恐鳥類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
大きさの比較。左からケレンケン、フォルスラコス、ティタニス、ガストルニス。
フォルスラコスの頭骨

恐鳥類 (Terror Birds) とは鳥類の中で地上に進出し、祖先の獣脚類と酷似した体型、生態を得た種族のこと。現在はすべて絶滅している。単系統ではなく、多系統である可能性も大きい。

歴史[編集]

進化[編集]

恐竜が絶滅した後も、その流れを汲む生物として鳥類が健在であった。鳥類は恐竜に極めて近縁な派生種族であったため、それまでの恐竜類のニッチを補うように地上に進出し、直系の祖先にあたる小型肉食恐竜に類似する生物を生み出した。それが恐鳥類であり、主な種類としてディアトリマフォルスラコスなどがある。当時、ツルガイ海峡(現在の中央アジアにあたる部分でユーラシア大陸を二分していた海峡)でヨーロッパとも隔絶していたアジアを除く全大陸では(アジアには生存していた化石証拠が無い)強力な捕食者として繁栄し、当時まだ小型だった哺乳類をエサとしていた。当時ではワニ類とともに生態系の頂点に君臨していたと考えられる。

衰退とその原因[編集]

ジュラ紀白亜紀の原始的な鳥類は前肢に指を持ち、顎に歯が生えているものが多かったが、彼等は全て恐竜とともに絶滅し、生き残った鳥類のグループ(真鳥類)は進化の結果、既に高度な飛翔能力を持つための適応を遂げていたため、祖先が備えていた前肢の指も顎の歯も完全に失っていた。恐鳥類においても一度に進化した前肢は、飛翔能力を失った後も再び前肢としての機能を取り戻すことは出来ず、退化するしかなかった。また失われた歯もそのままであった。それゆえに、歯をもち、前肢を自由に使える肉食性の哺乳類との競合においては不利であったと思われる。やがて恐鳥類は肉歯目無肉歯目などの原始的な肉食性哺乳類の台頭を前に衰退を始め、絶滅への道を辿っていく。

絶滅[編集]

恐鳥類は多くの大陸では新生代の前期、始新世には既に滅んでいた。しかし、海によって他の大陸から隔絶されていた南米大陸においては恐鳥類が長期間にわたって生態系の頂点に立ち、繁栄を続けていた。進化した有力な肉食性哺乳類が南米大陸に進出できていなかったためと思われる。しかしその後、新生代の後期、鮮新世において、南米大陸が北米大陸と陸続きになったことで、南米の恐鳥類もネコ科イヌ科に代表される食肉目との競争にさらされることになった。一部の恐鳥類は逆に北米にも進出したが、勢力の衰えは止めようがなく、約40万年前の北米に棲息していたティタニスの絶滅をもって恐鳥類は完全に滅んだとされる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]