スウィング・ジャズ

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スウィング・ジャズ(仮名表記によってはスイング・ジャズなどとも)は、1930年代から1940年代初めにかけて大流行した、白人が主体となって作られた大人数編成によるジャズの形態の一つ。黒人ブラスバンドマーチングバンドと呼ばれるものとは、音楽的には直接の関係はないとされるが、ブラスバンドから発展したともいわれている大人数のジャズ、ビッグバンドの形態の一つ。

概要[編集]

ジャズの系譜の中では初期のものにあたる。スイングジャズは、スウィングのリズムを含んだ軽快なダンスミュージックであり、ジャズの特徴である即興演奏(アドリブ)や個人演奏(ソロ)よりも、念入りな打ち合わせに基づくビッグバンド全体での演奏(アンサンブル)に重点が置かれた。世界大恐慌で、人々は甘く、癒しの音楽を望む傾向になった。さらに、ラジオ蓄音機の登場で、レコードが普及、一定時間内に終わる必要性が出てきた。また、ライブを観に来た客も、レコードと同じ演奏を期待するようになった。そのため、楽器曲の緻密なアレンジ(編曲)が要求され、アレンジャー(編曲者)も重要視されるようになった。

前時代のディキシーランド・ジャズよりも人数的には大編成であり、即興演奏に重点が置かれるそれに比べ、約束事にコントロールされたアレンジが必要となった。その結果、ライブでもレコードと同じ演奏、甘く軽快でダンサブルな楽曲、大人数での調和などにその特色が見いだされる。

音楽理論的側面[編集]

スウィング・ジャズの時代には、大編成のバンドが一般的となり、和声的にも幾分洗練されてきた。スウィング・ジャズ時代の初頭は和声の本質においてはニューオーリンズ・ジャズディキシーランド・ジャズと大差はないが、セブンス・コードが基本となり、4声を主体としたセクショナル・ハーモニーが開拓された。さらに多くの声部のセクショナル・ハーモニーも用いられた。4声の密集配分のセクショナル・ハーモニーは、ジャズやポピュラー音楽作曲編曲学習者が身に付ける基本的な課題であり 4 Way Close として知られている。また、大編成で多種類の楽器が用いられたことから、編曲者と演奏者との分業化が進み、管弦楽法オーケストレーションの面でも進歩した(ニューオーリンズ・ジャズ・スタイルでは、演奏者の集合がすなわち編曲者であった)。スウィング・ジャズ・スタイルが発展してくると、遠隔調への転調や内部転調も頻繁に用いられるようになり、和音もディミニッシュト・コードや、テンションがより積極的、システマチックに用いられるようになってきた。音楽理論的には、クラシックの前期ロマン派の音楽と本質的には同じである。

代表的なミュージシャン[編集]

クラリネット
サクソフォン
トランペット
トロンボーン
ピアノ
その他

参考文献[編集]

  • 細川周平、後藤雅洋、村井康司、寺島靖国、小川隆夫、加藤総夫、柳沢てつや、北里義之、大村幸則、瀧口秀之、西島多恵子、山下泰司、黒田京子、桜井圭介、上野俊哉、米田栄、田辺秀樹、高橋順一、川竹英克、田村和紀夫、大宅緒、高見一樹、島原裕司、柴俊一 『新版 ジャズを放つ』 洋泉社、1997年、22頁。ISBN 4896912500

関連事項[編集]