エルカセット
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エルカセット(ELCASET)は、カセットテープの性能および音質があまりよくなかった1970年代当時、「カセットテープでオープンリールの音質を」という開発思想の下でソニー、松下電器産業(現社名:パナソニック)、ティアック(TEAC)の3社が開発したメディアで1976年に商品化された。ソニーの登録商標(第1402545号)。
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[編集] 概要
文庫大の大きさのケースに1/4インチのテープを収め、テープは6.3mm幅(オープンリールと同一の幅)、テープ走行速度は9.5cm/sであった。磁性体は酸化鉄、コバルト系酸化鉄を使用。
明らかにコンパクトカセットより高性能であったが、メディアのサイズが大きく携帯製に欠けポータブル機器としての商品展開に向かなかったことや、オープンリールのように切り貼りによる編集が容易ではなかったこと、参加メーカーが4社(開発メーカー3社と日立(「LO-D」ブランド))と非常に少なかったこと、それとコンパクトカセットの性能および音質が飛躍的に向上したこと(1978年頃にメタルテープ(TYPE IV)の本格的な導入)により、1980年代初頭にひっそりと自然消滅した。
[編集] テープの種類
TYPE I(ノーマル:コンパクトカセットのTYPE I相当)、TYPE II(フェリクローム:コンパクトカセットのTYPE III相当)、TYPE III(クローム:コンパクトカセットのTYPE II相当)が存在する。TYPE IIIのエルカセットは松下電器のみの発売、さらに60分2500円という価格設定から当時のオーナーでも実際に使っていたというケースは非常に少なかった。
[編集] 終焉
松下電器は自動選曲機能付の上級機、RS-7900Uを試作し雑誌等に概要を発表したが製品として世に出ることはなかった。この他、シャープがPCMプロセッサを搭載したレコーダーの試作機にエルカセットを採用したものの、製品化には至らず終わっている。
[編集] その他
一部では、ELCASET-DR(データレコーダ)規格として医療機器の補助記憶装置などに利用された。カセットハーフに貼付されたラベルにはTYPE IIIの表記が見られるため、音楽用としても流用が可能と思われる。但しメーカーの販売は数年前に終了し、中古テープに関してもインターネットオークションや大手の専門ショップでも、ここ数年流通したという話を聞かないため、入手はほぼ絶望的である。

