シティ・ポップ

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シティ・ポップとは、日本ポピュラー音楽ジャンルのひとつ。 主に1980年代に流行した、都会的なイメージを前面に出したポップスを指す。ムード歌謡をよりポップで現代的にしたものや、高年齢層へのアピールを強く意識したソフトなロックなどの総称である。和製AORなどとも呼ばれる。

概要[編集]

1970年代に日本で定着したシンガーソングライターというスタイルを取るミュージシャンのうち、フォーク寄りではなく、ポップ寄りのミュージシャンがこれにあたる。その多くがはっぴいえんどフォロワー(大滝詠一のナイアガラレーベル発、細野晴臣鈴木茂のキャラメル・ママ→ティンパン・アレーがバックバンド、松本隆の作詞やプロデュースなど)であり、彼らは1970年代末から1980年代初頭にかけて次々とブレイクしていった。

既存の「歌謡曲」「フォーク」が強く持っていた「歌」ではなく、「ニューミュージック」寄りの凝ったサウンド(ポップ・ロックR&Bジャズクロスオーバーフュージョン)を前面に打ち出した音楽スタイルは、聴衆から非常に洗練された都会的なものと受け取られた。レコード会社もこれを既存のものとは違うものとして、都会のポップ=“シティ・ポップ”という呼称でアピールを行うようになっていった。1981年、当時このジャンルの音楽制作において第一人者であった井上鑑がプロデュースした、寺尾聰の「ルビーの指環」が空前の大ヒットを飛ばしたことにより、こうした音楽スタイルは一般にも認知され、急速に浸透していった。(もっとも、シティ・ポップスと言う呼称自体はそれほど一般化しなかった)また、1982年には当時東芝EMIに所属していた稲垣潤一安部恭弘鈴木雄大井上鑑の4人が「ニューウェーブ4人衆」と呼ばれたりした(東芝EMIには他にも山本達彦などのシティ・ポップ系のアーティストが多数在籍していた)。

時期を前後し「歌謡曲」の職業作家もこのジャンルに乗り出すようになり、“都会的で洗練された”音楽性に合わせて、歌詞世界も、それまでの“四畳半的生活”や“土着的情念”“直接的社会批判”などを強く歌う傾向にあったフォークとは一線を画し、都市生活者の葛藤や、生活感の薄い無機的かつ空想的な描写や、ローカルな要素の徹底的な切り離し、豊かさを背景にした享楽的傾向、しらけ世代を象徴するようなシニシズムあるいはニヒリズムなど、が強く表れる内容の歌詞の作品が増えていった。

都会的なイメージを持つ企業のCMのタイアップソング(特に横浜ゴムへのタイアップ)として多くの曲がヒットしたが、バブル景気への移行過程で都会的なものが日本中にあふれ出し、「都会的なこと」自体がセールスポイントになり得た時代が終わり、またレベッカTHE BLUE HEARTSなどが中心となった第二次バンドブームピチカート・ファイヴなどの渋谷系が台頭したこともあり、シティ・ポップのブームはは80年代中盤には急速に下火になっていき、1990年代直前には消滅した(普通にシンガーソングライターと呼ばれる存在に戻った)。

1990年代以降はシティ・ポップという呼称はほぼ死語になっていたが、2000年代後半に入ると、1980年代に青年期を過ごした聴衆が加齢して音楽業界、さらには社会全体の中核を担うようになり、またもともと高年齢層へのアピールを意識した音楽スタイルでもあったことから、シティ・ポップというジャンルの再評価・再発見を行おうとする機運もある。

2000年以降ではキンモクセイがシティ・ポップグループを自称し、キリンジなども「自分たちの音楽はシティ・ポップだ」という趣旨の発言をしている。他にも土岐麻子指田郁也などがこうした路線に追随する作品を発表している。

参考文献[編集]

  • 『昭和40年男 2014年 02月号』(クレタパブリッシング)
  • 『ジャパニーズ・シティ・ポップ』(木村ユタカ監修・シンコーミュージック・2006年)
  • アーティスト編
荒井由実/呉田軽穂
安部恭弘
有賀啓雄
伊藤銀次
稲垣潤一
井上鑑
今井裕
EPO
大澤誉志幸
大滝詠一
大貫妙子
尾崎亜美
加藤和彦
角松敏生
岸正之
来生たかお
木戸やすひろ
桐ヶ谷仁
黒住憲五
桑名晴子
ケン田村
小坂忠
斎藤誠
佐藤奈々子(nanaco)
佐藤博
佐野元春
SING LIKE TALKING
杉山清貴&オメガトライブ
杉真理
鈴木茂
鈴木雄大
須藤薫
センチメンタル・シティ・ロマンス
惣領智子(TINNA)
高野寛
竹内まりや
寺尾聰
二名敦子
西岡恭蔵
西松一博
PIPER
ハイ・ファイ・セット
濱田金吾
パラシュート
原田真二
ブレッド&バター
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関連項目[編集]