USBメモリ

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一般的なUSBメモリの内部

一般的なUSBメモリの内部

  1. USBコネクタ
  2. USBコントローラ
  3. テストポイント
  4. フラッシュメモリチップ
  5. 水晶振動子
  6. 発光ダイオード(アクセスランプ)
  7. ライトプロテクトスイッチ
  8. 二つ目のフラッシュメモリチップ(この写真では未実装)

USBメモリ(ユーエスビーメモリ、英語USB flash drive)とは、Universal Serial Bus (USB) を用いてコンピュータに接続してデータの読み書きを行う補助記憶装置のうち、USBコネクタがケーブルを介さず直接本体についている形状のものである。典型的な製品の大きさは、長さ数センチメートル、幅と厚さはUSB A端子より若干大きい程度である。

目次

[編集] 概要

さまざまな USB メモリ
寿司型 USB メモリ

USB規格には、USB Mass Storage Class(USBマスストレージクラス)という補助記憶装置を接続するための仕様があり、このクラスに対応した機器及びオペレーティングシステム (OS) であれば、特別なドライバを改めてインストールすることなく、装置をUSBコネクタに接続することで直ちに補助記憶装置として認識することができる。この仕組みを用いたのが、USBメモリである。

データの記録にはフラッシュメモリが使われており、記憶容量は2009年(平成21年)現在、数MBから最大256GB[1]までさまざまである。 フロッピーディスクMOCDDVDの様に専用のドライブ装置を必要としないため利便性が高い、モーター回転部などの駆動部がないため衝撃に強い、小型で可搬性に優れる、という特徴を持つ。

2004年(平成16年)前後から急激にシェアを伸ばし、SDメモリーカードとともに持ち歩ける大容量フラッシュメモリの主力として用いられている。補助記憶装置としての機能面で製品の差別化を図ることが難しいため、データの読み書き速度を向上させた製品や、セキュリティ確保のために指紋認証機能を備えた製品、デザインに趣向を凝らした製品が登場している。近年では食品やキャラクターなどをかたどったデザインのUSBメモリが数多く登場し、話題になることも少なくない。またUSB端子を保護するためのキャップが付いている製品も多いが、近年ではキャップの代わりにUSB端子をスライドさせるキャップレスタイプも登場している。

パソコンのデザインや、その設置場所・設置方法によっては手を伸ばしやすい位置にUSBポートを装備していないこともあるため、使いやすさを確保するために延長ケーブルが付属する場合もある。

USBメモリには、読み書きの最中に点滅するアクセスランプがある製品と無い製品の2つがある。特に廉価モデルはアクセスランプが無い為、取り出すときは注意が必要である。

[編集] メモリ容量

  • 2000年(平成12年): 16MB、32MB、64MB、128MB
  • 2002年(平成14年): 256MB
  • 2003年(平成15年): 512MB
  • 2004年(平成16年): 1GB
  • 2005年(平成17年): 2GB、4GB
  • 2006年(平成18年): 8GB
  • 2007年(平成19年): 16GB
  • 2008年(平成20年): 32GB、64GB
  • 2009年(平成21年): 128GB、256GB

[編集] 対応環境

USB Mass Storage Classが実装された OS は多く普及し、インストール台数ベースでは対応したOSが多くなった。Windowsシリーズでは、Windows MeWindows 2000以降で標準で対応する。Windows 98では単体で対応していないが、USBメモリを製造するメーカーが提供する専用のドライバをインストールすることによって使用可能な場合もある。

一方でWindows 95ではUSBを扱えるOSR2以降のバージョンであっても、Windows 98と違い、専用ドライバが用意されることはまず無かった。USBをサポートしない初期バージョンを含むWindows 95や、Windows NT、もしくはUSBインターフェースを持たないPDA等の環境においてUSBメモリにアクセスするには、ネットワーク共有を介す方法や、かつて挑戦者から発売されていたUSBマスストレージデバイスをコンパクトフラッシュとして変換するアダプタ[2]を使ってPCカードATAデバイスとして認識させる方法があった。またアイ・オー・データ機器では一部の同社製USBインターフェースについて特殊なSCSIドライバを用意していた時期があり、Windows 95やNT4.0からでも一部のUSBマスストレージ機器(ただし同社製のみ)を扱えるようにしていた[3]

Macintoshでは、Mac OS 8.6でアップルが提供しているUSB Mass Storage Support 1.3.5 をインストールすることで利用可能となり、Mac OS 9以降で標準で利用可能である。

LinuxUNIX(例. FreeBSDSolarisほか)の最近の版でも対応し、USBメモリをブロックデバイスとして用いる事が出来る。

多くのOSでサポートされ簡便に使えることや、USB 2.0環境の普及、近年のフラッシュメモリの大容量化、低価格化に伴い、データを持ち運ぶ補助記憶装置としてフロッピーディスクを代替して広く普及した。また、多くのOSや機器ではFATファイルシステムをサポートしており、異なるOSや機種の間でデータの交換が可能である。ゲーム機のプレイステーション3も画像・音声・動画ファイルの再生やコピーに対応するほか、Xbox 360においてもセーブデータ記録領域として利用が可能である。USB端子を備えたミニコンポAVアンプなどの音響機器DVDプレイヤーデジタルフォトフレーム等でもUSBメモリ内のファイルを再生可能なものがある。

[編集] 用途

2004年(平成16年)前後から急激に普及をみせ、SDメモリーカードとともに持ち歩ける大容量フラッシュメモリの主力として用いられている。データを保存する用途に加えて下記のような使われ方がある。

OSのブートデバイス
HDDの代わりにUSBメモリを起動ディスクとして、そこにOSをインストールして用いる方法である。PCのBIOSがUSBブートに対応している場合にこの方法を使える。UNIXLinux等はUSBにOSをインストールすることができる。
Windowsは公式にはUSBへのインストールをサポートしていないが、サードパーティーの提供するソフトウェア[4]を使用することで、WindowsがインストールされたパソコンのOSをUSBメモリにコピーしたり、Windows XPWindows VistaのインストールディスクからUSBメモリにOSをインストールし、そこからブートできるようになる。ただしこの場合使用が可能なのはインストールしたパソコンのみで[5]、他のPCに挿しても起動できない。
アプリケーションのインストール
OpenOffice.org Portable(オフィス)、Firefox Portable(ブラウザ)などのアプリケーションをUSBメモリにインストールし、HDDに影響を及ぼすことなく実行できる。
ライブファイルシステムのインストール
KNOPPIXなどのライブファイルシステムをUSBメモリにインストールして使用する。
パソコンのハードディスクに変更を加えずに、オペレーティングシステムを起動できるライブファイルシステムの特徴に加え、書き込み可能な点を活かして個人情報・環境・データを記憶しておくことで、どのPCにおいても、その環境に影響を与えることなく、自分の使い慣れた利用環境で作業することができる。
ソフトウェアの頒布媒体
商用アプリケーションを頒布する媒体として、CD等の光学ディスクではなくUSBメモリを用いる。
光学ドライブを搭載しないネットブックなどが普及したことで、アプリケーションソフトウェアを販売する媒体として用いられる様になった。2008年(平成20年)秋にこの頒布方法が始まり[6]、以降、普及を見せている。光学ドライブが不要なほか、光学ディスクを媒体とするのに較べて店頭の陳列スペースを取らない、USBメモリの空き容量をユーザーが活用できる、ダウンロード販売と比較してネット環境が制約されるユーザーにも提供できる特長がある。反面、光学ディスクやダウンロード販売に比べてコストは高くなる。
キャッシュメモリ
USB2.0以降のインターフェースを持つ高速USBメモリの記憶領域をHDDに対するキャッシュメモリとして使用し、HDDのデータの一部をUSBメモリに格納してHDDアクセスを高速化することが可能である。ReadyBoost機能を搭載したWindows Vista以後のOSで使用できる。また、ReadyBoostを搭載していないOSでも同様の機能を付与するサードパーティー製ソフトも発売されている。
ドングル
ソフトウェアアクティベーションの手段として用いられるドングルと呼ばれるデバイスの代わりにUSBメモリを用いる。アクティベーションに必要な情報を保存しておいたり、USBメモリのID情報(製品型番、製造番号など)をアクティベーション情報に用いる。

[編集] 欠点

USBメモリは、その原理あるいは性質上、情報を長期に渡って保存したり、書き換え頻度の高い用途での使用には適さない記録媒体である。

書き換え回数の制約
使われているフラッシュメモリはその原理上、消去や書き込みの際に絶縁体となる酸化膜を電子が貫通して酸化膜を劣化させるので、書き換え回数に制限がある。フラッシュメモリ、特にUSBメモリや安価なFlash SSDで使用されるマルチレベルセル(MLC)タイプの 素子の書き換え上限回数は、ハードディスクのそれに対して遠く及ばない。そのため、書き込み操作の頻度が高いと、早期に寿命を迎え正常に読み書きできなくなる(フラッシュメモリの記事も参照)。これを回避するために、内部で同じ場所に繰り返し書き込むことを避ける処理が行われ(ウェアレベリング)、書き込むデータ量が同じであるならば、大容量の製品を使った方が、長く持つ。
保存期間の制約
同じくフラッシュメモリのデータ保持期間には制限がある。書き込みを繰り返したメモリほど酸化膜が劣化してデータの保持期間が短い。
コネクタの制約
USBメモリの抜き差しを繰り返すと、ゲーム機器などのROMカセットと同様に、USBポートとメモリ側の端子は摩耗したり、ポート側にガタが生じる場合がある。最近は、USBメモリを利用した、パスワード管理機能を利用する場合もあり、当然ログオンなどをするたびに抜き差しするため、大手パソコンメーカーは、一部のポートに1万回は抜き差しに耐えられるポートを採用する傾向にある。
電子部品の制約
データ記録用のフラッシュメモリを含め、製品そのものが電子部品の集合体(精密機器)であることから、異常な高電圧がかかった場合や、静電気または落雷の影響など電気的な要因により容易に故障し、保存した情報を喪失する場合がある。たとえフラッシュメモリそのものは故障していない場合であっても、高電圧の印加や水没などで周辺回路が故障すれば使用不能に陥いる。また、小型化のために高密度で実装し基板のパターンも細かく、故障した部品を交換するのは困難である。
ファイルシステムの制約
共通のファイルシステムとして使用されているFAT32では1ファイルの長さが4GBに制限される。空き容量があっても4GB以上のサイズを持つ大きなファイルは書き込めない。なお、大容量の製品ではexFATを利用することでファイル長が16EiBまで利用可能になるが、この場合はWindows環境で利用できるほか、exFATのライセンスを得たデジカメなどの電子機器で利用できる。あるいはNTFSでフォーマットしなおせばWindows環境や、NTFSをマウントできるOSで利用できる。
データ転送速度の制約
USBメモリに広く使われるフラッシュメモリはマルチレベルセル (MLC) で、シングルレベルセル (SLC) より書き換え回数や転送速度が制約されるが、転送速度についてはチップを複数搭載して並列化することで向上させることが可能である。一方USBのインターフェースの転送速度の制約も受ける。2011年(平成23年)時点で主流であるUSB2.0ではおよそ20MB/s強である。USB3.0ではより高速に転送できる。

[編集] 危険性

セキュリティ面での課題を示す。

[編集] 情報漏洩

USBメモリは小型で持ち運びが容易であり、便利な記憶装置であると同時に紛失や盗難の危険性が高く、顧客の個人情報漏洩など、保存しておいた機密情報の漏洩に繋がりやすい。それを防止するセキュリティ対策が施されている製品もある。

暗号化ソフトの提供
暗号化ソフトを、CD-ROMの形で添付したり、WEB上のサポートページを介してダウンロードさせたり、USBメモリの記憶領域内に置いて提供する。
デバイスのロック
デバイスのロック機能をあらかじめUSBメモリに組み込んだ製品もある。接続時に認証(パスワードの入力など)をパスしないと、内部の情報にアクセスできない仕掛けとなっている (IEEE 1667)。また、指紋認証を利用した製品も出ている。
揮発性フォルダ
記憶領域の一部に揮発性フォルダを設置する。この中に保存したデータは、一定期間、あるいは一定回数使用時に、自動的に消去する。

[編集] コンピュータ・ウイルス

USBメモリを介したウイルスの伝播が問題となる。WindowsにおいてUSBメモリのアイコンをダブルクリックしたり、あるいは自動実行が設定されているパソコンにUSBメモリを挿入した場合、USBメモリのルートフォルダに置かれた "autorun.inf" が参照され、特定のアプリケーションが実行される。この仕組みが悪用され、USBメモリを媒介として感染するコンピュータウイルス2008年(平成20年)頃から爆発的に流行している[7][8]。これらのウイルスは主に「オートラン (AUTORUN)」と総称される。

このオートランによるウイルスの伝播や前項のセキュリティ問題などを警戒し、USBメモリーを利用できない設定にしている会社や公的機関も多い。

[編集] 歴史

  • M-Systems社を1989年に立ち上げたen:Dov MoranがUSBフラッシュメモリを発明する[9]
  • 2000年6月 - シンガポールのTrek2000 International社のThumb DriveというUSBメモリが日本で初めてのUSBメモリとして発売される。容量は16MB、32MB、64MB。当時普及していたWindows 98はマスストレージドライバを標準実装しておらず、ドライバを別途インストールする必要があったことから出先でのデータ交換(フロッピーディスクの代替)には向かなかった[10]

[編集] ステルスUSB

北朝鮮税関検査を情報を捉えるレーダー網にたとえ、検査時にデータ量を0バイトで表示し、設定した一定の時間の経過後自動的にコンテンツが活性化するUSBメモリの呼称。大韓民国メディアが取り上げた。北朝鮮を脱出したITの専門家らが2010年(平成22年)2月に開発し、以来韓国ドラマ映像や自由民主主義に関する内容を入れて北朝鮮に送っていた[11]

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ Kingston、実売10万円の256GB USBメモリ-PC Watch
  2. ^ USBデバイスをコンパクトフラッシュとして利用できる変換アダプタ「仮想CF」が挑戦者から登場!”. 価格.com アキバ総研 (2006年11月8日). 2011年7月17日閲覧。
  3. ^ USB接続のMOドライブやハードディスクをWindows95やNT4.0のパソコンで利用する方法はありますか?|Q&A”. アイ・オー・データ機器. 2011年7月17日閲覧。
  4. ^ 例えば「BOOT革命 / USB Memory」など。
  5. ^ http://www1.ark-info-sys.co.jp/products/bootusbm2/index.html
  6. ^ ソースネクスト2008年(平成20年)9月からUSBメモリにソフトウェアを収録して販売する「Uメモ」シリーズを発売したのが最初である。
  7. ^ 2008年上半期はUSBメモリ経由の感染が蔓延、トレンドマイクロ - INTERNET Watch、2008年7月3日
  8. ^ 情報処理推進機構『情報セキュリティ:ウイルス・不正アクセス届出状況について(2007年6月分および上半期)』第07-13-108号、2007年7月3日、にて注意喚起
  9. ^ Modu Announces Phone Jackets | Gadget Lab | Wired.com Not surprising: Modu founder Dov Moran has a pretty good track record. He invented the USB flash drive.
  10. ^ USBにダイレクト接続が可能なガム型ドライブ「ThumbDrive」 - AKIBA PC Hotline!
  11. ^ 税関くぐり抜けるステルスUSB、北朝鮮で拡散中 聯合ニュース 2011年2月23日
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