ルパン三世 ルパンVS複製人間
| ルパン三世 | |
|---|---|
| 監督 | 吉川惣司 |
| 脚本 | 大和屋竺、吉川惣司 |
| 製作 | 藤岡豊 |
| 出演者 | 山田康雄、納谷悟朗、小林清志、井上真樹夫、増山江威子、西村晃 |
| 音楽 | 大野雄二 |
| 主題歌 | 三波春夫 |
| 配給 | 東宝 |
| 公開 | |
| 上映時間 | 102分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 興行収入 | 9億1500万(1979年邦画配給収入9位) |
| 次作 | ルパン三世 カリオストロの城 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)』は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第1作。1978年12月16日公開。
オープニングのタイトルクレジットなど劇場公開時の題名は『ルパン三世』だが、家庭用ビデオソフト発売の際、『ルパンVS複製人間』という副題がついた。
目次 |
[編集] 概要
製作費5億円をかけて製作された。ルパン三世と自らを神と名のる謎の人物マモーとの、賢者の石を巡る争奪戦を描く。「世界初の長編アニメビジョン」と宣伝で謳われ、作画においてビスタサイズを想定して通常より大判のセル画を用いている。愛車は『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』(以下、『TV第1シリーズ』)の初期で使用されていたメルセデス・ベンツSSKである。『TV第1シリーズ』のキャラクターデザイナーである大塚康生は、監修・メカニックデザインを担当した。 書記長として出演した梶原一騎は製作担当の東京ムービー新社社長藤岡豊と『巨人の星』以来親交がある。三波春夫は本作品のエンディングテーマである「ルパン音頭」を歌っており、これも藤岡豊の指示で挿入されたものである。 公開当時のパンフレットには、冒頭でルパンが死刑になったことで目的を達成した銭形は退職し、山寺の寺男になっているというあらすじが書かれており、実際にこのくだりは製作されたが、最終的にカットされた(序盤でルパンの検死報告が流れるシーンの背景が仏像なのは、この山寺のシーンに直結していたための名残である。この山寺のアイディアは、後に『ルパン三世 風魔一族の陰謀』にて流用される)。なお劇場用予告編にはカットされた山寺のシーンが一部使用されている。設定画そのものは残されているため、DVDの特典で没となった和尚や寺男デザインの銭形などを見ることが可能である。また、特報では『パイロットフィルム(シネマスコープ版)』の映像が多用されている。
なお、脚本は大和屋竺、吉川惣司の連名であるが、実際は吉川一人の執筆である。打ち合わせは2人で重ねていたものの、吉川一人で書き上げたものが初稿としてプロデューサーに提出された。その後、吉川は大和屋に直しを打診したがそのままでいいと了解を得たため、吉川の大和屋への敬意から連名クレジットとなった。
双葉文庫の『ルパン三世カルト 2001』ではTVシリーズ、劇場版、OVA、TVスペシャルすべてを含めた面白さのランク付けで、本作は2位と評価されている(1位は『TV第1シリーズ』第2話「魔術師と呼ばれた男」)。
2007年には、本作の世界観をベースとした同一素体フィギュアのセット「ルパン三世対決セット」シリーズがミクロアクションシリーズとして発売される。一方は本人としてであり、もう一方はクローンという設定である。1999年11月19日に金曜ロードショーで放送された際は視聴率19.7%を記録、これは同作がテレビ放送された中で最高で劇場版作品としては2位である[1]。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] あらすじ
一人の男が処刑された。その男がルパン三世であることは、鑑識の結果確実だったが、当然銭形が信じるはずがない。銭形はルパンが埋葬されているドラキュラ城へと赴き、そこでルパンの生存を確認する。銭形はルパンを捕まえようとするが逃げられてしまう。
ルパンはエジプトでピラミッドから「石」を盗み出した。それは不二子の依頼だったが、不二子もまたマモーなる人物に依頼されていた。その石は人間に永遠の生命を与えるとの言い伝えがある「賢者の石」と呼ばれるものだった。マモーはルパンを使って不老不死に関する品物を集めていた。しかし、ルパンは偽物を渡したため、マモーに狙われる。
不二子はマモーの手を逃れてルパンの前に現れるが、次元と五右ェ門は不二子の密告によって痛い目に遭っていたため不二子を許さない。不二子をかばうルパンに愛想をつかした二人は、ルパンのもとを去ってしまう。ルパンと不二子は2人だけの一夜を過ごすが、不二子は麻酔薬でルパンを眠らせ、マモーの部下に引き渡した。
捕らえられたルパンは、マモーの島でナポレオンやヒトラーなどの歴史に大きな影響を与えた人物らしき人々に出会う。彼らはマモーのクローン技術によって複製された人々だった。マモー自身も1万年前から自己を複製し続けてきた複製人間(クローン)、永遠の命を得た「神」だというが、ルパンは信じない。そして助けに来た次元はマモーを射殺して、逃げ出すことに成功する。
コロンビアの田舎町にあるホテルへやってきたルパン一行だったが、そこへ死んだはずのマモーが現れ不二子を連れ去り、直後ルパンの挑発に答えるかのごとく地震が発生する。ルパンはマモーの力に心が折れてしまった次元の制止を振り切り、単身マモーの本拠地に乗り込み、ついに「自称神」マモーとの決闘を迎える。
[編集] ゲストキャラクター
- マモー
- 不二子に賢者の石を持ってくるように依頼した謎の怪人物。その正体はクローン技術によって一万年を生き歴史を影から動かしてきたと自称する。次元曰く「並みの人間では到底勝てねえ化物」。130代目になってからは巨大な脳が本体となり、念動力を送り込む事で、小型機械を埋め込まれた自分の分身となるクローンを操っていた。部下には科学者やフリンチの様な大男達、自分のクローンの不良品等がいる。
- 劇中に登場したマモーの一体目は次元の銃弾を額に撃ち込まれ、二体目は斬鉄剣の破片で反射されたレーザーの直撃で焼死。最後は自らの本体となる巨大脳をロケットに乗せ、懲りずに今度は宇宙の彼方の異文明に向かって不老不死になる事を図るが、ロケットをルパンの仕掛けた爆弾で大気圏離脱直後に爆破された事で、一万年の生涯にようやく終止符が打たれる事となった。爆破されたロケットから飛び出した脳は生身でそのまま太陽へと飛んで行き、その後の行方は知れない。
- 表では世界一の謎の大富豪「ハワード・ロックウッド」として、鉄鉱、造船、運輸、報道によって世界の富の3分の1を支配しており、近年では考古学の発掘を手がけている。
- 名前の由来は、原作、『TV第1シリーズ』に登場する魔毛狂介から。他にも、『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(以下、『TV第2シリーズ』)以降は、「まもう」の音を持つ名前の敵対キャラがいくつか見られる。
- スタッキー
- アメリカ合衆国大統領特別補佐官。次元曰く「世界で一番偉い男を操っているおっちゃん」。米国へのマモーの脅迫に対し、極秘裏に対応を進めていた。ホットラインに割り込んできたマモーの本拠地を探るために、次元と五右ェ門を誘拐、拷問までちらつかせて取調べをするが、二人がマモーについて何も知らないことがわかると、二人を釈放。その裏で偵察衛星からしっかりと二人の動向を監視していた。「この世で神がいるのだとすれば、それは我々(アメリカ政府)だ」と言う等、傲慢な面も持ち合わせている
- やがて、世界の富の3分の1を支配する謎の大富豪「ハワード・ロックウッド」がマモーの正体だとわかると、マモーの本拠地への再三の空爆を開始する。最後には全ての秘密を揉み消すために、対策本部を部下のゴードンもろとも爆破することを画策する。
- ゴードン
- スタッキーの部下。スタッキーと共に次元・五ェ門を取り調べた。次元にフリンチと体格が似ていたことから、「フリチンとか言う野郎はお前か?」と、間違えられている。典型的なアメリカ主義者である様で、横暴な面が強い。
- マモーが死亡した最後は全ての秘密を揉み消すために、各国が発射したミサイルの指揮を執り、自らは完全に狂喜しながら「殺せ殺せ」と叫んでいた。しかしそういった面から「無能」と見なされてしまったのか、最後はスタッキーの命令により、爆破された対策本部もろとも、抹殺されてしまったようである。
- フリンチ
- マモーの側近で、用心棒をしている大男。ヘリやトレーラーを駆使してルパン一味を襲い、ルパンのアジトのひとつを破壊し、マモーの元へルパンを連れて行った。マモーの住むカリブ海孤島の海岸で五ェ門と剣で決闘、スーツの下にレーザー光線以外では斬れない特殊合金の防弾チョッキを装備しており、五ェ門の斬鉄剣を刃毀れさせた挙げ句に折る。しかし結局無防備な顔を輪切りにされてしまい、そのまま海に転落して死亡した。
- なお、カリブ海のマモーの島では、フリンチと全く同じ外見の大男達が島の警護を行っており、フリンチ自身もクローン(あるいはクローン達のオリジナル)である可能性が高い。また、その内の一人はルパンを檻に閉じ込めて見張っていたが、ルパン曰く「最も原始的な手」に引っかかり逆に閉じ込められてしまう等、間抜けな一面もあり、頭はあまり良くないと思われる。
[編集] スタッフ
- 製作 - 藤岡豊
- 原作 - モンキー・パンチ(双葉社刊)
- 監督・演出・絵コンテ - 吉川惣司
- 脚本 - 大和屋竺、吉川惣司
- 監修 - 大塚康生
- レイアウト - 芝山努
- 作画監督 - 椛島義夫、青木悠三
- 美術 - 阿部行夫
- 撮影監督 - 黒木敬七
- 編集 - 相原義彰
- 録音監督 - 加藤敏
- 音楽 - 大野雄二
- 選曲 - 鈴木清司
- 製作補 - 郷田三朗、片山哲生
- 作画
- アクト - 大坂竹志、佐久間信計、小柴重光、林隆文、安西武、沼憲子、天野公子、前田順子、佐藤由美子、新木寿子、関三恵子、佐藤喜子、大迫由美子、小林左希子、森川明美、幸田知子、伊藤幸松
- スタジオルック - 岡豊、桑原玲子、国島龍二、高橋敏夫、上杉淳史、望月則子、松田節子
- マジックバス - 清山滋峯、清水忠蔵、井上一夫、四分一節子、外山一博、鈴木まり子
- オカスタジオ - 増谷三郎、橿目八男
- スタジオメイツ - 小泉謙三、大宅幸男、一川孝久、島田和義、神林美雪、中島裕子、岸本良子、井上由美、内山幸子
- スタジオ・ライブ - さかいあきお、安藤淳子、小河清美、北川祐子、高橋理恵、渡辺浩、丸山政次
- OHプロダクション - 丹内司、友永和秀、岡本健一、山内昇寿郎、葛岡博、村田幸一
- T・A・F - 古瀬登
- 動画チェック - 大武正枝
- 美術助手 - 野谷顕次、門野真理子
- 背景
- 色指定 - 萩原政司
- 仕上
- イージーワールド - 曽根由貴子、菊地真理、森田キヨ子、渡辺とし美、前川孝、萩原澄恵
- スタジオ・ライブ - 若井喜治
- スタジオタージ - 館野透治
- グループジョイ - 新井正春
- 撮影 - 萩原享、森田俊昭、小野聡、桜井好己、山口久子、鈴木武弘、清水正幸、熊瀬哲郎
- ネガ編集 - 鶴渕充寿
- 効果 - 橋本正二(宮田音響)
- 整音 - 原聡
- 挿入歌 - 「ルパン音頭」(テイチク・レコード)
- 録音スタジオ - アオイスタジオ
- 現像 - 東京現像所
- 制作進行 - 矢島和昭、春田克典
- 制作担当 - 池田陽一
- 制作宣伝 - P&M
- 制作協力 - 東北新社
- 連載誌 - 週刊漫画アクション、パワァ・コミックス(双葉社刊)
- 配給 - 東宝株式会社
- 製作 - 東京ムービー新社
[編集] 声の出演
| キャラクター | 声優 | 英語版(全日空版) | 英語版(ストリームライン版) | 英語版(マンガ版) | 英語版(パイオニア版) |
|---|---|---|---|---|---|
| ルパン三世 | 山田康雄 | ピーター・フェルナンデス | ボブ・バーゲン | ウィリアム・ダブリズ | トニー・オリバー |
| 次元大介 | 小林清志 | スティーブ・ビュリン | エリック・マイヤー | リチャード・エプカー | |
| 石川五右ェ門 | 井上真樹夫 | アール・ハモンド | カーク・ソーントン | ギャリック・ヘイゴン | レックス・ラング |
| 峰不二子 | 増山江威子 | コリーン・オーラ | イーディ・マーマン | トニー・バリー | ミシェル・ラフ |
| 銭形警部 | 納谷悟朗 | ジャック・グライムズ | デヴィッド・ポーヴァル | ショーン・バレット | ジェイク・マーティン |
| マモー | 西村晃 | ロバート・アクセルロッド | アラン・ウェンガー | ジョージ・C・コール | |
| 警視総監 | 富田耕生 | ? | ジェフ・ウィンクレス | ? | エドワード・ジラ |
| スタッキー | 大平透 | ジャック・グライムズ | スティーブ・クレイマー | オスグッド・W・グリック | |
| ゴードン | 柴田秀勝 | ? | マイク・フォレスト | マイケル・マコノヒー | |
| フリンチ | 飯塚昭三 | ? | ボブ・パーペンブルック | ||
| 科学者 | 村越伊知郎 | エドワード・ジラ | |||
| 職員 | 嶋俊介 | ? | |||
| 警官 | 宮下勝 | ||||
| エジプト警察署長 | 三波春夫(特別出演) | スティーブ・クレイマー | エドワード・ジラ | ||
| 大統領 | 赤塚不二夫(特別出演) | ピーター・フェルナンデス | |||
| 書記長 | 梶原一騎(特別出演) | ? | ジェフ・ウィンクレス |
[編集] 続編
2000年にバンプレストから、「生きていた複製人間」の題名でテレビゲーム作品として本作の続編の制作が予定されていた。
内容は、「何人もいたマモーのクローンの中の数体が生き残っていて、ルパンたちに復讐を企む」というものであり、敵キャラクターとして、マモーだけでなく、『ルパン三世 カリオストロの城』『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』『ルパン三世 風魔一族の陰謀』『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』などの劇場映画シリーズのキャラクター(のクローン)も登場する予定であった。しかし製作が思うように進まず、ルパンのゲームの製作権がセガへ移ってしまったため没案となっている。
[編集] 海外版
- 英語版
- 英語版は4つあり、1つはアメリカのStreamline Picturesが"Lupin III: The Mystery of Mamo"のタイトルで製作したもの(演出 - カール・メイセック)。Streamline Picturesは他にも劇場版『ルパン三世 カリオストロの城』、『TV第2シリーズ』第145話「死の翼アルバトロス」、第155話「さらば愛しきルパンよ」の3作品を翻訳しており、『カリオストロの城』ではルパンの呼び名が"Wolf"であるが、『ルパンVS複製人間』を含む3作品では"Lupin"と呼ばれている(Wolfという名は著作権上Lupinという名が使えず、やむをえずlupinという綴りからラテン語のlupus(狼)を連想し名づけられたもの。後に翻訳権を取得したManga Entertainmentもこれを踏襲した)。
- また、イギリスのManga Entertainmentが"Secret of Mamo"のタイトルで製作したものもある。ここでは"Lupin"の名は登場せず、ルパンは"Wolf the 3rd"、五右ェ門は名前ではなく"Samurai"と呼ばれている。
- そして、アメリカのPioneerが"Lupin The 3rd:The Movie - The Secret of Mamo"のタイトルで発売したもの(演出 - リチャード・エプカー)がある。Pioneerは『TV第2シリーズ』の翻訳も行っており、名前の変更は行われてない。
- 上記3つ以外に、全日空の国際線の機内上映のために製作された英語版もある。
[編集] 脚注
- ^ 『SUPER SURPRISE』 2010年2月8日(日本テレビ放送網)放送
[編集] 関連作品・参考資料
- DVD「ルパン三世 ルパンVS複製人間」の冊子
- 「クリフハンガー (ゲーム)」(1983年、スターンエレクトロニクス)- 本作の一部及び、『ルパン三世 カリオストロの城』を流用したレーザーディスクゲーム
[編集] 外部リンク
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