チェロ

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チェロ
別称:セロ
各言語での名称
Cello, Violoncello
Violoncello
Violoncelle
Violoncello
チェロ
分類

弦楽器ヴァイオリン属

音域
各弦の調弦(実音通り記譜)
Cello001.png
関連楽器
演奏者
関連項目

チェロセロとも表記。英名:CelloVioloncello)は、西洋音楽で使われるヴァイオリン属弦楽器の一つである。弦の数は4本。略号は「Vc」。

目次

[編集] 概要

西洋のクラシック音楽における重要な楽器の一つで、オーケストラによる合奏弦楽四重奏弦楽五重奏ピアノ三重奏といった重奏の中では低音部を受け持つ。また、独奏楽器としても重要であり、多くのチェロ協奏曲(チェロ・コンチェルト)やチェロソナタが書かれている。ポピュラー音楽においては決して一般的ではないが、しばしばポップスやロックの曲中でも用いられる。

チェロに関した楽曲を時代ごとに挙げると、バロック音楽ではJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」、古典派音楽ではハイドンの「チェロ協奏曲第1番ハ長調」が挙げられる。ロマン派音楽では、ドヴォルザークの「チェロ協奏曲ロ短調」とエルガーの「チェロ協奏曲ホ短調」が有名で、ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、数あるチェロ協奏曲の中でも特に有名かつ評価が高い。日本では「ドボコン」(「ドヴォルザークのコンチェルト」の意。彼が生涯に書いた協奏曲の中で最も有名であるが故である)と略され親しまれている。

[編集] 語源

「チェロ」という語は、イタリア語の "Violoncello" に由来する。本来"cello"とはイタリア語で「小さな」という意味であって、"Violoncello" はすなわち「小さなヴィオローネ」("Violone" と接尾辞"cello")という意味である。なお、ヴィオローネはコントラバスの元になった楽器であるが、このヴィオローネという語もまた「大きなヴィオラ」("Viola" と接尾辞"one"。ちなみに現在のヴィオラのことではなく単に弦楽器の意)という意味なので、"Violoncello" はいってみれば「小さな大きなヴィオラ」というわけである。この"Violoncello"の語が英語外来語として入った後に "Cello" と略され、それが日本語に入り「チェロ」となった。

[編集] 構造

チェロの各部の名称。魂柱は内部にある柱であり、およその位置を図示している

チェロは、同じくヴァイオリン属の楽器であるヴァイオリンヴィオラとほぼ同じ構造である(なお、コントラバスヴィオール属の影響を強く受けているため、チェロなどの他の3つとは多少異なる)。ただし、低い音を出すために形全体が大きく、特に厚みが増している。弦も、素材や基本構造こそ同じであるものの、太く丈夫に作られている。それに伴って弓もヴァイオリンなどより太いが、長さは逆に短い。また、チェロはその大きさと重さゆえにヴァイオリンやヴィオラのように顎で挟んで保持することが困難なので、エンドピンを床に立てて演奏する。エンドピンには亜鉛合金が使用されることが多いが、最近ではカーボンチタンタングステンなども使用されている。本体の大きさに比べると指板はヴァイオリンなどより若干細めである。ヴァイオリン属では低音楽器になるほど胴体と弦の角度が大きいため、ヴァイオリンに比べるとが高く丈夫に作られている。

また、受け持つ音域からすると本来チェロはもっと大型化すべき楽器であるが、演奏が困難になるので現在のサイズとなっている。弦の長さもこれ以上長くできないので、巻線を使用するなどして低い音を出すようにしている。正しく調弦した状態で4本の弦にかかる張力は、弦の銘柄によって多少は異なるがおおむね同じであり、最も太いC弦も最も細いA弦もほぼ同じ9〜13kg程度の張力で、楽器全体では40〜50kgの張力となる。コントラバスやギターのようなウォームギアによる巻き上げ機構は一般的に備えておらず、ヴァイオリンやヴィオラと同じように木製のペグの摩擦だけで弦の張力を支えている。このため、ペグの調整が不完全な状態であると調弦が極めて困難である。

楽器本体は基本的にカエデなどの木材で製作されるが、ドライカーボン製のチェロもアメリカでは販売されており、独特の音色と音量でユーザーが増えつつある。非売品としてガラス製のチェロも製作されたこともあるが、日常の演奏に耐え得るものではない。

[編集] 調弦

チェロの各弦の調弦

チェロには4本の弦があり、奏者から見て左側、音が最も高い弦から第1弦、第2弦、第3弦、第4弦と番号が振られている。調弦は、第1弦が中央ハ音のすぐ下のイ音(A3)であり、以下完全5度ごとに、ニ(D3)、ト(G2)、ハ(C2)となる。弦の呼び名を番号でなく「C線」「C弦」(慣習的に「ツェーせん」「ツェーげん」とドイツ語読みする)などと音名で呼ぶことも多い。第4弦のハ音は中央ハ音の2オクターブ下の音となる。この調弦はヴァイオリンより1オクターブと完全5度低く、ヴィオラより1オクターブ低い。

変則的な調弦(スコルダトゥーラ)による楽曲もある。バッハの「無伴奏チェロ組曲」第5番では第1弦を1全音低めのG3に調弦する。同じく第6番は、第1弦より完全5度高いE4の弦を1本追加した5弦の楽器ヴィオロンチェロ・ピッコロ用に書かれている。コダーイ・ゾルターンの「無伴奏チェロソナタ 作品8」(低い方からB1, F#2, D3, A3と調弦)も変則的な調弦である。

[編集] 記譜法

チェロのための楽譜は、基本的にはヘ音記号で書かれるが、高音域になるときにはテノール記号ハ音記号)も使われる。ト音記号も稀に使われるが、時代によって意味が異なるので要注意である。主に19 世紀にはト音記号は声楽のテノールと同じようにオクターブ下げて読むのが普通であった。テノール記号が併用される現代では、ト音記号も実音で記譜する。

[編集] 歴史

今日のスタイルのチェロの形態が確立したのは18世紀末以降であり、それまでは各種の形態、演奏法があったと推察されている。J.S.バッハと同時代で親戚に当たるJ.G.ヴァルターの音楽辞典(1732)には「チェロはイタリアの低音楽器で、ヴァイオリンのように演奏された。すなわち部分的に左手で支えられた」と記されている。また、レオポルト・モーツァルトの「ヴァイオリン奏法」(1756)では、「かつては5弦であったが今は4弦しかない」「この頃は脚の間に挟んで支えられる」と記されており、かつてはヴァイオリンのような奏法であったこと、ヴィオロンチェロ・ピッコロやヴィオラ・ポンポーザのような楽器も広くチェロという楽器であったことが推察される。実際に当時の絵画や彫刻ではチェロと思しき楽器を肩の上または胸に当てて演奏する姿が見られる。近年、このタイプのチェロ(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ=肩かけチェロ)の復元演奏が主にバロック・ヴァイオリン奏者の手によって行われている (外部リンク参照) 。

1800年頃を境に音量が求められるようになり、楽器の構造や仕様に手が加えられた。この改造後の現代仕様のチェロをモダン・チェロ、歴史的楽器で改造を受けていないものをバロック・チェロといって区別することがある。バロック・チェロにはエンドピンがなく、通常5弦のことが多い。

稀にヴィオラ・ダ・ガンバを「チェロの祖先」と表現することがあるが、ヴィオール属ヴァイオリン属は直接的な祖先・子孫という関係には当たらないため、誤りである。

[編集] 演奏法

ピアノ三重奏。右端がチェロ

演奏法については、楽器の構え方が大きく異なっていたりポジションのシステムが異なっていたりはするが、ヴァイオリンと共通する部分が多い。ヴァイオリンの「演奏のしかた」の項を参照されたい。

以下に、ヴァイオリンの奏法と大きく異なる点を列挙する。

  • 楽器は、胴を左右の脚の間に置き、棹(ネック)が奏者から見て顔の左側にくるように構える。楽器がずれないようにエンドピンの先を床に固定する。
  • 運指は、低ポジション(指板の上の方を用いる)では人差し指・中指・薬指・小指を用い、各指で押さえる音程の間隔は半音を基本とする(人差し指と中指の間は全音とすることもあり「拡張」と呼ばれる)。高ポジション(指板の下部を用いる)では親指も指板上に乗せて弦を押さえる。
  • 調弦は、低音域で5度の和音の響きをペグの調整により聞き取り調弦をする。しかし、ペグによる微調整が難しいため、自然フラジオレットを活用し、隣り合った低い方の弦の第3倍音と高い方の弦の第2倍音が同音程となるようにアジャスターで調整する方法も多用される。そのため、チェロはすべての弦にアジャスターが組み込まれたテールピースを採用することが多い。なお、ヴァイオリンやヴィオラは隣り合う弦の重音で調弦し、また柔らかく調弦しやすい金属巻きガット弦を用いる奏者が多いので、アジャスターをすべての弦に取り付ける例は少ない。

[編集] チェロ奏者(チェリスト)

著名なチェロ奏者についてはチェリスト#著名なチェリストの一覧を参照のこと。ポピュラー界においては、溝口肇が著名な奏者として知られる。他にも、フィンランドのヘヴィメタルバンドのアポカリプティカが、チェロによってメタルの領域の楽曲を演奏しているケースがある。

[編集] チェロコンクール

日本
海外

[編集] 関連書

  • 『名チェリストたち』マーガレット キャンベル  東京創元社 ISBN 4488002242

[編集] 関連記事

[編集] 外部リンク

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