マザーボード
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マザーボード(Motherboard)またはメインボード(Mainboard)とは、コンピュータなどで利用される、電子装置を構成するための主要な電子回路基板である。より小型のプリント板ユニットを子基板として搭載できるソケットなどを持つことからマザーの名がある。
MBまたはMBU( - Unit)、M/B、マザボ、ママン、母板などと略され、大手メーカーのサービス関係では、プレナーボードやシステムボードと呼ばれることがある。Macintoshではロジックボードと称される。たいてい「マザーボード」というとPC/AT互換機用のものを指すことが多い。
目次 |
[編集] 構成部品
基盤によっては搭載されていない部品もある。
- チップセット
- マザーボードの性能を左右する部品であり、接続されているハードウェアや、グラフィック、サウンドなどを制御する。
- CPUソケット
- CPUをはめ込む部品。はめ込む際には規格にあっているか確認する。
- メモリソケット
- メモリをはめ込む部品。はめ込む際には規格にあっているか確認する。
- バッテリー
- BIOSの設定値を保持し、時計を動作させる。コイン型電池が付いていることが多い。
- ATX電源コネクタ
- マザーボード本体に電源を供給する為の差込口。
- スピーカー
- ビープ音を鳴らすためのスピーカー。圧電素子を用いた小型のスピーカーが付いていることが多い。
- IDEコネクタ/SATAコネクタ
- IDEやSATAなどのドライブ用ケーブルを接続するためのコネクタ。多くの場合、ハードディスク用と光学ドライブ用があることが多い。
- PCIスロット
- 拡張用のカードを差し込むことで様々な機能を増やすことが出来るスロット。
- ビデオカードスロット
- ビデオカードを接続するスロット。
[編集] 主なマザーボードの規格(フォームファクタ)
- AT (Advanced Technology) :1981年、『IBM PC』が発売され、当初からオープンアーキテクチャとしてその互換機が一気に普及した。そしてIBMが1984年にPC/ATを発表。大半のPC/AT互換機のマザーボードの根幹は、これをベースに設計されている。1990年代中盤までのマザーボードは、このATあるいはその小型版のBabyATが主流であった。当初はキーボード端子以外の殆どのI/Oポートは、RS-232Cなどの単体の機能を持つカードを拡張スロットに挿す事により使用していたが、チップセットの高集積化が進み、これらの機能がチップセットに内蔵されるようになると、マザーボードのコネクタから各種ケーブルを繋ぎ、ケースやスロット上に直接外部端子を取り付けなければならず、ケーブルがケース内で方々に錯綜するという煩雑さが目立つ様になる。
- ATX (Advanced Technology eXtended) :1995年にインテルが提唱した。主流のマザーボードは全てこの規格を基に作られている。キーボードやマウス、RS-232Cやパラレルポート、USBといった、良く使う各種I/Oポートをマザーボード上に実装し、従来のATよりも扱いやすくしたもので、瞬く間に普及しAT規格から取って代わった。これら端子の位置はメーカーによって若干異なる事があるため、自作用など特定の製品には、独自のバックパネルが付属していることもある。また、MicroATXというATXからスロットを2〜3本減らし小型化したものもある。MicroATXは小型のケースに収めやすいことから、メーカー製のパソコンで数多く採用されている。MicroATXを更に小型化したFlexATXもある。この規格と同時にATX電源の仕様も新たに策定された。ちなみにATX仕様のケースは、ATのマザーボードとは下位互換性を持たせてあり、バックパネルの交換により容易に流用出来るようになっている。
- BTX (Balanced Technology eXtended) :2003年にインテルが提唱した。当時パソコン高速化のネックとなりつつあったCPUの熱問題を解消するため、あえて従来の規格との互換性をある程度切り捨て、PCケース内部の気流を考慮した設計としていた。2003年当時はCPUの消費電力・放熱量は今後も右肩上がりになると想定されており、一時期ATXからの全面移行も想定されたが、この熱問題がいよいよ限界に近づいてきた2005年になると、今度はCPUの消費電力を抑えるスタイルへとパーツの進化の方向性が変化し、CPUの熱問題がある程度まで解決されたことから普及せずに終わり、2007年には製造も中止された。MicroBTX、PicoBTXという小型版もある。
- DTX:2007年1月にAMDが策定を発表した規格。ATXに下位互換性を持ち、ATX用の本体ケースで用いることが出来る。小型版のMini-DTXもある。
- LPX (Low Profile eXtension) :1990年代前半にウェスタン・デジタルが提唱した、後のATXのひな型ともいえる規格。各種I/Oポートを基板上に実装し、拡張スロットはライザーカードと呼ばれる、縦向きに拡張スロットを使用するための基板(中には寝かせて装着するものもあった)を、このマザーボード独自のスロットに挿す事により、横向きに3枚程度の拡張カードを装着出来る。そのためケースを比較的コンパクトに設計出来た。これらのマザーボードは低価格のPCに数多く採用された。
- Mini-ITX:2001年にVIAが提唱した、FlexATXに似た規格。かつては殆どにおいてはVIAのみで使われている規格であったが、省電力かつ小型向けのIntel Atomの登場により近年注目を集めている。VIAのC3やインテルのIntel Atom、グラフィックチップなどをオンボードで搭載し、静音パソコンや組み込み向けなどで使用される。更に小型化されたNano-ITXや、Pico-ITXという規格もある。
- NLX (New Low Profile eXtended):LPXに似た規格だが、ネジ穴やI/Oの位置などの互換性は無い。インテル、IBM、DEC(現ヒューレット・パッカード)により策定されたが、きわめて少数のメーカー製パソコンに搭載されただけで、それほど普及せずに消えてしまった。LPXと同じく、PCIなどの拡張スロットをライザーカードで使用する。
- WTX (Workstation Technology eXtended) : 1998年にワークステーション向けとしてインテルが提唱。ATXの約2倍位のサイズで、主にサーバなどで普及している。これは複数個のCPUを搭載したり、数多くのメモリスロットやI/Oポートなどを備える必要があるためである。またサーバは高度なグラフィックス機能も不要であるため、古い世代のビデオチップがボードに搭載されているケースもある。
[編集] マザーボードの規格別サイズ一覧
単位はミリ。
[編集] マザーボードに搭載される主要コンポーネント
時代とともに搭載コンポーネントが増え、多機能化する傾向にある。オンボードの記事も参照。
[編集] レガシーデバイス
[編集] ファームウェア
[編集] 主要メーカー
- ASUS
- ASRock
- AOpen
- ABIT
- ALBATRON
- BIOSTAR
- DFI
- ELITEGROUP(ECS)
- FOXCONN
- GIGABYTE
- JETWAY
- インテル
- MSI
- Supermicro
- TYAN
- VIA Technologies
[編集] マザーボードの不具合問題
サードパーティー製チップセット搭載のマザーボードは、不具合や相性問題を抱える製品が少なからず存在する(ただし、各CPUメーカーの純正品が必ずしも安定しているという訳でもない)。チップセットドライバ、BIOSの更新や調整、各拡張カードのデバイスドライバやファームウェアの更新で安定することもあるため、特に自作パソコンのユーザーはネット掲示板などを通じ、これら不具合や相性の解消法の意見交換を盛んに行っている。
[編集] 不良コンデンサ問題
詳細は不良電解コンデンサ問題を参照
マザーボードに使用されている電解コンデンサの品質にこだわる自作パソコンユーザーが存在する。これは台湾、中国製の電解コンデンサに質の良くない製品が多く、短期間で液漏れ、膨張、破裂を起こす(いわゆる妊娠)製品が多いためである。(特にこの問題が意識されるようになったのは、コンデンサーが破裂してポンポン飛ぶという”事件”があった後である)これらの故障したコンデンサを放置したまま稼動させると、起動が出来なくなるなどPCの動作が極めて不安定になる。
特に2001年から2002年頃の製品に製造されたコンデンサを搭載したマザーボードが不具合を起こすといわれている。その際、大手のメーカーはこれらの製品の回収・修理といった処置をしたが、知らずに使い続けた一部のユーザーがネット掲示板などで報告し、物議を醸した。もし、マザーボードの保証期間内にコンデンサの故障が見られた場合、無償で修理・交換に応じてくれるので利用すべきである。保証が切れても有償(3~5000円前後)で修理や交換に応じてくれるメーカーや代理店もある。
上記の事件以降、メーカー側も安価な台湾、中国製の電解コンデンサを使うよりも、多少高価であっても品質が良い日本メーカー製造によるコンデンサを積極的に採用し、品質重視を強調する製品が増えている。 なお、使用しているコンデンサの種類からマザーボードベンダーの貴賎を判断する向きもあるが、実際にはコンデンサの品質以外にも、プリント基板やトランジスタなど電子素子の品質や回路設計の優劣も影響する。また、コンデンサそのものは高価な日本製を使っていても、回路を簡略化設計して全体の部品点数を減らし、コストの帳尻を合わせている場合もあるため、見た目に搭載しているコンデンサのみでマザーボードを選択、判断するのは得策とはいえない。
また、コンデンサにこだわるユーザのために、販売店側がマザーボードに実装されているコンデンサを、あらかじめ高性能なタイプに交換しオリジナル改造品として販売しているケースもある。また、コンデンサが故障した場合、あるいは正常動作はしているが最初から実装されているコンデンサに飽き足らず、マザーボードのコンデンサを自ら交換するヘビーユーザーも存在する。ただし、マザーボードのコンデンサ交換は基本的にはんだ付けで行うことになり、プリント基板やコンデンサに熱的ダメージを与えず確実に取り替えるためには、それなりの技術を要する([1])。
これらに使用される電解コンデンサの多くは低ESR品(低インピーダンス品とも)と呼ばれるものである。秋葉原などの電子パーツ店の店頭や電子パーツの通販など「PC用コンデンサ」などとコーナーを設けて1個数十円から200円程度で売られている。ただし、交換する際にはコンデンサメーカーのサイトのデータシートなどで、電気的特性が同等品以上かどうか、外形寸法が大きく変わらないか(外形寸法が大きいと周囲の部品と干渉し、物理的に取り付けられないことがある)を必ず確認することが必要である。
2006年から2007年頃からは、より高品質な固体アルミ電解コンデンサを採用することで差別化する製品が増えている。また、ハイエンド機種ではボード上のすべてに固体アルミ電解コンデンサを搭載していることが多い。

