ワークステーション

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ワークステーション英語:workstationWSとも略される)は組版科学技術計算CADグラフィックデザイン、事務処理等に特化した業務用の高性能なコンピュータのことを指す。その筐体のサイズは、通常、パーソナルコンピュータ (PC) と同程度か若干大きく、デスクトップに設置して使用されることが多い。

シリコングラフィックス(SGI)のワークステーション、Octane

目次

[編集] 概要

汎用コンピュータメインフレーム)などで構成されたサーバネットワークで接続され、事務専用端末として使用されることもある。

なお、JIS X 0001 (ISO/IEC 2382-1)では、「通常、専用の計算能力をもち、利用者向きの入出力装置をもつ機能単位(ハードウェア・ソフトウェアからなる指定した目的を遂行できるもの)」と定義しており、これに従うとパーソナルコンピュータ (PC) が含まれる。通常はPCやMacとは分けて考えることが多いが、PCやMacも一部の業務用機種はワークステーションとして扱われることがある。

1990年代前半までは、マルチウィンドウアイコンなどによるGUI、ネットワーク機能の標準装備、マルチタスクSVGAを超える高解像度のディスプレイなどがワークステーションのPCと比べた特徴であった。その後、これらの特徴はPCやMacの高性能化と普及によって、ワークステーションのみの特徴ではなくなった。

特に、科学技術計算、CADプロダクトデザイン、グラフィックデザインなどに使用されるものはエンジニアリングワークステーション (以下「EWS」) と呼ばれ、これらの作業を円滑に行うため、専用ソフトウェア、専用のハードウェアを持っていたことが多い。

また、事務処理や、組版などの編集作業に使われる物はオフィスワークステーションなどと呼ばれる。

ワークステーションの中にはユーザー専用に開発されたマザーボードPCIボード、周辺機器などを組み替える事で様々な制御機器のセンターマシン、監視装置などとして使用される事もある。これらの多くはリモートセンシングなど特殊な分野で利用されている。

POSシステムなどに代表される流通システムでは、全国規模に及ぶネットワーク化されたシステムを、メインフレームとサーバ専用機などの中規模なコンピュータ、ワークステーションなどを組みあわせて使用する事が多く、数十台から1万台単位の規模でソリューションとして販売される。このような場合、EWSなどと違いシステム構築の容易さと通信処理能力や、レジスターバーコードリーダーなどの専用ハードウェアへの対応が必要とされ、ワークステーションは端末としての機能もはたす。一度の大量発注による製造・販売・輸送コストの削減などが行われる。

なお、かつては、LAN内でサーバに対してユーザの手元にあるコンピュータのこともワークステーションと呼ばれていた(例: Windows NT ServerとWindows NT Workstation)。これは、コンピュータ自体の機能や性能による区分ではなく、もっぱらネットワーク内での役割による区分であり、ハードウェアとしてはPCそのものである場合も多かった。近年ではクライアントと呼ぶことが多い。

コンピュータを製造・販売するメーカーがそれぞれの販売戦略により、ワークステーションやパーソナルコンピュータ、サーバ等の名称を使い分けていることも、これら各カテゴリの境界を曖昧なものとする要因となっている。

[編集] 端末型ワークステーション

主に複数の人員により作業を行うデータ入力端末が最も多く使用されている。特に、PCの様な単独で動作する機能は必要なく、必ずセンターマシンが介在する。 また最近は、入力端末としてPCが代用される事が多い。

[編集] 歴史

端末型のワークステーションは1980年代前半に始まる。 メインフレームを中心に複数の端末機器を接続したものでディスプレイを内蔵した端末機をワークステーションと呼んだ。これらの多くは後に、大規模なグラフィック専用のメモリを搭載する事により、高度な漢字処理能力を有し、組版処理などのグラフィカルな処理を行える機能を有していた。これらの一部は後にワードプロセッサとして分化していった。またこれに伴い、レーザープリンタが接続されるなど高度な組版処理が行える様に進化していった。これらは現在でも端末型のワークステーションとして、ホテル、POSシステム、金融機関などで使用されている。

[編集] エンジニアリングワークステーション(EWS)

2004年では、EWSの上位機種においては64ビットマルチプロセッサや、64ビットPCIインターフェースに対応したグラフィック系の処理能力を持つハードウェアを有することが多かった。2007年1月現在ではマルチコアCPU、PCI Expressの普及が始まっている。インテル系のPCではワークステーションに導入されたハードウェアが少し遅れてPCでも使われ、ワークステーションとPCのハードウェアにおける性能的な境界は曖昧になっている。このため、メーカーがインテル系のワークステーションをPCの上位機種として位置づけることもある。

EWSでは、アプリケーション、グラフィックボードSCSIボードなどに専用ハードウェアを組み込んでいる場合が多い。また、OS自体に各メーカーがカスタマイズを行っていることも多い。それらのワークステーションは専用のハードウェアゆえに、PCに比べ非常に高価なものとなっている。

[編集] 歴史

1980年代UNIXをベースとしたクライアントサーバモデルのクライアント機として、OSがUNIXによる「UNIXワークステーション」が登場した。 これらは、光学ペンやタブレットなどの入力やプロッタなどの多数のインターフェースを有し、大規模なメモリを搭載し、設計、学術計算などに使用された。

1990年代後半、一部のCADなどの高度なグラフィック処理を必要とするものはUNIXワークステーションが主流で、パーソナルコンピュータとは異なり各社独自のアーキテクチャを使用した専用ハードウェアを使用するものが多く、性能面でもPCを凌駕していた。しかし、PCの爆発的普及に伴う大量生産効果などがありインテル製のプロセッサの性能が急激に向上したため、従来ワークステーションで行われていた業務のうち、専用のハードウェアを必要としないものがパーソナルコンピュータで行われる様になった。インテル製のプロセッサのマルチプロセッサ化が遅れたことや、64ビットPCIバスなど大規模データの取り扱いを必要とするワークステーションのニーズが高まり、専用の周辺機器などが開発された。

Windows NTの性能向上と共に、同OSを採用するWindowsワークステーションが登場した。パーソナルコンピューターの性能の向上と共に差は少なくなると思われたが、Windowsの64ビットCPU対応など高性能処理を行う事が出来るOSの開発やマルチCPU化などにより大幅に性能が向上し、3Dモデルや画像解析などの新たに多くのニーズが登場し専用のアプリケーションが開発されている。

これらの多くはワークステーションの性能に合わせカスタマイズされることが多く、ワークステーション専用のグラフィックアクセラレータなどのハードウェアやドライバ類が専用化されているため、一般のパーソナルコンピューターとは一線を画している。また多くのワークステーションでは64bitのPCIバスを持っている。 プロセッサは64ビットが主流だが、32ビット製品も採用されている。

現在、EWSのMPUではRISC系(PA-RISCPOWERSPARCMIPSAlphaなど)、AMD64、インテル系(x86IA-32)、IA-64など様々な種類が使用されているが、UNIX系ではそれぞれに対応したものがあるのに対して、Windows系ではRISC系はPowerPC、MIPS、Alphaをサポートするものが存在した。Windows系で現在も製造・販売されているものはAMD、インテルのx86/x64,IA-64系のみである。

[編集] 流通システム用ワークステーション

流通などを目的とし、出荷台数ではEWSを上回る。ハードウェア、OSなど主に端末系とエンジニアリング系の一部を流用した製品と言える。 主に、ミニコン、オフコン又はサーバとセットになった端末型か、EWSのハードウェアを内包し外観は別製品となっている。 EWSを内包した物の中には、EWS本体又は同一のマザーボード、CPUなどを内蔵しているが、ファームウェアの変更を行ったり、状況に応じ専用のLSIをマザーボード上に搭載するなど構成の多くは専用にカスタマイズされたハードウェアを持つ。このため、OSがWindows系であっても、BIOSなどが異なり、他のEWSやPCとの互換性は全くない。 1990年代前半は殆どが独自のOSだあったが、1990年代後半は多くがUNIXやWindows系のサーバ用マシンをベースに設計された。 その殆どは顧客のニーズに合わせ設計されているため、専用のアプリケーションを使用する。特に高度なGUIは必要とされず、容易に業務を実行できる様カスタマイズされている。またこれらの多くは、制御を兼ね備えるため、多くのインターフェースを有する。

[編集] 関連用語

[編集] 主なワークステーション

[編集] 端末型

  • N6300
  • POSシステム

[編集] 先進型

[編集] オフィス向け

[編集] UNIX(互換)ワークステーション

太字は現行機種(2007年1月現在)

[編集] Windowsワークステーション

[編集] その他