ディストーション (音響機器)

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ディストーション (Distortion)は、意図的に歪んだ(ひずんだ)音色を得るエフェクターである。主にエレキギター等の音響信号を増幅回路で増幅した後、クリッピング素子に過大入力として与えることで、意図的に歪ませる。クリッピング素子とは、入力信号をある電圧以上にさせない素子であり、ディストーションにおいては多くの場合ダイオードが用いられる。ディストーションはエレキギターで最も多用されるが、エレキベース電子オルガン等にも利用される他、ボーカルのエフェクトとして用いられる場合もある。

一般的にオーバードライブに比べて、より荒々しく硬質で深い歪みを得るもの。

オーバードライブ (overdrive) がアンプの状態を指した言葉なのに対し、ディストーション (distortion) は「歪み」そのものの意味の言葉である。

同じく歪みを得る目的のエフェクターである「ファズ」「オーバードライブ」との分類で明確な範囲決め・定義はあいまいである。まず旧来の粗野で原始的な音色の「ファズ」とは差別化し、その中で比較的マイルドで柔らかい音色が出せる方を「オーバードライブ」、より荒々しく硬質で深い歪みまで達することができる方を「ディストーション」と名づける傾向はあると思われる。しかし、いずれも既知の代表的製品の音色・イメージに影響を受けたネーミング次第であり、使用目的・効果・回路の種別などから見ても明確な定義は存在せず、一台でカバーする範囲が広い製品も多い。

一例として、BOSSのエフェクターを見ると、非反転増幅回路を形成するオペアンプの出力側にクリッピングのダイオードを挿入しているものには「ディストーション」の名称が用いられており、[1]オペアンプの反転入力端子と出力端子との間にクリッピングのダイオードを挿入しているものには「オーバードライブ」の名称が用いられている。[2]但し、増幅回路の出力側に置くクリッピング素子がダイオードでなく、真空管FETである場合には、よりアンプの歪みに似せている、という意図を込めて「オーバードライブ」とネーミングされている場合が多い。

製品としては、MXRの「Distortion+」、Procoの「RAT」などが古典。

脚注[編集]

  1. ^ BOSS DS-1回路図”. HomemadeFX( http://homemadefx.web.fc2.com/ ). 2013年10月2日閲覧。
  2. ^ BOSS SD-1回路図”. HomemadeFX. 2013年10月2日閲覧。

関連項目[編集]