USBメモリ

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一般的なUSBメモリの内部
一般的なUSBメモリの内部
1 USBコネクタ
2 USBコントローラ
3 テストポイント
4 フラッシュメモリチップ
5 水晶振動子
6 発光ダイオード
7 ライトプロテクトスイッチ
8 二つ目のフラッシュメモリチップ
(この写真では未実装)

USBメモリ(ユーエスビーメモリ)は、Universal Serial Bus (USB) を用いてデータの読み書きを行う補助記憶装置のうち、USBコネクタがケーブルを介さず直接本体についているタイプのものである。一般に小型で、長さは数センチメートル、幅と厚さはUSB A端子より若干大きい程度である。「フラッシュデバイス」「フラッシュメモリ」や「フラッシュ」、あるいは単純に「USB」と呼ばれることもある。

目次

[編集] 概要

様々な USB メモリ

データの記録にはフラッシュメモリが使われており、記憶容量は数メガバイトから最大128ギガバイト(2009年現在)までさまざまである。 フロッピーディスクMOCDDVDの様に専用のドライブ装置を必要としないため利便性が高く、USBメモリ(フラッシュメモリ仕様)自体にモーター回転部などの駆動部がないため衝撃にも強い。しかも小型なため可搬性に優れている。

USB規格には、USB Mass Storage Class(USBマスストレージクラス)という補助記憶装置を接続するための仕様があり、このクラスに対応した機器及びオペレーティングシステム (OS) であれば、ドライバをインストールする必要がなく、標準機能のみでUSBコネクタに接続した機器を記憶装置として認識することができる。この仕組みを用いたのが、USBメモリである。

PCの状態やその設置場所によっては手近な位置にUSBポートを装備していないことも多いため、使いやすさを損なわないよう延長ケーブルが付属する場合もある。

2004年前後から急激にシェアを伸ばし、SDメモリーカードとともに持ち歩ける大容量フラッシュメモリの主力として用いられている。機能面で製品の差別化を図ることが難しいため様々なデザインの製品が登場している。近年では食品やキャラクターなど変わったデザインのUSBメモリが数多く登場し、そのデザインが話題になることも少なくない。

[編集] 対応環境

USB Mass Storage Classが実装された OS には、WindowsではWindows MeWindows XPがある他、Windows 2000でもサービスパックで対応し、インストール台数ベースでは対応したOSが多くなった。Windows 98では原則非対応だが、メーカーの配布する専用のドライバをインストールすることによって使用可能な場合もある。 更に、Windows VistaではReadyBoostという新機能を搭載し、USB2.0対応の高速USBメモリを用いて、その記憶領域をキャッシュメモリとして使用することが可能である。

Macintoshでは、Mac OS 9以降(Mac OS 8.6ではアップルが提供しているUSB Mass Storage Support 1.3.5 をインストールする必要がある)で標準対応している。もちろん、現行のMac OS Xでも全てのバージョンで利用できる。

また、Linuxの最近の版でも対応し、USBメモリをブロックデバイスとして用いる事が出来る。さらに、簡便に使えることや、USB 2.0環境の普及、近年のフラッシュメモリの大容量化、低価格化に伴いフロッピーディスクに替わる補助記憶装置として広く普及することとなった。

プレイステーション3も画像・音声・動画ファイルの再生やコピーに対応するほか、USB端子を備えたミニコンポAVアンプDVDプレイヤーなどの音響機器デジタルフォトフレーム等でもUSBメモリ内のファイルを再生可能なものがある。

ディスク装置(メディア)としての内部フォーマットがサポートされていれば、上記各プラットフォーム間でのデータの交換が可能である。

[編集] 用途

2004年前後から急激にシェアを伸ばし、SDメモリーカードとともに持ち歩ける大容量フラッシュメモリの主力として用いられている。

USBブートに対応したソフトウェアとしては、KNOPPIXなどのOSや、OpenOffice.org Portable、Firefox Portableなどのアプリケーションがあり、個人情報・環境・データを記憶しておくことで、そのパソコンのハードディスクに影響を与えることなく、自分の使い慣れた利用環境で作業することができる。(OOoとFirefoxについては、通常版ではなくポータブルディスクでの起動用にカスタマイズされたもの)

光学ドライブを搭載しないネットブックなどが普及したことで、アプリケーションソフトウェアを販売する媒体としての用途も生まれた。ソースネクストが2008年9月からUSBメモリにソフトウェアを収録して販売する「Uメモ」シリーズを発売、他社も追随している。光学ドライブが不要なほか、CD-ROM・DVD-ROMに比べて店頭の陳列スペースを取らない、USBメモリの空き容量をユーザーが活用できる、ダウンロード販売と比較してネット環境が乏しいユーザーにも提供できる特長がある。反面、ディスクメディアやダウンロード販売に比べて当然コストは高くなる。

[編集] 欠点・寿命

USBメモリは、その原理あるいは性質上、情報を長期に渡って保存したり、書き換え頻度の高い用途での使用には適さない記録媒体である。

データの記録に使われているフラッシュメモリはその原理上、書き込みや消去を行った際に絶縁体となる酸化膜を電子が貫通しその酸化膜を劣化させるので、使用回数に制限がある。そのためいずれ寿命を迎え正常に読み書きできなくなる(フラッシュメモリの記事も参照)。フラッシュメモリの書き換え上限回数は、高いものでもハードディスクには大きく劣る。

データ記録用のフラッシュメモリを含め、製品そのものが電子部品の集合体(精密機器)であることから電気的な要因(異常な高電圧がかかった場合、静電気または落雷の影響、水没など)により容易に故障し、保存した情報も破壊される場合がある。たとえフラッシュメモリそのものは故障していない場合であっても、その他の実装装置が故障すれば使用不能に陥ってしまう。また、小型ゆえに基板のパターンも細かいものが多く、故障した部品を交換するのも(不可能ではないが)難しい。

現状使用されているファイルシステムはFAT32であるが、FAT32は1ファイルの最大容量が4GBに制限される。空き容量があっても4GB以上のサイズを持つ大きなファイルは書き込めない。exFATを利用することで16EBまで可能になるが、Windows環境でしか利用できない。

[編集] 危険性

[編集] 盗難・紛失・情報漏洩

USBメモリは小型で便利な記憶装置であるが、小型ゆえに紛失や盗難の危険性が高く、機密情報の漏洩(顧客の個人情報漏洩など)に繋がりやすい。その場合のセキュリティ対策として、近年では暗号化ソフトなどが製品に付属するようになった。また、セキュリティソフトを予めUSBメモリに組み込んだ製品もある。これをUSBコネクタに挿入して認証をパスしないと、内部の情報にアクセスできない仕掛けとなっている。(IEEE 1667)それに類するものとして指紋認証を利用した製品も出ている。また、ドングルと呼ばれるソフトウェアアクティベーションの手段としてUSBメモリが用いられることがある。

[編集] マルウェア

Windowsにおいてマイ コンピュータでUSBメモリのアイコンをダブルクリックすると、あるいは設定によってはパソコンにUSBメモリを挿入するだけで、USBメモリに書き込まれた自動起動プログラムが実行されるようになっている。この仕組みが悪用され、USBメモリを媒介として感染するコンピュータウイルスが2008年頃から爆発的に流行している[1][2]。これらのウイルスは主に「オートラン」(AUTORUN)と総称される[3]

[編集] 歴史

初めて日本で販売されたUSBメモリは、2000年6月に発売されたTrek2000 InternationalのThumb Driveで、容量は16MB、32MB、64MBであった。ただし、この製品はUSBマス・ストレージクラスには対応しておらず、ドライバをインストールする必要があった[4]

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 2008年上半期はUSBメモリ経由の感染が蔓延、トレンドマイクロ - INTERNET Watch、2008年7月3日
  2. ^ 情報処理推進機構『情報セキュリティ:ウイルス・不正アクセス届出状況について(2007年6月分および上半期)』第07-13-108号、2007年7月3日、にて注意喚起
  3. ^ 一部大学などの教育機関では、USBメモリーを利用できない設定にしている所がある
  4. ^ USBにダイレクト接続が可能なガム型ドライブ「ThumbDrive」 - AKIBA PC Hotline!