オーケストラ

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オーケストラ: orchestra: Orchester)は、管弦楽団とも呼ばれ、管弦楽曲、すなわち複数の弦楽器管楽器および打楽器の編成による音楽を演奏するために組織された団体である。主にクラシック音楽を演奏するが、ラテン音楽ジャズ、その他のジャンルを演奏する団体もある。

概論[編集]

オーケストラは通常、指揮者により統制されて演奏する。

大規模なものの中には交響楽団(symphony orchestra)と呼ばれるものもあり、小規模で弦楽器中心のものは室内管弦楽団あるいは室内オーケストラ(chamber orchestra)、ダンス音楽や行進曲などを演奏するさらに小規模な編成のものはバンドなどとも呼ばれる。フルートオーケストラマンドリンオーケストラウインドオーケストラ(管楽器のみ)という言葉も使用されているが、それらは以下で述べる厳密な意味でのオーケストラではない。

また楽友(組織)の管弦楽団(philharmonic orchestra)と呼ばれるものもあるが、日本では「フィルハーモニー」、「フィルハーモニー管弦楽団」などと呼ばれている。

ロマン派音楽の頃に多かったオーケストラ編成が、標準的な編成とされている。古典的な作品の演奏ではこれよりも若干小規模で、近代的なものには、より大規模なものも存在する。これらの編成は、主要な管楽器の員数によって二管編成、三管編成、四管編成など呼ぶ。下記の編成の例は二管編成である。団体としてのオーケストラの構成員の数は様々なので、団体と作品によっては通常の団員に加えて臨時参加の奏者を加えて演奏することもある。

オーケストラの歴史[編集]

オーケストラの語は、ギリシャ語のオルケーストラ(ορχηστρα)に由来する。これは舞台と観客席の間の半円形のスペースを指しており、そこで合唱隊(コロスコーラスの語源)が舞を踊ったりしていた。

現在の弦楽合奏に管楽器の加わった管弦楽の起源としては、ヴェネツィア楽派の大規模な教会音楽や、その後のオペラの発展が重要である。 古典派期には交響曲協奏曲オペラの伴奏として大いに発展し、コンサートホールでの演奏に適応して弦楽を増やし大規模になり、またクラリネットなど新しい楽器が加わって、現在のような形となった。グルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』において、ピッコロクラリネットバスドラムトライアングルシンバルがオーケストラに加わった。

ロマン派音楽ではさらに管楽器の数や種類が増え、チャイムマリンバグロッケンシュピールなどの打楽器が加えられた。時にはチェレスタピアノなどの鍵盤楽器やハープが登場するようにもなった。

オーケストラの組織[編集]

多くのプロ・オーケストラは常設かつ専門の団体である。

歌劇場のオーケストラピット内での活動を主とするオーケストラはドイツを中心に多数存在し[1]、そのほとんどがオペラのみならず演奏会も行う。ウィーン国立歌劇場管弦楽団員の中から組織されるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、その一例である。

また、放送局が専属のオーケストラを持つ例も多い(放送オーケストラ)。これはもともと、番組のテーマ曲、ドラマの伴奏、各種の放送用音楽を調達しやすくするために所有しはじめたのが根源であり、大小さまざまな放送局がそれぞれの経済規模にあったオーケストラを所有していた。大きな放送オーケストラは、主に国家予算で運営されてきた、世界の国営放送局や、それらにかわる公共放送局などであり、放送の歴史が長い欧州に多い。ラジオフランスに代表される各国の国営放送直営の楽団や、ドイツの各地域を担当する公共放送局の楽団(バイエルンベルリン北ドイツなど)などがその例である。BBC有名交響楽団を持つ公共放送局である。また、商業放送会社が所有したオーケストラの一例として米国NBCが所有していたNBC交響楽団がある。日本においてはABCABC交響楽団ほか複数の管弦楽団を所有し、演奏会のほかに、放送番組用の音楽を多数演奏した。また日本フィルハーモニー交響楽団は、当初文化放送の専属オーケストラとして誕生し、フジテレビジョンと専属契約を結んでいた。NHK交響楽団は独立した財団法人ではあるが、日本放送協会(NHK)と密接な関係を有しており、放送局付属オーケストラに準ずる存在となっている。また、ベルリンの米軍占領地から東ドイツに向けて放送されていたRIASが所有していたベルリン放送交響楽団などもあり、現在も名を変えて活動している。

地方都市に本拠を置く楽団の場合は、楽団の運営資金の多くを自治体に依存して運営されていることがある。この場合、自治体の財政状態に楽団の運営も左右されがちになっている。

反面、独立の団体としてのオーケストラは、オーナーからの定期的な演奏の発注がないため、定期演奏会の入場料やレコード録音の契約料を頼みにしなければならず、優れた契約スポンサーを持っているか、ごく一部の人気楽団や経営形態の改善に成功した楽団を除けば、これだけで存立することは難しい。オーナーやスポンサーの引き揚げによって、独立運営を強いられるケースもあり、これは直接オーケストラの存続に関わる。海外ではEMIの支援を失ったフィルハーモニア管弦楽団の解散[2]、日本でも1972年日本フィルハーモニー交響楽団の解散・分裂などの事例が発生している。

以上のような常設楽団に対し、毎年の音楽祭などで臨時に集まる音楽家によって組織されるものも存在する。例えばバイロイト祝祭管弦楽団が有名なものであり、日本ではサイトウ・キネン・フェスティバル松本の際に結成されるサイトウ・キネン・オーケストラなどがある。また、通常は楽員が個別の音楽活動をし、コンサートの度に集まる形で運営されている非常設楽団も存在する。日本では静岡交響楽団浜松フィルハーモニー管弦楽団などがその例である。

編成の規模[編集]

ダブリン・フィルハーモニック・オーケストラの俯瞰

第1ヴァイオリンからコントラバスまでの弦五部は多くの場合、各部の人数が演奏者に任されているが、管楽器は原則として楽譜に書かれた各パートを1人ずつが受け持つ。ただし実際の演奏会では、倍管といって管楽器を2倍にしたり、「アシスタント」と呼ばれる補助の奏者がつくこともある。

楽譜に示されたオーケストラの編成の規模を示すのに、二管編成、三管編成、四管編成という言葉が使われる。いずれも木管楽器の各セクションのそれぞれの人数によっておおよその規模を示す。

中世音楽の編成[編集]

この時代の西洋にはオーケストラは存在しない、と言われている。しかし、当時の中国宮廷音楽は数百人の合奏による音楽が演奏されていることを示す資料が発掘されていることもあり、「オーケストラ」とみなされる編成が世界に存在したことは確かである。

ルネサンス音楽の編成[編集]

モンテヴェルディはスコア序文に楽器編成を書いた世界初の作曲家である。そこにはオーケストラの黎明期の編成が記されている。

バロック音楽の編成[編集]

バロック期のオーケストラでは、管楽器は各パート1名、ヴァイオリンは2パート2〜3名ずつ、ヴィオラ、チェロ2名、コントラバス、ファゴット、鍵盤楽器各1名という程度の規模が多く、大規模でも総勢20名程度のものであった。弦楽を含めた全てのパートを各1名で奏することもある。そのため、バロック期のオーケストラは室内楽あるいは室内管弦楽の範疇とされることもある。なお、ヘンデルの晩年1749年に作曲された管弦楽組曲王宮の花火の音楽」では、大国イギリスの国家行事という特殊事情もあり、現在考えても膨大な100人という規模の楽団によって、式典の屋外会場[3]で盛大に演奏された(参照:巨大編成の作品#番付外)。

次に示すのは、18世紀前半頃の後期バロック音楽J.S.バッハテレマンヘンデル等の盛期)の曲に多く見られる、規模の大きめな管弦楽編成の例である。

古典派音楽の二管編成[編集]

古典派二管編成は、フルートオーボエクラリネットファゴットが各2名(ピッコロが加わるなどの多少の増減はあり得る)で、ホルントランペットも2名程度、ティンパニ弦楽五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)である。この編成に見合う弦楽五部の人数は「12型」で6-5-4-3-2プルト[4]程度であり、オーケストラ総勢で60名ほどになる。

モーツァルト交響曲第1番を父レオポルトの指導の下で作曲した際の編成は「オーボエ2、ホルン2、弦五部」であった。これがオーケストラの「生地」とされ、この部分で表現することを、当時の作曲家の卵は学習した。

モーツァルトやベートーヴェンの初期の作品は、現在このくらいの規模で演奏することも可能だが、6.5.4.3.2と、12型の半分で演奏し、当時の音圧を体感させる指揮者も多い。

以下は、古典派音楽の盛期頃(ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン)に多く見られる編成の例である。ただし、この頃は標準編成なるものは存在せず、オーボエ2とホルン2と弦五部に加え「パトロンからの命令」で決まった編成が多い。結果的に、古典二管編成を完成させた時期はブラームスの活躍した時代である。ブラームスはトロンボーンを嫌がり、ファゴットで無理やり演奏させていたことが、レーガーの書簡から判明している。

盛期ロマン派音楽の二管編成[編集]

後期ロマン派二管編成は、フルートオーボエクラリネットファゴットが各2名(それぞれの派生楽器であるピッコロイングリッシュホルンバスクラリネットコントラファゴットへの持ち替えもありうる)で、ホルンが4名、トランペットが2~3名程度、さらにトロンボーンが3名、チューバが加わる。ティンパニの他に若干の打楽器が4名程度加わる。さらに編入楽器としてハープが加わる。弦楽五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)である。この編成に見合う弦楽五部の人数は現代のコンサートにおける標準的な編成で「14型」で7-6-5-4-3プルト程度であり、オーケストラ総勢で80名ほどになる。チャイコフスキーの作品は、現在このくらいの規模で演奏される。

音響空間次第で、弦の数を変えることは可能である。結果的に、二管編成を完成させた時期はチャイコフスキーが活躍した時代である。多くの作曲家がこの編成をベースに協奏曲を書いている。

木管楽器の持ち替えは、第一奏者が主席であることが多いので第二以下の奏者が持ち替えるか、特定の楽器に特化した奏者を招いて演奏する。サクソフォーンは出来た当初は実験的な意味合いもありクラリネット奏者が持ち替える事が多かったが、現代では音色や特殊奏法などを必要とする場面も多いので専科の奏者を招くことが多い。

  • 木管楽器
    • フルート 2 ピッコロへの持ち替えあり
    • オーボエ 2 イングリッシュホルンへの持ち替えあり
    • クラリネット 2 バスクラリネットへの持ち替えあり
    • ファゴット 2 コントラファゴットへの持ち替えあり
  • 金管楽器
    • ホルン 4
    • トランペット 2
    • トロンボーン 3
    • チューバ 1
  • 打楽器
  • 編入楽器
  • 弦楽器

ロマン派から近代にかけての三管編成[編集]

三管編成は、フルートオーボエクラリネットファゴットが各2名にそれぞれの派生楽器が加わって、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットの各セクションが3名となる。ホルンは4名程度、トランペットトロンボーンが各3名程度、チューバ1名となる。打楽器もティンパニ1〜2人を含む6名程度、編入楽器はハープ1名にさらにチェレスタが加わることがある。この編成に見合う弦楽五部の人数はいわゆる「16型」8-7-6-5-4プルト程度であり、総勢90名ほどである。

ベートーヴェンの後期の作品からロマン派の多くの作品はこの程度の規模であり、第九は非常に近い形としての基礎を確立したが、ワーグナーの「ジークフリート」はその最初の完全な形[5]といわれている。

日本のオーケストラは三管に対して伝統的に16型で対応してきた(1980年代まで)が、近年では世界的な常識にあわせ14型に直しているオーケストラが優勢になった。結果的に三管編成を完成させた時期はラヴェルが活躍した時代である。最終的に、オーケストラに最も適したサイズとされ国際的な標準になった。

近代から20世紀中葉までの四管編成[編集]

四管編成では、フルートオーボエクラリネットファゴットの各セクションが4名となる。ホルンも4から8人、トランペットトロンボーンが3〜4人、チューバが1〜2人。打楽器もティンパニ1〜2人を含む7名程度。編入楽器は4名程度。弦楽五部もいわゆる「18型」の9-8-7-6-5プルト程度となり、総勢100名にものぼる。ワーグナーマーラーストラヴィンスキーベルクの作品には、この規模の作品が多い。その最初の形はベルリオーズレクイエム作品5や同じくテ・デウムであるが、当時はいわゆる倍管機能のユニゾンで、後年ワーグナーがその「ニーベルングの指環」や「パルジファル」でその編成を機能的にほぼ組織化した。

国際的には四管編成には16型で対応しており、18型は稀である。ホルンが4から6本に変わりチューバの本数が増えない理由は、一例としてワーグナーやブルックナーなどの曲でホルン奏者の一部がワグナーチューバに持ち替える為ホルン奏者が多数必要なのと、増数したトロンボーンはバストロンボーンやコントラバストロンボーン、チンバッソなどチューバの音域を賄える楽器である為にチューバの数が増えないと考えられる。かつては3台ハープや3台ピアノも普通に見られたが、現在ではハープや鍵盤が二台を越えることはほとんどない。結果的に、四管編成を完成させた時期はリヒャルト・シュトラウスが活躍した時代である。紀元2600年のための記念作品は四管編成すら凌いだ。ただし、1950年代以後は財政難や演奏の複雑性から、このサイズが揃うことが少なくなっていった。

20世紀以降の五管以上の編成[編集]

四管編成よりさらに大きく、各セクションが5人平均となるもの(五管編成相当)もある。ここでは、各セクション4本ずつのスタンダードの木管楽器の上に、ピッコロイングリッシュホルンバスクラリネットコントラファゴットが加わった形が多い。ホルンは8人以上。トランペットは5から6人。トロンボーンは差が大きく3人から5人。チューバは2人以上が多い。打楽器は7人以上。弦楽合奏は「20型」の10-9-7-6-5プルトが一般的でさらにオルガンピアノチェレスタ・4人以上のハープギターマンドリンが付くこともある。リヒャルト・シュトラウスマーラーストラヴィンスキーの他に、シェーンベルクヴァレーズケージ等がいる。管弦楽は120名を超える。

なお、これよりもさらに大きな編成で書かれた巨大編成の作品もある。リヒャルト・シュトラウスの「タイユフェ」作品52、ヴァレーズの「アメリカ」(1922年版)、メシアンの「アッシジの聖フランシスコ」や「閃光」、ハヴァーガル・ブライアン交響曲黛敏郎の「涅槃交響曲」などがそれにあたる。なおこのような木管楽器の編成は、各セクションが同程度の人数というような形式にあまり当てはまらず、フルートクラリネットが多くなる割りには、オーボエファゴットはあまり多くならない傾向があり、金管楽器も相当変則的になり、国際的な基準というものはない。

20世紀後半以後の一管編成[編集]

最も小さな編成に、木管楽器が1人ずつ程度の編成[6]がある。ワーグナーの「ジークフリート牧歌」は、基本的に木管各1名、ホルン2、トランペット1、打楽器は無しで、弦もワーグナー自宅での初演時は1人ずつであった。これは20世紀後半の室内オーケストラを先取りするものであったが、当時は「オーケストラ」とはみなされていなかった。

ウェーベルンの「5つの小品」作品10のように多くの打楽器鍵盤楽器が入っていたり、同じく作品21や29、シェーンベルク室内交響曲第1番のような変則的なものも多い。しかし、この「変則」的な組み合わせが20世紀後半の音楽では優勢になる。室内オペラはこの編成で書かれることがある。

戦後はシェーンベルクに倣い、管楽器の数が弦楽器を上回った室内オーケストラは、20世紀後半以降数多い。ヘンツェのレクイエムは弦楽器の量を管楽器が優に上回る典型例である。

楽器の配置[編集]

オーケストラの楽器配置の一例(「ヴァイオリン両翼配置」)

オーケストラの楽器配置(Setting, Aufstellung)にはさまざまなやりかたがある。時代によって、また指揮者の方針によって工夫が重ねられてきた。

伝統的配置[編集]

20世紀前半から半ばにかけては、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右に分ける楽器配置が多かった。これは「ヴァイオリン両翼配置」と通称されている。

一方、華麗なオーケストラ・サウンドを追究し続けた指揮者レオポルド・ストコフスキーは、1930年代に独自の楽器配置を造り出した。これは、客席から向かって左側から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが並び、チェロの後方にコントラバスが置かれる。つまり、客席から向かって左から右にかけて、弦楽器を高音から低音へと並べるのである。この配置は「ストコフスキー・シフト」と通称され、コンサート・ホールでの響きが豊潤になるという利点とともに、1950年代頃から一般的に行われるようになったレコードのステレオ録音にも適しているとみなされ、20世紀後半には世界中のオーケストラに広まっていった。

現在使われている近代的なオーケストラの配置の一例(方向は、客席側からみたもの)を示す。弦楽器は「ストコフスキー・シフト」によっている。

  • 指揮者:最も前方の中央に立つ。
  • 弦楽器:演奏者2人でプルトを組む。左側から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、チェロの後方にコントラバスが並ぶ。コンサートマスターは、第1ヴァイオリン最前列、客席側に座る。
  • 木管楽器:弦楽器後方に2列で並ぶ。前列左側からフルート、オーボエ、後列左側からクラリネット、ファゴットが並ぶ。
  • 金管楽器:木管楽器後方に、左側からトランペット、トロンボーン、チューバが並ぶ。ホルンはトランペットの左側に2列で並ぶことが多いが、右側になることもある。
  • 打楽器:金管楽器の後方、または舞台左奥に配置される。
  • ピアノ、ハープ:第1ヴァイオリンの後方に配置される。
  • 合唱:合唱が含まれる曲の場合、オーケストラの後方に合唱団が配置される。

外部リンク: stage formation of orchestra (オーケストラの楽器の並べ方)

現代的配置[編集]

現在のオーケストラはチューバが指揮者のすぐ横[7]にいる、またはハープが指揮者の真ん前にいる[8]、などといった変則配置は当たり前になっている。ルチアーノ・ベリオの「コロ」は声楽家と器楽奏者がペアを組んで座る[9]。前衛の時代は変則配置で当たり前、という時代だったが現代音楽の退潮に合わせて本来の古典的な配置を好む作曲家も多い。

指揮者[編集]

多くの場合、指揮者は(専属契約を結んでいる場合でも)オーケストラの一員ではない。演奏会ごとに違う指揮者が指揮をすることが多い。しかし、同時に多くのオーケストラは「常任指揮者」(あるいは「首席指揮者」「音楽監督」)と呼ばれる特定の指揮者と長期にわたって演奏を行うため、その指揮者の任期中は、その指揮者の得意なレパートリーや演奏の様式によってオーケストラの個性が特徴付けられることが多い。しばしば指揮者の名前を冠して「~時代」などとして言及されるのはこのためである。 このような関係として特に有名なものの一例は次のようなものである。

日本人においては、

(団体名は在任当時)

常任指揮者以外の指揮者を「客演指揮者」と呼ぶ。多くのオーケストラでは、多数の客演指揮者を迎えることで、公演レパートリーの不足を補ったり、新しい共演により芸術的な向上を目指すことがある。しかし、かつてのフルトヴェングラーやカラヤンのように、常任指揮者の権限によって、自分の気にそぐわない指揮者に客演させないというケースも存在する。

用語[編集]

コンサートマスター/コンサートミストレス
多くの場合第1ヴァイオリンの首席奏者。オーケストラ全体の演奏をとりまとめ、指揮者に協力して様々な指示を出す。日本ではコンマス(コンミス)とも略称される。
首席
トップともいい、楽器(ヴァイオリンの場合はパート)ごとの第一人目の演奏者のこと。他のパートと調整を行い、パート内に様々な指示を出す。職責としての首席と、演奏位置としてのトップが異なる場合もある。また、第1ヴァイオリンの首席は、コンサートマスターが第1ヴァイオリンの場合には、これを兼務せず、コンサートマスターと別に置く場合がある。
次席、副首席
トップサイドともいい、首席を補助する。場合によって、職責としての次席と演奏位置としてのトップサイドの異なる場合がある。
ライブラリアン
楽譜を管理する。
インスペクター
演奏面以外のことで、楽団全体を取り仕切る。
ステージマネージャー
公演にかかわるすべての舞台の準備および進行を取り仕切る。公演ごとの特殊楽器の手配(場合によっては製作することもある)、劇場、ホールとの舞台関係の打ち合わせを行い、指揮者および演奏者と打ち合わせた上での楽器配置を取り仕切る。指揮者、オーケストラの楽員、ソリストなどすべての動きを把握し、曲目にあわせてセットを変える責任を負う。日本においては、ステージマネージャーは、オーケストラおよびホールのステージマネージャーを指すことが多い。また、日本では各オーケストラの専属と劇場・音楽ホール専属、制作会社専属のステージマネージャーがいる。

オーケストラを題材にした作品[編集]

参考文献[編集]

  • Peter Raabe: Stadtverwaltung und Chorgesang, Rede bei einem Chorkongress in Essen (1928), in: Peter Raabe: Kulturwille im deutschen Musikleben, Kulturpolitische Reden und Aufsätze, Regensburg, 1936, S. 26-41.
  • Malte Korff (Hrsg.): Konzertbuch Orchestermusik 1650–1800. Breitkopf und Härtel, Wiesbaden 1991, ISBN 3-7651-0281-4.
  • Nina Okrassa: Peter Raabe - Dirigent, Musikschriftsteller und Präsident der Reichsmusikkammer (1872-1945), Köln 2004, ISBN 3-412-09304-1.
  • Orchester, Spezialensembles und Musiktheater. In: Deutscher Musikrat (Hrsg.): Musik-Almanach. Daten und Fakten zum Musikleben in Deutschland, Bd. 7 (2007/08), 2006, S. 733–823, ISSN 0930-8954.
  • Gerald Mertens: Kulturorchester, Rundfunkensembles und Opernchöre, Deutsches Musikinformationszentrum 2010 (Volltext; PDF; 963 kB)
  • Raynor, Henry (1978). The Orchestra: a history. Scribner. ISBN 0-684-15535-4.
  • Sptizer, John, and Neil Zaslaw (2004). The Birth of the Orchestra: History of an Institution, 1650-1815. Oxford University Press. ISBN 0-19-816434-3.
  • Marcello Sorce Keller, “L’orchestra come metafora: riflessioni (anche un po’ divaganti) a partire da Gino Bartali”. Musica/Realtà, luglio 2010, no. 92, pp. 67-88.
  • 伊福部昭 完本・管絃楽法
  • ニュー・グローブ音楽辞典第二版 Instrumentation and Orchestration
  • MGG オーケストラの項

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 吉田秀和は著書『ヨーロッパの響、ヨーロッパの姿』で欧州のオペラ上演の半数以上がドイツで行われていると述べている
  2. ^ 団員は解散に対抗して自主的演奏団体としてのニュー・フィルハーモニア管弦楽団を結成
  3. ^ ニューグローブ音楽辞典・王宮の花火の音楽の項
  4. ^ Pult:譜面台のことで、2人で1つの譜面台を見ることから、1プルトは2名に相当する
  5. ^ リヒャルト・シュトラウス補筆ベルリオーズの管弦楽法、譜例1
  6. ^ 一管編成相当
  7. ^ 木下正道・オーケストラのためのサラユーケル・武満徹作曲賞本選会
  8. ^ 江原修・「Les Fleaux」・日本音楽コンクール本選会
  9. ^ ウニフェルザル出版社の「Coro」スコア序文

外部リンク[編集]