1月10日). “風立ちぬ メッセージ”. 企画書. スタジオジブリ. 2013年6月6日閲覧。
- ^ 東宝映画営業部・宣伝部 (2013年2月4日). “かぐや姫の物語 公開延期のお知らせ”. 『かぐや姫の物語』公開延期のお知らせ. 東宝. 2013年2月4日閲覧。
- ^ 共同通信 (2013年2月5日). “高畑監督の新作アニメ、公開延期 「かぐや姫の物語」 - 47NEWS(よんななニュース)”. 高畑監督の新作アニメ、公開延期 「かぐや姫の物語」. 全国新聞ネット. 2013年2月5日閲覧。
- ^ “朝日新聞デジタル:高畑勲監督「かぐや姫」公開延期 「絵コンテ完成まだ」 - カルチャー”. 高畑勲監督「かぐや姫」公開延期 「絵コンテ完成まだ」. 朝日新聞社 (2013年2月5日). 2013年2月5日閲覧。
- ^ “かぐや姫の物語:高畑勲の新作公開延期 宮崎駿との同日公開ならず - MANTANWEB(まんたんウェブ)”. かぐや姫の物語 : 高畑勲の新作公開延期 宮崎駿との同日公開ならず. 毎日新聞社 (2013年2月5日). 2013年2月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “瀧本美織:宮崎駿最新作のヒロイン声優に抜てき - MANTANWEB(まんたんウェブ)”. 瀧本美織 : 宮崎駿最新作のヒロイン声優に抜てき. 毎日新聞社 (2013年6月6日). 2013年6月6日閲覧。
関連事項[編集]
外部リンク[編集]
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