ルパン三世のテーマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ルパン三世のテーマは、漫画家モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の主題歌として使用された楽曲である。

目次

[編集] 曲について

ジャズピアニストであり、作曲編曲家の大野雄二による、日本で最も有名なアニメ主題歌(主題曲)の1つ。当時のアニメのテーマ曲といえば歌詞入りが基本だったが、刑事ドラマばりの歌詞の無いインストゥルメンタルによるテーマ曲は非常に珍しかった。また、毎年開催される高校野球応援歌のほか、FC東京チャントとしても使われている。

この曲はいわゆる「AABA進行」(en:Thirty-two-bar form)と呼ばれるもので、説明のために便宜的に同じ旋律を1フレーズと分類すると、この曲の基本的な構成は以下のようになる。

前奏1 フレーズA フレーズA' フレーズB フレーズA" 終奏1 間奏 前奏2 フレーズA フレーズA' フレーズB フレーズA" 終奏2

この中で、フレーズA、フレーズA'、フレーズA"の主旋律は基本的に同じでアレンジが若干異なる。また、フレーズ間のつながりにブリッジとなるメロディが加わる。多くのバージョンでフレーズA"の後半メロディはブラスで演奏される。ルパン三世TV第2シリーズのオープニングに使われたTVサイズバージョンは、元のバージョンの前奏2から終奏2までで構成されている。

[編集] さまざまなヴァリエーション

オープニングテーマエンディングテーマとして用いられたものに加え、本編用のアレンジ版などを加えると、膨大な数にのぼる。

[編集] 『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』で使用されたヴァージョン

ルパン三世のテーマはTV第2シリーズで初めて登場した。『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』で使用されたヴァージョンは以下の通り。いずれも編曲は大野雄二が担当。

これらのヴァージョンには、さらにそれぞれ「TVサイズ」と呼ばれる短いヴァージョンがある。これらは元のヴァージョンとはまた別に収録されたもので、TVシリーズのオープニングで使われたのはテレビサイズである。

また、これらのバージョンは2005年に、大野雄二自身のディレクションによって「2005ニュー・ミックス」として、マルチテープからトラックダウンをし直したバージョンが発表されている。

[編集] ルパン三世のテーマ

TVサイズ版が第1話~第26話のオープニングテーマとして使用された。

シングル盤の曲名表記は『ルパン三世のテーマ』であったが、1990年にコロムビアから発売されたCDボックス第二弾で『ルパン三世'78』と表記。以降のCDでも『ルパン三世'78』や『ルパン三世のテーマ'78』と表記されるようになるが、これはヴォーカル版との曲名上の差別化、あるいは『ルパン三世'79』『ルパン三世'80』との統一を図ったものと思われる。この措置のため「1978年の曲」と誤解されがちであるが、第2シリーズの放映開始も、シングルレコード発売も1977年である(『'79』『'80』も使用開始はタイトルの前年から)。演奏はユー&エクスプロージョン・バンド。最もポピュラーなフレーズ「Lupin the Third」のコーラスは大野作品のみならず山下毅雄作品への参加も多い伊集加代シンガーズ・スリー

なお、フルサイズ版には、曲の途中でコーラスが入らないシングル・ヴァージョンと、コーラスが入るアルバム・ヴァージョンがある。これはトラックダウンによるミックスの違い。 アルバム・ヴァージョンでは、間奏で山田康雄による「俺、ルパン三世・・・」から始まり、以下順番にレギュラー陣によるセリフが入っている。

[編集] ルパン三世のテーマ(ヴォーカル版)

TVサイズ版が第27話~第51話のオープニングテーマとして使用された。

  • ヴォーカル版で、歌詞原案は鴇田一枝。TV第2シリーズの視聴率が好調だったため、レコード会社の戦略として、「テーマ曲に歌詞をつけよう」という企画で歌詞は一般公募となった。しかし、大野の回想によればまともな歌詞が集まらず、鴇田の歌詞を採用後、作詞家の千家和也に補作を依頼、完成に至ったという経緯がある。歌はピートマック・ジュニア(Pete Mac, Jr.)こと藤原喜久男による。彼の声はかなりインパクトがあった。
  • 当初は「ルパン三世 愛のテーマ」のヴォーカル版を担当したアニメソング界のアニキこと水木一郎による録音も行われたが、採用にはならなかった。水木版は2003年になって初ディスク化が実現している。

[編集] ルパン三世'79

TVサイズ版が第52話~第103話及び劇場映画第一作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』のオープニングテーマとして使用された。

主旋律を当時のシンセサイザーが奏で、随所にシンセドラムも鳴り響く。またホーン・セクションとストリングスの関係性が「ルパン三世のテーマ」と逆になっているのが面白い。ギターも「ルパン三世のテーマ」ではエレキだったが、本バージョンではアコースティック・ギターが使われている。TVサイズとフルサイズでは演奏が異なり、またTVサイズはモノラル録音である。第99話と第103話は日本アニメ史上初のステレオ放送であったため、それに合わせてこの回のみフルサイズをTVサイズに編集し、効果音が被せられている。モノラル録音による様々なブリッジヴァージョンが存在し、テレビスペシャルや劇場版の予告編でも使用頻度は高い。PS2用ゲームソフトのテーマ曲にもなっている。

[編集] ルパン三世'80

TVサイズ版が第104話~第155話(最終話)のオープニングとして使用された。劇場映画第二作『ルパン三世 カリオストロの城』でもフルサイズ版が編集されて劇中で使用された(オープニングテーマとしての使用ではない)。

TVシリーズ最終年を飾った、フルバンド演奏による最もジャジーなヴァージョン。ヴィブラフォンメロディを奏でる。TVサイズは初使用となった第104話のオープニングから、モノラル放送・ステレオ放送に関わらず、効果音付きの状態で使用された。本バージョンが一番好きというファンは多い。このバージョンから最終部分の演奏が現在のバージョンでも基本となる「ソーファーレド#ドシ♭ソ」と下がるものになる。

また『カリオストロの城』では、物語前半のカリオストロ公国でのカー・チェイスシーンで2度編集されて使用されている。また、後半では様々存在するブリッジヴァージョンのうちの1曲が使用されている。

[編集] 『ルパン三世 PartIII』について

ルパン三世 PartIII』では、音楽の著作権が前2シリーズ及び劇場版を受け持ったコロムビアから当時新興のバップに移ったため、大野雄二がTV第2シリーズで用意した楽曲はほとんど使用できなかった。そのため、本作用の音楽に「ルパン三世のテーマ」のアレンジ曲は存在しない。また、本シリーズのOP「セクシー・アドベンチャー」、ED「フェアリー・ナイト」は、コロムビアから発売されたテーマ曲集には当初オリジナルのマスターが使えず、別の歌手によるカバー曲を収録していたという経緯もある。

[編集] 『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』で使用されたヴァージョン

『PartIII』放映中に劇場公開された劇場映画第三作『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』では、よみうりテレビとともに日本テレビ放送網が製作に携わり、レコード会社間の調停を行い、久々に「ルパン三世のテーマ」が聴けることとなった。

[編集] THEME OF LUPIN the 3rd

映画用に録音されたヴァージョンで、全パートがシンセなど電子楽器による演奏。録音時のMナンバーは"M32"。本編で使用された1コーラス版は、2チャンネル・モノラルでの録音で、映画公開当時にコロムビアから発売されたサントラLP『ルパン三世 バビロンの黄金伝説 オリジナル・サウンドトラック音楽集』に収録されている2コーラス版とは異なる完全なる別録音ヴァージョンである。 映画本編では、ルパンがマルチアーノのもとから黄金の獅子像を奪い、コウモリ型カイトで飛び立つシーンに用いられている。

また、不二子の口笛にも使われている。

[編集] 1989年以降のTVスペシャル・劇場映画・OVAで使用されたヴァージョン

1989年からスタートし、現在も年1本のペースで放送されるTVスペシャル。その間の1995年1996年に劇場映画が2作品(『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』、『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』)、2002年にOVAが1作品(『ルパン三世 生きていた魔術師』)製作されている。

[編集] ルパン三世のテーマ'89(THEME FROM LUPIN III '89)

TVスペシャル第一弾『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』以降、オープニングテーマとして最多使用のヴァージョン。編曲は大野雄二。コーラスはアマゾンズ[1]が担当している。初リリースは『バイバイ・リバティー・危機一発!』のエンディングテーマ「エンドレス・トワイライト-最後の真珠-」(歌:慶田朱美)とのカップリングで、曲名は「ルパン三世のテーマ(インストゥルメンタル)」というクレジットだったが、後続のサントラ盤で上記の英語タイトルが用いられ、たびたびそれに伴う日本語タイトルも付けられる。

使用された作品

なお、『バイバイ・リバティー・危機一発!』において、この曲は2ヴァージョン製作された。後にCD化されて親しまれることになるフルサイズヴァージョンと、これとはイントロとエンドコーラス、コーダが大きく異なり、また全編に渡りリズムセクションの演奏が異なっているTV用ヴァージョンの2種類である。TV用ヴァージョンは未CD化の貴重な音源である。『バイバイ・リバティー・危機一発!』においては予告編、及び本編のオープニングではそのままTV用ヴァージョンが使用され、中盤ではフルサイズのコーラス後にこのTV用が繋げられ、混合使用されている。

また、『ヘミングウェイ・ペーパーの謎』と『ナポレオンの辞書を奪え』のオープニングも同様にフルサイズのイントロを使用し、コーラス後にこのTV用に繋げており、『ロシアより愛をこめて』、『ルパン暗殺指令』、『燃えよ斬鉄剣』ではイントロとコーダはフルサイズで中盤のみTV用使用という珍しい編集が施されている。また『くたばれ!ノストラダムス』では、逆にイントロのみTV用を使用し、中盤からフルサイズに繋げて使用されている。『ルパン三世VS名探偵コナン』では数ある両者の音楽の中でエンディングとしてフルサイズヴァージョンが編集されて使用された。現在のところ、「ルパン三世'89」がエンディングで使用されたのは同作のみである。

[編集] ルパン三世のテーマ('96TVヴァージョン)

1996年放送のTVスペシャル第八弾『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』でのみ使用されたヴァージョン。編曲は、本編の音楽を担当した根岸貴幸。演奏の指揮は中谷勝昭。「Lupin the Third」のコーラスは今井優子。 大野は、同年の劇場映画第六作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』で、前年の山田康雄の死去と、ライブ演奏の多忙を理由に降板し、根岸が担当。そのため、本作でも音楽を担当することになった。

なお、『DEAD OR ALIVE』でも根岸によるアレンジ版「ルパン三世のテーマ('96ヴァージョン)」が録音され、サントラ盤(発売元:バップ)にも収録されている(本編未使用)が、このTVヴァージョンとは似ても似つかぬアレンジである。

使用された作品

[編集] ルパン三世のテーマ'97(THEME FROM LUPIN III '97)

1997年にルパン三世誕生30周年を記念してレコーディングされたヴァージョン。編曲は大野雄二。30周年ということもあり、これまでのヴァージョンの集大成のようなアレンジとなっている。コーラスには、企画アルバム『テーマ・レボリューション'92』(1992年発売/コロムビア)でアカペラによるテーマを披露したタイム・ファイブに加え、大野雄二作品への参加が多く、オリジナル・ヴァージョン('78)でコーラスを担当していたシンガーズ・スリー伊集加代子和田夏代子尾形道子)も久々に集結。30周年にふさわしいヴァージョンとなった。 作品での使用は、この年のTVスペシャル第九弾と翌1998年のTVスペシャル第十弾の2作のみとなっていた(1999年のTVスペシャル第十一弾『ルパン三世 愛のダ・カーポ〜FUJIKO'S Unlucky Days〜』では「THEME FROM LUPIN III '89」を4年ぶりに使用したが、クレジットには「ルパン三世のテーマ(97バージョン)」と記されている)が、2008年のOVA第二弾『ルパン三世 GREEN vs RED』で久々に使用された。

使用された作品

[編集] ルパン三世のテーマ'97(readymade 440 mix)

PUNCH THE MONKEY!3』(2000年6月発売/発売元:コロムビアミュージックエンタテインメント)で最初のトラックに収録された、DJよしおによるリミックス・ヴァージョン。同シリーズでは、元曲の1フレーズくらいしか用いていないような、オリジナル版の影も形も無いリミックス版が多い中で、このヴァージョンはオリジナル版『ルパン三世のテーマ'97』を生かす形で、新たに楽器やコーラスをオーバーダビングしている。完成度の高さから、2000年放送のTVスペシャル第十二弾『ルパン三世 1$マネーウォーズ』のオープニングテーマに採用され、冒頭のカーチェイスシーンを盛り上げた。

なお、オーバーダビングされたコーラスにはタイム・ファイブ田井康夫が、そしてピアノ演奏には島健が参加している。

使用された作品

[編集] LUPIN THE THIRD

英語詞によるヴォーカル・ヴァージョン。詞は奈良橋陽子、歌はakiko2001年放送のTVスペシャル第十三弾『ルパン三世 アルカトラズコネクション』のエンディングテーマ「WHAT'S THE WORRY?」をakikoが歌い、それを収録したマキシシングルのカップリングとなった。

なお、英語詞は2000年に発売された『LUPIN THE THIRD「JAZZ」the 2nd』(発売元:バップ)で新たに作られたものを使用している。

[編集] ルパン三世のテーマ'78(2002 Version)

大野雄二がルパン三世音楽担当25周年を迎え、記念に録音されたTV第2シリーズで最初に使用されたオリジナル・ヴァージョンの再演奏版。再演奏とは言えアレンジは随所で異なり、編成の厚みはオリジナル以上。コーラスは、『未来戦隊タイムレンジャー』の主題歌を歌った佐々木久美のほか、広谷順子斎藤妙子が担当している。

リリースされた年と同じ2002年のTVスペシャル第十四弾『ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト』では、ルパンファミリー5人の出会い、すなわちシリーズの出発点が描かれるということもあり、エンディング・テーマとして使用。この作品ではオープニングに'89バージョンが採用されており、ルパン三世単独の作品としてはルパン三世のテーマがオープニングとエンディングで2度使われた唯一の作品でもある。その後、翌2003年のTVスペシャル第十五弾と2004年のTVスペシャル第十六弾でオープニングを飾った。また、ルパン三世VS名探偵コナンではオープニングを飾り、エンディングは89が使われるという、ファーストコンタクトとは逆の構図が見られた。

使用された作品

また、2006年放送のTVスペシャル第一八弾『ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ』のTVスポットでも使用された。近年では『金曜ロードショー』でルパン作品が放送される際のTVスポットでも、ほとんどこのバージョンが使われる(新作のみならず、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』など旧作の放送でも使用される)。

[編集] ルパン三世'80(2005 Version)

TV第2シリーズの後期オープニングを飾り、歴代ヴァージョンの中でも人気の高かった'80ヴァージョンの再録音版。2005年放送のTVスペシャル第十七弾『ルパン三世 天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』でオープニングを飾った。『LUPIN THE THIRD「JAZZ」』シリーズや『Isn't It Lupintic?』シリーズ開始当初から、再演奏のリクエストが多かった。'78の2002年ヴァージョンと同様、ストリングスも加えられ、アレンジも基本的にオリジナルに忠実ながら、厚みも増している。コーラスは佐々木久美、広谷順子、斎藤妙子。ヴィブラフォンは大井貴司による。

使用された作品

[編集] その他レコード・CD等でリリースされた主なアレンジ版

[編集] ルパン三世'92

  • 初収録CD『ルパン三世 テーマ・コレクション』(コロムビア/1991.12.21発売/COCC-9457)

※ただし、歴代テーマ(「'78」「'79」「'80」)とのメドレーで、山田康雄によるナレーション入り

  • フルサイズ初収録CD『ルパン三世 テーマ・レヴォリューション'92』(コロムビア/1992.5.21発売/COCC-9978)

[編集] ルパン三世・テーマ(A CAPELLA VERSION)

  • 初収録CD『ルパン三世 テーマ・レボリューション'92』(コロムビア/1992.5.21発売/COCC-9978)

[編集] ルパン三世・テーマ(STRINGS QUARTET VERSION)

  • 初収録CD『ルパン三世 テーマ・レボリューション'92』(コロムビア/1992.5.21発売/COCC-9978)
    • 演奏:大野雄二&'92 Explosion Band

[編集] ルパン三世・テーマ(Cathedral Version)

  • 初収録CD『ルパン三世 聖夜泥棒 LUPIN THE THIRD IN CHRISTMAS』(コロムビア/1992.11.10発売/COCA-10291)
    • 演奏:YOU&'93 Explosion Band

[編集] THEME FROM LUPIN Ⅲ '07

  • 初収録CD『THE BEST COMPILATION of LUPIN THE THIRD "LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!!"』(バップ/2007.6.27発売/VPCG-84856)
    • 演奏:大野雄二(ピアノソロ)

[編集] アニメ以外でのカバー曲