フロッピーディスク

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8インチ型FD
5.25インチ型FD
3インチコンパクトFD
3.5インチ型FD
3.5インチ型FDD
2インチ型FD
近年登場したFDドライブと一体化したカードリーダー

フロッピーディスク(floppy disk)とは磁気ディスクの一種で、磁性体を塗布した小円盤を紙またはプラスチック製の保護ケースに入れたものである。また、そのフロッピーディスクを読み書きするための装置がフロッピーディスクドライブである。しかし両者とも単にフロッピーディスク、フロッピーとも呼ばれる。

目次

[編集] 名称

本来は記録媒体(メディア)が「フロッピーディスク」または「フロッピーディスクメディア」で、駆動装置(駆動し読み書きする装置)が「フロッピーディスクドライブ(FDD)」だが、どちらも単に「フロッピーディスク」、「フロッピー」などと呼ばれることが多い。また「フロッピー」を「フロッピィ」のように書き表すこともある。日本工業規格(JIS)の用語集では「フレキシブルディスク」と「フレキシブルディスクカートリッジ」である。

最初のフロッピーディスクは1971年IBMが開発して「ディスケット」(diskette)と呼び、商標登録も行った。しかし当時のメディアは紙の保護ケースに包まれ薄くペラペラであったため、従来からの磁気ディスクとの対比から、「フロッピーディスク」または「フレキシブルディスク」(FloppyまたはFlexible Disk Drive、FDD、軟らかいディスク装置)との通称が広まり一般化した。また従来からの磁気ディスクは「ハードディスクドライブ」(Hard Disk Drive、HDD、硬いディスク装置)と呼ばれるようになった。

現在ではIBMも一般向けには「フロッピーディスク」、企業向けには「ディスケット」と呼び分けている。なお日本IBMは、かつて3 1/2インチ型媒体を使用する読取装置を「3.5型駆動機構」と呼んでいた。

[編集] 概要

現時点で一般的なハードディスクとは異なり、駆動装置から媒体を取り外す事ができることが特徴である。ディスクの直径により8インチ、5 1/4(5.25)インチ、3 1/2(3.5)インチの3種が主に知られ1969年に読み取り専用の8インチフロッピーディスクが生まれてから1990年代末にかけて小型コンピュータのデータの記録に広く用いられた。その後、小型コンピュータの性能の向上により扱うデータの容量も大型化したため2000年頃以降は徐々に廃れていっている。現在ではWindows XPおよびWindows Vistaが5.25インチ型にも対応はしているものの、最も普及した3.5インチ型以外を見る機会は少ない。またフロッピーディスクドライブが標準装備されないパソコンもノートパソコンを中心に増えており、デスクトップタイプでもフロッピーディスクドライブを内蔵しない製品もある(この場合、OSインストール時のドライバの組み込みバックアップや復元作業など何らかの事情でフロッピーディスクを使う必要がある場合、USB接続による外付けのドライブを利用する形になる)。

現在でもSDカードやメモリースティックコンパクトフラッシュスマートメディアなどのカードリーダーに3.5インチフロッピードライブを搭載したものが発売されており一部では需要がある。また3.5インチ型は最も普及していたことから、現在でもファイルの保存などに使われるマークの図柄(アイコン)として多くのソフトでその形がモデルにされている。

[編集] 規格・構造など

磁気ディスクの一種で、駆動装置からの取り外しが可能(リムーバブル)な記録媒体(メディア)である。磁性体を塗布したプラスチックの薄い円盤を駆動装置で回転させ、円盤の片面ないしは両面に同心円状に信号を記録する。

内部のプラスチックフィルムの直径が200mm 8インチ130mm 5.25インチ(一般に5インチと呼ばれる)、90mm 3.5インチなどのものがあり通常、ジャケット(200mm 8インチ、 130mm 5.25インチ)またはケース(90mm 3.5インチ)に納められている。90mm 3.5インチディスクのジャケットには金属またはプラスチック製のシャッターがついており、メディアを保護している。シャッターはディスクドライブ内部でスライドして開き、閉じるときはジャケット内のばねの力で閉じる。シャッターにロック機構がなく手で開ける事もできてしまうのでメディア保護の点では良くない。

最初期にソニーが発売した3.5インチディスクドライブはシャッター自動開閉機能がなく、ディスクの出し入れ前後に手でシャッターをスライドさせて開閉する必要があった。やがてドライブにシャッター自動開閉機能が搭載されたがその頃は自動開閉機能の無いドライブとの互換のために手でシャッターを開けると開けた位置でロックされ、"PINCH"と書かれた部分(肩部分)をつまむとシャッターがリリースされるという機構のディスクが発売された(このディスクは自動開閉機能搭載のドライブには手でシャッターを開けずに挿入することができた)。やがて自動開閉機能が一般的になり、ディスクも開けたままロックできる機構のものは無くなった。

8インチや5インチなどの初期のFDは、シャッターが無くケースが紙で出来ているために非常に破損しやすかった。

日本ではSIを使用し、正式な製品名称等にはインチではなくmmまたはが使用される。

  • 3.5インチ:90mmまたは3.5型
  • 5/5.25インチ:130mmまたは5/5.25型

5インチ、90mm 3.5インチの一般的な2HDのメディアでは、約1.2-1.4MB(FAT12)の容量があり、現在では90mm 3.5インチのものが主流である。しかし小型化を試みる動きもあり、80mm 3インチや65mm 2.5インチも発表されたが計測器など一部機器の記録メディアとしての利用にとどまり主流にはならなかった。また、大容量化を試みた製品も数多く存在していた。概要を大容量フロッピーディスクの項に記す。

1枚で1MB程度という容量は、現在のように画像や音声データを扱う用途では不足である。しかしフロッピーの代替となる標準メディアがなかなか現れなかったことやかつてのPC/AT互換機において起動可能(Bootable)かつ読み書き可能なリムーバブルメディアとしては唯一のものであったため、主に起動用や一部周辺機器のデバイスドライバなど、少量のデータの受け渡し用として広く普及し現在でも利用されている。近年ではDVD関連の記録型光ディスクドライブがパソコンに標準搭載されるようになり、USBメモリ等が普及したことでフロッピーの普及率は低下の一途を辿っている。代替メディアとしてはCD-RWや記録型DVD、MO、USBメモリ、メモリーカード系のメディアで配布、保管などの役割を分けて普及している。

読み込みと書き込みが可能だが、書き込みを禁止する事ができる。書き込み禁止またはライトプロテクトと言う。その書き込み禁止の操作は各メディアにより異なる。

  • 90mm/3.5インチディスク - ライトプロテクトノッチをスライドさせ、窓が空いた状態にする
  • 130mm/5.25インチディスク - ジャケットの切り欠きにライトプロテクトシールを貼る
  • 200mm/8インチディスク - ジャケットの定位置に切り欠きを作成する

ノッチを元に戻す、シールを剥がす、シールを貼る等の逆操作を行えば再び書き込み可能状態になる。

ディスクドライブはノッチまたはシールの位置に配置した光センサまたはスイッチで書きこみ禁止の状態を判別する。

ディスク上のトラックは独立した同心円状に配置される。トラックは円周の特定の位置から開始するが、その点はディスクに物理的に開けられた穴によって決定される。1つのトラック内に複数のセクタ(128バイトの2のべき乗倍)を記録する。このときセクタ位置を判別するためにプラスチックフィルムにセクタの開始位置に対応する複数の穴(インデックスホール)をあけ光学センサで検出する方法をハードセクタ方式、インデックスホールをトラック内の第1セクタを示す位置にあけほかのセクタはソフトウェアで位置を決めていく方法をソフトセクタ方式と呼ぶ。現在は、フォーマットの自由度が高いソフトセクタ方式が一般的である。

類似のものにクイックディスクスーパーディスクなどがある。

常に磁気ヘッドと接触した状態で読み書きを行うために少しずつ磨耗し、利用には限度がある(おおむね100万~300万パス程度)。ただしその磨耗は一般使用では無視できるレベルである。アクセス時以外にはヘッドをディスクから分離する機構のドライブもあるが、現在はヘッドとディスクが常に接触するドライブが一般的である。

フロッピーディスクの容量表記には2進接頭辞が使用される場合が多い。しかし1.44MBなど一部に独特の表記もあり、1.44MBは1.44×1000×1024バイトである。

[編集] 歴史

[編集] 8インチ

1970年IBMのエンジニアアラン・F・シュガート率いるチームによって8インチのものが開発された。容量はわずかに128キロバイトであった。当時はパンチカードの代わりに大型コンピュータへのデータ入力用メディアとして利用され、初期の8ビットや16ビットパソコン用としても1980年代後半まで使われていた。

[編集] 5.25インチ

ミニフロッピーディスクとも呼ばれる。1976年、米シュガートアソシエイツ(前述のシュガートが興したメーカー)からSA-400と呼ばれる5.25インチのディスクとドライブが発表された。当初は容量が80kB(1S、片面単密)と小さく、さらに既に利用されている8インチ(SA-800シリーズ)ドライブとは物理的にも電気信号的にも互換性がなかったが1978年アップルコンピュータApple IIでこのドライブの兄弟機SA-390(SA-400からコントローラ基板を抜いた物でこれはAppleIIではコントローラはアップル独自の物を利用していたため。ただしドライブの銘板がSA-390ではなく、SA-400のままの物も多数あった)のでが採用されると、パーソナルユースを中心に5.25インチのフロッピーディスクは広く普及した。

5.25インチのディスクは1D(片面倍密度)や2D(両面倍密度)などに発展し、2DD(両面倍密度倍トラック)を経て、やがて主流となる2HD(両面高密度)に至る。日本においては、5.25インチの2HDドライブは電電公社(現在のNTT)が開発を行ってきたため、発表当時は電電公社フォーマットドライブとも言われた。これは容量が約1.2MBで、電気的にも8インチドライブと互換性をとっており、8インチドライブからの代替が可能だったのもスムーズな移行につながった。このことは、ごく古いMS-DOS等の5.25インチ2HD用ディスクフォーマットを持たないオペレーティングシステム(OS)において、これを8インチ2Dディスク用フォーマットで代用できたことからも、全く同等のものであったことが分かる。

[編集] 3.5インチ

マイクロフロッピーディスクとも呼ばれる。1980年ソニーが3.5インチ(90mm)のディスクを開発し1982年に発売された同社製のSMC-70に最初に搭載された(なおSMC-70などの最初期のドライブではオートシャッター機能はなく、手でシャッターを開けてドライブに挿入した。ディスク側にもシャッターをロックする機構があり、ディスク排出をされてもシャッターは自動で閉まらない。手でメディアのピンチマークを締め付けるとシャッターが閉まるという機構であった。オートシャッター機構対応ドライブにディスクを流用する際にはロック爪をカッターで削って欲しいという注意書きが出回った。これは後述の様に標準化の際に規格が変わったためである)。

1982年、日本が中心となってフロッピーディスクの標準化が進んでいることを良く思わなかった米国企業は「マイクロ・フロッピー・スタンダード・コミッティ」(Micro Floppy Standard Committee)を形成しフロッピーディスクに関する標準化で、米国が中心となるよう活動を開始した。ところがシュガート、バーベイタムなど参加した14企業はフロッピーディスクに関する高い技術や独自規格を世界標準に育てるだけの技術力をもった企業が存在しなかった。そのため、ソニーにこのコミッティへの参加を呼びかけた。ソニーはオブザーバーとして参加することになった。ソニーはこのコミッティからの依頼を受け、以下の改良を行った。

  • シャッターの自動化
  • トラックの数を80に変更
  • プロテクトのセンサーを透過型に変更

ソニーがこの3点を変更したことを受けコミッティは全米規格協会(American National Standards Institute:ANSI)に3.5インチ規格を提案し、1984年にはISO会議で規格が承認された。

1983年提唱のMSXが、1984年5月の発売時までに3.5インチに一本化されたこともあり日本ではホビー用途の機種やワープロ専用機では普及が早かった。しかし3.5インチのメディアは5.25インチより高価で、ゲームなどパッケージソフトの価格にも同封媒体による差があった。パソコン関連雑誌の付録メディアについては付録に関する規制(露出した金属を流通させてはならないというものでシャッターのプラ化は価格よりもこの対策が主、チャッキング部分は内部なのでそのまま)のため、3.5インチのメディアを付録として使用することが出来なかった(後にはディスクと同じ厚さのボール紙で囲うことで対処していた)。

またビジネス用途では、日本電気(NEC)製PC-9800シリーズなどの中期までは互換性を重視して5.25インチが主流だった。だが8ビットパソコンのストリームがMSXシリーズを除いて終焉するといずれの16ビットパソコンもホビーユースでは3.5インチを採用した為、両者間のデータ共有が少なからぬ問題となった。結局、家庭用では安価な3.5インチFDD標準搭載のホビーユースモデルに5.25インチFDDを外付けすると言った手法で対応した。さらには3.5インチFDDと5.25インチFDDの両方を搭載したパソコンも発売された(EPSON PCシリーズの一部)。

1984年1月、アップルコンピュータMacintoshが3.5インチ(400K)を採用したのを皮切りに、世界的にも各社が3.5インチを用いるようになった。1986年IBMPC Convertibleで3.5インチ 2DD(720KB)を採用し1987年にはPS/2PS/55の全モデルで3.5インチを採用したが下位機種は2DD(720KB)、上位機種は2DD(720KB)および2HD(1.44MB)であった。後の上位機種には2ED(2.88MB)も追加された。

この2HD(1.44MB)のフォーマットは2DD(720KB)のフォーマットを単純に2倍にした形だったが、5インチでの電電公社フォーマット(上述)をベースにした国産各社の3.5インチの2HD(1.2M)フォーマット(正確には1.21MBや1.23MBなど)とは互換性が無く相互に読み書きできなかった。ただしPS/2やPS/55は企業向けが中心であり、また当時のPC/AT互換機はまだ5.25インチが主流であり2ED(2.88MB)はあまり普及しなかったため影響は限られていた。

しかし1990年DOS/Vが登場して1991年OADGも3.5インチを推奨し、3.5インチ標準搭載のPC/AT互換機が一般家庭を含めて日本で本格的に普及すると日本(PC-9800シリーズFMRシリーズFM TOWNSなど)と世界(PC/AT互換機)では両者で標準となった3.5インチの2HDフォーマットで互換性が無いという上述の問題の影響が拡大し、PC/AT互換機の普及の過程で混乱があった。当初は両者に共通のフォーマットである2DD(720KB)のフロッピーディスクやネットワークなどを利用したデータ交換が行われ、次第に3モードフロッピーディスクドライブ(720KB、1.2MB、1.44MB)が両者に普及した。

[編集] その他の規格

  • 4インチ 1983年にIBMがデミディスケットと言う名称で発表。トラックにより回転数を変えビット密度を一定にした。また、エンベロープの対角線上で磁気ヘッドを接触させる珍しいレイアウトを採用していた。片面単密度でフォーマット容量250KB。試作のみで製造中止。
  • 3インチ コンパクトフロッピーとも呼ばれる。1981年に松下電器産業(現パナソニック株式会社)、日立製作所日立マクセル三社が規格を発表。片面40トラック、250KBアンフォーマットなど、初めから5,25インチと互換が取れるように設計されていた。三社を中心に日本でフロッピーディスクの標準化を進めたが、Macintosh、IBM PCが3.5インチを採用し、廃れていった。
  • クイックディスク 1984年にミツミ電機が発表。2.8インチで片面64KB(裏返して使用可能)。渦巻状のトラックでランダムアクセス不可。詳細は「クイックディスク」を参照
  • 2インチ 1981年にソニーが発表したビデオフロッピーディスクをデータ用に使用したもの。ソニーのワープロ「PRODUCE」シリーズに使われた。

[編集] その後

当初、フロッピーディスクは磁性体の塗布技術に難点があり不良率が高かったが、特定OS用の初期化作業時に全品検査する方式が導入されると不良率が激減した。さらに磁性体の塗布技術が向上し、1990年代前半には品質が安定化した。その後は大容量化が図れず、コスト削減から製造ラインの海外移設により品質も低下した。

概ね2000年頃までフロッピーディスクは盛んに使われていたが、やがて光磁気ディスク光学ドライブで書き換え可能なメディアが広まり、さらに読み書き速度も高速で大容量なフラッシュメモリ(とくにUSBメモリ)が広まることでフロッピーディスクは徐々に廃れつつある。

フロッピーディスクの磁性体特性は規格(あるいはデファクトスタンダード)に定められており、メディアの差別化は磁性体をフィルムに固定するバインダーと呼ばれる接着剤に工夫を凝らしていた。磁性体の剥離を最小限に抑えヘッドの清浄性を保つもの、導電性をもたせて埃の付着を防止したもの等があった。しかし某メーカー製品はバインダー素材の工夫に凝りすぎた結果、発売1年後にカビ発生の事象が発生し、当該メディア賠償と耐カビ性能を向上させた新製品を発売するが失った信用を戻せず、フロッピーディスク事業から撤退した。現在でも古いメディアをドライブに挿入するとヘッドにカビが付着し、他メディア読み取りも不可となる事例がある。経時したメディア使用時、白い粉が噴いていないか確認するユーザーもいる。

[編集] 大容量フロッピーディスク

フロッピーディスクの記憶容量を増やすために、フロッピーディスクと上位互換をもついくつかの製品が開発されたこともある。それらを総称して大容量フロッピーディスクという。しかしそれぞれ専用のディスクと専用のドライブが必要で、製品間の互換性もないため普及しなかったものがほとんどである。

[編集] 耐久性・寿命

フロッピーディスクは磁気ディスクの一種なので、磁気に大変弱い。ある程度以上に強力な磁石を密接させると、記録されている情報は破壊されてしまう。などの異物の付着や汚れにも非常に弱く、記録面が汚れると情報が読み取れなくなり破壊に至ることがある。また高温多湿や紫外線も嫌う。

読み込みまたは書き込み時には磁気ヘッドがディスクに密着する構造のため、摩耗が避けられない。摩耗が重なるとディスクの磁気が弱まり、記録された情報を維持できなくなる。ただし、摩耗によるダメージで破壊に至らせるには相当に酷使しなければならない(JISでは1トラックにつき300万回は使用できる耐久性を持たせるよう決められている)。

フロッピーディスクは適切な使用と保管をしていれば、100年程度は情報を維持できるとされる。しかし雑に扱うと破壊に至る可能性がとても高くなるデリケートな記録媒体であり、保管方法によっては数年程度で読み込み不良となる場合もある。寿命を延ばすには磁気、埃、汚れ、高温多湿、紫外線を避ける保管方法が必須となる。

[編集] 中松義郎とフロッピーディスク

ドクター中松(中松義郎)がフロッピーディスクの発明及び特許を取得したと主張し、これが話題になったため一時期さかんにテレビやラジオに出演した。五ツ木書房の「Selett」のテレビCMでは、「私の発明にはフロッピーディスクがある」という中松のセリフを流したことがある。また2009年現在「ドクター中松 創研公認オンラインショップ」でも、「フロッピーディスクの発明者、ドクター・中松」として関連商品を販売している[1]

しかし、中松が発明したのは「ナカビゾン」(かつて学研から学習用教材として販売された事がある)もしくは「積紙式完全自動連奏蓄音器」である。1948年に特許申請され、1952年に登録された。ナカビゾンは何枚も繋がった紙の横一行一行に譜面が記録されていて、自動連奏蓄音機の譜面読みとり部分が左右に振れることで譜面を読み込み演奏するものである。簡単に言うと「レコードジャケットに穴を開けて、中身を取り出さずにそのまま使えるようにする」という特許であり、フロッピーディスクでは磁性体が塗布された円盤が用いられていることやセクタ単位のランダムアクセスが可能なことから全くの別物である。

ただ、この構造はフロッピーディスクをそれまでの磁気メディアに対して簡便性を高め一般への普及を促した重要な要素でもあり、逆に「セクタ単位でアクセスできる磁気記憶装置」もフロッピーディスク以前に存在している(ハードディスクの方が歴史は古い)。この前提で「ディスク状の記憶媒体をカートリッジ式にして取り扱いを簡便にする」という点ではナカビゾンは時系列的に先取りしていたことになる。

フロッピーディスクを開発したIBMは自社の特許を守るため、当時フロッピーディスクの構造に抵触しそうな他者の特許に対して契約を結んでいた。この中に中松の特許も含まれており、1979年2月に中松とIBMは「非独占的特許使用契約」をしている。これは、IBMがフロッピーディスクを日本で発売する際に、中松との紛争を避ける目的である。その契約内容は技術的なものではなく、エンベロープの意匠に関するものであったとされている(IBMによるサブマリン特許対策という説もある)。この契約時点でIBMは既にフロッピーディスクを生産しており、さらに5.25インチ型もシュガート社から発売されている。

[編集] 各ハードウェア規格の開発元

[編集] 関連する日本工業規格

  • JIS X0603:情報交換用フレキシブルディスクカートリッジのラベルとファイル構成
  • JIS X0605:情報交換用フレキシブルディスクカートリッジのボリュームとファイル構成
  • JIS X6221, JIS X6223, JIS X6226, JIS X6226:90ミリメートルフレキシブルディスクカートリッジ
  • JIS X6222, JIS X6224, JIS X6225:90ミリメートルフレキシブルディスクカートリッジのトラックフォーマット

[編集] 3モードフロッピーディスクドライブ

詳細は「3モードフロッピーディスクドライブ」を参照

[編集] IBMフォーマット

詳細は「IBM形式フロッピーディスク」を参照

[編集] パソコンにおけるフロッピーディスクの一般的なフォーマットの例

8インチ
  • 片面単密度(IBMの「Diskette 1」:約243kB)
  • 両面単密度(IBMの「Diskette 2」:約493kB)
  • 両面倍密度(IBMの「Diskette 2D」:約985kB)
初期には片面単密度、後には両面倍密度が多く利用された。
セクタ長など幾つかのバリエーションがある。
ソフトセクターが一般的であるが、一部のオフィスコンピュータメインフレームではハードセクター方式もあった。
IBM汎用コンピュータでは77個のシリンダの内、0番目をインデックスとして末尾の2つを予備用として利用するため実際にデータとして使えるのは74個のシリンダである。MS-DOSなどでは77個すべて使える。
1995年頃に生産はほぼ終了している。
5.25インチ
  • 片面単密度 - 1S(1 sided Single density):約70kB
  • 片面倍密度 - 1D(1 sided Double density):約140 - 160kB
  • 両面倍密度 - 2D(2 sided Double density):約320 - 360kB
  • 両面倍密度倍トラック - 2DD(2 sided Double density Double track):約640 - 720kB
  • 両面高密度(8インチ2D相当) - 2HD(2 sided High density Double track):約1 - 1.2MB
IBM PCPC/XTは両面倍密度360kBが一般的
IBM PC/AT は 360kB に加え、2HC と称する1MB記録が採用された
AppleIIは独自フォーマットを施すことで1Sながら約143kB(書き込みノッチを切ることで両面使用できた)
NEC PC-8800シリーズ富士通FM-7/8等は2D(320kB)が一般的
NEC PC-100は2D(360kB)が採用された。
NEC PC-9801Fで2DD(640kB)、PC-9801Mで2HD(1MB)、PC-9801VMで2DD/2HD両用ドライブがそれぞれ採用された。
ソフトセクターが一般的であるが、一部のオフィスコンピュータメインフレームおよび初期のパーソナルコンピュータ(NorthStar Horizonなど)ではハードセクター方式もあった。
2001年頃に生産はほぼ終了している。
90mm 3.5インチ
  • 両面倍密度(2D:約320 - 360kB)
  • 両面倍密度倍トラック(2DD:約640 - 720kB)
  • 両面高密度(2HD:約985kB/1.23MB/1.44MB他|2HC:約1.21MB|IBM形式でフォーマットした場合は、200mm 8インチ2Dに相当する)
  • 両面超高密度倍トラック(2ED - 2 sided Extra high density Double track:約2.88MB)
  • 両面3倍密度3倍トラック(2TD - 2 sided Triple Density triple track:約9.3MB)
IBM PC Convertible で2DD(720kB)が採用された
IBM Personal System/2(PS/2) で2HD(1.44MB)が採用された
PC-9801Uで2DD(640/720kB)、PC-9801UVで2HD(1.23MB)/2DD両用ドライブが採用された。
2HD(1.44MB)を読書き可能にした3モードFDDが採用されたのは初代PC-9821からだった。
現在の主流サイズである。
2HD(1.23MB)を98フォーマット、2HD(1.44MB)をDOS/Vフォーマットと呼ぶこともある。
2EDは東芝が普及に力を入れたが、ドライブが普及しなかったことやMS-DOSでサポートされたのはVer.5からだったこともありあまり一般的ではない。ただし、2世代目以降のNeXTcubeNeXTstationでは初代NeXTcubeの5インチMOに代わる記憶媒体としてハードディスクドライブとともに標準搭載された。なお、FMRシリーズFM TOWNSBIOSでは2EDがサポートされていた。
国内で3モードドライブといえば1.44MB/1.23MB/720KBを指すのが一般的だが、海外では2.88MB/1.44MB/720KBの事を指していた。そのため少し古いマザーボードBIOSで3モード設定を行うと不具合を生じる事がある。最近のものは日本仕様になっているため問題は起こりづらい。
2TDは、日本電気(NEC)のPC-88VA3のみに採用されたドライブでレーザー刻印によるオプティカルトラックガイドがついたメディアを使用する。
2HD(1.23MB)に関してはPC-9800版MS-DOSのFORMATコマンドで1.25MBと表示されていたために、1.23MBではなく1.25MBと表現されることも多かった。

[編集] 3.5インチフロッピーディスク各形式の詳細

注釈 形式名 回転数 容量(ア) 容量(フ) セクタサイズ セクタ数 ヘッド数 シリンダ数
  1D形式 300rpm 250KB 160KiB 512バイト 8 1 40
2D形式(初期国産8bitパソコン) 300rpm 500KB 320KiB 512バイト 8 2 40
1DD形式 300rpm 500KB 320KiB 512バイト 8 1 80
1DD形式 300rpm 500KB 360KiB 512バイト 9 1 80
2DD形式(初期国産パソコン) 300rpm 1.00MB 640KiB 512バイト 8 2 80
2DD形式(大抵のパソコン) 300rpm 1.00MB 720KiB 512バイト 9 2 80
  2HC形式(俗称) 360rpm 1.60MB 1200KiB 512バイト 15 2 80
2HD形式(日本のパソコン) 360rpm 1.60MB 1232KiB 1024バイト 8 2 77
2HD形式(PC/AT互換機) 300rpm 2.00MB 1440KiB 512バイト 18 2 80
  2HD形式(IBM形式/H型) 360rpm 1.60MB 985KB 256バイト 26 2 77
2HD形式(三菱IBM形式) 300rpm 2.00MB 985KB 256バイト 26 2 77
2ED形式 300rpm 4.00MB 2880KiB 512バイト 36 2 80
2TD形式(NEC一部機種) 360rpm 12.5MB 9.3MB 512バイト 38 2 240
参考
注釈 形式名 回転数 容量(ア) 容量(フ) セクタサイズ セクタ数 ヘッド数 シリンダ数
8インチ2D形式(汎用機) 360rpm 1.60MB 985KB 256バイト 26 2 77
5.25インチ2HD形式(PC/AT 360rpm 1.60MB 1200KiB 512バイト 15 2 80
5.25インチ2HD形式(PC-9800シリーズ) 360rpm 1.60MB 1232KiB 1024バイト 8 2 77
  5.25インチ1S形式(SA-400) 300rpm 100KB 80KB 256バイト 18 1 35
5.25インチ2D形式(SA-450) 300rpm 400KB 320KB 512バイト 18 2 35

※ ★がつくものは海外でも利用されている形式。その他は日本国内でしか利用されていない。
※「容量(ア)」はアンフォーマット容量、「容量(フ)」はフォーマット容量を表す。
※ 容量KBまでは2進接頭辞(KiB)、MBからはSI接頭辞との混合とする慣例があった。
    例 720KBの倍の容量1,440KBは1.4MB(1.40625MiB)ではなく、1.44MBとする。
※ フォーマット容量はセクタサイズxセクタ数xヘッド数xシリンダ数によって算出される。
    (アンフォーマット容量が同じでもセクタサイズ、セクタ数によってフォーマット容量が変化する)

  • 2HDのIBM形式は日本独自のものであり、8インチの「IBM Diskette 2D」と完全互換である。また、2DDのIBM形式というものは存在しない。当然ながら、『IBM PC/AT互換機』におけるフロッピーディスクの形式をIBM形式と呼ぶことはありえない。
  • 2HC形式とは、5.25インチのPC/AT互換機用2HDフォーマットをそのまま3.5インチの2HDディスクに適用した形式である。東芝の初期型ダイナブック等で採用された。一時期の日本では、3.5インチのPC/AT互換機用2HDフォーマットについても2HCと呼ばれていたことがあったが、誤りである。
  • 2TD形式はNECの一部の機種のみに採用された独自規格でドライブ、媒体とも専用の物を使う(2DD/2HDの読出のみ可能)。
  • 初期の5.25インチはトラック数が35だった。後に40に拡張されたが互換性のため2DDでも70シリンダのものも有る。

[編集] 3.5インチFDの2DD、2HC、2HDの物理的な違い

3.5インチの2DDと2HDにおいては、磁性体の品質の要件と外側ケースの穴の位置(2DDではカートリッジ右下に穴が無く、2HDでは穴(HD検機孔)が開いている)以外の差はない。

3.5インチの2HCと2HDについてはメディア自体が全く同じものであり、物理フォーマット(ローレベルフォーマット)が違うだけである。フロッピーディスクにおいて物理フォーマットという言葉はハードウェア形式を指す用語ではなく論理フォーマットの一段下のレベルのフォーマットを意味し、セクター長やトラック数などのパターンのマッピングを指すものである。

[編集] 誤用

一定以上の年齢層においてはリムーバブルメディア(現在主流なのはUSBメモリCD-RW等)やMOディスクなどの代名詞として「フロッピー」が使用されることがあるが、これは「筆箱」という用語やCDを「レコード」と呼ぶような似たような機能をもつものを包括して古い事物で代表させる言い方である。

[編集] 関連項目

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