ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!
『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』(ルパンさんせい バイバイ・リバティー・ききいっぱつ!)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第1作。1989年4月1日に日本テレビ系の『土曜スーパースペシャル』にて放送された。
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[編集] 概要
1987年にOVAとして発売、同時に劇場映画第4作として公開もされた『ルパン三世 風魔一族の陰謀』以来2年ぶりに製作された新作で、TVシリーズ『ルパン三世 PartIII』以来、4年ぶりに『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』のレギュラー声優陣がそろった作品でもある。
毎年制作されているTVスペシャルシリーズの最初の作品に当たる。放送枠が『金曜ロードショー』ではなく、『土曜スーパースペシャル』だったため、TVスペシャルシリーズでは唯一4月に放送された作品でもある。
また、1995年に長年ルパン三世を演じてきた山田康雄が死去した際、「金曜ロードショー」にて「山田康雄追悼企画」と題して再放送がなされた。
馬面ルパン(劇場版第1作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』などに近いデザイン)の作画はTVスペシャル『ルパン三世 ロシアより愛をこめて』まで4作にわたって続く。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] あらすじ
20世紀末、この世はコンピュータによる高度情報化時代の真っただ中。「広域Aランク犯罪者記号・P26号」、これこそが世界的な怪盗「ルパン三世」の全世界の警察に収蔵されているの犯罪記録データの通称である。ある夜、パリ市警本部を訪れた銭形警部は、このデータをパリ市警職員の制止を振り切って、やや強引に借りていく。だが、エレベーターに乗り込んだ銭形を待っていたのは、もう1人の銭形だった。なんと、データを借りてきた銭形は銭形警部に変装したルパン三世だったのだ。
ルパンは、世界中の警察にインプットされてしまった自分達のデータを盗むべく奮闘していたが、全てのデータを盗み終えるまでにあと50年はかかると推測。仕事がやりづらいことと、ジュディという女に惚れたのを理由に、ルパンは新しい仕事を持ち込んできた相棒、次元大介に泥棒引退を宣言する。次元の持ち込んだ仕事とは、彼の旧友ルースターが自由の女神に隠したという世界最大のダイヤモンド「スーパーエッグ」を取り出すという大仕事だった。次元がルースターと2人でスーパーエッグを取り出そうと計画を練っているところへ、引退宣言をしたはずのルパンが現れる。なんと、ルパンは自分の所有しているクレジットカードをジュディに自由に使わせていたのだが、ジュディは他の男の許へ去ってしまい、クレジットカードに残された借金3億ドルだけが手元に残ってしまったのだと次元に泣き付いてくる。
ルパンが次元の前で泥棒復帰宣言をしたその時、ルースターを目当てにダイヤの持ち主である秘密結社「スリーメイソン」が3人を襲ってくる。なんとかその場を離れることに成功した3人であったが、逃亡途中にルースターが撃たれて死亡してしまう。残された手がかりはスーパーエッグが自由の女神のどこかに隠されているということだけ。ルパンは、スリーメイソンとの水上戦を潜り抜け、巨大バルーンの大仕掛けで「世界最大の美女」をかっさらう。
だが、かっさらった自由の女神はマイケルという生意気なパソコンキッズのおまけ付きだった。マイケルのパソコン検索の結果、自由の女神を隠すのに最適な場所は「グランドキャニオン」だということが判明し、ひとまずそこへ自由の女神を運ぶ。ルパンは、なぜ自分たちについて来たのかとマイケルに詰め寄る。マイケルは、データを破壊するだけでなく、プログラムに侵入してこれを支配してしまうことができる世界最強のコンピューターウイルス「ニューウイルス」のネットワーク・ソフトウェア単独製作者である母親を探し出してほしいと言うのだ。警察のデータも自由に書き換えられると聞いたルパンは、さっそくニューウイルス探しに乗り換えたのだったが、事態はすでに胎動していた。
五右ェ門がシベリアで助けた美女イザベル。不二子が狙った宝石密輸犯罪組織スリーメイソンの秘儀。追われていたイザベルこそが、マイケルの母親にしてニューウイルスを開発した天才博士でもあるスリーメイソンのNo.2だったのだ。スリーメイソンのNo.1であるシルバーマンを殺害し、自らがNo.1に上りつめたイザベルは、スーパーエッグを掲げて自分の潜在意識の底からニューウイルスを呼び覚ます。「世界を我が手に…」、その歓喜のエクスタシーの中で、彼女はNo.3であるジミー・カンツの狂刃に倒れた。ルパンは、イザベルを救い出し、スリーメイソンのビルから脱出しようとする。
だがその時、マイケルのパソコンにアメリカ国防総省とソビエト軍司令部からの緊急信号が入る。それによると、何者かが両国のコンピュータへ侵入し、東西両陣営の軍事戦略コンピュータが支配下に置かれ、核ミサイル発射装置が作動してしまったというのだ。しかも、もし核ミサイルが発射されれば全人類の生存確率は皆無に等しいと公表される。原因がジミー・カンツのニューウイルス使用によるものだということがわかり、ルパンとマイケルは再び崩壊するビル内へと戻っていく。
核ミサイル攻撃による人類滅亡のカウントダウンが刻々と進む中、果たしてルパンとマイケルはニューウイルスを停止させ、全人類を救うことができるのか!?
[編集] ゲストキャラクター
- マイケル
- 声 - 田中真弓
- 天才的なコンピューター使いの少年で、いつもパソコンの入った鞄を背負っている。行方不明の母を捜す手がかりとなる超プログラム、ニューウイルスを探し出してほしいとルパンに頼む。後に、母親がスリーメイソンに捕まった際には、不二子と共にアジトへ潜入。ようやく母との再会を果たし、ルパンとの連携でスーパーコンピューターを操作し、アメリカとソビエト軍の核ミサイルの暴走を阻止した。しかし、母と過ごす時間も束の間であり、崩壊するアジトから脱出するヘリの中で、彼女と死に別れる事になった。
- イザベル
- 声 - 駒塚由衣
- 五右ェ門が修行中に出会った謎の妖艶な美女。その正体は行方不明だったマイケルの母親。かつてスリーメイソンのNo.2だった頃に、ニューウイルスを開発したが、ウイルスを自分だけの物にしようとしてウイルスのデータを隠した後、組織から逃亡し、五右ェ門に助けを求める。その後スリーメイソンに捕まってしまうが、ジミーを言いくるめてシルバーマンを殺させて自らがNo.1の座につき、世界を我が物にしようとする。だが、ニューウイルスを呼び覚ました直後、ジミーに刺されてしまい、その野望はあっけなく崩れ去る形となった。
- 死ぬ直前に、マイケルとの約束を果たそうとしたルパンのおかげで息子と再会し、ヘリでスリーメイソンの本部を脱出する際、ヘリの中でマイケルとキスした後、静かに息絶えた。必要とあらば色仕掛けも辞さない悪女の面もあるが、夫によく似た面影を持ち、律儀に自分を守り続けてくれた五右ェ門には、純粋に好意を持っていた。
- ジミー・カンツ
- 声 - 津嘉山正種
- 秘密結社スリーメイソンのNo.3。シルバーマンの命令で組織から逃げたNo.2のイザベルと世界最大の宝石スーパーエッグを追うが、逆にイザベルに言いくるめられてNo.1を射殺する。そして、ニューウィルスを呼び覚ました事で用済みとなったイザベルを刺して、遂には自らがNo.1になるが、五右ェ門にスーパーエッグごと斬られて、致命傷を負ってしまう。
- だが執念でアメリカペンタゴン、ソ連軍司令部のホスト・コンピューターにニューウィルスを侵入させ、両陣営の核ミサイル発射ボタンを押して、世界を道連れにしようとするが、ルパンとマイケルによって阻止されてしまう。最後は本部の自爆装置を押し、そのまま息絶えた。
- シルバーマン
- 声 - 前沢迪雄
- 秘密結社スリーメイソンのNo.1。123歳という高齢にも関わらず、コンピューターの重要性を認識し、ニューウィルスの開発をイザベルに命じるが、裏切られてしまい、執拗に彼女とニューウイルスのデータ入手の鍵となる巨大ダイヤ「スーパーエッグ」を狙う。不気味な妖術を使い、不二子を捕らえ洗脳し、イザベルを捕らえる事に成功した。死期を悟り、No.3のジミー・カンツを後継にと考えるが、寝室にてイザベルと共謀したジミーに射殺されてしまう。イザベル曰く「骨董品」。
- エド
- 声 - 緒方賢一
- スリーメイソンの実行部隊の隊長で組織から盗まれたスーパーエッグの行方を知っているルースターを狙う。ルースターを射殺して次元に撃たれるが、生存。その後、ルパン達が自由の女神を持ち去ったグランドキャニオンへ向かい、スーパーエッグを自由の女神から発見した直後、パラシュートを装備した武装車に乗り襲撃するが次元のマグナムにキャノンの砲弾を破壊され、その爆発によって焼死した。
- ジョーンズ
- 声 - 石塚運昇
- ジミー・カンツの部下。
- ルースター
- 声 - 大木民夫
- 次元の親友。イザベルが持ち去ったはずのスーパーエッグをどのような経緯で手に入れたのかは不明であったが、工作員に変装してスーパーエッグを自由の女神に隠す。しかし、次元と共に逃亡中、彼を庇ってエドに殺される。故郷に妻と子供がいる。
[編集] 関連用語
- スリーメイソン
- ニューヨークに本社を置く企業だが、その実態はオカルト関係の魔術を崇拝する現代の魔術結社。宝石の密輸によって多額の収入を得ている。No.1、No.2、No.3の地位にいる3人が組織の幹部になり、No.1である老齢の魔術師シルバーマンが総帥を務める。
- 16世紀より創設された組織は、魔術の力によって闇の世界の覇者となっていたが、情報化社会となった現代においては、魔術も科学の力の前に太刀打ちできなくなり始めた為、シルバーマンの意向によってニューウイルスの製作が計画され、ニューウイルスによる情報化社会の支配を目論む。
- スーパーエッグ
- アメフトボール程の大きさを誇る巨大なタマゴ状の形をしたダイヤモンド。しかしその中には、スリーメイスンのNo.2でもあるイザベルの深層心理からニューウイルスのデータを引き出す機能が隠されており、スリーメイスンは組織を裏切ったイザベルと共に、彼女の持ち出したスーパーエッグを執拗に探している。
- 最初はイザベルが所有していたが、何らかの経緯によって次元と懇意のあるルースターの手に渡り、彼によって自由の女神像の中に隠されていた。その後、エドに殺されたルースターの心残りを酌んだルパン達によって回収されるが、シルバーマンを排除してスリーメイソンのトップに立ったイザベルに奪い返され、更にはニューウイルスのデータを引き出した事で用済みとなったイザベルを殺したジミーの手に渡る。
- 最後は駆けつけた五右ェ門によって斬鉄剣でジミーと共に斬られた。
- ニューウイルス
- スリーメイソンのNo.2であり、コンピューターの技術者でもあるイザベルが開発した史上最悪のコンピューターウイルス。あらゆるコンピュータのハッキングのみならず、コンピュータ内のデータを使用者の自由自在に書き換えてしまう機能を備えている。そのデータはイザベルの深層心理内に隠されており、スーパーエッグの機能でイザベルの深層意識にリンクさせる事で、初めてニューウイルスのデータをダウンロードする事が出来る。
- イザベルによってデータが引き出され、彼女を殺したジミーが死に際にウイルスのデータの入ったスーパーコンピュータの力を使ってアメリカ国防とソビエト軍司令部のハッキングを行い、保管されていた核ミサイルを世界各地に向けて放とうとしたが、ルパンとマイケルによって阻止され、スーパーコンピュータ自体も、ジミーが本社の自爆装置を発動させた事でニューウイルスは失われる。
- 事件後、ルパンは自己の記憶を手がかりにニューウイルスの製作を行い、ICPOのデータベース内にある自分のデータを改竄しようとした。
[編集] スタッフ
- 原作 - モンキー・パンチ(双葉社刊)
- 企画 - 高橋靖二
- 監督・絵コンテ - 出崎統(さきまくら)
- 脚本 - 柏原寛司
- 音楽 - 大野雄二
- 音楽監督 - 鈴木清司(選曲 - 合田豊)
- 録音監督 - 加藤敏
- 音響効果 - 糸川幸良
- 録音制作 - 東北新社
- 美術監督 - 中村光毅
- キャラクター・デザイン・作画監督 - 古瀬登
- 撮影監督 - 高橋宏固、松嵜泰三
- 編集 - 鶴渕允寿
- プロデューサー - 安田穣、武井英彦、徳永元嘉
- 制作担当 - 高橋伸治、松元文一
- シナリオディレクター - 飯岡順一
- 主題歌「エンドレス・トワイライト-最後の真珠-」
- 作詞 - 三浦徳子
- 作曲 - 大野雄二
- 唄 - 慶田朱美
- 企画協力:WOrds、飯岡順一事務所
- グラフィック協力 - ビデオ・サンモール
- 企画・制作 - 日本テレビ
- 製作 - 東京ムービー新社
[編集] 声の出演
- ルパン三世 - 山田康雄
- 峰不二子 - 増山江威子
- 次元大介 - 小林清志
- 石川五右ェ門 - 井上真樹夫
- 銭形警部 - 納谷悟朗
- マイケル - 田中真弓
- イザベル - 駒塚由衣
- ジミー・カンツ - 津嘉山正種
- シルバーマン - 前沢迪雄
- エド - 緒方賢一
- ジョーンズ - 石塚運昇
- ルースター - 大木民夫
- ジュディ - 幸田直子
- パリ市警本部係員 - 星野充昭
- 保安官 - 伊井篤史
- TVアナウンサー - 稲葉実
- タクシー運転手 - 秋元羊介
- コンピュータ - 堀内賢雄
[編集] 参考資料
- DVD『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』の冊子。
[編集] 関連項目
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