タワーレコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

タワーレコード: TOWER RECORDS, 英語発音: /ˈtauər ˌrekərdz/ ウァカヅ、/ˈtauər ˌrekɔːdz/ ウァコーヅ)は、アメリカ合衆国を発祥とする大手CDショップチェーンである。世界各国に展開されている。キャッチコピー"NO MUSIC, NO LIFE."

日本では「タワレコ」「タワー」の略称が用いられ、英語の名称をそのまま読んだ「タワーレコーズ」と表記する人や「タワーレコー」と口に出して言う人もいる。

目次

タワーレコード (米法人) [編集]

創業期 [編集]

ウェスト・ハリウッドのサンセット大通りにあったTower Records。かつてアメリカの旗艦店だった(2006年10月)

タワーレコードはユダヤ系の創業者・ラス・ソロモンRussell Solomon)が1960年にアメリカカリフォルニア州サクラメントに出店したレコード専門店を発祥とする。彼の父親は1939年に開業した映画館「タワーシアター」[1]の建物内で同名のドラッグストアを経営していたが、父の店の中でレコード店を始めたことがタワーの名の由来である。黄色に赤字のロゴはビルボードを意識しているがシェル石油のカラーリングにヒントを得ている。1968年サンフランシスコに進出したタワーは1970年にはハリウッドに出店、さらに全米に店舗網を広げた。 またこの時代に造られた店舗のひとつがアメリカ映画「メカニック The Mechanic 」(1971年製作、チャールズ・ブロンソン主演、マイケル・ウィナー監督)のワンシーンに映り込んでいる。

海外進出 [編集]

日本には1979年にレコード卸業として進出し、翌1980年には日本一号店を札幌に出店、その成功により各国での国際展開に弾みがつくことになった。最盛期はカナダイギリス・日本・香港台湾シンガポール韓国タイマレーシアフィリピンアイルランドイスラエルアラブ首長国連邦メキシココロンビアエクアドルアルゼンチンに展開したほか、全米で89店舗を展開した。これらは米国法人MTS Corporation(アメリカ・カリフォルニア州サクラメント)によって運営されていた。本社名であるMTSの由来はのちの社長になる弁護士である息子の名前Michael T Solomonから。

業績悪化 [編集]

しかし、総合スーパー家電量販店の安売り攻勢でアメリカ国内の業績は悪化し、2002年には日本法人を売却して一時的に大きな収益を得たが、利益の大きな日本の店舗網の喪失でMTS社の業績はさらに悪化した。

2006年8月20日、MTS社が破産を申請(2004年2月以来2度目の破産)。アメリカのタワーレコードを売却する計画があがり、同年10月6日に連邦破産裁判所はグレート・アメリカン・グループへの売却を承認した。

店舗廃業 [編集]

同グループはタワーレコードの資産を全て清算する方針とし、アメリカにおけるタワーレコードの店舗における営業の廃業が決まった。2006年12月下旬まで行われた全米各店の閉店セールでは、什器看板までにも値段がついて、あらゆるものが売りに出された。

日本では、アメリカでのタワーレコードの不振は、音楽配信によって専門店での店頭販売という「音楽」の販売形態が過去のものとなったためであるというニュアンスで報道されたが、音楽配信で音楽を「買う」人は2000年代前半ではアメリカでもまだ少数派であった。倒産の最大の原因は、定価販売をする再販制度がなく、ウォルマートベスト・バイ等の総合ディスカウントショップCDDVDを薄利多売してレコード店の来店客を奪う傾向がここ20年以上続いたためであり、さらに1990年代後半以降はAmazon.com等の通信販売の侵食を受けていたことである。

現在 [編集]

店舗廃業後のタワーはオンライン店舗[2]でCDやDVD、書籍を販売しているほか、日本以外の各国でのフランチャイズを続けている。アメリカ国外ではアイルランド、メキシコ、コロンビア、イスラエル、マレーシア、日本にタワーブランドのチェーンが残っているほか、フィリピンのようにかつてフランチャイジーだった店舗網が別ブランドを名乗っている国もある。

創業者のラス・ソロモンは2007年5月、サクラメント市内のタワーレコード第一号店のあった場所に、「R5 Records[3]という名のレコード店を出店した。2010年5月、ラス・ソロモンはR5 Recordsの営業権をDimple Recordsに売却し、第一線から退いた[1]

なお、日本において「タワーレコード」を展開しているのはアメリカ法人から独立した法人であり、アメリカ法人の身売りによる直接の影響はない。

タワーレコード (日本) [編集]

タワーレコード株式会社
Tower Records Japan Inc.
TOWER RECORDS Shibuya.jpg
タワーレコード渋谷店
種類 株式会社 (日本)
市場情報 非上場
略称 タワレコ、タワー
本社所在地 日本の旗 日本
143-0006
東京都大田区平和島四丁目1番23号
JSプログレビル6F-7F
本店所在地 150-0041
東京都渋谷区神南一丁目22番14号
設立 1981年12月
業種 小売業
事業内容 音楽ソフト・映像ソフトの輸出入・販売など
代表者 代表取締役社長 嶺脇育夫
資本金 65億4574万円(2010年2月28日現在)
売上高 609億円(2009年2月期)
従業員数 535人(2009年3月15日現在)
決算期 2月末日
主要株主 (株)NTTドコモ 50.3%
(株)セブン&アイ・ホールディングス 44.6%
主要子会社 ナップスタージャパン(株)
外部リンク http://tower.jp/
テンプレートを表示
渋谷店
秋葉原店(ヨドバシAkiba内)
大阪マルビル店内にはエフエム大阪のサテライトスタジオが存在する。
姫路店(姫路フォーラス内)
熱田店(閉店)
旧品川オフィス(旧本社)

日本においてはタワーレコード株式会社(Tower Records Japan Inc.)が運営している。前述のとおり2002年に売却されたことから米国法人との資本関係はない。

日本国内ではHMV新星堂などと並ぶ大手の音楽ソフト販売チェーン店である。

TBS系音楽情報番組COUNT DOWN TV』のスポンサーで、リクエストランキング調査もされる(放送は毎月第2土曜日)。

スガシカオCoccoを輩出したインディーズレーベルbounce records」やアイドル専門のインディーズレーベル「T-Palette Records」を有している。

沿革 [編集]

タワーレコード株式会社は、米国・MTS社の日本法人として1981年に設立された。ただしMTS日本支社としての日本進出は1979年で、翌年には日本一号店としてタワーレコード五番街(オーナーは階上に有ったジャズ喫茶やイベンターをしていたBOSSA)という名前の店舗を買収し出店した(札幌市中央区南3条西4丁目の五番街ビル2階)。この日本一号店は現存せず、札幌市内に現存する3店舗およびかつて存在したPRIVY店のいずれとも異なる。直営店の出店と並行して福岡、神戸、大阪、金沢にフランチャイズ展開もしていた。

その後、米国法人の経営不振をきっかけに、2002年10月にMBOによって米国法人から独立(日興プリンシパル・インベストメンツが全株式を取得、タワーレコード株式会社はMTS社から商標権を取得)。2005年11月下旬には、株式会社NTTドコモが株式の約42%を取得し、筆頭株主となった。数年後の株式公開も目指している。

2004年3月にはパルコから同社傘下の大手CDショップWAVEを買収したが、2006年2月に同社の全株式を家電量販店大手のノジマに譲渡した。その後、WAVEは2011年破産した。

2010年3月、セブン&アイ・ホールディングスがシティグループ・キャピタル・パートナーズとアジア・ミュージック・ホールディングス(どちらも投資会社)から発行済み株式の21.58%を取得、持ち分法適用会社とすることを発表。セブン&アイは伊藤忠商事などからタワーレコード株をさらに取得、2011年3月には発行済み株式の44.6%を有し、NTTドコモを抜いて筆頭株主となった。

2012年7月にはNTTドコモがドワンゴから株式を取得し、発行済み株式の50.3%を持つ子会社とした[2]

事業所 [編集]

関連会社 [編集]

  • 株式会社NMNL(2004年2月設立)
    • 通販サイト「@TOWER.JP」の運営などを担当する情報システム部門、フリーペーパー『bounce』『intoxicate』などの制作部門などを分社化した会社。社名は「NO MUSIC, NO LIFE.」のキャッチコピーから、各単語の頭文字を取ったもの。
  • ナップスタージャパン株式会社(2005年10月設立)
    • 同社と米国Napster社、日興プリンシパル・インベストメンツの3社の合弁会社。2006年10月よりサービスを開始したNapster Japanの運営を行ってきたが、2010年5月31日をもって全サービスを終了する[3]

店舗 [編集]

出店を日本で始めた当初はレコード店のイメージがあまり良くなく、また貸してくれる物件も少なく、ましてやテナント等への出店はデベロッパー側からの要請は殆ど無かった。ニッチな市場だった輸入盤のセールスが爆発的人気になってからは出店依頼が相次ぎ次々と出店するようになった。特にテナントでは最上階への出店がシャワー効果を生むと言われ出店は上層階が多い。また広島店(旧店舗)より実験的に国内アーティストを取り扱うようになり1990年9月に出店した当時日本最大級を誇った4フロアー450坪の心斎橋店で本格的に国内アーティストを取り扱いを始めた。 2013年2月現在、山形県山梨県富山県福井県和歌山県鳥取県島根県山口県徳島県を除く38都道府県に88店舗を展開している。従来は都心部での事業展開が主だった(理由は不明だが、この当時からパルコへのテナント出店が多い)が、ここ数年はイオングループやセブン&アイ・ホールディングスのショッピングセンターテナント入居する形で郊外での店舗数を増やす傾向にある。

ビル1棟を丸ごと借り上げた渋谷店を除き、各店舗とも商業施設または商業ビルの1-4フロア(ショッピングセンターでは1フロアの一角)を借り切る形態が多いが、店名に商業施設名を冠した事例は17店舗にとどまり少数派である[4]。いずれも在庫5万枚以上の大規模店舗が基本だが、東京駅八重洲口地下の東京駅一番街内の店舗は「TOWER mini」を名乗る小規模店舗(在庫約13,000枚)である。

閉店・移転した店舗 [編集]

閉店

移転

bounce [編集]

タワーレコード株式会社が発行する無料の月刊音楽情報誌である。(前身はWest Coast News→Vinyl)USではPULSE!と言うタワーレコード発行のフリーペーパーがありインタビューなど提携して掲載されることもあった。

本誌では"NO MUSIC, NO LIFE"をキーワードに、複数の著名人が写るポスターが数種類撮影される。なお、ポスターの被写体は音楽が本業の人物が最低一名いれば良いとされ、宮藤官九郎安めぐみなど音楽が本業でない人物も出演している。これらのポスターをまとめた単行本も出版されている。

隔週で配布される無料誌「TOWER」も発行されている

タワーレコードギフトカード [編集]

第三者型発行者である三井住友カード株式会社と提携し、「タワーレコードギフトカード」を発行している。500円券と1000円券があり、日本国内のタワーレコード店舗で使用することが可能である。

そのほかの決済手段は、現金クレジットカードiDがある。

また、渋谷店ではEdyでの決済が可能である。イオンモール内ではWAONQUICPayと各地域の交通系電子マネー (SuicaICOCAKitacaSUGOCA )とイオンギフトカードが利用可能でありiDもWAON等と同じイオンモール専門店共通の端末を使用している。店舗によって、JCBなどクレジット系のギフトカードが使用可能であったり、クレジットカードの支払い回数が異なる。

ポイントサービス [編集]

買い上げ100円ごとに4ポイントが付与され、「1000ポイント=1000円」単位で次回以降の買い物の際に利用することが可能である。

従来は、競合するHMVとポイント還元率が4%で同等であったが、HMVではポイント制度変更に伴い2009年1月からポイント還元率を1%に引き下げたため、タワーレコードのポイント還元率は業界でも最高水準となっている。ちなみに新星堂は従来から1%のポイント還元である。

関連項目 [編集]

脚注 [編集]

[ヘルプ]
  1. ^ Russ Never Sleeps...Sharing Memories of Tower Records(2010年7月22日)
  2. ^ タワーレコードを子会社化”. 読売新聞 (2012年6月12日). 2012年6月12日閲覧。
  3. ^ ナップスタージャパンのサービス終了に関するお知らせ(2010年3月1日)
  4. ^ 同業のHMVはショッピングセンター名を冠した店舗がほとんどである。

外部リンク [編集]