レコード

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シングルレコード盤(ドーナツ盤ともいわれる)

レコード (record) とは、音声記録を意味し、主に樹脂などでできた円盤に音楽などの音響情報を刻み込み記録したメディアの一種を示すことが多い。音盤などその他の呼び方で呼ばれることもある。

音の再生の方法は信号としての振幅の情報の読み取り方と情報の増幅により異なる。針で読み取った振幅の情報を機械的に増幅する蓄音機の時代、電気信号に変えて増幅するレコードプレーヤーの時代、そして針を使わずにレーザーで読み取る時代(レコード末期以降の特殊な時代)に大まかに分類することができる。

近年では、針ではなくレーザーを用いて非接触再生するプレーヤー(レーザーターンテーブル)が株式会社エルプより製造販売されており、これを利用すると傷や割れ、歪んだ盤すらも再生できるが赤盤に限り再生不可能である。

呼称[編集]

語源は「記録」という意味の英語"record"である。「記録」の意味と混同されないためや、コンパクトディスクなどデジタルメディアと区別するためにアナログレコードアナログディスクなどとも呼ぶ。また、SPSPレコード、SP盤とも。以下同様)、LPEPと規格で呼んだり、シェラックバイナルビニール)と材料で呼んだり、回転数によって78回転45回転33.333…回転16回転と呼んだり、7インチ10インチ12インチと盤の大きさで呼ぶこともある。なお、1950年代以降バイナルがレコードの材料の主力となったが、ボイジャーに搭載されたレコード製)に代表されるように、レコード全てがバイナルというわけではない。

略史[編集]

世界初のレコード(音声記録)システムは、1857年フランスレオン・スコット発明した「フォノトグラフ」である。スコットは、振動板にの毛をつけ煤を塗り、音声を紙の上に記録させた。再生装置がなかったため、フォノトグラフは実用にはつながらなかったが、1876年グレアム・ベル電話機を発明したことにより再生の目処がつき、複数の研究者が再生可能なレコードの発明に取り掛かった。

初期のレコード[編集]

世界で初めて実際に稼動した、再生可能なレコードは、エジソン1877年12月6日(のちの「音の日」)に発明した「フォノグラフ」である。直径8cmの、箔を貼った真鍮円筒に針で音溝を記録するという、基本原理は後のレコードと同じものである。フォノグラフは、日本では蘇言機、蓄音機と訳された。ただしこの当時はまだ、音楽用途はほとんど想定されておらず、エジソンも盲人を補助するための機器として考案している。

これに対し 1887年には、エミール・ベルリナーが「グラモフォン」を発明した。最大の特徴は水平なターンテーブルに載せて再生する円盤式であることで、発端はエジソンの円筒式レコード特許の回避のためだったが、結果として、円筒式より収納しやすく、原盤を用いた複製も容易になった。中央の部分にレーベルを貼付できることも、円筒式にない特長だった。CDやDVDやBDにつながる円盤型メディアの歴史は、このとき始まったと言える。さらにベルリナーは、記録面に対し針が振動する向きを、従来の垂直から水平に変更した。これにより音溝の深さが一定になり、音質が向上した。

エジソンもこれに対抗し、円筒の素材を蝋でコーティングした蝋管に変更し音質を向上させた。蝋が固まるときに収縮することを利用した、鋳造による複製方法も発明したが、量産性は円盤式には及ばなかった。

当初、アメリカではエジソンが、ヨーロッパではベルリナーが市場を支配した。しかし、円盤式は同一音源の大量複製生産に適していたうえ、両面レコードの発明などもあり、最終的にベルリナーの円盤式レコードが市場を制した。なお、円筒式の記録媒体は音楽レコードとしては姿を消したが、後に、初期のコンピュータの補助記憶装置磁気ドラム。ハードディスクドライブの先祖に当たる)に使われたことがある。

円盤式レコードの発達[編集]

初期の円盤式レコードは回転数が製品により異なったが、電気式蓄音機の発明により、後にSP(Standard PlayingまたはStandard Play)レコードと呼ばれる78回転盤(毎分78回転)がデファクトスタンダードとなった。

また、初期の円盤式レコードは、ゴムエボナイトなどが原料といわれているが、やがて酸化アルミニウム硫酸バリウムなどの粉末をシェラックカイガラムシの分泌する天然樹脂)で固めた混合物がレコードの主原料となり、シェラック盤と呼ばれた。しかしこの混合物はもろい材質で、そのためSPレコードは摩耗しやすく割れやすかった。落とすとのように割れやすいことから、俗に「瓦盤」と呼ばれたほどである[1]。併用する再生装置のサウンドボックスの重量も相当あり、レコードを摩滅より守るため針の交換に重点が置かれ、レコード一面再生のたびに鋼鉄針を交換する必要があった。

また、収録時間が直径10インチ (25cm) で3分、12インチ (30cm) で5分と、サイズの割には短かったために、作品の規模の大きいクラシック音楽などでは、1曲でも多くの枚数が必要となり、レコード再生の途中で幾度となくレコードを掛け替えねばならなかった。

特にオペラなどの全曲盤では、数十枚組にもなるものまであり、大きな組み物はほとんどの場合、文字通りの分厚いアルバム状ケースに収納されていた。今でもディスクのことを「アルバム」と呼ぶことがあるのは、それに由来している。また、この時代はまだ、モノラルレコードであった。

また、ポピュラー曲に関しては、面ごとに違う演奏家によるレコードを複数枚集めたアルバムが作られる場合もあり、これを乗合馬車(ラテン語でomnibus)に見立てて、「オムニバス」と呼ぶようになった。現在「コンピレーション・アルバム」と言われるものがかつては「オムニバス・アルバム」と言われたのはこれが由来である。

長時間対策として、放送録音用としては通常より径の大きなディスクが用いられることもあったが、これは大きすぎて扱いにくく、また溝を細く詰めることや回転数を落とすことで録音時間を伸ばす試みもあったが、シェラックの荒い粒子状素材のレコード盤材質でそのような特殊措置を採ると、再生による針の摩滅劣化や音溝破損が起きやすいために実用的ではなく、高忠実度再生には荒い粒子の集合体であるSPレコードは不向きで、長時間の高忠実度記録再生は材質に塩化ビニルを用いるLPレコードが実用化されるまで待たなければならなかった。

ビニール盤(バイナル)の出現[編集]

その後の化学技術の進歩により、ポリ塩化ビニルを用いることによって細密な記録が可能となり、従来の鉄針からダイヤモンドやサファイアの宝石製の永久針を使用すると共に、カートリッジの軽量化などの進歩により長時間再生・音質向上が実現された。ポリ塩化ビニルで作られたディスクはシェラック等に比べ弾性があり、割れにくく丈夫で、しかも薄く軽くなり、格段に扱いやすくなった。

これらがLPレコードやEPレコードで、第二次世界大戦後の1940年代後半に実用化、急速に普及し、1950年代後半までに市場の主流となった。これらを総称して、ビニール盤、バイナルなどと呼ぶ。

LPレコード[編集]

ハンガリーからアメリカ合衆国に帰化した技術者ピーター・ゴールドマーク (Peter Goldmark 1906-1977)を中心とするCBS研究所のチームが1941年から開発に着手、第二次大戦中の中断を経て1947年に実用化に成功。市販レコードは1948年6月21日にコロムビア社から最初に発売された。直径12インチ (30cm) で収録時間30分。それ以前のレコード同等のサイズで格段に長時間再生できるので、LP (long play) と呼ばれ、在来レコードより音溝(グルーヴ)が細いことから、マイクログルーヴ (microgroove) とも呼ばれた。また、回転数から33回転盤とも呼ばれる(実際には3分100回転、1分33 1/3回転)。これ以降、従来のシェラック製78回転盤は(主に日本で)SP (standard play) と呼ばれるようになった。

シングル・レコード[編集]

RCAビクター社が1949年に発売した。直径17cmで収録時間は溝の加工によって違うが、5分から8分程度。回転数から45回転盤とも言う。オートチェンジャーで1曲ずつ連続演奏する用途が想定された。オートチェンジャー対応を容易とするため保持部となる中心穴の径が大きく、ドーナツを想起させるため、ドーナツ盤とも呼ばれた。

LPとシングル盤の共存[編集]

LPとシングル盤は初期の一時こそ競合関係にあったが、長時間連続再生可能でクラシック音楽の全曲収録や短い曲の多数収録が可能なLPと、SP盤並の収録力(片面あたりポピュラー音楽1曲程度)のままでディスク小型化とオートチェンジャー適合化を指向したシングル盤は、実用上の性格の相違から棲み分けが容易で、基礎技術自体はほとんど同一のためレコード針も共用できたことから、ほどなく双方の陣営が相手方の規格も発売し、双方がスタンダードとなるという形で決着がついた。

この際、ビクターで多くのクラシック音楽レコードを録音していた当時の世界的著名指揮者のアルトゥーロ・トスカニーニが、曲を分割せずにすむLPを強く推したことが影響したといわれる。音響機器メーカーからは33回転と45回転の切り替え可能なターンテーブルも発売され、バイナル盤への規格移行が促された。

LPレコードの実用化では、第二次世界大戦中にドイツで実用化され、戦後に民生用に用いられ始めたテープレコーダーの普及が一役買った。テープレコーダーにより長時間録音が容易となったうえ、それ以前の録音用レコード盤に比べても高音質な録音が可能であり、マスター音源としての総合的な性能が優秀であったためである。特に長時間の曲が多いクラシック音楽等でミスなく長時間の演奏を行うことは難しく、リテイクと編集を可能にするテープレコーダーが役立てられた。逆に、LPレコードとテープレコーダーがSPレコード時代の1曲5分未満という制約を取り払い、長時間即興演奏を連続収録した商業レコード発売を可能としたことで、結果的に音楽ジャンル自体の発展をも促したモダン・ジャズのような事例もある。

レコード原盤を切り込む装置をカッティングマシンまたはカッティングレースと呼ぶが、溝を切る際マスターテープの再生ヘッドの前にモニタヘッドを取り付けることにより、音量に合わせて予めカッターの送り速度を調整すること(可変ピッチカッティング、variable groove)が可能になり、後年はコンピュータ化されて更に細かいカッターヘッド送りが可能になり、ダイナミックレンジの確保と録音時間を両立できるようになった。

メディア媒体としての衰退・転化[編集]

45やLPレコードは、音質や収録時間では大きな進歩を遂げたものの、通常レコード針の機械的な接触によって再生される基本原理はSPレコードと変わらなかった。この方式は埃や振動に影響されやすく、メディア個体の再生回数が重なると、音溝の磨耗により高域が減衰していく問題があった。また45-45方式のチャネルセパレーションにも限界があった。

そのため、1980年代に入ってからは、扱いやすく消耗しにくいコンパクトディスク (CD) の開発・普及により、一般向け市場ではメディア、ハードとも著しく衰退したが、在来システムやオリジナル盤への愛着からアナログレコードを好む層やコンパクトディスク(CD)との音質の差異を楽しんだりアナログレコードに新鮮味を覚える年齢層が存在し、その中にはデジタルメディアに比してアナログレコードに音質面の優位があると主張する愛好家もいて、2010年代でもレコードプレーヤーは市場に存在する。2013年にはユニバーサルミュージックが新たに透明レコード盤(染料が含まれていないヴァージンビニルを使用)を開発し販売し始めた(後述)。

一方では1970年代以降、磨耗したレコードを通常の再生とは違った形でターンテーブルに載せて手動で回転させるという表現技法が現れ、そこから発達する形でクラブDJ の演奏にも利用されるようになった。

近年ではCDを利用してDJプレイができるような機器が普及してきているが、未だにレコード(アナログレコード、または単にアナログと呼ばれる)はその直感的な操作性とレンジの広い音質、特有のスクラッチノイズ、そしてアナログレコードという形式そのものへの愛着などから根強い人気があり、DJプレイ用に発売されるシングルの主流を占めている(12インチシングル)。これはアナログレコード再生用ターンテーブルへの一定需要にもなり、その生産存続を支える一助ともなっている。 また、アーティストがCDシングルと並行してCDシングルと同じ内容(カラオケバージョンを除く。)の限定版のシングルレコードを出したり、「ハレ晴レユカイ」のようにあるライブ会場や一部のショップのみで販売されたり、過去のシングル盤を復刻することもある。これも生産存続を支える一助ともなっていると言える。

“レコードの優位性”説[編集]

近年、アナログレコードは原理的にはコンパクトディスクで欠落する20kHz以上の周波数帯域を損なわない特徴があるとされ再注目されている。

しかし実際に「レコードは高周波が記録されている・再生できる」かどうかには疑問がある。再生用のカートリッジは30kHz以上も再生可能と謳っている製品も珍しくないが、再生に使われるRIAAイコライザーは20kHzを20Hzの超低音域に比べ約40dB低減するため、カッティング時に逆の特性で持ち上げてあるとはいえ再生音の高周波成分は少なく、理論的な特性はCDと大きく違わないはずであるが、現実には音質などは異なる。

レコード再生では高調波=歪みがデジタルに比べて非常に多く、微弱な電流を増幅するために増幅率の大きいアンプを使用するので、トランジスタ、FET、ICといった増幅素子から発生する雑音や機械的振動による雑音の影響も大きくなる。20kHz程度、好条件でも24kHz程度より高い周波数が原理的に含まれないデジタル録音のレコード盤と同音源によるCDとの周波数分布を比べてみると、レコードの再生音には再生系統で発生する歪みやアンプノイズが多く含まれていることが判明する。実は「レコードの高周波成分」は原音に入っているものではなく再生時に付け加えられたもの、とみなすこともできる。(cf. サンプリング周波数)。

レコードの生産[編集]

レコードは原材料のビニライト板を裏表の金型(スタンパ)の間に入れ、熱と圧力を加えてプレスすることで作られる。プレス装置と型さえ数をそろえれば量産が容易である。このプレス型はスタンパと呼ばれ、オリジナルの原版から複数の工程をへて複製されたものである。

  1. 音を原盤「ラッカー」(lacquer)にカッティング。これは表面が柔らかい原版に凹型の溝を切る工程。
  2. 「ラッカー」そのままでは耐久性に乏しいので、表面にメッキを施しその上に更にニッケルメッキを、厚く施した上で剥離する。こうして出来た凸型の金属盤が「メタルマスタ」(metal master)で、これが保存用のマスターディスクになる。
  3. 「メタルマスタ」に銅メッキを施し、剥がすと凹型の「マザー」(mother) ができる。これは生産用のマスターディスクになる。
  4. 「マザー」にニッケルやクロムで更にメッキを施し剥がし、凸型の「スタンパ」(stamper) を作る。
  5. 「スタンパ」を用いて上記のプレスを行うことでレコード(凹型の溝)が完成する。スタンパは消耗品で、使い潰したら「マザー」からまた新しいスタンパを作る。ここで4.の工程が行なわれる。
  6. プレスしたそのままではビニライトがはみ出しており円形ではないので周囲を裁断、整形する。

このメタルマスタ作成が音質の要になるという事で、レコード全盛期にはさまざまな試みが行われた。ダイレクトカッティングの他に高音域をイコライザーで強調して周波数特性を伸ばした盤、通常より重たいディスクを使用した盤、33 1/3の半分のスピードでカッティングした盤がある。

テルデック社が1982年に開発したダイレクト・メタル・マスタリング (Direct Metal Mastering, DMM) もそうした音質向上技術のひとつ。超音波を当てながらカッティングを施した銅円盤をそのままマザーとして用いる方式で、ノイズ低減や収録時間10%増加などのメリットがある。ただし収録内容によってはダイナミックレンジが狭くなる物もあった。このDMMはCDの急速な普及に押され、登場から数年のみ使用されたが、2000年代以降は海外製復刻盤や新譜でも若干使用される例がある。

2012年末、ユニバーサルミュージックが、染料を全く含まない透明なヴァージンビニライトを使用し、また「マザー」・「スタンパ」の2工程をなくし「メタルマスタ」から直接プレスを行なう「100% PureLP」を新しく発売開始した[2]

レコードの諸形態[編集]

レコード盤の形状[編集]

直径や回転数をもとにSP盤 (Standard Playing)、LP盤 (Long Playing)、シングル盤 (45rpm record)、EP、12インチシングル盤などを区別する。

SP盤[編集]

SPレコード盤とポータブル蓄音機
  • 回転数 : 78r.p.m.(SP初期は盤により回転数にバラつきがあった)
  • 直径 : 30cm(12インチ)または25cm(10インチ)、両面(初期は片面)
  • 記録時間が30cm盤で片面4分30秒程度と短い。当初はラッパに吹き込むアコースティック録音で、1920年代より主流はマイクロフォンアンプなどを用いた電気録音へと移って行く。
  • ラジオ放送用マスターなど一部の用途では16インチ盤も使われた。
  • モノラル記録
  • 古くからのレコードは全てこれである。材質本来、また経年変化によりLPやEPよりかなり脆いため、よく「落とすと割れる」と表現される。
  • SP盤対応プレーヤーは少なく、対応機でもカートリッジを専用品に交換しないと再生出来ない機種もある。

LP盤[編集]

LPレコード盤 (25cm)
  • 回転数 : 33 1/3r.p.m.
  • 直径 : 30cm(12インチ)または25cm(10インチ)、両面
  • 長時間記録できるので、クラシック曲の収録やアルバムとして使用された。
  • モノラルまたは45-45ステレオ記録(一部は4チャンネル記録)
  • 1分に33 1/3回転(=3分で100回転)という速度は、無声映画のフィルム1巻15分の間に500回まわるというところに由来する。
  • SP盤が主流の1925年に、LP盤の原型ともいえる長時間レコード(回転数はLPとほぼ同じで、片面約20分再生可能)を開発した、イギリスのウオルドというメーカーが日本に参入した。従来の蓄音機にコントローラーを取り付けることにより再生が可能だった。SPの価格から割り出すと通常のSPよりも安価で音質も良い、というのが売りだったようである。しかし技術上の問題などからウオルド自体が早々と撤退したこと、競合メーカーが10分程度の盤しか作れなかったなど、わずか3年 - 4年で製造が打ち切られ、普及には至らなかった。しかしその後、新しい盤質(塩化ビニール)などの技術開発が進み、1947年に米コロムビア・レコードが世界初のLPレコードの量産、商品化に成功し、翌年には世界初のそれを発売。米英を始め、各国の他のレコード会社もこれに続き普及が進み、遂には世界のアナログ盤の標準媒体の1つとなり、現在に至る。

7インチシングル盤[編集]

シングルレコード盤(センター付)

この盤には正式な名称が特に付けられていないため、このページでは便宜上「シングル」と表記する。

  • 回転数 : 45r.p.m.
  • 直径 : 17cm(7インチ)
  • 見た目の形状はLPと変わらないもの、大きな穴が空いたものなど複数ある。
  • 穴が大きいためドーナツ盤(Large center hole)と呼ばれるが、これはオートチェンジャー(ジュークボックス)対応のため(折り取ることができるLPと同じ大きさの穴がついたもの(画像参照)もあった)でプレイヤーでの再生にはアダプターを使用する。
  • モノラルまたは45-45ステレオ記録。
  • 一部レーベルでこのタイプのみ、JIS規格の圧縮成形による製造の他、射出成形で製造されている場合もあった(1970年代に生産された日本コロムビアのシングル盤で、穴の周囲が3ミリほどビニールが露出しているタイプがその例であり、同社では一時期、邦盤シングルにてこのタイプと圧縮成型の製品が同じ品番であっても混在して販売されていたが、1980年4月新譜発売分以降は通常のJIS規格の圧縮成形のものに統一された)。
  • 本来、EPとは下記の盤を指す[3]が、日本ではこの盤と下記の盤を区別なくEPと呼ぶことも多い。

EP盤[編集]

  • 回転数 : 45r.p.m.
  • 直径 : 17cm(7インチ)
  • 45回転シングル盤と同じ大きさ、同じ回転数であるが、片面2曲 - 3曲ほど収録したものをこう呼ぶ。穴の大きさはLPと同じ。流行歌や映画のサントラ盤、新曲+発表済みの楽曲を収録されたものが一般的で、曲数が多く安価だったことから、LPを購入する予算がない、または代表曲+αが聴ければ満足とする学生などの若年層に1960 - 1970年代初頭にかけ好評だった。イギリスでは『マジカル・ミステリー・ツアー』が2枚組EP(片面1-2曲)として、アルバムに閉じたものが発売されていた。イギリスではシングルと同じように、折り取ることのできる穴が設けられることが多かった。日本では上記の45回転をEPと呼称することがあるので、厳密に区別して4曲入りEPとも呼ばれるが、この盤は4曲とは限らない。あくまでドーナツ盤よりも収録時間が延びた形式である[4]。また、回転数を落としたコンパクト盤は別種である。

コンパクト盤[編集]

コンパクト盤
  • 回転数 : 33 1/3r.p.m.
  • 直径 : 17cm(7インチ)
  • EP盤と同じ大きさで回転数を33 1/3に落として収録時間を長くしたものをコンパクト盤またはコンパクトLPと呼ぶ。穴の大きさはLPと同じ。邦楽、洋楽ともに流行歌や映画のサントラ盤が一般的で曲数が多く安価だったことから、LPを購入する予算がない、または代表曲+αが聴ければ満足とする学生などの若年層に1960 - 1970年代初頭にかけ好評だった。ただし音質は通常のLPでの内周部にあたるために劣る。

12インチシングル盤[編集]

  • 回転数 : 33 1/3r.p.m.・45r.p.m.
  • 直径 : 30cm(12インチ)
  • 大きさはLPと同じサイズながらシングル盤のように片面に一曲だけ収録したもの。外周部分にのみ音溝が刻まれており、内周に行くにつれて音質が劣化していたシングル盤より音質が優れている。収録曲の再生時間が長い場合にも使われた。
  • 通常、レコード店などで「12インチ」と言うとLP盤ではなく、このシングルのことを指す。
  • 12インチシングルという言葉が定着する前は、ジャンボシングルなどと一部で呼ばれていたこともあった。
  • DJがクラブなどでプレイするために販売・使用されるレコードのほとんど全てがこの形式である。DJが曲同士のミックスなどで使用しやすいように、収録曲の一曲が短くても6分程度、長いものでは9分程度の長さがあり、コンパクト盤では収録が難しいためである。またこうしたシングル盤では回転数は33回転と45回転の両方がある。

溝の形状[編集]

記録されるトラック数と様式をもとにモノラル盤、バイノーラル盤、45-45方式ステレオ盤、VL方式ステレオ盤、4チャンネルステレオ盤(別名、クワドラフォニック盤)、などを区別する。

モノラル盤[編集]

音の大小を盤と水平方向の振動として記録する水平振幅記録、または垂直方向の振動として記録する垂直振幅記録。なお、「モノラル」とは本来レコード盤における「一本溝」の事を指す。溝を用いない記録通信媒体においてさえ、1チャンネルの音声を「モノラル」と呼ぶのは誤った用法が一般化してしまったためである。1チャンネルの音声の正しい呼び方は「モノフォニック」である。[要出典]

バイノーラル盤[編集]

モノラルLPレコードの外周・内周に半分ずつ左右別々のチャンネルの音溝を刻み、2本の枝分かれしたピックアップで再生することによりステレオ効果を得られるというもの。しかし、再生時間が短い、レコード特有の内周歪みによって左右で音質が変化しやすい、針の置き位置を定めにくいなどのデメリットも多く、下記のステレオ盤が普及する前に廃れた。1952年、米クック社が開発。

45-45方式ステレオ盤[編集]

90度で交わるV型の溝のそれぞれの壁面に左右のチャンネルの振動を記録する直交振幅記録。原理は 1931年、英コロムビア社の技術者アラン・ブラムレイン(Alan Dower Blumlein 1903-1942)が開発。

左右信号の和が水平振動になる点において、一般的なモノラル盤との親和性を確保したため、ステレオ盤の主力となった。 45-45方式は1950年代半ばに米ウエスタン・エレクトリック(ウエストレック)社が規格・実用化したものであるが、原理の考案から実用化までに時間がかかったのは、1930年代当時のレコードの主流材料だったシェラックでは高音質再生が不可能なことが大きな原因の1つだったという(このためブラムレインによるステレオ録音の試験では、トラック分割が容易な映画用サウンドトラックでの試行が先行していた)。

ちなみに、世界初の市販のステレオ盤は、1958年1月に米オーディオ・フィディリティー社から、日本初のそれは同年8月1日日本ビクターから発売されている(詳細については、「日本ビクター#略歴」の項目を参照のこと)。

V-L方式ステレオ盤[編集]

左右の信号を垂直 (vertical) と水平 (level) の振動として記録する直交振幅記録。これも1931年、英コロムビア社の技術者ブラムレインが前記の45-45方式とほぼ同時に開発した。

45-45方式と比べモノラルの主流を占める水平記録方式との互換性で劣ったのと、1957年末 - 1958年始めに米欧の各国で45-45方式がステレオレコードの標準規格に決定した為によるそれとの並存によるユーザーの不利益を避けるため、短期間で作られなくなった。1956年、英デッカ社と西ドイツテルデック社により実用化試作機が作られ、その本格的な試作システムが米で翌年に公開されたという記録がある(詳細は「ffss」の項目を参照のこと)。

4チャンネルステレオ盤[編集]

4チャンネルステレオ盤(別名、クワドラフォニック盤)には、互換性のない2方式が広く知られる。

CD-4盤
日本ビクターの開発したディスクリート4チャンネル方式、原理的には4つのチャンネルの信号を互いに完全に近い状態で分離させた記録再生が可能である。この方式では左右ごとの前後信号の和にあたる可聴帯域成分と、前後チャンネルの信号の差分を非常に高い搬送周波数 (30kHz) でFM変調した信号、すなわち可聴帯域を超える成分、とを重畳して2チャンネルの溝に刻むため、通常のステレオレコードよりもはるかに細かい音溝の凹凸がある。これは専用の(シバタ針など、通常のステレオ再生用よりもはるかに小さい曲率半径をもつ)針を用いないと、4チャンネル再生に必要な超広帯域の機械的トレースが不可能であるばかりか、音溝における可聴帯域相当以上の細かい凹凸を壊す恐れがある。
SQマトリクス
ソニーの開発したマトリクス4チャンネル方式、電気的にエンコードされた信号は可聴帯域を超えることなく2チャンネルの溝に刻まれるため溝そのもの細かさは従来のステレオレコードと特に変わりはなく、取り扱いについては2チャンネル用の再生針や装置で再生しても損傷のリスクがないなど前述のCD-4盤よりも再生装置の機械部分の必要性能が2チャンネル同等で安く済む反面、4つのチャンネル相互とりわけ前後間の分離についてはCD-4盤と比べて著しく不利である。

A面/B面[編集]

レコードの両面は、A面/B面と呼ばれる。シングル盤ではそれぞれ1曲が収められる。アルバム盤でも、A面とB面で傾向を変えることがある。

ソノシート[編集]

ソノシート

ソノシート朝日ソノラマの登録商標で、フォノシート、シートレコードなどが正式名称である。薄く曲げられるビニール材質のレコード。一般的には17cm盤が多く、音質は良くないが製造コストが安いため、ビニール盤が高価だった頃に重宝され、朝日ソノラマ本体のソノシートページ上に置く自走式による専用のプレイヤーも発売された。1970年代以降は、単独で販売するより雑誌の付録として綴じ込んで販売されることが多かった。薄いため折り目が付きやすく、盤面が歪んで針飛びの原因になりやすかった。

発明は、フランスのアシェット社によるものだが、商業ベースにのせるため、日本で朝日新聞と凸版印刷がタイアップさせ、音の出る雑誌というかたちで出たものが最初である。

製作は、前述の通りで、輪転印刷機で多量にシート状の塩化ビニールを溶かしたモール状のものを紙のようにロールにされたものに、印刷とスタンパーを兼ね備えたものでプレスされていく[5]

外観上のバリエーション[編集]

ピクチャーディスク
盤面にアーティストなどの画像を印刷したプレミアム品。製造上での制約により使用される材質の重量も通常レコードよりもかなり重い。そのため静電気を利用したレコードクリーナー装置で掃除を試みても盤面の重さで回転台が途中で止まってしまう欠点がある。また通常の黒色などに着色されたレコードよりS/N比で劣っている。
着色された半透明なディスク
1960年代の英コロムビア(HMV/現 : EMI)、日本では東芝EMI(現 : EMIミュージック・ジャパン)の赤いレコード(通称・赤盤)など。特に東芝はエバークリーンレコードと呼び、帯電しにくい素材で、一般レコードと素材を区別するため赤盤とした。
ボイスカードなど
1970年代に、歌謡曲や音声を記録した8cm程度のソノシートをアイドル写真の台紙に貼り付け、ボイスカードなどと称した商品が売られていた。
ハート型の外形
1982年日本公開の映画『ラ・ブーム』主題歌「愛のファンタジー」など、ハート型の意匠を持ったレコードも発売された。なお、同じような形のものが2002年桑田佳祐の「白い恋人達」のアナログ盤でも採用されている。

記録特性[編集]

一般に低音楽器は大振幅であるため、カッティングの際に低音を減衰させ高音を強調して記録すると盤面を有効に利用する事ができる。多くは「RIAA特性」を用い、再生時に逆の特性をもったフォノイコライザを通して平坦な特性に戻す。イコライザはアンプやミキサに内蔵されるのが通常だが、圧電型カートリッジを用いた廉価な製品は、圧電素子が容量性であることを利用して、特別な回路を組むことなく高域が減衰する特性を得ていた。RIAA特性の詳細についてはレコードプレーヤー参照。

前述の通り記録・再生の特性が超高周波を含むか否かには疑問があるが、さらにカッティングの信号系統には(ON/OFF可能な)イコライザー、リミッターが含まれており、同じ音源のレコードとCDにさらなる音質の差を生じさせる原因となる。特に古い時代の音源がCD化(デジタルリマスタリング)される際、マスターの録音状態や劣化といった理由でノイズリダクションなどが施され、ここでも当時のレコードとの音質の差が生じている場合もある。

他の類似媒体との比較[編集]

物理的凹凸、磁気、光学
カセットオープンリールなどのオーディオテープが磁気媒体であるのに対し、レコードは物理的な凹凸を利用した媒体である。また、コンパクトディスク (CD) は光学的な記録媒体である。
製造
テープ状の記録媒体はプレスによる製造ができないが、レコードはCDと同様プレスによる大量生産が可能である。
ピックアップ
レコードは針と盤との接触、それによって生み出される振動を利用した再生システムであるのに対し、CDなどはレーザー光の反射を利用した非接触の再生システムになっている。
音量による歪み
音の質を左右する要素はCDなどのデジタル再生では小さい音量ほど歪みが増えるのに対し、テープやレコードでは音量が大きいほど歪みが増える点。これも同じマスターテープでCDとレコードを生産しても同じ音にならない原因である。ステレオ再生ではクロストークの発生が避けられない問題もある。左右幅が縮まることでやはり音の鋭さや奥行きの再現が不鮮明になりやすい上、各カートリッジごとにクロストークに違いがある。
外周と内周の歪みの差
レコードはテープやCDと異なり盤の外周に対し内周で歪みが増えるという特有の欠点がある。正しく調整されたリニアトラッキング・プレイヤーを用いれば問題は無いが、ピックアップ部が弧を描いて動作する通常のトーンアームではインサイドフォースやオーバーハングずれの影響を解消する事は容易ではない。
外周と内周の帯域差
レコードは角速度(回転数)が一定であり、内側に行くほど線速度が遅くなっていく。そのため、内側に録音された音ほど高周波特性が悪く(帯域が狭く)なっていくという特徴がある。この問題はレコードの回転数を上げることである程度は回避は可能であるが、諸々の条件から必然的に限界が存在する。

その他[編集]

  • 音楽が販売される媒体として、レコードは長い間、非常にポピュラーだった。このため、レコードがCDにとって代わられた現在でも、音楽を録音したものを制作、販売する会社は「レコード会社」と呼ばれる(世界的に見ても "〜Records" 表記のレコード会社が多い)。CDなどを販売する小売店が「レコード店」と呼ばれることも多い。著作権法第2条でもレコードは第5号にて「蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音をもっぱら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう」と定義されており、ミュージックテープやCDも同法では「レコード」である。
  • フランス人はレコードの発明者を自国のシャルル・クロであるとしており、彼の名を記念したACCディスク大賞がある (ACC : Academy de Charles Cros)。
  • 元々レコード盤には帯電防止剤が添加されているが、かつては盤の材料に帯電防止剤を大量に添加する東芝音楽工業(現 : EMIミュージック・ジャパン)のようなメーカーも存在していた。日本ビクターでは「スーパーレコード」、東芝では「エバー・クリーン・レコード」と称し、東芝では区別のため赤い半透明の盤にしていた。しかし経年劣化によりこの添加物が化学変化を起こすためか、久しぶりに聴いたら音が歪んでいたという指摘もなされている。
  • 可変ピッチ記録のLPレコードは溝の疎密から音の大小が推定できるため、慣れると長い曲の聴きたいところを簡単に頭出しすることもできた。
  • 実用性には乏しいが、一枚のレコードの片面に複数の音溝をきざむこともでき、再生してみるまで、そのどれをトレースするかわからない、という趣向のレコードを作れた(実際に、そのランダムさを利用した競馬ゲーム(「スーパーレコードゲーム競馬」「スーパーレコードゲーム実名競馬」)や占い(「ルネ・ヴァン・ダールの星占い/愛の予感」)のレコードが作られた)。また、1994年テクノDJのジェフ・ミルズが、盤面にループしている8本の音溝が刻まれており、再生すると4小節のリズムトラック8種類が無限に繰り返されるというクラブDJ向けの12インチシングルを発表している。
  • レコード盤の溝は一般には音質の良い外側から刻まれるのに対し、反対の内側から録音再生していく方式を採っていた用途もあり、円盤式トーキーのためのレコードや、テープレコーダの普及以前に放送局などで広く用いられた円盤録音機に多く見られる。なお、通常のレコード盤の変わり種としても、実際にジョークのレコードとして販売された例がある。逆に、後のコンパクトディスクにおいては、ディスクの内側から再生する方式が標準とされることになる。
  • 食べられる材質で製造された「食べられるレコード」も存在する。
    • 1924年神戸煎餅レコードが販売されていた。タイヘイレコード設立者の森垣二郎が作ったものとされ、童謡が収録されていた。これを見た落語家の初代桂春団治1925年に、今度は日東レコードの協力のもと、やはり煎餅レコードを作った。湿気ない様に缶にパッケージされていた。春団治のレコードの価格は8枚入りの1缶が1円50銭、10枚入りの1缶が1円95銭だった[6][7]1926年1月に天理教の大祭の人出の多さを当て込んで売り出されたが、値段の高さや、あいにくの雨で煎餅の多くが湿気ったことなどで殆ど売れず、春団治は大損した。落語やコントなどが収録され、「聴き飽きたら食べる」というコンセプトだった。
    • 2012年には、ブレイクボットのアルバム『バイ・ユア・サイド (By Your Side)』の、本物のチョコレートで作られたレコードを限定120枚で発売した。
  • 玩具メーカーのバンダイが、2004年に『8盤(エイトばん)』と称する直径8cm、厚さ約2mmの片面で約4分再生可能なレコード(33 1/3回転)と、60-70年代各メーカーが市場に投入していたポータブル電蓄を模した小型の専用プレイヤーを開発して販売していた。交換針は汎用のT4Pのものが採用された。そのため普通のポータブル電蓄でもピッチコントロール付きだと自己責任ではあるが再生可能であった。当時、レトロ昭和ノスタルジー)商品のヒットが相次いでおり、バンダイ自身もガシャポンフィギュアの「ぼくの小学校」シリーズをヒットさせていた事などから、新たな昭和ノスタルジー商品として企画された[8]。レコードは1950年代 - 1980年代のアイドル歌謡曲洋楽や子供番組の主題歌を、オリジナルのまま復刻・縮小したもので、おニャン子クラブ(「おニャン子クラブ シングルメモリーズPart1」)・チェッカーズ(「チェッカーズ ディスコグラフィー」)・『ひらけ!ポンキッキ』(「ひらけ!ポンキッキヒットパレード」)・1950年代 - 1960年代の洋楽ポップス(「OLDIES THE BEST」)のシングル、朝日ソノラマのソノシート(「朝日ソノラマセレクションPart1」)の復刻が発売された。しかし、片面盤のためカップリング曲は未収録で、しかもパッケージを開けるまで、何が入っているか全く分からない仕様で人気は出ず、商業的には失敗に終わった。音質はソノシート並み、ステレオで記録されていたが、専用プレイヤーは結局モノラルの機種しか出なかった。イベントなどで展示してあったこの玩具を、レコードのかけ方を知らない若者が内周から針を落とす、という光景も見られたという(溝とアームの関係は遠心力が関わるので言うまでもなく誤り)。

CD時代のレコード[編集]

21世紀になってもレコードはわずかながら生産されている。日本では東洋化成でレコードのプレスが行われ、同社では新譜での限定生産、テスト・レコードの販売や過去の名盤の再生産も行っている。少ない枚数の製作をプレスやカッティングで行う業者もあり、ラッカーとビニールの素材選択に対応するなどバラエティがある。また高額ながらカッティング・マシンもベスタクスからVRX-2000が発売され、個人がレコードを1枚からビニール/ラッカーを選んで作ることも可能である。またレコードからパソコンなどでノイズリダクション処理を施しつつCD-Rに録音するサービスも行われ、その際の再生にレーザーターンテーブルを用いる場合もある。SP盤時代のものやマスターテープの所在が不明の音源を市販CD化する際も、上記と同様の処理が行われている。

取り扱い[編集]

  • レコードの大敵はホコリ・静電気・傷である。ホコリがあると物理的な振動を用いるレコードでは耳障りな「プチッ」という音をひろう。静電気は素材が塩ビであるため避けることはできず、静電気が発生することで埃を吸い付けることもあった。盤面の傷によっても雑音が発生し、複数の音溝にまたがるときには周期的な雑音が発生し、隣接する音溝へ「針飛び」が発生することもある。また、手の脂などにより、カビが生えることもある。このため、レコード再生の前には必ずホコリを取る「儀式」が必要だった。このためレコードのホコリ取りや、ホコリを防ぐため帯電防止・表面潤滑材などの周辺グッズが多数販売されていた。
  • 現在ではクリーニングの技術も進歩し、かつてベルベットなどによっていたブラシやクロス(=布)にはホコリを出さない繊維も使われるようになり、大規模なレコードクリーニング装置も専用の洗浄液に浸して眼鏡のように超音波で汚れを落とすタイプや真空ノズルで汚れを吸い取るタイプがある。帯電防止スプレーも引き続き入手可能である。また、近年雑誌などで「レコードをアルコールで拭くとノイズが減り音が良くなる」という記事が出回り、一時期これを行うことが流行ったが、レコードはアルコールで拭くと熱変を起こして低音が失われる[要出典]ため、レコード店によっては全てアルコールにより低音が失われたレコードを販売していた時期もある。また熱変を起こしたレコードに針を落とすと、針にも悪影響を及ぼす(針が通常より早く無くなったり、通常とは違う減り方をする、これにより他のレコードの溝が傷付けられる恐れがある)[要出典]など、アルコールによるレコード洗浄の悪影響が一時期問題視されていた。水洗後の水分が残った生乾きの状態のレコードを再生にかけると、完全に乾燥した状態に比べて針とレコード音溝の間の摩擦抵抗が遙かに大きく、溝が削れてしまいダメージを与えてしまうので、再生前には”十分に”乾燥させなければならない(通常のアルコールにも水が含まれていて、最期まで表面に付着して残る)。
  • 一方で取り扱いがCDと異なる点の認識度は低い。水洗いが良いと聞いてレコードの洗浄に水道水を用いたり(不純物が多い可能性がある。この場合は純水を用いなければならない。但しやはり保証の限りではない)、一部の評論家による「メラミンスポンジでレコードをクリーニングする」という記事を読んでLPレコードを擦って音溝を損傷したという実例もあるので注意が必要である。それでも洗わざるおえない最大の理由はベルベットやスプレーでは取り切れず引き伸ばしてしまい再生時に針先に塊が付くほどの大量のカビでありこの場合台所洗剤なども用いて水洗するか超音波(業務用機器であるため非常に高価)で取り除くしか方法は無い。超音波洗浄機は万人が購入できる物とはいえないため水洗となるがその際レコードの曲名などの印刷面に関しても製造時期やレコード会社によっては塗料のみの印刷ならば問題ないが紙で印刷したものが多数でありその部分を強く擦ると剥がれるため十分に注意して洗浄、完全に乾燥させる必要がある。
  • なおCDをメンテナンスする際は記録方向と垂直に放射状に拭くのに対し、レコードは溝の中を掃除するため円周方向に手入れをする。これはCDではセクターやトラック単位にデジタル機能のエラー訂正符号化によるエラー訂正が含まれているため、もしも円周にそって拭いて傷が入ると、CDの規格が想定しているエラー訂正の機能(エラーがランダムに入ると仮定)を越えたエラーを生じさせて訂正不能になってしまうためでもある。
  • レコードは磁気的もしくは光学的な記録方式とは異なり、機械的な記録方式を用いているため、再生針や盤面の音溝の磨耗はどうしても避けられないという特性がある。そのため、再生針の管理には十分に注意する必要があり、ダイヤモンド再生針の場合で概ね200-1000時間程度の累積再生時間を過ぎると、針先の磨耗により音の細部などがぼやけたり、割れた感じに聞こえるようになり、雑音も多くなる。この状態を放置して運用すると音溝を損傷するので注意が必要である。また、針先の状態が健常であっても、概ね200-300回以上の再生回数を過ぎると、音溝の磨耗が大きくなり、高音部や音の細部などが徐々にぼやけた感じになり、雑音も増えてくるので、こうした劣化も配慮して利用する必要がある。

レコード製作に携わる人々[編集]

基本的に、CDと同じである。

符号位置[編集]

日本においては、斜体のRを○で囲んだ文字でレコードを示す。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🄬 U+1F12C - 🄬
🄬
レコード

脚注[編集]

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  1. ^ “瓦版”に引っ掛けた洒落。アナログレコードの音楽を手軽にデジタル録音できるプレーヤー - 日経BP セカンドステージ
  2. ^ 超高音質LP 「100% PureLP」 12月発売! ユニバーサルミュージック公式リリース 2012年10月2日
  3. ^ A Short History of Twentieth-Century Technology
  4. ^ オーディオ50年史 4章1節
  5. ^ 菅野沖彦「私のアナログ感覚」季刊analog、17号・18号
  6. ^ その15「食べるレコード」、金沢蓄音器館、2010年6月。
  7. ^ 9月20日(木)おもしろ神戸ひょうご楽、三上公也の“G”報アサイチ!、2012年9月20日。
  8. ^ 「8盤レコード」シリーズを2004年2月中旬に発売、バンダイ、2003年9月1日。

関連項目[編集]


外部リンク[編集]