Lo-D

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Lo-D(ローディー)は、日立リビングサプライオーディオブランドであった。 かつては同社の親会社である日立製作所のオーディオブランドであった。

[編集] 概要

かつて1960年代後半から日立製作所の高級オーディオブランドとして、ギャザードエッジスピーカー、パワーMOS FETアンプ、ユニトルクモーター搭載カセットデッキ/レコードプレーヤー/CDプレーヤーなど、日立の総合力を活かしたユニークな技術に定評があった。

しかし、時代が進むにつれてデザイン面や機能面で競合他社の後塵を拝すようになり、大型家電量販店の店頭からも徐々に姿を消していった。

1980年代半ばには、高級オーディオの自主開発および生産から撤退した。

その後、1990年代半ばまで当時のグループ会社であった日本コロムビア(旧DENONブランド)からOEM供給を受け、CDプレーヤーDATデッキ、デジタルアンプスピーカーなど販売を続行したものの、バブル崩壊の影響により販売を中止。市場から完全撤退した。

ちなみに、Lo-Dの冠をつけた若者向けのショールーム「日立ローディープラザ」を東京銀座の銀座インズ内(現在はHMV銀座店の一部になっている)にも設けたこともあった。(その後ショールームは生産撤退後「日立ヤングプラザ」という名称に変更され、その後閉鎖された)

高級オーディオの自主開発から撤退した1980年半ば、HITACHIブランドで展開していたゼネラルオーディオ機器についても事業を大幅に縮小。上位モデルはパナソニックシャープサンヨーからのOEM供給に切り替え、下位モデルは東南アジア圏にある自社工場で生産した自社開発製品をラインナップしていた(下位モデルは1990年ごろからLG(GoldStar)からのOEM供給に移行)。

この頃から、CDラジカセヘッドホンステレオ、ポータブルCDプレーヤーにもLo-Dブランドが冠されるようになった。

なお、ミニコンポのジャンルに限ってはしばらく自主開発・生産を継続した。1988年「ツインエディットコンポ」を発売。当時珍しかったツインCDプレーヤーによる多彩なテープ編集と、中山美穂が双子のように演技するCMが若者に支持され一躍ヒット商品となった。しかし、1990年代初頭に高性能ミニミニコンポブームが訪れると、開発力の弱さから当時のトレンドであったダウンサイジング化やDSP(デジタルシグナルプロセッサー)サラウンドといった先進の機能を搭載することができず、事実上市場からの退場を余儀なくされてしまった。そのあおりを受け、1991年にスピーカーを除き自主開発・生産を中止した。

その後は1995年までシャープ日本コロムビアからコンポ本体部分のみOEM供給を受け、スピーカーは往年のギャザードエッジを復活させてセットモデルとした高級路線のミニミニコンポを「ギャザードPeeWee(ピーウィー)」という名称で販売していた。

1996年、バブル崩壊でアイワに代表されるオーディオ低価格化の波に押されるようになるとスピーカーの開発も中止となり、オーディオ製品の自主開発・生産を完全に終了。 オーディオ製品のラインナップはLG(GoldStar)、日本コロムビア、サンヨーからの全面OEM供給のみとなった。

1999年、オンキヨーのINTECシリーズがヒットしたことをきっかけに、単品コンポ並みの内部設計をミニミニコンポサイズに凝縮した「ハイコンポ」市場が形成された。日立も、日本コロムビアから内部メカのOEM供給を受け、4年ぶりの自社工場生産(シンガポール工場製)のMD搭載ハイコンポを3機種(CD/MD一体型機、CDチューナーアンプ/MD セパレート2ピース型、CD3連装チェンジャー/MD/チューナーアンプ セパレート3ピース型)を発売し、Lo-Dブランドの再起を目指した。しかし、またしても当時のトレンドであるMDLP規格に対応した商品を発売できなかったことや、CD/MDラジカセやMDプレーヤー、メモリープレーヤーをすべてサンヨーからのOEM供給でまかなっていたため、家電量販店の店頭には殆ど出回らなかった。

2002年、日立製作所が日本国内におけるオーディオ販売を終了し、子会社の日立リビングサプライにオーディオ部門が譲渡された。(EU圏のみ日立ヨーロッパがOEM商品の販売を続行したが、2006年末で完全撤退)。

この頃からLo-Dブランドは、Hitachi Living Systemsとのダブルブランドとして、CDラジカセ、ミニコンポ、ポータブルCDプレーヤーに付与されていた。

2008年4月、唯一残っていたLo-DブランドであるUSB対応CDラジカセの販売が終了。この商品を最後に、40年余り続いたLo-Dブランドの歴史に幕が下ろされた(引き続き Hitachi Living Systems ブランドとしてオーディオ製品の販売は続行する)。

このように、規模を大幅に縮小しながらも日立がオーディオ部門から完全撤退しない背景には、日立専属の特約店である日立チェーンストールの取扱い商品の補充という意味合いが強い。そのため、一般の家電量販店に日立のオーディオ製品は殆ど流通していない。ただし、ディスカウントストアなどでは、同社のMP3プレーヤーやCDラジカセがチラシの目玉商品として置かれていることもある。

なお、家庭用オーディオ機器以外でも1970年代後半に「HMS-30」というアナログシンセサイザー楽器を、また1970年代後半から1980年代後半までカーオーディオシステム (スピーカー、アンプ、カセットデッキチューナー、液晶テレビ)をLo-Dブランドにて販売していたことがある。

代表的な技術(日立製作所時代)

  • ギャザードエッジスピーカー…「ギャザードエッジ」とは標準的なコーン型スピーカーのロールエッジを改良し、独自のヒダ(ギャザー)を加えたV型のエッジのことである。このヒダがあることによって構造的に伸びと縮みの応力が一定になり、かつ円周方向にも伸び縮みが一定であるために振動板の直線性が改善し、大振幅時およびエッジの共振によるひずみが低減され、fo(最低共振周波数)を低くとることが可能である。なお、現在ではアルパインが車載用スピーカーに本技術を採用している。
  • ユニトルクモーター
  • パワーMOS FETアンプ
  • ATRSシステム

代表的な製品(日立製作所時代)

パワーアンプ

  • HMA-9500…パワーMOS FET搭載の完全セパレート設計2チャンネルパワーアンプ。
  • HMA-9500MKⅡ(HMA-9500のマイナーチェンジ版)…オーディオ評論家の長岡鉄男が、リファレンスアンプとして愛用。現在でも中古商品がネットオークションなどで高値取引されている。

プリアンプ

  • HCA-9000…上記HMA-9500とペアにするべく開発されたプリアンプ。本機の為に新開発された日立製高級コンデンサを大量搭載する"物量の日立"の面目躍如のプリ。

カセットデッキ

  • D-707HX…日立初のドルビーHX PRO搭載モデルでありながら、日立最後のモデルとなったカセットデッキ。
  • D-1100MB…カセットのオートチューニングシステム(ATRS)を初めて搭載したカセットデッキ。
  • D-5500M

CDプレーヤー

  • DAD-001…日本初のセパレート型CDプレーヤー。プレーヤー部DAP-001とプロセッサ部HDA-001のセットモデル。

スピーカー

  • HS-10000…受注生産で販売された超大型5ウェイ平面スピーカーシステム。
  • HS-500…1968年発売。ギャザードエッジ技術を初めて搭載したスピーカー。現在でもオークションで高値取引されている。

ミニコンポ

  • ツインエディットコンポ(Wing / DIGITAL f5)…CDプレーヤーを2つ搭載し、クロスフェードダビングなど多彩なテープ編集機能を備えたミニコンポ。

[編集] イメージ・キャラクター

[編集] 外部リンク