フュージョン (音楽)

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フュージョンFusion, Jazz Fusion)は1960年代後半から現在に至るまでのジャズを基調にロックラテン音楽R&B電子音楽などを融合(フューズ)させた音楽ジャンルである。一般的には、ジャズジャンルから確立されたものの一種に位置づけされている。

概要[編集]

1966年に、ラリー・コリエルが在籍していたザ・フリー・スピリッツがアルバムを発表したが、これがフュージョン以前の初期のジャズ・ロックのアルバムとされている[1]1960年代後半には、マイルス・デイヴィスを中心としたエレクトリック・ジャズのムーブメントが始まった。さらに70年代に入ると、電気楽器やロック・サウンドを取り入れた演奏スタイルであるジャズ・ロックソウル・ミュージックラテン音楽の要素を取り入れたクロスオーバーのジャンルが誕生する。この時期のクロスオーバーの代表作に、デオダートの「ツァラトゥストラはかく語りき」がある。またボブ・ジェームスの「はげ山の一夜」や、ジャンリュック・ポンティのアルバムも話題になった。しかし70年代後半になると、電気ジャズやクロスオーバーをさらに商業化したサウンドが現れるようになった。これを、他のジャンルと融合した音楽として、フュージョンと呼ばれるようになった。電気ジャズやクロスオーバーの時代には、批判はあまり見られなかったが、フュージョンに対しては同時代の「ディスコ」や「産業ロック」と関連づけた、商業主義との批判が見られるようになった。1990年代から現在にかけては、フュージョンをさらに洗練させて、大衆に聞きやすくしたスムーズジャズのジャンルに移行している。

アメリカのビルボード誌においては、フュージョンはコンテンポラリー・ジャズに分類される場合がある。ここで混合されやすいのはモダン・ジャズとの違いである。モダンジャズのモダン(現代の)とは、ビ・バップ以降のストレート・アヘッド・タイプのジャズを示す言葉であると考えた方がいいだろう。

フュージョンの曲の多くがボーカル無しのインストゥルメンタルであることも大きな特徴であり、このような楽曲的特徴から、BGMとしても馴染みの良い音楽に仕上がっているため、番組専用の音楽が作られていないテレビラジオ番組において、あらゆる場面であらゆるフュージョンアーティストの楽曲がテーマ曲やBGMとして多用されているほか、中には番組テーマ曲として使用されることを前提として作られた曲も存在する。

発祥[編集]

1960年代半ばにキャノンボール・アダレイが「マーシー、マーシー、マーシー」などの楽曲で、ジャズとソウルを融合した音楽を演奏し始めた。しかしこれはフュージョンとは呼ばれず、ソウル・ジャズと認識された。'60年代後半になるとマイルス・デイヴィストニー・ウィリアムスライフタイムエレクトリック・ギターベース・ギターエレクトリック・ピアノといった電気楽器を用いてロックをジャズに取り入れ、エレクトリック・ジャズとかジャズ・ロック、クロスオーバーと呼ばれる演奏を始めた。後にハービー・ハンコックジョー・ザヴィヌルヤン・ハマーチック・コリア等がモーグ・シンセサイザーを取り入れている。

その後、トランペッターのマイルス・デイヴィスが "In a Silent Way" (1969)と "Bitches Brew" (1970)を発表し、更にはデオダートが1972年に「ツァラトゥストラはかく語りき」("Prelude"収録)を発表し、これらがクロスオーバーやフュージョンの雛形となった。

日本におけるフュージョン[編集]

日本でのフュージョンブームは1970年代後半から1980年代後半にかけて起き、この頃数々のバンドやグループが誕生した。

国内アーティストではプリズムT-SQUAREカシオペアなど、国外アーティストではシャカタクメゾフォルテフルーツケーキなどといったバンドが誕生し、活躍した。特にT-SQUAREは日本だけでなく、海外でのレコーディングやライブも積極的に行っている。また変わったところでは、デビューアルバムで角松敏生エグゼクティブ・プロデューサーに迎えたTOKYO ENSEMBLE LABや、自らは作曲・編曲・プロデュースに徹した上で国内外の著名ソロミュージシャンを集めながらメンバーを固定しないバンド形態とした堀井勝美PROJECTも登場するなどした。

高い演奏テクニックを持つ個々のメンバーが集ったインストゥルメンタルバンドならではの完成度の高さと、軽快かつポップ的な要素を取り入れた曲が多かったことに加え、メンバーの音楽番組出演やライブのテレビ放送により知名度を上げたことで、人気が高まった。また、楽曲はテレビ番組でのオープニング・エンディングやBGMの他にCMなどでも盛んに使用された。特に、T-SQUAREの「TRUTH」やカシオペアの「ときめき」などはテレビ番組で盛んに使用されたため、馴染みの深いものとなっている。

1990年代以降はJ-POP(歌謡曲)アーティストの台頭もあり、それらに比べると認知度は下がっているものの、根強い人気を保っている。また、2000年代以降でも、プリズム、T-SQUARE、カシオペアなどは、メンバーチェンジを繰り返しながら現在でも活動を続けている。

フュージョンの主なアーティスト[編集]

バンド/グループのミュージシャンも含む。個人についてはジャズ音楽家の一覧も参照。

海外のアーティスト[編集]

スムーズ・ジャズ系のアーティストについてはスムーズ・ジャズの項目も参照。

日本のアーティスト[編集]

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行、ら行、わ行

出典・脚注[編集]

  1. ^ The Free Spiritsのバイオグラフィー(AllMusic)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

参考文献[編集]

  • 細川周平、後藤雅洋、村井康司、寺島靖国、小川隆夫、加藤総夫、柳沢てつや、北里義之、大村幸則、瀧口秀之、西島多恵子、山下泰司、黒田京子、桜井圭介、上野俊哉、米田栄、田辺秀樹、高橋順一、川竹英克、田村和紀夫、大宅緒、高見一樹、島原裕司、柴俊一 『新版 ジャズを放つ』 洋泉社、1997年、24頁。ISBN 4896912500