A面/B面

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A面/B面(エーめん/ビーめん、A side / B side)は、アナログレコードや両面1層方式DVDなど、両面ディスクでのそれぞれの面、またその収録楽曲を表す言葉である。

そこから転じて、CDのような片面ディスクでも、2曲収録のシングル盤の収録曲のそれぞれをA面/B面と呼ぶことがあるが、タイトル曲/カップリング曲 (title track / coupling track) と呼ぶことも多い。以下では、A面曲/B面曲とタイトル曲/カップリング曲を同義語として扱う。

プロモーション上の目的で、1曲目がA面、2曲目がB面とはならない例外もある。

目次

歴史と用語 [編集]

アナログレコードでは、その両面に音楽などを記録することができる。この表面、裏面のことを通常それぞれA面B面ポリドールのレコードは1976年までD面S面ワーナー・パイオニアのレコード盤面にはSIDE 1SIDE 2と印刷)と呼んでいた。

アナログレコードのシングル盤は、片面約5分のEPレコードの両面に1曲ずつ、計2曲収録されるのが普通だったため、それぞれの曲もA面(曲)/B面(曲)と呼んだ。

CDは片面ディスクで、2曲とも同じ面に収録されているが、かつての名残で、2曲入りのシングル盤で、1曲目をA面、2曲目をB面ということがある。しかし実態にそぐわないため、それに代わって現れた表現が、タイトル曲/カップリング曲である。

カップリングはしばしばc/wと書かれるが、これは「combined with」または「coupled with」「coupling with」の略である。タイトル曲が「A」、カップリング曲が「B」とすると、本来は「A c/w B」と書き、直訳すると「Bと組にされたA」という意味である。(CBS/SONYにおいては、アナログレコード時代の70年代後半頃より、シングル盤B面曲にC/Wと表記するパターンがしばしば見られた)また、キングビクターなど一部のレコード会社においては、B/W(backed withの略)の表記を用いていた時期もあった。

通常、カラオケリミックスなどの別バージョンのトラックは無視して考えるが、1曲だけが別バージョンで2トラック収録されているときは、2トラック目をカップリング曲と呼ぶこともある。3曲以上のときも、2曲目以降を総称してカップリング曲ということがあるが、カップリングとは2つ1組の意味であるため、適切ではない。

A面曲とB面曲の違い [編集]

ディスクの制作においては、どの曲をどちらの面に記録するかが重要な決定事項となる。

シングル盤では、タイトル曲をA面に記録することが多く、B面はその「おまけ」的な意味合いであることが多く見られた。このためラジオ放送などでは、A面の収録曲だけ放送されることが多かった。作品によっては、B面収録曲がヒットすることもあり{KinKi Kids『愛のかたまり』(『Hey!みんな元気かい?』B面)、ダウン・タウン・ブギウギ・バンド港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』(『カッコマン・ブギ』B面)、ザ・ドリフターズ『いい湯だな(ビバノン・ロック)』(『ズッコケちゃん』B面)、この場合、A面に格上げされて再発売されることもあった(MEN'S 5「ソウルお父さん/“ヘーコキ”ましたね」など)。両A面で発売されることもあった。中には、ビリーバンバンの『白いブランコ』、五輪真弓の『恋人よ』、愛内里菜の『NAVY BLUE』のように、B面収録曲に予定していた曲がA面に格上げされて発売されることもあった。

松田聖子の「ガラスの林檎」は、B面として収録された「SWEET MEMORIES」がテレビコマーシャルに使われヒットした際、『ザ・ベストテン』ではそれぞれ別のランキングにしたが、『ザ・トップテン』では、B面のリクエストが上回った段階で、「SWEET MEMORIES」だけを歌うようにした。GAROは、「美しすぎて」のB面「学生街の喫茶店」がヒットした際、ジャケットのデザインを「学生街-」がメインになるよう変更した。 おニャン子クラブ会員番号25番吉沢秋絵の2枚目、3枚目の各シングルのB面には、おニャン子クラブ全員参加の『会員番号の唄』、『新・会員番号の唄』を収録し、売上のテコ入れを図った。その目論見通り、売上は伸びたが、購入者の目的の大半は両「会員番号の唄」であり、「どちらがA面?」と言われた。

1曲目のタイトルがタイトル曲となることが殆どであるが、2曲目がタイトル曲で1曲目がカップリング曲となる例外もある。特筆すべき作品としては、オリコン1位を記録した椎名林檎の「」は曲タイトルをシンメトリーにするためという制作上の意図によるものである。その他、ユニコーンの「働く男」、TETSU69の「15 1/2 フィフティーンハーフ」、ポルノグラフィティの「音のない森」など、タイトル曲が2曲目以降に収録される作品も複数存在する。

テレビラジオでは主にA面曲が流されるなど、B面曲が注目されることは少なく、プロモーション的には「格下」とみなされる。タイアップ曲は通常1曲目に回されA面曲となる。2曲目にもタイアップが付くと、2曲目のタイアップが格下の場合を除き、両A面となる。B面曲が後に新たにシングルカットされ1曲目になるというケースもある。

特殊例として、A面曲を逆回転させた音源をB面曲とした事例もある。ナポレオン14世(Napoleon XIV)の「…ハハ、ヒヒ、ンオレポナたっ狂 (!aaaH-aH ,yawA eM ekaT ot gnimoC er'yehT)」(『狂ったナポレオン、ヒヒ、ハハ… (They're Coming to Take Me Away, Ha-Haaa!)』のB面)がそれである。

B面曲は、マーケティング的な制約が少ないため、アーティストや音楽家の嗜好が強く出た曲、実験的な曲、ライブ用の曲(しばしばライブの定番曲となる)などがB面曲となることも多い。

A面曲が次のオリジナルアルバムに収録されることが多いのに対し、B面曲は収録されるとは限らない。B面曲をオリジナルアルバムに収録しないことが慣例となっているアーティストも多い。そのような場合、アルバム未収録曲がある程度たまったら、B面曲のみを集めたアルバムが制作されることもある。そのようなアルバムを「B面集」「裏ベスト」などと呼ばれる。B'zの場合は、『B'z The "Mixture"』を「マストアルバム」と呼んでいる。そのようなアルバムについてはB面集のカテゴリを参照のこと。A面曲をオリジナルアルバムに収録せず、B面曲のみを収録する場合も多い。例として、さだまさしの「雨やどり」、甲斐バンドの「安奈」などが挙げられる。『The Best of L'Arc〜en〜Ciel c/w』(L'Arc〜en〜Ciel)や『いままでのA面、B面ですと!?』(GReeeeN)のように、B面集を通常のA面集と同時リリースあるいはセット(複数枚組)で発売するケースもある。中には『GOLDEN☆BEST 浅田美代子』(浅田美代子)のように、A面曲とB面曲の両方を1アルバムに収録したものも存在する。

そもそもベスト・アルバムもB面曲が収録されることはあまりないが、さらに稀有な例としてA面曲を収録せずB面曲のみ収録されることがある(「Berryz工房 スッペシャル ベスト Vol.1」(Berryz工房)の 『友情 純情 oh 青春』(「ハピネス〜幸福歓迎!〜」c/w)、「Hit&Fun」(PUFFY)の『ともだち』(あたらしい日々 c/w)など)。

両A面シングル・両B面シングル [編集]

両A面シングル(りょうエーめんシングル、double A-side single)は、2曲収録のシングル盤の両方の曲をA面曲と称するものである。この場合は2曲目はカップリング曲とは呼ばない(但し、収録曲が3曲以上ある場合、3曲目以降をB面もしくはカップリング曲と呼ぶことがある)。

EPレコードでは、両面に1曲ずつが収録され、両A面でない通常のシングルではそれぞれA面・B面と呼ばれる。A面曲の曲名は盤名となり、プロモーションにおいても優先される。両A面とすることでその区別がなくされ、盤名も2つの曲名の連名表記となることが多い。

通例は両A面(もしくはダブルAサイド)シングルと呼ばれるが、サザンオールスターズはシングル「君こそスターだ/夢に消えたジュリア」などにおいて「2☆TOP SINGLE(ツートップシングル)」と公式的に称していて、ポルノグラフィティは「ダブルフェイスシングル」と公言しているなど、例外的な事例もある。近年では、収録曲3曲をA面とした「トリプルA面シングル」(例・浜崎あゆみH」、ゆず桜木町/シュミのハバ/夢の地図」、島谷ひとみWAKE YOU UP/雨の日には 雨の中を 風の日には 風の中を/Marvelous」など)や、さらには収録曲4曲全てをA面とした「クアトロA面シングル」(例えばEvery Little ThingUNTITLED 4 ballads」、Mr.Children四次元 Four Dimensions」)などといった「マルチA面シングル」で発表されるケースも見られる。まれに両方の曲をB面曲とした両B面シングルとして売り出すパターンも存在する。例として、東京プリン「まゆげ/ウーロン茶じゃだめですか」、雅-miyavi-「ロックの逆襲 -スーパースターの条件-/21世紀型行進曲」、ヒライケンジ「大きな古時計/モテたい音頭」などが挙げられる。

両A面シングルは、アーティスト側およびレーベルやメーカーが2曲両方ともプロモーションしたい場合に使われることが多く、両方の曲あるいは2曲目のみにタイアップがついていて、制作上の意向によってはプロモーションビデオが制作されることもある(例・坂本冬美また君に恋してる/アジアの海賊」、モーニング娘。ブレインストーミング/君さえ居れば何も要らない」など)。しかし、2曲目を両A面曲としながらもプロモーションが行われない、名目上だけの両A面シングルも多く存在する(例・KinKi Kids心に夢を君には愛を/ギラ☆ギラ」、依布サラサ黄昏ムーン/夜空のおりがみ」など)。逆に両A面の2曲目が1曲目に比べて極端に有名になったものとしては、ザ・タイガースの「花の首飾り」、小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」などがある。製作者の手を完全に離れる作品が生まれることも稀にあり赤い鳥の「翼をください」などは、後世になって国民的な知名度を誇る楽曲となり、学校の教科書にまで掲載されている作品となっている。アニメソングでは1曲目をオープニング曲、2曲目をエンディング曲とした両A面シングルも数多く存在する。また、BUMP OF CHICKEN「Supernova/カルマ」と「カルマ/supernova」のように、両A面曲の曲順を入れ替えたものが発売されたこともある。

オリコンチャートでは、シングル曲は原則としてA面のみタイトルが載るが、「両A面」ではすべての収録曲のタイトルが「○○/○○」といった具合に載る。2曲目以降の曲はB面(カップリング)扱いされることも少なくなく、音楽番組で1曲目以外が披露されないことも多々ある。

アルバムのA面/B面 [編集]

アナログレコードのアルバムとして発売されるLP盤では、いったん裏返すというレコードの特性を生かし、A面、B面で違ったイメージを演出するなどの手法もとられた。有名なもので松田聖子の『風立ちぬ』があり、A面を大滝詠一、B面を鈴木茂によるプロデュースで収録している。洋楽ではA面、B面を「ホワイトサイド」、「ブラックサイド」と分けた上で作風と作曲者を完全に区別した『クイーン II』が存在する。

欧米のアルバムLPでは(2枚組みの場合)1枚目がA面とC面(またはD面)。2枚目がB面とD面(またはC面)になっていることもある。これは複数のレコードを片面のみ連続で再生するレコードチェンジャーと呼ばれる機器による再生を前提としたものである。

両面1層方式DVDのA面/B面 [編集]

両面1層方式DVDが用いられるのは、もっぱら片面では入りきらない長時間の映画などに限られるため、その時間的順序に応じてA面/B面が決められるのが普通である。裏返す手間のいらない片面2層方式DVDやブルーレイ・ディスクの普及に伴い、両面1層方式DVDは市場から消滅している。

脚注 [編集]

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関連項目 [編集]