コンパクトカセット

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1970年代後期のカセットテープ(東京電気化学工業=TDK製「Dシリーズ」)
1972年頃のカセットテープ(ソニー製「Low-Noise」) コンパクトカセットのロゴが見える。A面部分の表示は識別用にエンボス入り。
後期のオーディオ用カセットテープ(TEAC製) カセットハーフ(筐体)を透明化した上でハブをオープンリール風のものに模し、音楽用途に適することを表している。後に、同じくティアックからリールを交換可能としたものも販売されたが、普及はしなかった。
演歌中心の店舗。(2012年)

コンパクトカセットは、オランダの電機メーカーであるフィリップス社が、フェライトを素に1962年に開発したオーディオ用磁気記録テープ媒体の規格である。一般的に「カセットテープ」、もしくは「アナログカセット」とも呼ばれる。また1980年代終盤に登場したDCC(デジタルコンパクトカセット)と対表記する形で、ACC「アナログコンパクトカセット」と表記することもある。

民生用の録音規格としては、2000年代前半から若年層を中心にミニディスク (MD) にその割合を超えられ、2000年代後半からはデジタルオーディオプレーヤーICレコーダーリニアPCMレコーダー含む)も台頭してきたが、普及台数が膨大で価格が安く、また長時間録音に適しているため、現在も広く使われている。

なお、コンピューター分野ではCMTCassette Magnetic Tape : カセット磁気テープ)と呼ばれていた。データレコーダ参照。


概要[編集]

当初オープンリール式であった録音用テープを扱いやすくするため、テープとリールをケースに封入した規格が数多く発表された。その中でもコンパクトカセットはフィリップスが互換性厳守を条件に基本特許無償公開したため、多くのメーカーの参入を得て事実上の標準規格となった。このことから「フィリップスカセット」とも呼ばれる。

初期はテープ幅の小ささやテープ走行速度の遅さによる性能の制約から会議録音など業務用のメディアと考えられ、語学学習などの活用も推奨されていたが、1960年代後半以降著しく性能が向上し、1970年代以後は携帯の容易な音楽用メディアとして広く普及し、手軽な録音媒体としてレコードダビング、放送番組を録音するエアチェックなどに幅広く活用された。

カーオーディオの分野においても、先行する8トラックカートリッジ方式に比べて小さなコンパクトカセットはスペースの限られる自動車のダッシュボードにデッキを配置しやすく、メディアが廉価で長時間再生に適することもあって、1970年代から1980年代にかけ隆盛を極めた。

しかし欠点もあった。

  • 音質は録音するデッキにより大きく左右され、たいていは高額なレコーダーほど高音質になる傾向(主に3ヘッド・クローズドループ・デュアルキャプスタン方式のメカニズムを搭載した上位機種)があったため、廉価なレコーダーしか持てないユーザーは雑音・音のこもり(主に高音域)など、録音上の音質劣化を許容せねばならなかった。またダビングには通常、レコードおよびテープの実再生時間を要し、手間がかかった。ダブルデッキ式のレコーダーには倍速、3倍速録音の機能を備えた事例も多かったが、音質の悪化やテープ負荷の増大は避けられなかった。また、メーカーごとにピッチがまちまちで、メーカーによって出荷基準のピッチの誤差範囲が違う[1]ので録音したデッキのメーカーと違うメーカーのデッキで再生するとピッチが若干ずれて聞こえてしまう。ピッチ調節用のつまみを備えたデッキもあるが、それが搭載されていないデッキも多く、その場合はピッチのずれを許容せねばならなかった。ただデッキが新品である時はピッチの差が気になるほどでは無いがむしろデッキを使いこんでいくうちにモーター、ベルト、コンデンサーなどの劣化しやすい電子部品の疲労によるずれが一番の問題であった。
  • 構造的に頭出し・リピートなどが難しく、テープ進行に伴って回転する付属のメーター(カウンター)で進度を確認するしかなかったが、このカウンターの精度にもデッキによる個体差を伴った(これも廉価なデッキでは精度が低かった)。中級以上のデッキや機械式では無いフルロジック(フェザータッチ)機構のヘッドホンステレオではテープの音声の有無によって急速頭出しを図る機能もあったが、これはヘッドとテープの強い摩擦を伴い、テープ自体に大きなダメージを与えるものであった。

これらの課題を根本的に解消するのは難しく、1980年代以降CDなどのデジタルオーディオが普及し、コンパクトカセットはデジタルオーディオの安定した高音質やランダムアクセスによる容易な選曲に慣れたユーザーから次第に敬遠されるようになった。

1990年代初頭にはコンパクトカセットの後継として、音声データをデジタルで記録・再生でき、コンパクトカセットとの再生互換性を持たせたデジタルコンパクトカセット (DCC) がフィリップスと松下電器産業(現 : パナソニック)との共同開発で誕生した。ほぼ同時にソニーから登場したミニディスク (MD) とポータブルオーディオ戦争を繰り広げるかと思われたが、音質ではミニディスクを凌駕していたものの、DCCレコーダーではコンパクトカセットの録音ができなかったこと、テープ方式に起因する欠点を引きずったこと、さらにMDはおろかDATに対してもポータブル録再機のラインアップが非常に少なかったことなどで結果的にMDの圧勝に終わり、DCCは姿を消した。

1990年代後半からポータブルMDプレーヤーなどの小型化、再生時間の長時間・大容量化が進み、発売当初の本体の巨大さや短い電池持続時間が解消され日本の若年層ユーザーはそれらの新しいメディアへ移行するようになったが、小売店では売価2,000 - 5,000円程度のモノラルラジカセ、CDラジカセと録音済音楽テープが引き続き廉売されており、取り扱いが簡易なこともあって主に65歳以上の高年齢層のコンパクトカセット支持は根強い。信頼性の高さ、録音内容をその場ですぐに聴けること、81分以上の長時間かつ手軽に録音できる同等の手軽な媒体が出現していないこともあり、ラヂオプレスではいまだに用いられている。工事現場などでの朝礼前のラジオ体操時に使われるラジカセやワイヤレスアンプはCDよりもカセットテープ利用時の方が電池の残量が低下しにくいため現在でもカセットでの体操が多い。J-POPや洋楽などの国内向けミュージックカセットテープは国内盤だと1990年代中半に、アジア圏などへの輸出向けなど逆輸入盤だと2000年代中半に消滅したが演歌や輸入盤(ジャズクラシックなど)では2013年時点においてもCDとカセットの同時発売が依然として続いている。なお、2012年に入るとカーオーディオの分野からは自動車メーカー純正品はごく一部が生産されているものの、社外品に関しては1DIN、2DIN規格ともどもカセット対応カーオーディオはラインナップから消滅している。

また発展途上国や一部の先進国でも、音楽・音声用メディアとして今なお広く使われている。

派生的用途[編集]

コンパクトディスクMD対応デッキの普及により、車載用コンパクトカセットデッキの種類は次第に数が少なくなっていった。一方で、iPodをはじめとする大容量携帯プレーヤーをカーオーディオで聴くユーザーの間では、FMトランスミッターに比べて音質劣化や電波干渉を受けにくいコンパクトカセット型のカセットアダプターを珍重する傾向があった。

音楽制作の現場では、テープを片面方向のみに使用し、両面それぞれの左右チャンネルの合計4チャンネル、あるいは特殊なヘッドで8チャンネルの再生・録音を可能にしたマルチトラック・レコーダー (MTR) の記録媒体として重宝された。

またコンパクトカセットは、1980年前後を中心に、初期のパーソナルコンピュータの記憶メディアとして個人ユーザーを中心に広く利用され、専用の製品も発売されていた(データレコーダも参照のこと)。しかしその後、本格的なデータ用メディアであるフロッピーディスクの低価格化と普及に伴って利用されなくなった。1980年代前半に人気のあったMSXではカセットテープでのゲーム発売なども行われており、近年の復刻が困難になる一因となっている。

歴史[編集]

  • 1962年 フィリップスによるテープ、レコーダの発売開始。
  • 1965年 互換性厳守を条件に基本特許を無償公開した。
  • 1966年 東京電気化学工業(現 : TDK)が日本で初の国産カセット発売。
  • 1969年 TDKのSDテープがアポロ11号と共に月面へ。
  • 1970年BASF、米メモレックス等より二酸化クロム磁性体採用の高性能タイプ発売(後のType II)。
  • 1972年3M、Type I音楽専用タイプにコバルトドープ酸化鉄を採用した"HE"を発売(後年Type IIに転用される)。
  • 1973年 ソニーより二酸化クロムと酸化鉄の二層塗布によるフェリクロムテープ"Duad"を発売(後のType III)。
  • 1974年 日立マクセルよりコバルト被着酸化鉄採用の高性能タイプ"UD-XL"を発売。当初はノーマルバイアス (Type I)、1976年にハイバイアス (Type II) タイプも追加。
  • 1975年 TDKよりコバルト被着酸化鉄を採用したクロムポジション (Type II) 用のSA(初代はC-60のみ)を発売。各社も追随し、後に二酸化クロムの代替としてType IIの主流に。
  • 1978年 米3Mより鉄合金磁性体によるメタルテープ"Metafine"発売(後のType IV)
  • 1978年 松下電器(現 : パナソニック)より、コバルト蒸着式テープオングロームマイクロカセット発売。
  • 1979年 ソニーより、HiFi再生用途に特化したポータブルカセットプレイヤーウォークマン1号機 (TPS-L2) が発売
  • 1983年 太陽誘電より、鉄合金磁性体(所謂メタル磁性体)をTypeIIに転用した"EM"発売。
  • 1983年 日立マクセルより、無空孔酸化鉄のType I、"UDI"発売。
  • 1984年 松下電器(現 : パナソニック)より、コバルト蒸着式テープオングロームカセット発売。当初はType IIのみで後にI,IV追加。
  • 1989年3M日本ビクター(現 : JVCケンウッド)、日立マクセルなどがマグネタイト核晶のコバルト被着酸化鉄をビデオテープに採用、日立マクセル日本コロムビアなどがオーディオテープに採用する。
  • 2001年 TDKより、1999年から製造されていた"MA-EX"が生産終了、これにより日本国内でのメタルテープ (Type IV) の製造が終了。
  • 2011年12月 2008年にイメーション株式会社に吸収合併されたTDKマーケティングは、国内で販売している唯一のハイポジション (Type II) である"CDing II"を生産終了、これにより日本国内でのハイポジションテープ (Type II) の製造が終了。
  • 2013年10月現在、日本における一般ユーザー用カセットテープは、会議・レッスン記録用のLN(Low Noise)タイプのノーマルポジション (Type I) のみとなっている。

録音方式[編集]

カセットテープ説明図1.png

録音は、先祖にあたるオープンリールテープと同じく、交流バイアス法による磁気記録が主流である。テープが消磁された状態では磁性体の残留磁気はランダムな方向に並んでいる。音声信号から変換された録音ヘッドの磁力により磁性体を磁化させて記録する。再生は、逆にこの記録された磁気をヘッドで読みとり、アンプで増幅する。走行速度は4.75cm/sから4.8cm/sに決められている[2]。一般にはカウンターの回転速度が加速度的に変化することから、テープの速度も変わると考えられているが、速度は一定である[3]。これは、モータでアクティブスクレープローラとキャプスタンを連動させ、これらをテープを合成ゴム製のピンチローラーで挟んで一定速度で送ることにより、毎秒4.75cm(1.875インチ)の走行速度を保つ構造になっているためである。カセットが普及した理由の一つに、この単一速度を遵守したことも挙げられている。他の速度モード(高音質を目指した倍速録音・再生や長時間録音を目指したハーフスピードなど)を持つ機器もあるものの、それらはあくまでも独自仕様である。なお、この4.75cm/sという速度は、オープンリールの速度オプション中で標準となる9.5cm(3.75インチ)/sの半分であり、音質としての性能よりも取り扱いの簡便性を重視した設計である。そのため、僅かな誤差はIEC規格でも許容するため、メーカーによって出荷基準のピッチの誤差範囲が違う[1]ので、使用するプレーヤーやテープによっては録音したデッキと違うデッキで再生すると、ピッチが若干ずれ、そのせいで音程が変わって聞こえてしまうようなことがあるが、そのような誤差は許容しなければならない。尚、一部のレコーダーにはピッチコントロールで速度の微調整が可能であるが、そのような機種はカセットデッキなどの音響系では限られておりいわゆる「テレコ」と呼ばれるモノラル(一部ステレオ)のテープレコーダーには搭載されたものが多い。

トラック構成は2トラック/1チャンネルのモノラルまたは4トラック/2チャンネルのステレオで、表裏に当たるA/B(メーカーによっては1/2表記もある)各面を、テープ終端になった時点で裏返して使用する。テープ幅は3.81mmで、例えばステレオ(片チャンネル分)の場合、ここからA/B面間 (0.3mm) と左右チャンネル間 (0.66mm) の遊び(クロストークを低減する為のガードバンド)および両端部を除いた約0.62mmが実際の録音に使用される幅となる。このA/B各面に、モノラルの時には1トラック/1チャンネル、ステレオの時には2トラック/2チャンネル(右/左)が割り当てられる。モノラルの1トラックと同じ部分にステレオの場合は左右各チャンネルが分割して録音される方式のため、ステレオ録音のテープでもモノラルのデッキ(レコーダ)で再生でき、その逆も可能である。これは、当初はモノラルのみで製品化されて後に音楽用途に合わせてステレオが追加された経緯から、互換性を図ったものである。ただし、初期のLL機では、2トラック2チャンネル(B面用のトラックを第2トラックとして使用)も存在した。なお、オープンリールテープの場合は音質優先(クロストーク忌避)のためにステレオとモノラルのトラック配置が異なっており、再生時の互換性はない(モノラルで録音したテープをステレオのL側ヘッドで再生することは可能)。

特殊な用途向けに独自の録音方式、または特殊なテープも開発された。

エンドレス・カセット
BGMや繰り返しの再生用に、同じ音声を繰り返す方式。摩擦を軽減するための特殊なバックコートを施したテープを使用している。テープの両端を同じ面同士で繋ぎ合わせており、一度再生すると終端からそのまま先端にループを繰り返す。1972年頃にはすでにTDKとフィリップスから発売されていた。他のオーディオテープでは4トラック(フィデリパック)、8トラック(リアジェット)、プレーテープハイパックがこのタイプである。なお、その特異な構造のためにスペースを取るので長時間タイプは存在しない(10秒 - 6分程度(TDK/ECなど)。同社海外市場向けは12分の製品が近年まで存在していた)。また、巻き戻しも不可能なため片面走行のみ。スーパーマーケットの特売品売り場で、特価内容を知らせるために小型のカセットプレーヤーとともに用いる例がある。ただし近年ではエンドレス・カセットは入手困難品のためかオートリバースラジカセを利用したりCDをリピート再生する場合が多くなった。ノーマルポジションのみで、過度の振動や衝撃は内部での巻き込み等の走行不良を起こすことがあるので注意が必要である。後年、音楽用テープを使用した高音質タイプも発売された。
パソコン用カセットテープ
パソコンの記録用で、C-15〜C-18分など、短時間記録用でデータエラー防止の目的からリーダーテープがなかったり、短いものが多い。テープ自体は音楽用のLH(ローノイズ・ハイアウトプット)ランクの転用で音楽録音にも適する。ハーフは走行性能を優先したものが多い。
LL(ランゲージ・ラボラトリー)
英会話の学習に用いられた方式で、ステレオの片チャンネルに手本となる音声が録音されており、もう片方の空きチャンネルに自分の声を後追い録音する。テープは通常のものだがレコーダーが特殊なタイプとなる(あくまで学習方式の名称であり、テープや録音方式の名称ではない)。
4チャンネル
カセット式MTRに用いられるチャンネル利用法。両面2チャンネルステレオのトラック規格を片面4チャンネルへ転用したもの。磁気ヘッドはオートリバース用の4チャンネルタイプが流用されている。後述する倍速録音との組み合わせにより6チャンネル、8チャンネルも存在した。
倍速録音
2倍速で録音・再生し、音質の向上を目指したもの(1970年代中期頃、マランツSUPERSCOPEブランドで発売したラジカセの一部、TEAC社のオーディオ用カセットデッキC-○X、など)。
低速録音
倍速録音とは逆に、会議用等に走行速度を1/2・1/3にして録音時間の延長を図ったもの。各社のポータブルレコーダーおよび一部の業務用大型デッキに設定されている(ソニーの「2倍モード」やパナソニックの「3倍モード」など)。資料としての長期保存性や、文字媒体転記作業でのリピート再生を目的とした強度確保の見地から、メディアには一般にC-90以下のタイプが用いられる。高域周波数特性が著しく劣るので音楽の録音には適していない。その一方で音声に限定すれば実用レベル(マイクロカセットや最初期のカセット程度)が確保されている。

構造[編集]

コンパクトカセットの構造。乳白色のケースがハーフ、テープが巻かれているのがハブ、テープ端の透明なテープがリーダーテープ、ハブの下の黒シートがスリップシートである。

テープはベーステープと呼ばれる薄いプラスチック製テープ上にバインダと呼ばれる接合剤()で磁性粉を接着している。また70年代後半以降はテープ表面に鏡面仕上げを施し、テープの走行性を保ち、ドロップアウトやヘッドの摩耗を防ぐことが多い。

ハーフもしくはシェルと呼ばれるプラスチック製ケースの中に、ハブというリールに巻かれた状態で入っている。テープはオープンリールと同じように再生開始および終了時の伸びにより劣化することがないよう、リーダーテープとよばれる録音ができないテープが両端に付属している。リーダーテープにはヘッドのクリーニングを兼ねた、クリーニングリーダーテープと呼ばれるものも存在する(ヘッドが摩耗することはない)。また、リーダーテープは乳白色や無色透明のテープを用いるものが多く、現在、ソニーもそのタイプでハブとの接合部付近のみ着色されたリーダーテープが付いているが、ソニーのカセットテープは1970年頃、リーダーテープそのものにも色がついていた。ハーフとテープの間には走行性を維持するためにスリップシートと呼ばれるポリプロピレン、和紙製のシートが挟まっている。またヘッドが押しこまれる部分にはヘッドとのタッチを良好に保ちなおかつテープ裏面に付着した磁性粉を清掃するためにフレッシャーパッドと呼ばれるパッドがつく。またヘッドから巻かれているテープへ磁気の影響が及ばないよう、遮磁板がある場合が多いが省略しても問題はない。

収納ケース[編集]

左上から紙ケースとストッパー、Pケース、PPケース、PP(スライドイン)ケース、スリムケース
紙ケース、Pケース、スリムケースの厚さ比較

カセット本体やインデックスカード、タイトル記入シールを収納し、かつホコリやカビ、衝撃からカセット本体を保護するためにケースが付属する。

紙ケース、ストッパー
プラスチックケースが普及する前およびバルク品には紙製のケースとハブを固定するためのストッパーが付属した。一部の語学練習用テープにもストッパーが付属する。紙ケースにはオープンリールテープと同じような形状も存在する。
プラケース
標準ケースと呼ばれる、厚みがあるタイプ。スリムケース登場前や業務用、ミュージックテープはこのケースが使用される。落下時には他のケースよりも破損しやすいのが欠点である。現在もマクセル他が採用している。
PPケース
ポリプロピレン樹脂等を使用したケースである。バルク品に使用される、インデックスカードが収納できないタイプや、ケース側面から収納するSONYのスライドインケースが存在する。厚さはスリムケースと同じである。
スリムケース
AXIAが開発し、1990年代に他社も含めて主流となった、標準プラケースよりも20%程薄いタイプ。メーカーによってさまざまな収納方法があるが、カセットを逆さに収納するタイプ(初期のAXIA・太陽誘電など)はテープがむき出しになるのでケース開閉時には指先がテープに触れないよう注意する必要がある。後にAXIAはカセット本体をどの方向でも収納出来るスリムケース(通称:どっちでもINスリムケース)を採用。


収録時間[編集]

収録時間は、“Cassette”の頭文字“C”に両面の公称総収録時間を付けて表示される(主に1970年代後期頃からは省略されることが多い)。標準的な製品は、それぞれC-30からC-120と呼ばれる、両面で30分 - 120分(=片面で15分 - 60分)録音できるもの。収録時間によってテープの厚みが異なり、標準タイプのC-60以下で約17 - 18μm(ベース厚13.5μm)、長時間タイプのC-64 - C-90でその約2/3の11 - 12μm(ベース厚7.5μm)、超長時間タイプのC-120で半分の9μm(ベース厚4.5μm)…と段々薄くなる。なお、この数値は磁性層4.5μm(メタルテープは3.5μm)を含んだ厚さであり、テープの長さが変わっても磁性層の厚さは変わらず、ベースフィルムの薄さにのみ影響する。このため、長時間録音になればなるほど耐久性は当然悪化し、高温下で伸びやすく、又は過剰なテンションによって切れやすくなる。温度変動が大きい高負荷環境にあるカーステレオや、緻密な走行制御を要する高級テープデッキでC-90以下の使用を推奨しているのはこのためである。規格としてはTDKの輸出モデル等にC-180やC-240もあるが、耐久性の問題(テープ厚はC-180で6.5μm、C-240で5μm。ベース厚はそれぞれ2μm、0.5μm=物理上の限界値)もあり製品としてはほとんど存在しない。

特殊用途を除く一般的な収録時間は、過去に国内で発売されたものだけでもC-5・C-6・C-8・C-9・C-10・C-12・C-15・C-16・C-18・C-20・C-22・C-30・C-36・C-40・C-42・C-45・C-46・C-48・C-50・C-46+5・C-52・C-54・C-55・C-60・C-62・C-64・C-65・C-60+5・C-70・C-74・C-75・C-76・C-80・C-84・C-90・C-92・C-94・C-90+5・C-100・C-108・C-110・C-120・C-120+5・C-150と多岐にわたる。

当初はC-60に始まり、短時間用のC-30、長時間用のC-90、超長時間用のC-120が追加された。やがて音楽専用タイプが発売された1970年代中頃には、当時の一般的なLPアルバムを収録するのに丁度良いC-45(C-90の半分)が追加されたが、片面の収録時間が22.5分と中途半端で録音時間とテープスピードの誤差に対してあまり意味を持たなかったため、1970年代後期にはほぼ全てC-46へ置き換わった。1970年代までは各社ほぼこの5種類であったが、すでに多様化の兆しもみられ、1970年代中期には富士フイルムがFXで初採用したC-80、後に同じくC-80を採用したDENONの、C-45に余裕を持たせたC-50およびやや短めのC-42、ナガオカ産業による+5minシリーズ(各時間に5分の余裕を持たせたもの)等が現れており、1970年代後期にはTDKのADに追加されたC-54、ソニーが“ジャンル別音楽テープ”と銘打った音楽ジャンルに的を絞った収録時間 (C-54・C-74・C-84) など、ピンポイント的ではあるものの、後代で一般化する収録時間はこの頃までにほぼ出揃っている。その後、1970年代後期からのカラオケブームを受けて、1980年代初頭には各社“カラオケ専用”と銘打ったC-8・C-10・C-15・C-16といった超短時間用も発売された。

1980年代初頭までは、音楽専用は主にC-46/60/90、一般用はそれに加えてC-10/30/120が追加、稀にC-54・C-80といった中間型、というラインナップが多勢を占めていたが、1981年にCDが発売され、やがて音楽ソフトの主流が徐々にアナログレコードからCDに移行していった1980年代後期には、従来のLPアルバムから逸脱したCDの収録時間に対応するため、ラインナップが爆発的に増加していった。その先駆的な製品として、That'sが“CD専用”と銘打った高級タイプのCDシリーズ (CD, CD II, CD IV) では、当初はC-46/54/70というラインナップであった(後に同価格帯のXシリーズと統合されC-60/90なども追加)。なお、この製品は日本で初めて"CD"を冠した名前が付けられたカセットでもある。その後他社にも追随の動きが見られ、ソニーのCDix (C-50/70) を皮切りに、各社“CD**”と銘打った“マルチ・タイム・バリエーション”と称される多様な収録時間(10種 - 15種程度)を持つ廉価な音楽専用シリーズが一般化する。代表的な製品にソニーのCDix、TDKのCDing、マクセルのCDカプセル、やや遅れて富士フイルムアクシアのJ'zなどがある。これらは後代、ラインナップの整理統合に伴い各社の主力モデルへとシフトしていった。この時期に、旧来のC-50・C-54・C-74・C-80といった中間の収録時間が一般化していき、さらにC-64・C-70といったCD対応のために新たに加わった収録時間と併せて、各社で様々なラインナップが現れる。一例としてソニーでは、CDixに続くハイポジCDixIIでラインナップ中のC-50からC-80までは全て5分刻みの収録時間(C-50・55・60・65・70・75・80、他にC-20・40・46・90)として、ほぼ全てのCDの収録時間に対応可能と謳った。ただし、次モデルからはC-54・64・74といった他社と同様に偶数の収録時間に改めている。また、1980年代末期に発売された8cmサイズのCD(シングル)の総収録時間に対応したC-20・C-22といった短時間タイプ、あるいは高級タイプやメタルポジションにもラインナップされたC-100 - C-110[4]といった音楽専用の超長時間タイプ等が現れたのもこの頃で、さらには、長くC-46/60/90のみを堅持していた高級タイプにもC-54・74といった中間帯が徐々に加わり始めている。収録時間のバリエーションとしては、この1980年代末のCD普及期から、音楽メディアの主役がMDなどへシフトする1990年代前期までが最も多彩であった。

変わり種のタイムバリエーションでは、いわゆる“リールタイプ”専用とも言えるC-52がある。1980年代中期に流行したオープンリール状のハブを持つリールタイプでは、リール側面を固定する“のりしろ”のために通常よりハブ中心部が大径となり、C-60のテープ厚ではC-52が収納限界となったためである。なお、大径形のハブは走行安定性の向上という観点から、オープンリールタイプ以外にもおおむねノーマル最高級・ハイポジ中級クラス以上と全てのメタルテープのC-46で大径ハブが採用されていた時代が長くあり、メーカーによってはC-54以下で大径ハブを使用できるよう、オープンリール状のハブよりも僅かに直径を狭めた大径タイプのリールを採用しているメーカーもあった。また、SANYONationalTEAC等がC-46の2倍ということで採用したC-92、That'sがハブの小径化によってC-90テープ厚で限界の収録時間を達成したC-108などもあった。

C-150は最も後期になって追加された久々の超長時間タイプで、カセットが音楽用メディアとしての主流を他へと明け渡しつつあった1990年代に発売された。当然ながら用途は会議録音用などで、当時は他に手軽な長時間録音に適したものがほとんどなかったこともあり、ある程度の需要があった。カセットの生産がほとんど海外へ移行した2000年代以降も、C-150のみ国内生産であった。

なお、特殊用途として、C-0(補修用のハーフ+リーダーテープ)、エンドレステープにC-3/6/10などの製品があった。また、製品自体は通常のものと変わらないが、1980年代中期にはコンピュータプログラム記録用にC-10・15・16などの製品があった。業務用のバルク品などはそれ以外にもさまざまな長さの製品が存在していた。

テープの種類[編集]

上: メタルテープ、中: クロームテープ、下: ノーマルテープ
機器側で種類判別できるように、背面の特定位置に四角い穴(検出孔)が設けられている。
ヘッドクリーナー

当初は音声用途から普及したが音楽用途が求められるにつれ、周波数特性やダイナミックレンジの拡大を目的に、さまざまな種類のテープが開発された。

テープには使用する素材の磁気特性により複数の種類があり、主なものとしてノーマル (Type I/NORMAL)、クローム/ハイポジション (Type II/CrO2)、メタル (Type IV/METAL) の3種類がある。ダイナミックレンジの広さはメタル>ハイポジション(コバルト被着酸化鉄タイプ。以下同じ)>ノーマルの順であるが、中低域の実用最大出力レベル (MOL) はメタル>高級ノーマルテープ≥ハイポジション、ノイズ特性はハイポジション>メタル>ノーマルの順で優れている。録音レベルを手動で設定できるデッキでメタルテープを使用する場合、録音レベルを通常より+3dBほど高く設定することが推奨されていたのは、この特性を活かすためである。この他に、まだテープの性能も低かった1970年代中期にクロームと通常のγ三酸化鉄を二層に塗布して両者の長所を生かそうとしたフェリクローム (Type III/Fe-Cr) が開発された(ソニーの「DUAD(デュアド)」など)が、製造過程に由来するコスト高、取り扱いの煩雑さ、対応機器の少なさ(但しノーマル用機器でも使用自体は可能であったが)、更にメタル登場以降は性能面での優位性に基づく存在意義が薄れ、1980年代以降は事実上廃れているといってよい。ノーマル・ハイポジの高性能化が進むとダイナミックレンジの面においてはメタルテープの優位性は縮小していったものの、低音域から中高音域にかけての再生レベルの落ち込みはノーマル・ハイポジに比べてメタルテープは極めて少なく、より原音に近い音質で録音することを目的とするならばメタルテープに一日の長があった。しかしメタルテープに求められた性能は後にDATMD、一部のリニアPCMレコーダーを含む携帯型デジタルオーディオプレーヤーなどによるデジタル録音・デジタル再生に取って変わられたため結果的に2001年までにメタルポジション用カセットテープが生産中止となり、また、それを追うような形でハイポジション(クロームポジション)用カセットテープも2011年までに生産中止となったが、2013年8月頃にダイソーのC120のみハイポジション用カセットテープが復活した。ただし、ダイソーのC120以外のハイポジション用カセットテープは2013年8月現在の時点においてもごく一部に限られるが在庫分に限り入手可能となっている。

これらは全てIEC(国際電気標準会議)で正式に策定されている。録音時の磁気特性(主に録音レベル)を決定するバイアス量と、録音・再生時の周波数特性に関わる補正値であるイコライザー (EQ) の時定数がポジションで異なり、本家本元のType Iのバイアス量を100%とすると、一般的にType II=160%、Type III=110%、Type IV=250%(この値は標準的なもので、デッキの機種、メーカー、時期、製品により変動がある)。またイコライザーは、Type Iのみ120μs(マイクロ秒)、他は全て70μs。Type Iと比較すると他の70μsEQのタイプはノイズレベルが低いが、これは特に高域の補正量が大きいことに起因している(ごく一部の高級デッキでは、高性能テープのために補正値を50%程度に調整可能な機能を持つものもあった。当然、IECの規格外であるため、基本的に自己録再が前提となる機能である)。なお、イコライザーは録音・再生両方で合わせなければならないが、バイアスは録音時のみで良く、メタルテープが録音できないハイ(クローム)ポジション対応のみのデッキでもメタルテープが再生できるのはこのためである。また、異なるバイアス・イコライザーでの録音・再生(例えばType Iしか録音・再生できないカセットデッキでType II - Type IVのカセットテープを使用した場合)も一応可能であるが、音質の変化や消去が十分にされないなど本来の性能を発揮できないばかりか、テープやカセットデッキのヘッドの寿命を縮める恐れがあるため推奨されない。実際にノーマルポジション(Type I)用テープしか扱われることが少なかった頃(主に1970年代)のノーマルポジション専用カーオーディオで無理矢理クローム(ハイ)ポジション(Type II)以上のテープを何回か再生するとヘッドの読み取り面が磨耗した事例もある。

磁性体の種類[編集]

主な磁性体の材料としては、まずType I には当初から存在し現在でも廉価タイプに用いられるγ酸化鉄(γ-ヘマタイト、マグヘマイト γFe2O3)、主に高級タイプに用いられた、Type III に倣った発想で、特性の異なるγ酸化鉄を二層塗布したもの(富士写真フイルム/Fx-Duo、日本コロムビア=DENON/初期DX3・DX4)、例は少ないが四酸化鉄(マグネタイト Fe3O4)のもの (TDK/ED)、そして1980年代に入って開発された、γ酸化鉄の生成時の内部空孔(ポア)をほぼなくして磁気効率を改良した無空孔(ノンポア/ポアレス)酸化鉄(TDK/初期AR、日立マクセル=maxell/初期UDI)およびそれのコバルト被着タイプ(前掲機種の後期型)がある。 また、Type I内にも複数のランク分けが存在する。詳しくはノーマルポジションを参考のこと。

後にType IIの主流になったものの、最初はType Iの高性能タイプ用に用いられたものに、コバルトドープ酸化鉄 (Scotch/HighEnergy) やコバルト被着酸化鉄 (maxell/UD-XL) がある。特にコバルト被着酸化鉄はその調整の容易さと高域特性改善の面からTypeIでも並行して用いられ、1970年代後期から高級タイプ (TDK/AD-X,maxell/XLI-S) の、1980年代中期以降は普及タイプ(富士写真フイルム=AXIA/PS-I、太陽誘電=That's/RX)にも多用された。

Type II用としては、最初期こそ代名詞ともなった二酸化クロム(CrO2;デュポンが発明)が主流だったが、日本国内でめっき工場の廃液などの公害問題(六価クロム廃液)の余波で次第にフェードアウトし、パテントのライセンス問題もあったので、一部で用いられたコバルトドープ酸化鉄(Scotch/Master70、DENON/初期DX7)等を経て、現在では殆どがコバルト被着酸化鉄磁性体(CoFe2O4;酸化鉄の表層にコバルトフェライトが結晶成長したもの)となっている (TDK/SA、maxell/XL II)。これはコバルトフェライトの被着量をコントロールしやすい、すなわち磁気特性の調整が容易な点が大きく、家庭用ビデオカセットフロッピーディスクなど、幅広く使用された。1980年代終期、この酸化鉄の代わりに前述のマグネタイトを核に用いたものもあり、日立マクセル、日本コロムビア等が採用した(maxell/最終XL II-S、後期UD II)。

※マグネタイトにコバルトを被着したテープはビデオテープの方が先行しており、3M、マクセル、ビクター、コニカ、パナソニック等多くのメーカーが採用していた。マクセルの“ブラック・マグネタイト”の名称などが知られている。VHSテープの場合はテープの磁気特性重視ではなく、おもにコストダウンのために採用された経緯がある。VHSテープではエンドサーチに赤外線センサーを用いており、透明なリーダーテープがセンサーを通過したときストップをする機構であった。ところが高性能化、すなわち微粒子化に伴い、赤外領域では光透過率が規格を満たさないようになったため核晶が黒色のマグネタイトの磁性粉を採用するに至った。核晶がγ-ヘマタイトより磁気特性が良いのでテープの磁性層も薄くできるのでコストダウンが可能となった。ちなみに初期のVHSテープはT-120換算で磁性粉の使用量は約40g、核晶がマグネタイトの磁性粉を使用して設計した場合、約20gに可能になった。また、磁性層のカーボンを低減して磁性粉の密度を上げることも可能になった影響も大きい。

Type IVとしてはいわゆるメタル(主成分はα-Feとコバルトなどの合金)であるが、これも酸化に弱いという欠点を克服すべく、各社工夫していた。表面にマグネタイトを形成する方法が一般的だがまったく充分ではない。還元時の焼結防止も兼ねてシリカ、酸化アルミニウムなどを析出、被覆し酸化防止をしている。このメタル磁性体も、1980年代初期よりイコライザーが同じTypeIIへの転用が図られ、極めて高出力な特性を買われて主に高級タイプ (TDK/HX、DENON/DX8) に用いられたが、中には低価格タイプ (That's/EM) も存在する。このメタルパウダーの成分はNiを合金としており、ハイポジションの保磁力に近づけるように設計をしていた。これは言い方を変えればメタル磁性粉をパーマロイ化して保磁力を下げたといってよい。俗にLow Hcメタルとも呼ばれ、ハイポジションの欠点であった低音域のパワー不足を大幅に向上させた。

Type IIIは基本的に下層に中低域用のγ-ヘマタイト、上層に高域用の二酸化クロムを塗布するが、他にも上層をコバルト被着酸化鉄にしたり (DENON/DX5)、特性の異なるコバルト被着酸化鉄の二層塗布とするものも存在した。

そのType IIIがほぼ死滅した1980年代中期、松下電器が「オングローム」ブランドで投入した蒸着テープが存在した。通常の塗布層の上にさらに金属コバルトを蒸着させるという、発想自体は極めてType III的な製品だった(ポジションは当初Type II、後Type I・IVを追加)。TypeIIIと異なる点は、低域 - 中高域のテープ特性の大部分は下の塗布層に由来しており、上の蒸着層は超高域(スピーカーで言うスーパーツィーター)のみを担当する。そのために高域特性を大幅に改善したものの、塗布層自体の性能が他社の同価格帯と比較して見劣りしていたこと、その強力な高域特性のためデッキによって相性の相違が激しく、また製造コストの高騰からくる価格設定の高さもあり、短命に終わった。この技術は、蒸着層の超高域信号(ビデオの映像信号)への対応能力を買われて、後にビデオカメラ用テープの技術として開花することとなる(Hi8のMEタイプ、現在のDVC)。

クロームテープ、メタルテープにはカセットハーフの上部にテープポジション検出孔(画像参照、クロームは誤消去防止ツメの隣り、メタルはそれに加えて中央部)が設けられ、これによりデッキはバイアス、イコライザなどを自動設定する。ただし最初期のメタルには中央の検出孔が存在しない製品もある。

また、Type IIIにはもともと検出孔はなく、この2者は基本的に手動の対応ポジションセレクターを持つデッキで使用するのが前提(フェリクロム策定元のソニーが当初IECにハーフ中央部をType III用の検出孔として申請していたものの認可されなかったという噂がよく聞かれるが、虚実は不明)。あと、テープセレクター自体がスイッチ式が全盛だったため検出孔の必要性も当時としてはあまりない。ただ、Type IIIは磁気特性がType Iに近い(バイアスが+10%)ため、うまく調整すれば高性能ノーマルとしての使用も可能であるむねメーカーも謳っていた。ただしこの場合、補正カーブが異なるために音質のバランスが変わってしまう可能性が高い。そのためか、1970年代にわずかながら存在したバイアスとイコライザーを個別設定できるデッキでは、バイアスをノーマル・イコライザーをクロームに設定することを推奨した例があった。

使用上の注意[編集]

  • テープに巻きたるみがあると走行不良の原因になることがあるので、確認窓からの視認でたるみがあれば、あらかじめ六角鉛筆などで巻き上げてからデッキに装填する。
  • テープ使用後はそのカセットテープに合う所定のケースに戻す必要がある。カセットテープのテープはヘッド接触部周囲で外部に露出しており、ケースから出したまま状態ではテープの損傷やほこりの付着を招くため。ケースに納めるとリールが固定され、持ち運びなどで振動が加わってもテープのたるみが生じない。
  • カセットテープは強い磁界のある場所や高温になる所に保管してはならない(AXIAのPS-S、FUJI/AXIAのGT等耐熱性を有する製品も存在する)。磁気の強弱で情報を記録しているため磁界の影響で内容が消滅する恐れがあり、ましてや磁石を近づけるなどは論外である。また高熱でテープの伸び(形状から“ワカメ”と呼ばれる)やケースの変形が生じると復元困難になる。大型ブラウン管ディスプレイ自動車ダッシュボードスピーカーの上などは望ましくない。
  • カセットテープは繰り返し再生(および録音)を行うことで磁性体劣化、摩耗、テープ伸びなどの傷みが生じる。その結果消耗が進むと音質の著しい劣化(雑音、ゆがみなど)が起き、またテープ切れが起こるなどの要因で使用できなくなる。
  • 120分および150分再生のカセットテープは、リールへの巻き取り外径を小さくするため、磁気テープ媒体が通常より薄い。これに適応していないレコーダーで再生・録音をすると、テープ損傷、カセットテープ全体の作動不良、走行トラブルの恐れがある(再生可能なレコーダーでも早送りや巻き戻し・一時停止などの操作を繰り返すと走行トラブルの原因となる)。
  • テープの先頭にはリーダーテープと呼ばれる部分があり、一部のメーカー品ではヘッドクリーニングテープを兼ねている。リーダー部およびクリーニング部の長さは5秒程度から40秒ほどの物までさまざまであった(クリーニングテープは専用品の別売も行われている)。ここには録音ができないので、録音前にはあらかじめリーダーテープ部分を巻き取り、録音テープ部を録音ヘッド接触点直前まで送り出しておく必要がある。カセットハーフがねじ止め構造のカセットテープなら分解も可能であるため、このようなカセットのリーダーテープ部をカットアウトして短くする人もいる(最近のコンパクトカセットは超音波圧着が多いので分解は非常に困難)。ただし走行トラブルを起こさないよう微細な加工が必要。データレコーダー用の短時間のカセットテープにはリーダーテープがなく、いきなり録音テープ部になっているものがあった。
  • 録音したものを使用せずに数年放置しておくと、リールの巻き部分で外側と内側のテープの磁気記録が干渉し、転写や音量低下、音質悪化を招く。このため、少なくとも年に一度ぐらいはデッキでテープを回してやる必要がある。しかし、コンパクトカセットの磁気記録は恒久的なものとは言い難い。
  • テープ上部には誤消去防止の「ツメ」があり、ここを折ると録音や上書きができなくなる。再び録音する場合はセロハンテープなどでふさげばOKであるが、このときクローム・メタルテープではテープポジション検出孔をふさがないように注意すること。
  • 再生機のヘッド廻りなどは約10時間ごとに清掃することが望ましく、長時間清掃しないで使用していくと録音や再生に悪影響を及ぼすばかりかテープにも余計な磁気鉄粉やホコリを付着させる遠因になることがある。クリーニングカセットの利用でもいいが、カーオーディオ以外の扉を開けて挿入する機器の場合は取扱い説明書の指示に従い無水アルコール(イソプロ液なども可)と綿棒でヘッド、ピンチローラなどに無理な力を加えないよう注意して清掃した方がより確実に綺麗にできる。なおヘッド近辺には可動部が多く綿棒でグリスを一緒に拭き取るとのちにテープを汚したりレコーダーの故障の恐れがある。
    • 尚クリーニングカセットには研磨剤入りクリーニングテープを使用した乾式とアルコールを使用する湿式が存在するが、乾式の場合、過度の連続使用はヘッドの摩耗を招くことがある。定期的なクリーニングには湿式が好ましい。
  • 再生専用機および3ヘッド式のレコーダー(再生ヘッドが独立している)では長期間再生をすることにより再生ヘッドが帯磁し、高域が出にくくなったり、雑音が増すことがある。この場合、カセット方式のディマグネタイザー(消磁器)を利用して消磁する必要がある。オープンリール用のディマグネタイザーも使用は可能であるが、やや使いにくい。2ヘッド式レコーダー(録再ヘッド兼用)の場合、帯磁しても新品のカセットを挿入し、録音することで消磁することが可能である。

現在の主要なテープ製造・販売会社[編集]

2013年(平成25年)10月現在。

太字…ハイグレードタイプ、印…ハイポジション。

電器・音響系[編集]

  • 日立マクセル : UL、UR
    • 電池や電機部品製造の日東化学を母体とし、その磁気製品部門が独立。社名の「マクセル」は、日東化学時代の乾電池のブランド名 (maximum-capacity-dry-cell) に由来する。かつては高精度ハーフを核とする高性能な製品群を擁し、COCOMの対東側禁輸品に指定されたという超高級カセット (Metal-Vertex) も製造していた。このこともあってか、日本メーカーでは上級カセットのラインナップが近年まで最も豊富であった。同社の"UD (UDI)"、"XLII"、"MX"はTDKと並びデッキメーカーの基準品として採用されており、同じ系列会社の"Lo-D"ブランドを擁する日立家電(当時)や音響メーカーTEACなどが採用、テープのOEMも行っていた。他にも流通系で生協 (Co-op) やツタヤ、ダイエー、イオングループ等のPB製品にもOEMを行っていた。現在のラインナップは標準品の"UR"とカタログ非掲載品の"UL"。ULは主にホームセンターやスーパー、デパート向けであり、3 - 4巻パックのみの販売。ただし発売時期が新しいため高域性能をURより若干改善している。またURとULの違いとしてURはハーフにシルク印刷をし、鉛筆やボールペンで内容を記入できる″楽がき"タイトルスペースやカラフルタイトルラベルを採用しているが、ULはコストダウンおよび生産性の確保のためスリップシートに直接印刷をし、ハーフにはタイトルラベルを使用するかマジックを使い内容を記入する必要がある。またタイトルラベルも簡素化されている。
  • ソニー : HF
    • 国内における磁気テープ製造の先駆的存在で、コンパクトカセット規格の世界的普及の立役者。社名は「音」を意味するラテン語"sonus"と「子供、坊や」を意味する英語"sonny"からの造語。フェリクロムテープの開発元で、IEC/Type IIIの基準テープ (DUAD) は同社製。かつては系列会社の「ソニー・マグネ・プロダクツ」で製造されており、同社が略名の"SMP"ブランドを付して直接発売したり、系列会社のCBS・ソニーブランドで発売された物もあった。2010年にHF・CDixなどの全製品は一旦生産完了し、流通在庫のみであったが、2012年7月20日にHFの新製品の発売が発表された。現在は日立マクセルのOEM(テープはUR・ハーフはUL)であり、「HF」の表記はパッケージを除き一切表記されていない。
  • パナソニック (Panasonic)(旧・松下電器産業) : PX/KX
    • 過去に音響のTechnics、家電のNational等のブランドでも製造していたが、1989年5月以降より現在の"Panasonic"ブランドになった。細部のデザインを異にするものの基本的にはTDKのOEM。後に日立マクセルのOEMになる。ほぼ唯一Ångrom(オングローム)シリーズの蒸着テープは自社開発だった。Ångromは他にも同社のマイクロカセットテープにも起用された。なお現行品のPXおよびKX(カラオケ専用)はいずれもTDKの生産完了に伴い、一時販売から撤退したが、その後日立マクセルからのOEM供給で復活した。2013年7月現在、パナソニック系列店の商品照会にてPX-60A等として、代替品扱いで販売されている。ネットカタログには掲載されていない。
  • ナガオカ : CC
    • 2012年秋に発売された。ネットカタログには掲載なし。CC-10・CC-20・CC-60・CC-90・CC-120が存在し、国内組立である(テープ・ハーフは海外生産である)。アイディーマグネテック[1]からのOEMで、新星堂を中心にナガオカ製品取扱店やホームセンターなどで販売されている。CC-10のみの取り扱い店舗も存在する。CC-120については2013年9月現在、店頭の流通在庫のみとなっている。
  • アナログカセットテープからは撤退したものの、全ての磁気テープ製造メーカーはデジタルデータストレージ (DDS) 用のテープはほぼ継続して製造している。
  • 業務用カセットテープメーカーを除く。
  • 現在カセットテープはほとんどが海外生産(主に韓国、中国、インドネシア)であるが、業務用の一部製品には日本製(ただしテープは海外製)が存在する。

流通系[編集]

  • 大創産業 : カセットテープ(品番G134など。ノーマルポジション : C-10・20・30・60・74・80・90・120、ハイポジション : C-60・C-120)2013年現在としては国内販売されるカセットテープではもっともアルバムの録音時間を考慮させたラインナップ群であり製造国もインドネシア製から中国製に移行中であるが、ハイポジションについては韓国製で、以前はハイポジションと謳っているが、なぜか検出孔及びテープはノーマルと同様となっており、実質的にノーマルテープであったのだが、さすがに苦情(1990年代以降手動式テープセレクターはほとんど消滅しオートテープセレクターが主流となったため)が絶えなかったのか2013年8月後半頃に流通が開始されたものは検出孔およびテープはハイポジション仕様に改定された。他にテープのハブストッパが赤色から白色となり、テープ直径が大きくなるなどの細かな違いが確認されている。なお、この改定型ハイポジションII 120分テープが、2013年9月現在、現行唯一のハイポジションテープとなっている。[5]また、2013年10月ごろには60分テープが新たにラインナップされた。
    • 過去の製品 : Daiso, Flower, Zebra、LX, GX(120のみ), QX(以上韓国SKCのOEM)、DS2(TDKのOEM)。録音時間の長短に関わらず基本的に2本組105円で販売されているが、C-10を除くハイポジションテープと全てのC-120については1本105円となっている。このほか乾式のクリーニングカセットもある。※QXは発売当時、ダイソーオリジナルカセットで唯一のハイポジションテープであったが、DS2の発売に伴い絶版となっている。また、Zebraは初期のみ独BASFのテープ使用。このほかに有名メーカーの在庫放出品と思われる商品が売られることもあるが、こちらは一部を除き録音時間の長短にかかわらず1本105円である。これらの有名メーカー品にはソニーのESシリーズのハイポジションやメタルなど本来ならば高額なカセットも販売されていた時期があった。
  • キャンドゥセリア : 韓国SKC製の業務用LNテープ(シースルーハーフではない)が薦田紙工業よりC-10・20・30・60・90が2本セットで、C-120は1本で発売されている。初期のタイプは白色ハーフだったが、2013年8月頃に再生産されたC-120から順次黒色ハーフに切り替えられている。ただし、C-20については当初から黒色ハーフになっている。ちなみに、初期のC-120はC-150のテープを流用しているためか、他社のC-120と比べてテープの直径が小さくなっていたのだが、黒ハーフになってからは他社とほぼ同様の直径に改良されている。
  • コーナンカインズホーム : IDMのOEMとみられる業務用カセットテープが販売されている。店舗によっては前述のナガオカCCやマクセルUL、ソニーHFが販売されている。

海外[編集]

(日本国内での正式販売はない)

  • Quantegy(米)(旧Ampex) : IRC, AVX, 472
  • Emtec(独)(旧BASF) : FEI, CEII, CSII
  • RAKS(トルコ) : DX, RX, SP1, SP-1S, ED-X, ED-S, ED-SX, SP2, SP-2S, SD-X, SD-S, SD-SX, SP-Metal(メタルポジション), Cabrio(ポジション不明、カーステレオ用耐熱タイプ)1980年代末期には国内の一部地域でも販売されていたことがある。
  • 中国、台湾、韓国、インドネシア、タイ等にはまだ数多くのメーカーが存在しているが、大半は品質・性能ともに劣悪なものである。

過去の製造会社[編集]

※ 下記はOEM商品も含む。

電器・音響系[編集]

国内系[編集]

  • 富士フイルム (AXIA) : TDK、日立マクセル、ソニー、コロムビアと並ぶ老舗。磁性粉はコバルト被着タイプの“ベリドックス”が有名。元々は社名の"FUJI"ブランドだったが、1985年"AXIA"ブランドに変更。海外では1985年以降も“FUJI”ブランドにて販売が続けられている。同時に、写真フィルムの技術を改良し、二層ダイ方式を磁気テープに採用。一度の塗装工程で二層塗りテープの製造を可能とした(後の磁気ディスク関連技術ATOMの源流)。従来技術の二層テープは、下層を一旦乾燥後カレンダーをかけたのちに再び上層を塗るという2度手間をしていた(DUADなど)。この二層ダイ方式の技術を持つテープメーカーは他にコニカしかなかった。現在はデーターストレージ関係のテープを中心に製造しており、その技術は高く評価されていた。データーストレージテープはメタルテープであるが、バリウムフェライトを採用したテープを発表している(2006年5月のニュースリリース)。"FUJI"ブランドだった頃は、“フジカセット”と呼ばれていた。2006年12月に日本国内における店頭販売は終了、以後在庫のみとなる(一部メディア製品の国内販売終了のご案内)。1990年代中期から販売されていたA1スリムは中国メーカーからのOEMである。尚初期のA1スリムはニューピュアフェリックスを使用し、韓国で組立をしていた。
FUJI/AXIAのカセットテープ
  • コニカ (Magnax/Konica) : かつて米Ampexと設立した小西六アンペックスからMagnax(マグナックス)ブランドを展開し、発売。アンペックスのライセンスが終了して以降はコニカマグネティックス製造により、Konicaブランドになる。末期は、中国製や韓国製のOEM製品を出していた。磁気テープ部門はのちにTDKへ売却。現・コニカミノルタ
  • 日本コロムビア (Columbia/DENON) : 以前は栃木県の子会社で製造。現在は"DENON"ブランドは分離、日本マランツと合併し"D&M"へ。"D&M"となってからの読みは"デノン"。国内メーカーではソニー以外に唯一フェリクロム (DX5) を発売していた。2009年頃まではツタヤ系列店でDENONブランドのCD-RMD、カセットテープが流通していた(販売はヴァーテックス)。
  • 太陽誘電 (That's) : 元は磁性部品メーカー。本業を生かして、他社に先駆けてメタルテープやメタル磁性体のハイポジション用テープを低価格で発売、一方でジョルジェット・ジウジアーロにハーフデザインを依頼したりと、先鋭的なメーカーだった。後にCD-Rを開発し世界で初めて製品化。
  • 日本ビクター(現 : JVCケンウッド) : 大手音響メーカー。日本国内で最初のメタル対応カセットデッキを発売。かつては、自社オリジナル製品を出していた。なおビクター音楽産業(現:ビクターエンタテインメント)からは日本初のメタルミュージックテープ(ドルビーB NR録音)もジャズ、クラシック、フュージョンを中心に発売していた。
  • エコーソニック (CVS) : 国内最多グレード(ノーマル×3、クロム×1、メタル×1)を誇った多彩なリール型カセットを中心に展開。
  • ビデオエイコー (EICO) : ハイポジながらメタル磁性粉を使用したETとオープンリール型のEX、阪神タイガース柄のノーマルテープがある。
  • 三洋電機 (SANYO) : OEM元はAXIA、DENONである。かつては"OTTO"というオーディオブランドを展開。1980年代以降は“おしゃれなテレコU4”に代表されるカジュアル製品で知られる。低価格ファッションタイプを中心に展開。2012年パナソニックの子会社に。C-U (LN)、C-W (LH) など。
  • ティアック : 業務用を含むテープデッキ・光学ドライブで知られる音響メーカー。機構部は自社製だがテープはマクセル製のリール部交換式カセット“オー・カセ”を代表とするリール型を中心に展開。
  • 日立家電 (HITACHI/Lo-D) : 日立マクセルのOEM。1980年代後期から1990年代初期には独自タイプのハーフもあった。"Lo-D"は同社のオーディオブランド。なお、コンパクトカセットにシェアを奪われて不調に終わり、姿を消したエルカセットのテープだけ、ソニーからのOEMで販売していた。現・日立アプライアンス
  • シャープ : マクセルのOEM。かつては"Optonica"というオーディオブランドを展開していた。
  • カシオ計算機 : マクセルのOEM。現在でもカジュアルユースのラジカセ、ポータブル機器を発売している。
  • シチズン : 太陽誘電のOEM。かつてはポータブルプレイヤー等を販売していた。
  • 東芝 (Aurex/BomBeat/TOSHIBA) : 主にTDKのOEM。"Aurex"は同社オーディオの、"BomBeat"はラジカセのブランド。東芝、BomBeatブランドでは低価格のノーマルテープ(F/FS/TD/K いずれもTDK-D相当)を、AurexブランドではLHクラスのノーマルテープ、ハイポジション、メタルポジションを発売していたが80年代末に撤退。
  • ナカミチ : TDKのOEMだが選別品のため稀少。世界初の3ヘッドデッキを発売した高級カセットデッキメーカーだったが2002年に倒産、現在は香港資本傘下。
  • トリオ/ケンウッド(現 : JVCケンウッド) : TDKのOEM。本来は通信機器メーカーで、かつてはFM/AMチューナーで有名。現在も高品質のコンポやカーオーディオを中心に展開。
  • ヤマハ : TDKのOEM。日本屈指の楽器メーカーでもあり、その技術を応用したオーディオでも知られる。
  • ラックスマン : TDKのOEM。高級アンプで有名だが、一時期は高級カセットデッキも発売していた。
  • 赤井電機 (Akai/A&D) : 日本コロムビアのOEM。三菱電機との合弁で A&D ブランドを設立したが後に解消、その後倒産。Akaiブランドは香港資本傘下で名前のみ存続。
  • 三菱電機 (DIATONE) : 日本コロムビアのOEM。かつては高級スピーカーなどで知られたが、現在、AV機器生産からは撤退。系列会社の三菱電機エンジニアリングが受注生産限定で再参入。
  • パイオニア : 富士フイルムのOEM。1970年代には米Memorex製品を輸入していた。
  • アイワ : ソニーのOEM。自社で発売していたマイクロカセットレコーダーに付属のテープもソニーからのOEMであった。日本で初めてカセットレコーダーを発売した音響メーカー。後ソニー傘下となったが現在は解散。
  • 朝日コーポレーション (Fairmate) : 韓SKCのOEM。1980年代に普及価格帯のゼネラルオーディオを発売(現在は撤退)。
  • TDK(現・イメーション) : 本来はフェライト等の磁性材料や電気部品メーカー。いちはやく磁気テープの製造も行い、コンパクトカセットでは自社ブランドのみならず、松下、東芝、トリオ(ケンウッド)、ヤマハ、ナカミチといった多数のメーカーにOEMを行った。また、世界初のLH(Low Noise High Output・いわゆる音楽専用)タイプといわれる"SuperDynamic"や、超高級メタルテープ"MA-R"といったHiFi指向の強い製品を他に先駆けて発売するなど、カセットの発展に貢献した役割も大きい。同社の音楽用カセット"AD" (ACOUSTIC DYNAMIC, Type I)、"SA" (SUPER AVILIN, Type II)、"MA" (METAL ALLOY, Type IV) はデッキメーカーの基準品として長く採用されてきた。日本国内における主なコンパクトカセット製造者の中では最後まで残っていたが、2007年8月1日をもってカセットを含む記録メディア関連ブランドは米イメーション社へ譲渡された。ブランド名としての「TDK」はそのまま使用され、現在、パッケージやハーフのメーカー表記が「TDK」から「TDK Life on Record」に切り替わっている。なおテープの製造は韓国・組み立てはタイで行っていた。2011年のタイ洪水による被害で生産終了。
  • クラリオン : かつて家庭用コンポを発売していた。日本初のカセットカーステレオを発売したメーカーでもある。現在、カーステレオ中心で家庭用オーディオからは撤退。
  • 富士電気化学(現 : FDK) : 乾電池メーカーとして知られているが、かつてカセットテープも出していた。FUJIのテープ(海外向け)とNOVELブランドのテープがある。

外資系[編集]

BASF製カセットの包装。メカニズムの概略図が記載されている。
  • 住友スリーエム (3M/Scotch) : 米国の大手化学メーカー(日本法人は住友化学との合弁会社)。世界で最初にメタルテープ (Metafine) を発売。IEC/TypeIVの基準テープは同社製。メタル以降もフェリクロームをラインナップしていた数少ないメーカーのひとつ。現在はメディア部門が3M本社から独立しimation(イメーション)に。2008年、TDKのメディア部門を買収、メディア製品関連の商標を継承。
  • メモレックス (Memorex) : 米国の大手メディアメーカー。最も早期にクロムテープを発売した一社。1970年代初頭にはパイオニアからも同社の製品が発売されていた。
  • BASF: 旧西独の総合化学メーカー。最も早期に音楽専用ノーマルおよびクロムテープを発売した一社で、IEC/TypeIIの基準テープは同社製。日本に最初投入されたカセットテープは、ハーフ内部の左右に乱巻き防止の大きな爪状のテープガイドが装着されていた(Special Mechanism, 後にSecurity Mechanism)。独自のポップアップギミック付カセットケースなどをアピールし、ソニー以外では数少ないフェリクロームもラインナップ。ハイポジションテープについては、他社がコバルト被着酸化鉄系磁性体にシフトする中、最後まで二酸化クロムを使い続けたメーカの一つ。現・Emtec(エムテック)。
  • 日本アグフア・ゲバルト (AGFA) : 旧西独の大手フィルム・カメラメーカー。基本的にBASFのOEM。後に磁気媒体部門はBASFと合併。
  • フィリップス (Philips) : オランダの大手総合電機メーカー。コンパクトカセットやCDLDDCC等の開発元。IEC/TypeIの基準テープは同社製。
  • SKC : 韓国大手。国内の多様なメーカー(主に流通系)のOEMも手がける。現行のURもSKCからテープのみをOEM調達している。
  • SAEHAN MEDIA(セハンメディア) : 韓国。業務用のLN、LHテープ、ハイポジテープを手掛ける。ミュージックカセットや業務用製品の形で国内でも流通している。
  • GoldStar(ゴールドスター) : 韓国大手。比較的堅実な造りで安定性・音質とも相応の水準だった。現・LGエレクトロ二クス
  • KEEP : 韓国。「超高音質」といった大仰なキャッチが多い。実際の作りは安価だが質実剛健であった。ちなみにVHSDVD-Rなどは「超高画質」であった。現在は過去の名作映画やアニメーションのDVDビデオソフトの販売を手がけている。
  • SWIRE Magnetics(スワイア・マグネチック) : 香港。林檎マークの「クラスメイト・カセット」等、主にカラフルなファッション系カセットを生産していた。
  • BON : 品質の悪さ、価格の安さなどで一部では有名な伝説のメーカー。数種のタイプが確認されているが、詳細不明。1980年代中期に国内大手メーカーのC-60普及タイプが実売1本400 - 600円程度の頃、BONは100円程度と驚異的な安さであった。特に品質面の悪さはハーフの貧弱さが目立ち割れやすかった。電器店などよりもディスカウントショップで売られることが多かった。

流通系・他[編集]

  • セブン-イレブンジャパン : NaNa(C-46 - 120: 2008年まで)、CV-II(1980年代終期 - 1990年代前期頃)といったTDK製の独自デザインの製品が存在した。
  • ダイエー (Daiei/Azad) : 主に日立マクセルのOEMだったが末期は韓国製OEMが主で、プライベートブランドである「セービング (Savings)」と「くらしの88」(88円均一商品)の2つのブランドで出していたが、どれも同じ。SAVING版は単品販売ではなく5 - 10巻セットで販売していた。「くらしの88」ではケースなし74分ミニディスクも販売していた。韓国SKC製と思われる製品を「COLTINA」ブランドで出していた時期もあった。「くり返しに強い」と謳っていた時期もある。
1990年代後半のダイエー・セービング カセットテープ(ノーマルポジション)
  • イオン : かつて社名がジャスコの頃(1970年代後半)に自社のロゴ付カセットテープを発売。イオングループ全体としては2008年頃まで、日立マクセル製の「UJ」を発売。トップバリュロゴ付きで音楽再生用途を謳っていた。現在は日立マクセルの「UR」を売っていてこちらは本家URと同じく会議・レッスン用途に最適としている。
  • 西友 (Seiyu)
  • 長崎屋 (SunBird)
  • ミスターマックス (Mr.MAX)
  • 日本生活協同組合連合会 (Co-op) : 主にマクセルのOEM。
  • 無印良品 : 韓国製OEM。
  • ツタヤ (TSUTAYA) : マクセルのOEM。
  • ベスト電器 : Baronという独自ブランドのカセットテープを、1974年頃まで販売。詳細は不明。1990年代後半までは関連企業であるインターコンプ社のVHSテープも販売していた。
  • 新星堂 : 日本コロムビアからのOEM。現在はマクセル製品およびナガオカ製品を販売している。
  • ジャスフォート : 中国製のOEM。
  • SUPER : SUPER ACというブランドのノーマルカセットテープが80年代を中心に販売されていた謎のメーカー。タイムラインナップはC-10、C-18、C-30、C-46、C-60、C-90が確認されており、ハーフの精度やテープの質から国産と思われるが、詳細は不明。パッケージはTDK似でハーフはマクセル似である。テープはごく普通のLNテープである。
AC10、AC46

過去に市販された主なカセットテープ[編集]

TYPE IV/メタル[編集]

磁気テープが実用化された当初から、磁性体としての性能は酸化鉄より純鉄(酸化していない鉄)のほうが優れていることは判っていたものの、酸化しやすい(安定性が悪い)点や製造コストなどの点から実用化は遅れていた。元々はデータレコーダ用高密度記録用磁性体として開発されており、それを音楽用に転用した製品が 、1978年、米国3M社から「Metafine」として発売され、後にIECで正式にTypeIVとして制定された。

磁気性能としては、それまでにあった高性能ノーマルやクローム(ハイポジション)を凌駕し、最大残留磁束密度がほぼ2倍、保磁力もノーマルの約3倍、クロームの約1.5倍になり、結果として全帯域での録音レベルが高く、かつてのオープンリールテープに迫るダイナミックレンジを持つと言われた。このテープの登場をもって、コンパクトカセットは本格的なHiFi音楽用としても完成の域に達したといえる。反面、その高性能ゆえに消去されにくく、一度録音したものの上から直接録音すると前の音が残留してしまうなどの問題もあり、取扱いに注意を要することと、元々が高価格であったため(後に低価格化されたが)、長らく愛好家(マニア)向けというイメージがあった。ラインナップは当初、各社の最高価格帯に設定され、基本的に1社1品種(TDKのMA-Rはハーフのみ異なる番外的な製品)であったが、後にメタル磁性体の量産体制が整うと低価格化されて、1990年代にはノーマルやハイポジションの低価格帯と同等までになった。同時にグレードも多岐にわたり、最盛期となる1980年代終盤には国内大手メーカーで高級機から普及機まで3 - 4グレードを擁していた。

自動ポジション検出孔は、ハイポジションと同様に録音防止検出孔に隣接した場所に加えてハーフ上辺中央部にもあり、この2か所でメタルポジションとしての判別を行うが、IECの規定が無かった最初期の製品ではハイポジションと同じもの(3M,TDK以外の全社)か、全くないもの(3M「Metafine」,TDK「MA-R」) もあり、これらはテープポジションを手動設定できるデッキでのみ使用可能となる。なお、バイアス値は専用であるものの、イコライザの補整量はハイポジションと同じ70μsのため、再生機器がハイポジションに対応していれば、再生のみは可能。東芝のCUTE BEATというCDラジカセのフルロジック機ではカセットテープ判別リーフスイッチをメタル孔に設置しているためメタルテープ再生は不可となる。理由としては録再ヘッド保護と思われる。やむをえず再生する場合自己責任にてセロハンテープなどでメタル孔を塞ぐことで再生できる。

#印は低価格タイプ、太字は高級タイプ。

  • TDK(ダイカストフレームのMA-Rで超高級機というジャンルを確立した。日本国内で最後までメタルを発売していた)
    • MA、MA-R、MA-X、MA-XG、CDing-IV#、Super CDing-IV、DJ Metal#、CDing-Metal#、MA-EX
  • maxell(輸出規制品とされた超高級機Metal-Vertexが有名)
    • MX、Metal-Capsule#、Metal-GPX、Metal-Vertex、METAL-XS、METAL-UD#、Metal-CD's#、Metal-Po'z#
  • SONY(初の二層塗布タイプMetal-ES、低価格メタル普及の起爆剤Metal-XR等、他社への影響は大きい)
    • METALLIC、Metal-ES、Metal-S、Metal-Master、Metal-XR#、ES-IV、X-IV#、CDixIV#SuperMetalMaster、Metal-XRS、ES Metal
  • Fuji・AXIA(1990年代より低価格帯が充実)
    • Super-Range、SR、FR-METAL、XD-Master、PS-IVx#、Metal slim#、AU-IVx、K-METAL、PS-METAL#、J'z-METAL#
  • DENON(基本的に1グレードだが、末期に高級機を発売)
    • DXM、MD、CD-JackIV#MG-X、GR-IV#
  • That's(最も早期にメタルを低価格化し、当初より普及機・標準機の2グレードを持っていた。後に高級機も発売)
    • MG#、MR、MG-X#、MR-X、EVE IV#、MR-XP、CD-IV、SUONO、CD-IV S、PH IV#、CD/IV F、OW-4#
  • Victor(日本で初めてメタル対応デッキを発売。1グレードのみ)
    • ME、ME-PRO、ME-ProII、ME-NewPro、XF IV
  • Magnax・Konica(1グレードのみ)
    • Metal、MM
  • Technics・National・Panasonic(細部の仕様は異なるものの同時期のTDKのOEM。Angromのみ自社開発)
    • Compos、MX、EM、Angrom MX-DUAngrom MA-DU
  • Lo-D・Hitachi(同時期のマクセルのOEMだがMTは独自のハーフ)
    • ME、MT-X、MT#
  • TEAC(マクセルのOEM。リール固定タイプ及びリール交換タイプ)
    • O-Casse/MT、Studio、Studio-X
  • 3M・Scotch(メタルテープの開発元であるが、日本では後継製品はなく1種のみ)
    • Metafine
  • BASF(海外では製造が続けられていたが、日本では1980年代中期に撤退)
    • Metal、ProIV
  • NAKAMICHI(TDKのOEMであるが、選別品のため発売量は少ない)
    • ZX

TYPE III/フェリクロム[編集]

1970年初頭の頃までの音楽用テープは、高域は伸びるが低域に弱いクロムと、逆に中低域は強いが高域が弱いノーマルがあり、両者を併せることで弱点を補完しようという発想から生まれたものがフェリクロムである。1973年、ソニーから初の二層塗布テープ「Duad」が発売され、後にIECで正式にTypeIIIとして制定された。当初は下層に低域用のγ酸化鉄、上層に高域用の二酸化クロムを使用していたためにフェリクロム(Ferric+Chrome、鉄クロム)と呼称されるが、メーカーによってはコバルトドープ酸化鉄(上層)、コバルト被着酸化鉄(上層または両層)を採用する製品もあった。高級音楽用として、1970年代には各社の最高価格帯の製品として君臨したものの、製造工程の複雑さや専用のバイアス・イコライザが必要ではあるが自動ポジション検知は構造上できない等の使用時の煩雑さ等もあり、発売したメーカーは多くない。日本でも大手のTDK、日立マクセル、富士写真フイルム等は採用せず、同価格帯には高級ノーマルポジションを置いていた。1978年に3M社よりメタルテープ (TypeIV) が発売された後は、最高級音楽用としての役割はそちらに置き換えられて各社とも撤退し、日本で1980年代まで発売を継続していたのは開発元のソニーのみであったが、それも1980年代後期にはカタログ落ちしている。ソニー製デッキでも対応デッキはオートテープセレクターが主流となると消滅している。最高価格帯の製品でもあったためか同時期には1社1グレードのみで、価格帯としては同時期のクロムと同等かやや上、メタルよりは下となる。

  • SONY
    • Duad、DUAD(初期は酸化鉄+クロム、後に上層はコバルト被着系)
  • DENON
    • DX5(初期は酸化鉄+コバルトドープ、後に上層はコバルト被着系)
  • 3M・Scotch
    • Classic、MasterIII(酸化鉄+コバルトドープ)
  • BASF
    • Ferrochrome、FCR、ProIII(酸化鉄+クロム)

TYPE II/ハイポジション、クロム[編集]

1970年代初期に登場。当初、殆どの製品はCrO2(二酸化クロム)を使用したクロムテープであるが、中低域の弱さや六価クロムの環境問題、当時のデッキに使われたパーマロイヘッドはクロムに硬度で負けてしまい摩耗する等の問題が多かったため、1970年代後半 - 1980年代初頭にコバルト系のハイポジションへと移行した。コバルト系ハイポジションはクロムでは成し遂げれなかった中低域の強化や低ヒスノイズ化、高域MOLの向上が図られ、1980年代には音楽用テープの代名詞となった。ただし1990年代前半まではラジカセなどの取り扱い説明書や本体にはCrO2と記載されていた。

#は低価格タイプ、太字は高級タイプ。

  • TDK
    • KR、SA、SA-XHX、SF#、CUE#、SR#、SR-X、CDing-II#、Super CDing-II、CDing-II/Walker#、SR-Limited#、DJ2#、CDing2#、AD2#
  • maxell
    • CR、UD-XLII、XLII、XLII-S、UDII#、UDII-U#、UDII-S#、Capsule-CologneII#、GPXII、CD-CapsuleII#、USII#、CD'sII#、CD-XLII、響ハイポジ (HB-2)、My2#、We2#、MusicGear2#
  • SONY
    • CR、JHF、Rock、UCX、UCX-S、Do#、UX#、UX-S、UX-ProUX-Master、CDixII#、UX-Turbo、ES-II、X-II#、HFII#、G-UP2#、GIG2#、XSII、X-Tune2#、FX-II#
  • Fuji・AXIA
    • FC、Range4x、UR、FR-II、GT-II、PS-II#SD-Master、PS-IIs#、PS-IIx、GT-IIx、Hi#、J'z2#、AU-II#、AU-IIx、A2#、BOX2#、PS2#、K2、Z2、Be2#、HK2#、A2 color#
  • DENON
    • 5H、DX7、DX8、HD6#HD-S、HD#、HD-X、HD-L (Zippy-II)#HD-XS、ZP-2#、HG#、HG-S、HG-X、CD/PAL-II#HG-M、K-RII#、GX-II、GR-II#、GR-IIS、C'Do2#
  • That's
    • EM#、EM-X、EVEII#EM-XP、Q#、CD-II、PHII#、CD-IIS、OW-2#、CD/IIF、H2#
  • Victor
    • CR、VX、DA7、UF、UF-II、RZ-II#
  • Magnax・Konica
    • GM II、EE
  • Technics・National・Panasonic
    • CR、XA、XA II、EX、HA#Angrom DUAngrom HG-DUHA-X、HX#、PXII#
  • Lo-D・Hitachi
    • CX、UD-EX、EX、SX、UDX#、UD_X#、CD_X、DJ-II#、UD-E#、CD-E、UD-v#
  • TEAC(マクセルのOEM。リール固定タイプ及びリール交換タイプ)
    • O-Casse/CT、Cobalt、Cobalt-X
  • 3M・Scotch
    • Chrome、Master、Master70μsEQ、Master II、XS-II、996X-II#
  • BASF
    • Chromedioxide、SCR、ProII、CR-X#、Chrome Super II
  • NAKAMICHI
    • SX

TYPE I/ノーマル[編集]

初期のものはオープンリール用スタンダードテープを使用したものが存在する。LNランク、LHランク、SLHランクと性能がハイポジションやメタルテープよりも細分化され、種類も多い。本来高域には弱いテープではあるが、1980年代初期にコバルトを添加し高域性能を向上したり2層コーティングで保磁力を高める等改良したものが登場し、CD録音/ディジタル録音対応を謳ったものも数多く登場した。一般用、音楽用、高性能音楽用(中級ノーマル)、超高性能音楽用(高級ノーマル)が登場した後、中域MOLがメタル並という性能を持つテープも存在した。90年代以降は低価格化やコストダウンが目立ち、一般用と音楽用のみの販売となっている。TDKのAD、日立マクセルのUD1は数多くのデッキメーカーのリファレンス(基準)テープとして用いられている。

#は低価格(ローノイズ)タイプ、太字は高級タイプ。

  • TDK
    • F#、D#、SD、ED、AD、ODAD-X、AD-S、DS#ARAR-X、JY(実用カセット)#、AE#IF/if、AD-X (New)、CDing-I、Super CDing-I、DJ1、CDing1、AD1
  • maxell
    • LN#、UD、UD-XLUD-XLI、UL#XLIXLI-S、UR#、UDI、UR-F#、UDI-R、UDI-S、Cassette Cologne、UDI-N、Capsule Cologne、CD-Capsule I、USI、CD'sI、CD-XLI響ノーマル (HB-1)、UN#、My1、We1、MusicGear1、SOUND#カラオケ上級者テープ (KJ)、Juke Box(カラオケ)
  • SONY
    • C#、HF、CHF#、BHF、AHF、Walkman、Pops、Classic、HF (New)#、HF-S、HF-X、HF-ESHF-PRO、Gokkigen#、WalkmanII、What's up?、HipPop#、EXIST、Ala?#、Pop-li#、CDixI、ES-I、X-I、G-UP1、GIG1#XSI、X-Tune1、FX-I#、The Basic#
  • Fuji・AXIA
    • FL#、FM、FX、FX-Jr、FX-DUO、Range2#、Range4、Range6、DR#、ER、FR-I、GT-I、JP#、JC#、PS-I、HD-Master、JP-F#、PS-Is、PS-Ix、GT-Ix、UP#、J'z1、AU-I、AU-Ix、A1#、BOX1、PS1、K1、Z1、A1 color#
  • DENON
    • HQ-LN#、1H#、3H、DX1#、DX3、DX4、GX-1、DX1F (PastelLive)#、DX3F、RD、RD-F、RD-X、RD-R (Zippy-I)、RD-XS、RD-Z、RE#、RE-X#、ZP-I、RS#、RG、RG-S、RG-X、CD/PAL-I、K-RI、GR-I、GR-IS、C'Do1#、VD-01 (Lapisia)#
  • That's
    • FX、RX、EVE-I、FX-XPCD、PH-I、CD-IS、Si#、Fm#、Am#、Pas-de-deux#CD/IF、OW-1
  • Victor
    • LN#、SF、DA1#、DA3、AF#、GF、Root (√)、AF-I#、GF-I、J-CLUB#、GET'S、Be#、RZ-I、RZ#
  • Magnax・Konica
    • ML#、GMI、JJ#、SS、XX、KX-I#、XR-I#
  • Technics・National・Panasonic
    • A#、LN#、XD、EN#、ED、NA#、GA、Angrom G-DUAngrom X-DUGA-X、NX#、GX、PX-I、PX#、EP#
  • Lo-D・Hitachi
    • LN#、UD、UDRUD-ER、DL、ERSR、SoundBrake、UDR、HE_R#、UD_R、CD_R、HE_N#、UD_N、DJ-Ⅰ、UD-S、CD-S、CA#、UD-f
  • TEAC(マクセルのOEM。リール固定タイプ及びリール交換タイプ)
    • O-Casse/NT、Sound、Sound-X#
  • 3M・Scotch
    • LD (DynaRange)#、LH (HighDensity)、HE (HighEnergy)MasterMaster120μsEQ、Crystal、Tartan#XS-I、CX、BX#、996X-I、S1#、SS(いい音長持ち)#
  • BASF
    • R#、LN#、LH、LH-SSLH-I、LH-I#、ProI、LH-X#、LHC#
  • NAKAMICHI
    • EX

発売初期の録音再生機器[編集]

アイワ以外にもスタンダード(マランツ)などの音響機器メーカーがモノラル据置型のレコーダーを発売していた。しかし会議録音用の小型機器は1970年代前半にならないと市場には出回らなかった。ソニーのコンパクトカセットレコーダー第一号機は、1966年発売の「TC-100」(マガジンマチック100)。宇宙船アポロに持ち込まれたカセットレコーダーはTC-1010であった。とはいうもののカセットレコーダーを大手メーカーが続々と発売し始めたのは1975年ころからである。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 誤差±1%未満のメーカーから±3%未満のメーカーまである
  2. ^ 元来の規格は1+7/8インチとなる。
  3. ^ ディスクメディアにおけるCLVに相当する。
  4. ^ ノーマル・ハイポジが100分、メタルが110分。メタルテープの方が録音時間が10分長いのは磁性層の厚さの違いによるもので、ベースの厚さはC-100もC-110も変わらない。
  5. ^ 店舗によっては改良前と改良後が混在している場合があるので購入時には注意が必要。改良前の末期は、パッケージに「このテープは高密度磁性体を使用した高性能高音域 (10kHz) ハイグレード製品ですが、ノーマル用ケースを使用しておりオーディオデッキの機種によりノーマルポジションと認識されます。ご了承の上お買い求めください」と書かれた注意書きのシールが貼られている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]