擬声語

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擬声語(ぎせいご)は擬音語と擬態語の総称で、英語:onomatopoeiaの訳語である。オノマトペともいう。擬声語を擬音語の一部とする文献もある。

擬声語は、金田一春彦による研究が知られているものの、言語学において長らく研究対象とはされてこなかった分野である。日本が模範とした欧米の言語学は実際的な使用面よりも抽象的な理論形成を主眼においたこと、そもそも擬声語は言語体系の中心を離れた周辺的なもの、要するにだらしなく子供っぽいものと見なされたことがその理由である。子供っぽいという点に関しては、擬声語が日常語や子供向けの本に多用されるが、学術論文などにはまず登場しないことから伺える。

音と意味が直結した言葉である擬声語の意味の違い(「おずおず」と「おどおど」の違いなど)を考えることは、日本語の言語感覚を磨くのに役立つとする見解もある。

目次

[編集] onomatopoeiaの訳語

onomatopoeiaの日本語訳は数多い。以下、いくつか例を挙げると

  • 「擬声語」「物声模倣」 - 『新英和大辞典』 研究社
  • 「声喩法」 - 島村龍太郎 『新美辞学』
  • 「擬声法」 - 『日本百科大事典』
  • 「写音法」 - 黒岩大訳述 『雄弁美辞法』
  • 「声喩」 - 増田藤之助 『英和比較・英語修辞学講義』

などがある(『レトリック事典』144-154頁に詳しい)。

文部科学省が版行する『学術用語集』はonomatopoeia⇔擬声語としているため、本項はこれに準ずる。

[編集] 擬音語

擬音語は物が発する音を字句で模倣したものである。このうち『オノマトピア』は人や動物が発する声を擬声語と分類している。

例:

  • メーメー(
  • ブーブー(
  • ドキドキ(心臓の鼓動)
  • ガチャン(ガラスの割れる音)
  • ドカン(爆発音、衝撃音)

なお音声を発する主体が同一の場合であっても、言語が違えば表記も当然違うものになる。

例:が吠える声

擬音語が動詞化・一般名詞化する用例も多数存在する。例えば、幼児期において擬音語をもって対象物を表現する用例が挙げられよう(例:「ワンワン」=、「ブーブー」=自動車)。この他にも、コンピュータマウスのボタンを押下する動作を「クリック(click)する」、その鳥が発する鳴き声からカッコウ(en:cuckoo)、タミル語におけるカラス(kaakam)などが挙げられる。

[編集] 擬態語

状態や感情などの音を発しないものを字句で模倣するのは、日本語の特徴でもある。「たっぷり」「ちょうど」のように擬態語と一般語彙の中間的なものもある。

これについては英語版にJapanese sound symbolism(日本語の音象徴)がある。

例:

  • しいん・・・静寂 (生理的耳鳴りの擬音語であるとする説もある)
  • ばらばら・・・散らばっている様
  • めろめろ・・・惚れ込んでいる様
  • たっぷり・・・豊かで余裕のある様。
  • ちょうど・・・「丁度」は当て字で、元来は擬態語または擬音語。

[編集] 関連項目

  • 修辞技法
  • 音象徴
  • 宮川大輔 - お笑いタレント、俳優。「擬音師匠」と呼ばれ、自身のトークの中で非常に個性的な擬音を当てることで知られる。
  • 湯浅譲二 - 作曲家。以下の2つの合唱曲がある。
    • オノマトペによるプロジェクション - 混声合唱のための
    • オノマトペによるうたあそび - 児童合唱のための

[編集] 参考文献

  • 佐々木健一監修 佐藤信夫・松尾大・佐々木健一著 『レトリック事典』 大修館書店、2006年、144-154頁。ISBN 9784469012781
  • 文部省・日本言語学会・日本英語学会編 『学術用語集 言語学編』 日本学術振興会、1998年、30、334頁。ISBN 9784818195066
  • 筧寿雄・田守育啓編 『オノマトピア-擬音・擬態語の楽園-』 勁草書房、1993年、序に代えて1-4頁。ISBN 9784326152865
  • 山口仲美・佐藤有紀 『「擬音語・擬態語」使い分け帳』 山海堂、2006年、2-3頁。ISBN 9784381086273
  • 小野正弘編『日本語オノマトペ辞典』小学館、2007年、 ISBN 978409504174-2