VOCALOID
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| VOCALOID2 Editor | |
|---|---|
| 開発元 | ヤマハ |
| 最新版 | 2.0.12 (2009年2月9日) |
| 対応OS | Windows XP/Vista |
| 種別 | 音声合成、DTM ボーカルシンセサイザー(歌唱合成) |
| 公式サイト | VOCALOID |
VOCALOID(ボカロイド、ボーカロイド)はヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称[1]。略称としてボカロという呼び方も用いられる。メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる。2009年現在は新バージョンのVOCALOID2がリリースされている。開発元のヤマハ自体はVOCALOID製品を提供しておらず、パソコン向けパッケージについてはライセンス契約を締結した各社がサンプリングされた音声を収録した歌手ライブラリを独自に製作し、ヤマハ製のソフトウェア部分と組み合わせて製品として販売されている[1]。またネットワーク経由で音声合成機能を提供するNetVOCALOIDのサービスも行われている。
なお、VOCALOIDという言葉は一部応用製品に設定されているキャラクターを指すために用いられる場合もある。
目次 |
[編集] 概要
リアルな歌声を合成するためのソフトウェアであり[2]、「実際に収録した人の声を音声ライブラリとして合成するため、より自然な歌声を合成できるほか、ビブラートやこぶしなど歌声に必要な音程変化や抑揚を指定でき、表情豊かな楽曲を手軽に作れるのが特徴[3]」とされる。VOCALOIDにより、DTMにおいて実際に人間の歌声を録音せずともパソコンだけで人間らしい歌声のボーカルパートの作成が可能となっている。なお、VOCALOIDで作成できるのは歌唱のみであり、伴奏などを作成する場合は別のソフトを使用するなどの手段が必要となる。
VOCALOIDの開発は2000年の3月に開始され[4]、2004年にVOCALOID技術を使用した最初の製品が発売、2007年以降はより自然な歌声になるよう改良されたバージョンアップ版のVOCALOID2を使用した製品が販売されている。VOCALOIDの利用目的については当初はバックコーラスのような使い方がメインになるとも想定されていたがメインボーカルへの利用も行われ[5]、特に日本国内においてはVOCALOID2を採用した「初音ミク」が発売された2007年以降ネット上を中心にVOCALOIDをメインボーカルに起用した楽曲が数多く発表されるようになり、そうした中の人気楽曲からメジャーレーベルから発売されるものも現れるなど一つの楽曲文化の様相を見せるようにもなっている[6]。また、2009年以降はネットワーク経由で音声合成機能を提供するNetVOCALOIDの技術を使用した携帯電話向けサービスなど、パソコンでの音楽製作以外の用途へのVOCALOID技術の利用も行われている。
[編集] 名称の由来
VOCALOIDという名称は、「vocal(ボーカル)」に「oid」を組み合わせて作られた造語である。「oid」は「human(人)」と組み合わせれば「humanoid(ヒューマノイド)」、ギリシャ語で男を意味する「andr」と組み合わせれば「android(アンドロイド)」となる「~のようなもの」「~状の」という意味の接尾辞で、VOCALOIDについては「ボーカルのようなもの」といった意味となる[4]。
ただし、名称の由来とは別に「ボーカル・アンドロイド=VOCALOID(ボーカロイド)」という説明が行われている場合[7]もある。
[編集] 技術
VOCALOIDでは実際の歌手から歌声を録音し切り出した歌声の素片を周波数領域(周波数ドメイン)で接続、加工することで歌声を合成する。合成の際、ビブラートなどの表情の情報を楽譜情報に加えることでリアルな歌声が作られる[8]。なお、VOCALOIDの合成技術の名称は「周波数ドメイン歌唱アーティキュレーション接続法( Frequency-domain Singing Articulation Splicing and Shaping)」という名前で発表されている[2]。この名称の「歌唱アーティキュレーション」については「ビブラートや音の断片など歌唱に必要な“声の表情”」として説明されている。ただし、2009年現在、この「周波数ドメイン歌唱アーティキュレーション接続法」という名称はヤマハのVOCALOID公式サイト[9]などでは使用されていない。
なお、VOCALOIDは歌を作成することを前提に開発されたソフトであるため文章の読み上げには対応していない[10][注 1]。また歌唱に係わる表現でも、だみ声やシャウトなどを自然に再現することは出来ない[12]。
[編集] システム構成
VOCALOIDのシステム構成をVOCALOID2を例に説明する。大きく分けてユーザーが歌詞やメロディなどを入力する「スコアエディタ(VOCALOID2 Editor)」、音声素片を収録した「歌手ライブラリ」、音声素片を連結して歌声を合成する「合成エンジン」の三要素で構成される。「スコアエディタ」に入力された情報が合成エンジンに送られ、合成エンジンが「歌手ライブラリ」から適切な音声素片を選び出し、接続して出力する流れとなる。ヤマハの提供部分である「スコアエディタ」と「合成エンジン」についてはVOCALOID2同士であれば基本的に製品ごとの違いは無いため、既にVOCALOID2製品がインストールされているパソコンに別のVOCALOID2製品をインストールする場合はライブラリの追加だけで使用可能となる。日本語と英語の二言語に対応。スタンドアローン(再生、WAVファイルに書き出し)及び、ReWireアプリケーション又はVSTiとしてDAW等から使用も可能となっている。
- スコアエディタ(Score Editor)
- ユーザーが入力を行う部分。
- 音符はピアノロールスタイルで入力し、歌詞はピアノロールの音符の中に入力する。日本語用のライブラリを使用する場合は平仮名、片仮名もしくはローマ字を用いて五十音で歌詞を入力。英語用のライブラリでは英単語を入力し、内部の発音辞書により自動的に発音記号に変換される。発音辞書に登録されていない単語は発音記号を直接編集する。日本語用のライブラリと英語用のライブラリでは歌詞の入力方法は異なるが、プラットホームが同じであるためVOCALOID2同士であれば日本語版のスコアエディタでも英語用のライブラリを読み込ませることも出来、逆も可能。歌詞の入力は上記のようにライブラリ依存となっているため、日本語版のスコアエディタと英語版のスコアエディタの違いはメニューの表示のみである。
- スコアエディタは歌声に表情付けを行うための各種パラメータを備えており、歌声を作成する際はこうしたパラメータを調整し曲にあわせた加工を施すことが前提となっている[13]。
- ReWireに対応しておりDAWと同期可能。あらかじめ歌詞を入力しておきMIDIキーボードを使ってリアルタイムに歌を「演奏」することも出来る。
- 歌手ライブラリ(Singer Library)
- ヤマハからライセンス供与を受けた各社の担当部分で、人間の声からサンプリングした音声素片(歌声の断片)を含むデータベース。
- 音声素片は、音(音素)が変化する際の移り変わりの部分で(二音素連鎖)と、伸ばし音が収録されている。例えば、「さーいーたー」([sa i ta])という歌詞を合成する場合は、二音素連鎖「#-s,s-a,a-i,i-t,t-a,a-#」(#は無音を示す)と母音の伸ばし音「a,i」を用い、これらを接続して歌声が作られる。これら音声素片は合成する際に入力されたメロディに合うピッチ(音高)に変換されるが、より自然な合成を得られるよう歌手ライブラリには異なるピッチのものを複数用意している[14]。1ピッチあたりの二音素連鎖は日本語用ライブラリでは約500個、英語では約2500個収録している[15]。この違いは言語の特性の違いによるもので、日本語の二音素連鎖が少ないのは日本語の音素の数が少ないことと、音節がほとんどの場合開音節(母音で終わる音節)であるためである。日本語の子音を含む二音素連鎖では基本的に「無音-子音」「母音-子音」「子音-母音」という組み合わせのパターンとなるが、英語の場合は閉音節(子音で終わる音節)も多く存在し、「子音-子音」や「子音-無音」といったように組み合わせのパターンも多くなるため、日本語用ライブラリに比べ収録しなければならない二音素連鎖の数も多くなる。また、このような違いがあるため、日本語用ライブラリで英語の歌詞を発音させるといったような使用は適さない。
- 合成エンジン(Synthesis Engine)
- スコアエディタに入力された情報を元にライブラリから音声素片を選び出し、周波数領域でピッチ、音色などを調整、連結して歌声に合成する。
- エディタに入力された情報はVOCALOID MIDIという専用のMIDIメッセージを用いて合成エンジンへ送られる。DAW等からVOCALOIDをVSTiとして使用する場合は、製品に同梱されているVSTプラグインを用いてスコアエディタを介さず合成エンジンへ直接VOCALOID MIDIメッセージを送る形となる[16]。合成エンジンに送られたVOCALOID MIDIメッセージは合成用の楽譜情報に変換される。子音+母音の音節の場合は音符の位置と実際の発音の開始位置にずれがあり音符の位置より早く発音が始まるため子音ではなく母音の開始位置を音符の位置と合わせるようタイミングが調整される。入力された音符とアタック、ビブラートのパラメーターを元にピッチの変化も計算され、これらの情報を元にライブラリから必要な音声素片が選択される。
- 合成する際は音声素片のピッチの変換を行うが、ピッチを調整しただけでは同じ音素であっても音声素片毎に音色に違いがあることから、音色の合わせこみも行う。伸ばし音部分では前後の二音素連鎖の末端部のスペクトル包絡に合わせ伸ばし音のスペクトル包絡の変化を決定し、ピークの強度を調整することで音色の突然の変化が生じないようにする。周波数領域でピッチ、音色といった調整がされた後、逆高速フーリエ変換(IFFT)などの処理を行い、合成音声が出力される。
[編集] 新旧の違い
初代のVOCALOIDとVOCALOID2の間には互換性がなく、同一のエディタ上で使用することは出来ない。音声素片を組み合わせて歌声を合成するシステムであることは変わらないが、合成エンジンが完全に入れ替えられているほか[17]、ユーザーからの意見も取り入れつつエディタのインターフェースを一新[18]、歌手ライブラリの音声もよりリアルな音声が実現できるようにそれまでノイズとしてカットしていた息遣いなどを原音のまま生かし、ハスキーな歌声にも対応できるようになっている[14]。
[編集] ライブラリの収録
歌手ライブラリの音声素片は必要な音素の組み合わせを効率的に採取するために作られた専用の歌を録音し、そこから必要な部分を切り出して作成される。歌詞は特に意味の無い「呪文」のようなものだという[19]。英語用のライブラリでは日本語に比べ必要な音声素片が多いことから、必要とする録音も多く、データベースの容量も大きくなる[20]。なお、亡くなった歌手の声からライブラリを作るといったことは、ボーカルのトラックだけで、かつ必要な音素がそろった録音が必要であることから基本的に出来ない[21]。
VOCALOIDのライブラリを作成するには歌声の提供を受ける必要があるが実際には歌手の協力は得られにくく、VOCALOID製品への歌声の提供者では初めて名前を明らかにした歌手ミリアム・ストックリーも自身の歌声の提供を決めるまで2、3カ月かかったことを明らかにしている[22]。日本国内のメーカーについても、クリプトン・フューチャー・メディア社ではキャラクター・ボーカル・シリーズに歌手でなく声優を起用することになったきっかけとして歌手の起用がうまくいかなかったことをあげており[23]、またインターネット社でもがくっぽいどに続く第二弾の企画において歌手の起用が難航していたことが伝えられている[24]。
[編集] パソコン向けパッケージ
2009年現在、パソコン向けのパッケージ製品はZERO-G(イギリス)、クリプトン・フューチャー・メディア、PowerFX(スウェーデン)、インターネット、AHSの日本国内外5社から発売中あるいは発売予定となっている。
[編集] ZERO-G製製品
日本国内での販売についてはクリプトン・フューチャー・メディア社が代行している。また、ZERO-G社のウェブサイトまたは各ソフトの公式サイトでダウンロード販売も行っている。
- LEON - 英語/男声
- LOLA - 英語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID
- 発売日:NAMM 2004 Winter (2004年1月15–18日)にてリリース(日本国内2004年3月3日)
- LEONとLOLAはVOCALOIDエンジンを使用した初めての製品。音声を担当した歌手はイギリスのプロのセッション・シンガーとされるが、名前は明らかにされていない[22]。パッケージには男女の口周りの写真があるだけで具体的な人物像は描かれていない。
- MIRIAM - 英語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID
- 発売日:2004年7月1日[25](日本国内2004年7月26日[26])
- アディエマスのヴォーカル、ミリアム・ストックリーが音声を担当、パッケージにも描かれている。
- PRIMA - 英語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2008年1月14日[27](日本国内2008年2月22日[28])
- ソプラノ歌手の声を収録したクラシックシンガーで、高域に魅力のある声が特徴とされる[29]。英語用のソフトではあるがデモ曲にはイタリア語やフランス語のものも用意されている[29]。
- SONIKA - 英語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2009年7月15日(日本国内2009年8月7日)
- 甘く澄んだ(sweet and pure)声が特徴とされ、サンプリング音声に起用されているのは「歌手」や「声優」ではないという。パッケージには緑色の髪に黄色い服を着た少女のキャラクターが描かれており、これまでのZERO-G社製品とは一線を画したものとなっている。
[編集] クリプトン・フューチャー・メディア製製品
- MEIKO - 日本語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID
- 発売日:2004年11月5日
- VOCALOID日本語ライブラリの第1弾。ポップス、ロック、ジャズ、R&B、童謡まで幅広く歌いこなすとされる。拝郷メイコ(元ヤマハミュージックコミュニケーションズのシンガーソングライター)が音声を担当。パッケージには拝郷メイコ本人ではなく、赤い服を着た女の子のイメージイラストが描かれている。初年度で約3,000本を売り上げ、発売当時におけるDTM市場では異例のヒット商品となった。
- KAITO - 日本語/男声
- 使用エンジン:VOCALOID
- 発売日:2006年2月17日
- VOCALOID日本語ライブラリの第2弾。声質は伸びやかで清涼感が有り、POPSを始めとした歌謡曲~童謡までをオールマイティにこなすとされている。スタジオ・ミュージシャンの風雅なおとが音声を担当。パッケージには青いマフラーに白い服を身にまとった青い髪の男性が描かれている。発売当時は売り上げが伸び悩み、MEIKOの売れ行き3,000本に対して出荷数500本と、MEIKOの実績から見ると明らかな失敗に終わったとされたが、初音ミクのヒットでVOCALOIDが注目されるようになってからはKAITOの人気も上昇し、2007年末以降売り上げを大きく伸ばしている。
- 初音ミク- 日本語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2007年8月31日
- バーチャルアイドル歌手をプロデュースするというコンセプトの「キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)」第1弾。パッケージにはアニメ調のキャラクターイラストが使用されており、16歳の少女という設定がつけられている。得意ジャンルはアイドルポップス / ダンス系ポップス。サンプリング音声は声優・藤田咲が担当。新エンジンの採用、キャラクターの人気などにより発売から約1年で4万本以上を出荷する大ヒット商品となった[30]。
- 発売から2年が経過した2009年には、表現の幅を広げるため様々な声色を実現する追加ライブラリの提供の予定が発表され[31]、商品化に先行してアップデート用ライブラリの開発過程で作られたベータ版ライブラリの音声がアルバム『Hatsune Miku Orchestra』、DVD『BLACK★ROCK SHOOTER -PILOT Edition-』の収録曲に使用されている[32][33]。
- 鏡音リン・レン- 日本語/女声・男声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2007年12月27日
- 「キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第2弾。女声の鏡音リンと男声の鏡音レン、2つ併せて一つの製品としている。初音ミクと同じくパッケージにアニメ調のキャラクターイラストが使用されており、14歳の少年少女という設定がつけられている。得意ジャンルは、鏡音リンはエレクトロ&ロック系ポップス/歌謡曲~演歌系ポップス、鏡音レンはダンス&ロック系ポップス/歌謡曲~演歌系ポップス。サンプリング音声は声優・下田麻美が一人二役で担当している。2008年7月に "Act2" と銘打ったライブラリアップデートが行われた。
- 巡音ルカ - 日本語・英語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2009年1月30日
- 「キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第3弾。パッケージはキャラクターイラスト、20歳女性という設定となっている。日本語と英語、二つのライブラリを収録した日英バイリンガルで、得意ジャンルはラテン・ジャズ~エスノ系ポップス、ハウス~エレクトロニカ系ダンスとされている。サンプリング音声は英語に堪能な声優の浅川悠が担当。
[編集] PowerFX製製品
日本国内での販売についてはクリプトン・フューチャー・メディア社が代行している。
- SWEET ANN - 英語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2007年6月29日[34](日本国内2007年9月21日[35])
- VOCALOID2エンジンを搭載した最初の製品。ポップシンガーであり、ダンスミュージック等を想定している。MySpaceのプロフィールではスウェーデン人となっている(Sweet Ann - MySpace)。PowerFX社は「人造人間」的なイメージ戦略をとっており[36]、SWEET ANNのパッケージには首に縫い目のある金髪で小麦色の肌の女性のイラストが描かれている。
- BIG-AL - 英語/男声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:発売未定
- 低音を特徴としている。発売予定は未定だが紹介サイトではデモソングが公開されている。
[編集] インターネット製製品
- がくっぽいど - 日本語/男声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2008年7月31日
- VOCALOID2エンジンでは男性の声を元にした最初の製品。ボーカリストGACKTの声をサンプリングしており、GACKTの声質をリアルに再現することが重視されている。パッケージには漫画家の三浦建太郎のデザインによるイメージキャラクター「神威がくぽ」のイラストが使用されている。
- Megpoid - 日本語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2009年6月26日
- Megpoid(メグッポイド)は歌手で声優の中島愛の声をベースとした製品。パッケージには漫画家のゆうきまさみのデザインによるイメージキャラクター「GUMI」のイラストが描かれている。
[編集] AHS製製品
- 氷山キヨテル - 日本語/男声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2009年12月4日予定
- 氷山キヨテル(ヒヤマキヨテル)は「ボカロ先生」と銘打った製品で、VOCALOIDの開発にかかわった男性歌手(氏名非公表)の歌声を元に作られている[37]。パッケージにはメガネをかけ背広を着た青年教師のイラストが用いられている。ネクタイピンのデザインはヤマハのサイレントベース「SLB100」がモチーフ[37]。
- 歌愛ユキ - 日本語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2009年12月4日予定
- 歌愛ユキ(カアイユキ)は「ボカロ小学生」と銘打った製品で、実際の小学生の女の子の歌声をサンプリングしており、女の子の持つ歌声をリアルに再現することができるとされる[37]。パッケージには氷山キヨテルの生徒という設定の、赤いランドセルを背負った小学生児童のイラストが用いられている。ランドセルにはヤマハのウインドシンセコントローラ「WX5」が収められている[37]。
- SF-A2 開発コード miki - 日本語/女声
- 使用エンジン:VOCALOID2
- 発売日:2009年12月4日予定
- アーティストエディション01と銘打たれた、歌手のフルカワミキの歌声をサンプリングして作られた製品。フルカワミキの歌声を忠実に再現し、音域が広いことが特徴とされる[37]。パッケージのキャラクターのデザインは漫画家のコザキユースケ[38]。
[編集] パッケージ化されていない歌手ライブラリ
VOCALOIDの歌手ライブラリにはパソコン向けパッケージとして提供されているもの以外にも、一般向けに提供されていないもの、商品化が未定のものも存在する。ヤマハによるVOCALOID開発の際には歌手のみならず開発者自身の声をサンプリングするなどといったことも行われており[5]、当時のヤマハの専務の声をサンプリングした音源も作られている[39]。以下はパッケージ製品として提供されていない音声のうち利用実績あるいは利用の予定が明らかにされているもの。
- 電機・ITの国際見本市「CEATEC JAPAN 2009」に出展された産業技術総合研究所開発の女性型ヒューマノイドロボット「HRP-4C未夢(ミーム)」のデモに、声優の中村繪里子の声をサンプリングして作られたライブラリ「CV-4Cβ」が使用された[40]。このライブラリは元々クリプトン・フューチャー・メディアのキャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)として試作されていたものであるが、2009年10月現在、CVシリーズのパッケージ製品としての発売は予定されていない[41]。なお、「CV-4Cβ」という名前は「HRP-4C」からつけられたものである[40]。
- 2010年発売予定のゲームソフト『メタルギアソリッド ピースウォーカー』におけるNetVOCALOID技術の利用が発表されており、そのためのライブラリの制作が行われている(詳細は#ゲームへの応用を参照)。
- クリプトン・フューチャー・メディア社は、「声とそれにまつわる印象や環境にフォーカスを当てる」というコンセプトの下、「Project if...」と称する企画を展開しており、その第一弾として「ミュージカルの訓練を受けた7歳の女児」の声を元にしたデモが公開されている[42]。
- 2009年11月4日に法政大学学園祭で開催されたイベント「VOCALOID on STAGE@Hosei University」において、同イベントの司会を務めたラジオパーソナリティの鷲崎健の声を元にした合成音声が公開されている[43]。同イベントの開催前に収録した音源を使い、クリプトン・フューチャー・メディア社によって即席で制作されたもので、「鷲音ザキ」と名づけられた[43]。
[編集] NetVOCALOID
NetVOCALOIDは、サーバ上にVOCALOIDを実装し歌声合成機能をネットワークを介して事業者向けに提供するSaaS型のサービス。ヤマハの社内プロジェクト「Y2プロジェクト」の一環として提供が行われているもので、一般ユーザー向けのサービスはヤマハ自体ではなく提供を受けた事業者が行い、入力内容は事業者によってNetVOCALOIDサーバへ送られ歌声の合成が行われる[44]。インターネットにつながっている機器であればVOCALOIDの機能を提供出来、スペックの低いパソコンや、携帯電話やゲーム機といった機器からVOCALOIDを利用するサービス[44]、インターネット上のアバターに歌を歌わせる、ロボットへの応用、広告への利用といった展開も可能とされる[45]。
[編集] 携帯電話向けサービス
NetVOCALOIDを活用した携帯電話向けサイトとして、インターネット社の「ケータイがくっぽいど」、クリプトン・フューチャー・メディアの「ミクと歌おう♪」が2009年4月9日に開設され[46]、それぞれ携帯電話を通じて「がくっぽいど」、「初音ミク」の歌声を利用できる。また、2009年9月9日に開始されたKDDIの携帯電話ブランド「iida」の期間限定のユーザー参加型キャンペーン「iida calling 2」でも、NetVOCALOIDによる合成音声(男声と女声の二通り、音声の提供者等は明記されていない)が利用されている[47]。いずれのサービスも、携帯電話から歌詞をテキスト入力すると、あらかじめ用意された楽曲に合わせた合成音声が生成されて曲が完成し、これを着うたなどに利用できるものとなっている[46][48]。
[編集] ゲームへの応用
2010年にコナミから発売予定のプレイステーション・ポータブル専用ゲームソフト『メタルギアソリッド ピースウォーカー』のボスキャラクターの音声に、女優の菊地由美の声をサンプリングしたオリジナルの音声ライブラリが制作され[49]、日本国外向けの製品のために英語版のVOCALOID音源も用意されることが発表されている[50]。 プレーヤーが自ら作成した歌を歌わせる機能の搭載も予定[50]。NetVOCALOIDのサーバはコナミ側のこのゲーム専用のサーバシステム内に設置され[50]、各ゲーム機端末へデータがダウンロードされる。
[編集] VocaListener
VocaListener(ボーカリスナー)は産業技術総合研究所で研究されている、歌声を入力に用いてVOCALOIDのパラメーターを設定し合成歌唱を作り出すことのできるシステム。略称は「ぼかりす」。入力された歌唱からパラメーターを推定し、更に合成歌唱と元の歌唱とを比較しながらパラメータの再調整を繰り返すことで歌手ライブラリごとの特性などによらず元の歌唱の歌い回しを真似た合成歌唱を得ることができる。元となる歌唱の音高や歌唱スタイルを調整する機能も備えており、ユーザーの歌唱力が低い場合やユーザが歌唱できない表現にも対応する。なお、VocaListenerについては2008年5月28日の第75回音楽情報科学研究会での発表に先立つ同年4月28日に、動画投稿サイトニコニコ動画にてVocaListenerを用いて作成された歌声が公開され、その人間が歌っているかのような自然な歌声が話題となった[51]。
VocaListenerの利用としては、NetVOCALOIDと同じヤマハのY2プロジェクトの一環として簡易版のVocaListenerの機能をネットワーク経由で提供するサービス「Netぼかりす」の開発が進められている[52]。
[編集] 年表
- 2000年
- 3月 - ヤマハ、VOCALOIDの開発を開始[4]。
- 2003年
- 2月26日 - ヤマハ、VOCALOIDを発表[2]。
- 2004年
- 2005年
- 6月 - ヤマハ、VOCALOIDのエンジンをVer1.1 へバージョンアップ[53]。
- 2006年
- 2月17日 - クリプトン・フューチャー・メディア、「KAITO」を発売。
- 2007年
- 2008年
- 2009年
- 1月30日 - クリプトン・フューチャー・メディア、「巡音ルカ」を発売。
- 4月7日 - ヤマハ、NetVOCALOIDのサービス開始を発表[44]。
- 4月9日 - NetVOCALOIDを利用した携帯電話向けサイトとしてインターネットの「ケータイがくっぽいど」、クリプトン・フューチャー・メディアの「ミクと歌おう♪」開始[46]。
- 6月26日 - インターネット、「Megpoid」 を発売。
- 7月15日 - ZERO-G、「SONIKA」を発売(日本国内での発売は8月7日)。
- 9月9日 - KDDIの携帯電話ブランド「iida」のNetVOCALOIDを利用した期間限定のキャンペーン「iida calling 2」開始。
- 12月4日 - AHS、「氷山キヨテル」、「歌愛ユキ」、「SF-A2 開発コード miki」を発売予定。
[編集] 関連項目
- 音声合成
- デスクトップミュージック (DTM)
- キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)
- ソフトウェア・シンセサイザー
- UTAU
- VOCALOIDの派生キャラクター
[編集] 注釈
[編集] 参考文献
- 剣持秀紀「歌声合成とその応用」、『情報処理』Vol.2009,No.8、情報処理学会、2009年8月、723-728頁。
- 剣持秀紀、大下隼人「歌声合成システムVOCALOID--現状と課題」、『情報処理学会研究報告』Vol.2008,No.12、情報処理学会、2008年2月、51-56頁、ISSN 0919-6072。
- 剣持秀紀「歌声合成技術とVOCALOID」、『ヒューマンインタフェース学会誌』Vol.10 No.2、ヒューマンインタフェース学会、2008年5月、95-98頁、ISSN 1344-7254。
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- ^ “VOCALOID“神調教”技術「ぼかりす」実用化へ、ヤマハと産総研が連携”. ITmedia News (ITmedia). (2009年4月27日) 2009年10月7日 閲覧。
- ^ “さらに自然なバーチャル・ボーカルに”. DTMマガジン. (2005年6月16日) 2009年11月14日 閲覧。
- ^ “NAMM発表製品情報続々!”. DTMマガジン. (2007年1月15日) 2009年11月14日 閲覧。
[編集] 外部リンク
- VOCALOID
- Y2 PROJECT
- ZERO-G(英語)
- クリプトン・フューチャー・メディア
- POWER FX(英語)
- インターネット
- AH-Software
- H. Kenmochi & H. Oshita "VOCALOID – Commercial singing synthesizer based on sample concatenation", Interspeech 2007 (英語)PDF (213KB)
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