ビープ音

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ビープ音(ビープおん、beep)は、電子機器が通知のために発する音である。発振(はっしんおん)が訳語として使われる場合もある。やや高いブザー音であることが多い。

概要[編集]

ビープ音は、単一の波形で構成されるで、これは単純な電子回路で合成できることから、様々な機器に組み込みで使われる。ビープ音を発する機器は、家庭における洗濯機電子レンジ、店舗におけるバーコード読み取り型のキャッシュレジスター、オフィスにおける複写機など数多く存在する。また初期の電子ゲームや21世紀の今日でも、デジタル式の腕時計などにおいては、その音を出すための機構の設計や組み込みが容易いことから利用されている。

こういった音は、機械の動作を利用者に音声で知らせるために使われており、何らかの動作が終了した際や、異常があるために動作を続行できない場合などに発せられる。音は単一でも音程を変更したり一定のタイミングで入り切りを繰り返すことで所定の意味を持たせることもおこなわれており、例えば「一回短く鳴らす」だったら正常終了、エラーの際には「長く3回繰り返して鳴らす」などのような様式も見られる。音程によっても意味を付与してある製品も見られ、低い連続した音はエラー、操作の確認には短く甲高い音、動作終了時には長く甲高い音を3回繰り返すなどと使い分けも行われている。

ビープ音の衰退[編集]

電子機器が社会に登場して以降、様々なところで利用され続けてきたビープ音だが、機器の高度化にともない、所定のメロディや録音された人間の音声に置き換えられる場合もある。この傾向は、呼び出し音が社会問題化した携帯電話に顕著である。こと音声合成LSIなど高度な音声出力用の集積回路が安価に出回る地域の製品では、生活家電の中にも音声で動作を知らせることで他社製品との差別化を図るものも見られる。

擬声語[編集]

英語のbeepは擬声語である。日本語では「ピー」または「ピッ」などと表現される。典型的な例が留守番電話の対応メッセージで、出荷時に録音されているメッセージでは「ピーという音」などと表現されている。

余禄ではあるが、電子レンジなどでは古くベルを鳴らすことで調理の終了を知らせていたため、電子レンジで調理することを「チンする」ともいうが、21世紀に入っての廉価版電子レンジでは、ビープ音が利用される製品が主流である。このため電子レンジ調理を指して「ピッする」などの表現もみられないことではない。

コンピュータにおけるビープ音[編集]

コンピュータにおいて最も原始的な音声出力と位置づけられ、通常は単音の矩形波である。電源投入時や、稼働中にエラーが発生した場合などに使われる。この音はBIOSなどコンピュータのハードウェアで出されるため、OSの主機能をつかさどるカーネルの動作不良でも鳴らすことができ、動作の上では致命的なエラーの際にも鳴らすことが可能である。ただしプログラム的には、直接的にシステムに働き掛けて鳴らすことも可能で、必ずしもビープ音が致命的なエラーを意味するわけではない。

実装はさまざまであり、I/Oの状態が直接HighとLowを示すものもあれば、一定の周波数を発声するもの、任意の周波数を出力できある機種などがある。PC-9801 VM以降用『ソーサリアン』などビープ音でBGMを演奏したゲームソフトも存在する。またコンピュータウイルスが演奏したヤンキードゥードゥルなどもよく知られている。 黎明期には周波数を時分割し、繰り返すことで和音を発声するソフトウェアなども存在した。

現在のパーソナルコンピュータ市場の中心であるPC/AT互換機では、多彩な拡張カードを自由に組み合わせられることが特徴となっており、起動時の障害などのエラーコードのため、多くの機種でブザー、若しくはスピーカー出力のピンヘッダが用意されており、必ずしもマザーボード単体では音は鳴らない。チップセットに出力のための回路が組み込まれる前のマザーボードには、マザーボード単体で使える音声出力はビープ音のみのものがあり、そのような機種で音声出力をするためには、別途サウンドカードの増設を必要とした。

関連項目[編集]