ビバップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビバップ (bebop) とは、1940年代初期に成立したとされる、ジャズの一形態。継承するか、反発から生じたかの違いはあっても、モダン・ジャズの起源はこの音楽にあるというのが、最も一般的な見解。仮名表記によって、ビー・バップ、ビ・バップなどとも記される。英語の発音は /ˡbiːbɒp |-bɔp/ であるので、「ビーバップ」が原音に近い。単に、「バップ」(bop) だけでも、ジャズファンや演奏家には通じる。
マンネリ化したスウィング・ジャズに飽きた、あるいは、本来の即興演奏が好きなジャズメン(ジャズの演奏家)たちが、ライヴハウスや演奏主体の飲食店の閉店後に、ジャム・セッションをしていて、そこから発展し生まれたとされる。
最初に決まったテーマ部分を演奏した後、コード進行に沿った形でありながらも、自由な即興演奏(アドリブ)を順番に行う形式が主となる。基本的には、コード構成音や音階に忠実にアドリブ演奏しながらも、テーマのメロディーの原型をとどめないくらいデフォルメされた演奏となっていった。そのため、劇的で上下に音がとび、鋭い演奏が多い反面、長いアドリブのために、アドリブ自体が主体になってしまい、原曲からかけ離れたり、複雑化し、ライブごとにできが大きく異なるといった現象も起こった。また、楽しむための音楽、ダンスのための音楽から、当事者にとっては演奏することが目的となった音楽、聞く側にとっては聴くだけの音楽になってしまったとの批判もあった。
[編集] 音楽理論的側面
ビバップの時代には、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーらにより和声が極限まで拡張されることとなった。具体的には原曲のコード進行を、さまざまな代理和音を用いてリハーモナイズしたり、頻繁な内部転調を行う、あるいはテンションノートが積極的に用いられるなどである(和声の理論的には、後期ロマン派の音楽に極めて近似しているとされる)。このようにしてビ・バップの演奏では調性が希薄になり、調性そのものの崩壊寸前まで至った。
コードの進行がフレーズから聞き取れるようなフレーズづくりもビ・バップの特徴である[1]。
しかしこのスタイルは、1950年代終わりごろには、誰がやっても同じようなアドリブになってしまう状況に陥り、行き詰まった。
[編集] ビ・バップのスタイルと代表的なアーティスト
- ビバップ
- チャーリー・パーカー (1920-1955)
- ディジー・ガレスピー (1917-1993)
- ファッツ・ナヴァロ (1923-1950)
- ケニー・クラーク (1914-1985)
- バド・パウエル (1924-1966)
- セロニアス・モンク (1917-1982)
- ジミー・スミス (1925-2005)
- ケニー・バレル (1931-)
- レッド・ガーランド (1923-1984)
- レニー・トリスターノ (1919-1978)
- リー・コニッツ (1927-)
- スタン・ゲッツ (1927-1991)
- ジョージ・シアリング (1919-)
- ジェリー・マリガン (1927-1996)
- チェット・ベイカー (1929-1988)
- デイヴ・ブルーベック (1920-)
- ポール・デスモンド (1924-1977)
- アート・ペッパー (1925-1982)
- チコ・ハミルトン (1921-)
- シェリー・マン (1920-1984)
- マイルス・デイヴィス (1926-1991)
- マックス・ローチ (1924-2007)
- ジョン・ルイス (1920-2001)
- クリフォード・ブラウン (1930-1956)
- リー・モーガン (1938-1972)
- ソニー・ロリンズ (1929-)
- ジョニー・グリフィン (1928-2008)
- エルビン・ジョーンズ (1927-2004)
- ドナルド・バード (1932-)
- ポール・チェンバース (1935-1969)
- トミー・フラナガン (1930-2001)
- トシコ・アキヨシ(穐吉敏子、秋吉敏子)(1929-)

