レア・グルーヴ

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レア・グルーヴRare groove)とは、直訳すると「珍しいグルーヴ」であり、「見つけ難い音楽」である。

概要[編集]

過去の音楽を現在の価値観で捉え直す際、当時には評価されなかった楽曲の価値が新たに見出される場合がある。その楽曲は、現在の音楽(ダンスミュージック)においては、音楽面において珍しいだけでなく音源の流通という側面においても非常に珍しい(希少価値がある)存在である。このように、現在の新たな価値観で「踊れる、のる事ができる」ものとして発掘され、再評価を受けた過去の楽曲の事を、「珍しいグルーヴ(を持つ音楽・楽曲)」として、レア・グルーヴと呼ぶ。主にヒップ・ホップクラブ・ミュージックの分野で多用される用語である。元々は1985年に、Kiss FMDJである、ノーマン・ジェイ(Norman Jay)の番組The Original Rare Groove Showを通して紹介された事で知られる。

「過去の音楽」といっても広範かつ様々であるが、代表例として挙げられるのは1970年代アメリカ各地で録音された、現在では比較的判り辛く見つけ難いファンクジャズ・ファンクソウルソウル・ジャズジャズ・フュージョンなどである。無論、過去の音楽はこれらに止まらず、世界中の過去の音楽がレア・グルーヴとして見出される可能性を秘めている。通常ダンスミュージックとして見られていない音楽であっても、レア・グルーヴとして発掘され、ダンスミュージックとして再評価される事がある。

レア・グルーヴが生まれた背景[編集]

1960年代から1970年代を通じて、アメリカではソウル、R&B、ファンク、ディスコなどの新しいブラックミュージックが生まれた。ジェイムズ・ブラウンやパーラメント、スライなどのアーティストの成功に影響され、黒人系のローカル・アーティストやインディーズレーベルが大量に生まれ、活動していた。また、ジャズやクロスオーヴァーの分野でも同様で、インディー・メジャーを問わず様々なレーベルやアーティストが活動していた。一部は全国区の人気とセールスを獲得したが、その録音物の多くは全国区で流通されることはなく、忘れられた存在となった。

1980年代後半になると、イギリスのクラブDJやアメリカのヒップホップのアーティストが、前述の音楽のレコードを探求するようになった。クラブDJは同時代のレコードのプレイだけでは飽き足らなくなり、新たな「ネタ」を求め過去の音楽を探求し始めた。一方、ヒップホップ系のアーティストは、サンプリングの対象として過去の音楽の再利用を日常的に行っていたが、やがて、サンプリングする音源にオリジナリティを求めるアーティストたちが、過去の音楽の録音物を積極的に発掘(ディギング)するようになった。両者の態度に共通していたのは、アーティストや曲の有名無名を問わず、それぞれの価値観で楽曲に接し、評価する柔軟性であった。彼らの間で有名だったレコードとして、ブートレッグだが「アルティメイト・ブレイクス&ビーツ」のシリーズがあげられる。

その結果、過去の音源を“発掘”し、グルーヴ(ノリ)という観点から“再評価する”というムーブメントが起きた。この結果発掘された過去の楽曲のことを、レア・グルーヴ、つまり、見つけ難い音楽と呼ぶようになった。なお、このムーヴメント自体のこともレア・グルーヴと呼ぶ。

以降、よく知られたアーティストの曲でも、アルバム中の佳作とされている曲や全く評価されていない曲(むしろ不評を買っている曲)、シングルB面の曲など、それまであまり注目されていなかった、“再評価”された楽曲のこともこう呼ぶようになる。過去の音楽の再評価という性質上、現在の楽曲に対してレア・グルーヴという概念は適用されないが、現在の楽曲も過去のものになればレア・グルーヴとして見出される対象になるというのが一般的解釈である。ただし、前述のレア・グルーブ・ムーブメントの張本人であるノーマン・ジェイは、日本のREMIX誌でのインタビューにおいて「たとえジャングルであっても、まだ世に出回っていないプロモ盤であれば、それはレア・グルーブさ」と答えている。

レア・グルーヴの用途[編集]

レア・グルーヴの曲のリズムパート等はサンプリングされ、ヒップホップテクノハウスブレイクビーツジャングルといった他の音楽のジャンルの曲で好んで使用されている。また、前述のように、同時代のアーティストが作る曲に飽き足らなくなったDJがクラブでプレイするのにも重宝されている。


日本でのレア・グルーヴ[編集]

日本でも、この“発掘する”という行為に影響を受け、日本の過去の音楽の一部に対して「和製レア・グルーヴ」という言葉が使われる。和田アキ子のアーティストとしての再評価や、1960年代や1970年代の日本のジャズまたはクロスオーヴァー、歌謡曲、サントラ、沖縄音楽の再評価もこの一環であると言える。そういった和製レア・グルーヴの曲またはアルバムを「和モノ(和物)」と呼ぶ事がある。

代表的アーティスト[編集]

似た傾向のある代表的アーティスト[編集]

1980年代のレア・グルーヴ傾向アーティスト[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]