ワンボードマイコン

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ワンボードマイコン

ワンボードマイコンとは、むき出しの一枚(ワン)のプリント基板(ボード)の上に、電子部品と最低限の入出力装置を付けただけの極めて簡素なマイクロコンピュータである。元々はいわゆる評価用ボードだったのだが、コンピュータが個人のホビーとして使えるようになった、最初の形態のひとつとなった。のちに元の評価用ボードに戻る。

また、21世紀に入ってから、その程度の規模のコンピュータでもデスクトップ環境を含むようなLinuxが十分に実用的に動作するようになってきているため、「シングルボードパソコン」とでも言うべき新しい商品ジャンルが存在してきている。

仕様[編集]

製品としては、組み立てキットのものと、ボードとしては完成した状態で販売されたものとがあった。部品単位から組み立てる製品では、購入者ははんだごてを使って組み立てる事から始める。ボードに直流電源を供給する電源ユニットも別売りのものが多かったが、当時は自作する者も多かった。ボード自体を設計自作する者もいた。

入力装置もまだテンキーの様なボタンが付いているだけだった。これは0からFまでの16進数を入力するボタンと、アセンブリ言語ニーモニック入力などに使用するキーが9個程度の、計25個程度しか無かった。また東芝のEXシリーズではテンキー程度のボタンさえもなく、単位スイッチ(ONかOFFかの二方向しかない)が8~12列並んでおり、これらを上下させて2進数で入力する機種も存在した(これは世界初のホビー用マイコンであるAltair 8800と同じだが、Altair 8800自体はワンボードでなく、ケースに入っていた)。

出力装置としては、8桁程度の7セグメントLEDを標準で備えているものが多かった。ワンボードマイコンでプログラミングを覚えても、目に見える変化は7セグメントLEDの数字が変わるものしか作れなかった。しかしこうした貧弱な表示でも楽しむ要素を作ろうと、例えば7セグメントLEDの"|"と"_"と" ̄"を使って「プロペラ」を表してみたり、7セグメントLEDを横倒しにして縦8段×横3列のブロックくずしを作るなど、涙ぐましい努力が見られた。また、汎用I/Oポートを備えているものが多かったので、外付け回路により、様々な制御を試みることが行われた。

より発達した入出力装置(なんとかパソコンと言えそうな程度)まで持っていくにはキーボード、テレビ画面、プログラム言語(載せることが可能なのはTiny BASICForth程度)が必要となるが、メーカーによってはこれらの為の拡張キットも発売していた。とは言えこれも使用者が工作をせねばならず、自作でBASICを搭載するユーザもいた。

歴史[編集]

日本では、日本電気が技術者のトレーニング用としてTK-80を売り出したところ、技術者でなく一般客がホビー用として多数購入した事により、他のメーカーもホビー用としてワンボードマイコンを多数発売するに至った(いわゆる第一次マイコンブームの現象のひとつ)。

しかし程なく、手間をかける事なくすぐ動かせる、後にパーソナルコンピュータと呼ばれるようなマシンが生産されるようになった。海外ではApple II以下陸続と(特にこの世代を指して「ホームコンピュータ」(en:Home computer)という分類もあるが日本では一般的でない)、日本のマシンではどれをもって最初とするかは議論があるが、決定付けたのはPC-8001であろう。ホビーの主力はそちらに移り(いわゆる第二次マイコンブーム)、マイコンボードは評価用、トレーニング用、制御組み込み用といった元々の位置に戻ることとなった。

主なメーカーと機種[編集]

日本国外製品[編集]

日本国内製品[編集]

シングルボードパソコン[編集]

(まだジャンルとしてはっきりしていないので、節タイトルは仮)

参考文献[編集]

  • マイコン入門 大内淳義 広済堂
  • マイコン活用法 中沢真也 広済堂
  • マイ・コンピュータ入門 安田寿明 講談社
  • マイ・コンピュータをつくる 安田寿明 講談社
  • マイコンピュータをつかう 安田寿明 講談社
  • 復活! TK-80 榊正憲 アスキー ISBN 9784756134011
  • 大人の科学マガジン Vol.24 特集:マイコンの時代 ISBN 9784056054712

関連項目[編集]