ドングル

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USBドングル。このほかパラレルポートに接続するタイプのドングルもある
Huawei E220 HSDPA USBモデム。通称「ドングル」と呼ばれる。

ドングル (Dongle) は、コンピュータに接続する小さな装置を指す俗語。主にソフトウェア不正コピー防止のために使用される装置(プロテクトドングル)のことを指すが、PS/2コネクタUSBマウスを接続するために使用される変換コネクタなど、インタフェースの変換を行う小型の装置のこともドングルと呼ぶ。モバイルブロードバンドで使用するUSBモデム端末もドングルと呼ばれる。

プロテクトドングル[編集]

ソフトウェアの不正コピー防止のために使用される小型の装置。一般に、USBもしくはパラレルポートに装着する。 ソフトウェア起動時や処理中にドングルが装着されていることをチェックし、ドングルが装着されていないことを検出すると、ソフトウェアは起動しないか、または使用できる時間や機能などが制限される。

1980年代から1990年代にかけてパラレルポートキーが多用されたが、2000年代になると、パッケージソフトウェアでは、以前から使われている3DCGソフト、CAD/CAM/CAEソフトのような高価なもの以外にビジネスユース・ワークユースの安価なソフトウェアにもUSBタイプのドングルが使われている。これは、USBドングルが以前のパラレルポートドングルのように特殊な外形ではなく、一般的に使用されるUSBメモリキーなどの外形に似ていることが一因として考えられる。USBドングルの内部はICカードのようなもので、フラッシュメモリなどを擁するUSBメモリキーとは異なるものとされている。だが最近では、インストールしたパソコンを識別し、多重インストールを防ぐなどの目的でインストールしたマシンの一部のシステム情報をフラッシュメモリで書換え保存できる仕様にしているものも存在する。

近年、特定業務用にカスタム開発されるソフトウェアにおいては、ライセンス管理やソフトウェアの社外流出防止のために使用されることが増えている。ソフトウェアを使用可能なコンピュータの台数はドングルの数までと明確であり、また、コンピュータが故障した場合などにアクティベーション方式で生じる問題点(アクティベーション#問題点・課題点の項を参照)を回避できる、ソフトウェアとドングルの納品後はライセンス管理をユーザー会社内のみで行える、などのメリットがあるためである。他方で、ドングルの故障・破損・紛失などの場合にはソフトが使用不能になり、代替品を入手するまでは作業ができなくなる場合もある、さらには固有のシリアルナンバーでデータを管理している場合には、ソフトメーカーへドングルを再登録・再発行する所定の手続を行うこと必要となるため作業停滞が長期間に及ぶ、などというデメリットが発生する場合もある。

類似のものとして、無線LANVPNを利用する際に、正当な利用者であることを証明するセキュリティトークンとして、認証情報の入ったドングルをPCに装着することが求められる場合がある。

語源[編集]

由来は不明である。

ジャーゴンファイルの「dongle」の項によれば、1992年の早期にRainbow Technologiesというドングルの製造者が、発明者の「Don Gall」に由来する、と宣伝のコピーにしていたことがあったが、これは宣伝用の作り話だと確認されている。[1]

メーカー[編集]

国内はもとより、世界的にもドングルは下記の上位四社が四分している模様。

Sentinelシリーズは、米国Rainbow Technologies社のプロダクトであったが、2004年にRainbow Technologies社とSafeNet社が合併し、SafeNet社のプロダクトに加えられた。メーカーはそれぞれ日本法人があり、HASPシリーズは、日本法人のアラジン ジャパンが販売をしていた。Sentinelシリーズは、主に代理店の技研商事インターナショナルが販売。2010年3月末で技研商事インターナショナルでの販売が終了。SafeNet社より直販となる。2010年4月1日、SafeNet社、Aladdin社との統合を完了。HASPシリーズもSafeNet社が販売。現在はSentinel LDKと名称を変更して販売している。UniKeyシリーズは、中国のSecuTech社により開発された製品である。最先端のクラッキング防止技術を利用し、優れているコストパフォーマンスを備えている。SecuTech社より直販となる。Rockeyシリーズは、中国の大手セキュリティメーカFeitian Technologies社のプロダクトである、ICカード技術を活用した最先端的なドングル製品ラインもある。飛天ジャパン株式会社が販売。その他メーカーは以下。

インタフェース変換ドングル[編集]

インタフェース変換を行う小型の装置のこともドングルと呼ぶ。以下のように、多種多様なドングルがある。

  • PS/2コネクタ - USB
    PS/2コネクタにUSBキーボードやマウスを接続するためのドングル。USBキーボードやマウスに同梱されていることも多い。同梱されているマウスやキーボードでの使用に特化し、他と互換性のないものも一部存在する。
  • USB‐PS/2
    USBポートにPS/2キーボードやマウスを接続するためのドングル。使い慣れたキーボードやマウスを使い続けたい上級ユーザーが購入することが多い。
  • USB‐ADB
    iMac 以降のMacintoshに従来のMacintosh/NeXT用キーボードやマウス、タブレットを接続するためのもの。
  • USB - RS-422
    iMac 以降のMacintoshに従来のMacintosh用・Newton用シリアル接続の周辺機器を接続するためのもの。
  • DVI‐RGB
    ビデオカードのDVI-IまたはDVI-A出力端子に、アナログRGBのディスプレイを接続するためのドングル。DVIのデジタル信号をアナログRGB信号に変換することはできない。
  • RGB‐DVI
    ビデオカードのRGB出力端子に、DVI接続のディスプレイを接続するためのドングル。アナログRGB信号をDVIのデジタル信号に変換することはできない。したがってディスプレイ側のDVI端子がアナログRGB入力に対応したDVI-IまたはDVI-Aである必要がある。
  • USB - SCSI
    USBをSCSIカードの代わりに使用するドングル。SCSI機器自体の減少から需要は減っているものの、今でもSCSI機器が使いたいというユーザーからは人気がある。
  • USB - IrDA
    USB接続のIrDAインタフェースで、とくにケーブルがなく本体から出っ張るような形になるもの。
  • USB - Bluetooth - 上記と同様。
  • USB - 無線LAN - 上記と同様。
  • RS-232C
    RS-232Cのコネクタには、ピン数やオス・メスなどさまざまなものがある。それらを相互接続するためのドングルもまた多種多様に存在する。

その他、PCカードイーサネットアダプタやモデムに付属している、カードとケーブルを結ぶ短い中継ケーブルであるメディアカプラ(俗にいう「しっぽ」)のこともドングルと呼ぶことがある。

実際に採用された製品例[編集]

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  1. ^ http://www.catb.org/jargon/html/D/dongle.html

関連項目[編集]