かりん (テレビドラマ)

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かりん
ジャンル テレビドラマ
脚本 松原敏春
演出 田中賢二
兼歳正英
大加章雄
柴田岳志
鈴木圭
六山浩一
出演者 細川直美
榎木孝明
つみきみほ
筒井道隆
林泰文
佐藤B作
もたいまさこ
小林桂樹
岸田今日子
石坂浩二
十朱幸代
ナレーター 松平定知
音楽 渡辺俊幸
オープニング 井上陽水カナディアン アコーデオン
時代設定 1948年昭和23年) - 1964年(昭和39年)
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1993年10月4日 - 1994年4月2日
放送時間月曜 - 土曜 8:15 - 8:30
放送枠連続テレビ小説
放送分15分
回数151
番組年表
前作ええにょぼ
次作ぴあの
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かりん』は、1993年平成5年)10月4日から1994年(平成6年)4月2日まで放送されたNHK連続テレビ小説第50作目[1]。主演は細川直美。全151話[2]

概要[編集]

長野県・諏訪地方にある老舗の信州味噌の蔵が舞台[3]。タイトルの「かりん」は、諏訪地方で多く植えられるかりんの実に由来する。終戦を迎えた新しい時代の中、ヒロインがたくましく生き抜く姿を描いた。長野県が主な舞台となるのは1975年度前期の『水色の時』以来、2度目となった[4]

旧制中学新制高校男女共学となった戦後、主人公が女子生徒一期生として入学し同級生とともに活躍していく姿が描かれている。ドラマヒロインの幼馴染が山崎晃嗣光クラブ事件をモデルにしたとおぼしき事件に巻き込まれるなど、戦後の混乱期の陰影に富んだ混沌の中で、若者たちが人生を切り開いていく様が描写されている。

制作統括の西村与志木によると、当初はヒロインが上京後に成功してそのままの予定だったが、長野へ戻るように変更された。途中で話が足りなくなった際に、脚本担当の松原敏春へ自身のアイデアを出し、次々と脚本になってしまうこともあったという。当時を振り返り、もう少ししっかり整理すれば良かったと述懐している[5]

初回視聴率は35.3%、最高視聴率は35.7%、平均視聴率は31.4%であった(ビデオリサーチ調べ)[6]

2005年10月3日から2006年4月1日までBS2にてアンコール放送された。

放送ライブラリーでは第1回が公開[7]

登場人物[編集]

小森屋[編集]

小森千晶
演 - 細川直美
1930年生まれ。第1話の時点で18歳の新制桜ヶ丘高校3年生。諏訪大社の本柱に話しかけることが多かった。
間宮(小森)浩平
演 - 榎木孝明
千晶の夫で、小森家の婿養子。航空工学の知識を持つ。
小森弥太郎
演 - 大泉翼
千晶と浩平の長男。
小森晶江
演 - 末永遥
千晶と浩平の長女。
小森浩介
演 - 渡辺大輝
千晶と浩平の次男。
小森友行
演 - 石坂浩二
千晶の父。大卒で実験好き。松風整粒機を造り、味噌作りの効率化を図る。家族思いだが、実験に情熱をかけていることや演説が苦手であることもあり、養父の弥之助には頭が上がらない。
小森晶子
演 - 十朱幸代
千晶の母。しっかり者。
小森弥之助
演 - 小林桂樹
千晶の祖父で晶子の父。味噌作りのために生まれてきたとも言われており、人呼んで「お辞儀の弥之助」。
小森晶乃
演 - 岸田今日子
千晶の祖母で晶子の母。

千晶の親友[編集]

本間(田上)あかり
演 - つみきみほ
千晶と共に桜ヶ丘高校に編入した親友(この学年の女子学生は千晶とあかりの2名のみ)。実家は旅館を経営しており、進駐軍との付き合いも多かった。太宰治のファン。普段は明るく振舞っているが、母や最愛の長兄を亡くすなど悲しい過去も持つ。
田上渉
演 - 筒井道隆
千晶の同級生の男子。実家は映画館を経営。
花山信太
演 - 林泰文
千晶の同級生の男子。第1週の時点で生徒会長。新制高校の開校式の際、を壇の下に置くなど、千晶をからかうことが多かったが、授業中の千晶の態度を見て、考えを改める。1955年4月、宮下みつと結婚。
宮下(花山)みつ
演 - 貴島サリオ
小森屋のお手伝い。みっちゃん。

小森屋の従業員[編集]

川原清三
演 - 河西健司
横井
演 - 藤森一朗
中田
演 - 中田浄

本間家[編集]

本間洋一郎
演 - 笹野高史
あかりの父。旅館経営者。
本間一郎
名前のみの登場。あかりの長兄で南方で戦死する。
本間三郎
演 - 丹羽貞仁
あかりの兄。市役所勤務。
千晶はあかりと出会う前、あかりの姿を三郎が女性になったような顔だと思っていた(このシーンは丹羽の女装を映した)。
本間(田上)和則
演 - 堂本剛(幼少期:蓮池貴人
あかりの息子。
本間二郎
演 - 三波豊和
本間久美子
演 - 麻生侑里

その他[編集]

花山信吉
演 - 二瓶鮫一
信太の父。旅館「信濃屋」の経営者。晶子に振られた過去を持つ。
鶴本哲夫
演 - 矢崎滋
ツルヤの経営者。
田上伝六
演 - 不破万作
渉の父。映画館「都座」の経営者。
野中辰彦
演 - 児玉清
画家・左翼活動家。晶子の元恋人。
城所
演 - 大杉漣
野中の仲間
関屋文雄
演 - 小磯勝弥
信太の元で働く。

桜ヶ丘高校時代[編集]

演劇部部長
演 - 阿部サダヲ
演劇部員
演 - 谷田真吾
教師
演 - 角盈男
千晶に数学の問題を解かせる。

東京編[編集]

黒田忠治
演 - 佐藤B作[8]
小森屋の番頭。1943年からニューギニアに出征していた。復員後は1年ほど東京にいたが、その後番頭として復帰する。
岸元道則
演 - 古藤芳治
東亜クラブ社長
池田(黒田)文江
演 - もたいまさこ
池田(黒田)正
演 - 中村洋一
池田(黒田)和子
演 - はた中美貴子
池田(黒田)耕一郎
演 - 越迫健太
原口祥子
演 - あめくみちこ[9]
消費者友の会の活動家[9]
北川正郎
演 - 山崎聡弘
立花礼子
演 - 青山知可子
その他
演 - 佐々木梅治ト字たかお松村彦次郎茂木和範菅野達也猪又太一宗近晴見春延朋也五十嵐五十鈴

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

回数 放送日 演出
1993年
1 1 - 6 10月4日 - 10月9日 田中賢二
2 7 - 12 10月11日 - 10月16日 兼歳正英
3 13 - 18 10月18日 - 10月23日
4 19 - 24 10月25日 - 10月30日
5 25 - 30 11月1日 - 11月6日 田中賢二
6 31 - 36 11月8日 - 11月13日 大賀章雅
7 37 - 42 11月15日 - 11月20日 兼歳正英
8 43 - 48 11月22日 - 11月27日 柴田岳志
9 49 - 54 11月29日 - 12月4日 兼歳正英
10 55 - 60 12月6日 - 12月11日 大賀章雅
11 61 - 66 12月13日 - 12月18日 柴田岳志
12 67 - 72 12月20日 - 12月25日 鈴木圭
13 73 - 74 12月27日 - 12月28日 兼歳正英
1994年
14 75 - 79 1月4日 - 1月8日 兼歳正英
15 80 - 85 1月10日 - 1月15日 柴田岳志
16 86 - 91 1月17日 - 1月22日 鈴木圭
17 92 - 97 1月24日 - 1月29日 田中賢二
六山浩一
18 98 - 103 1月31日 - 2月5日 兼歳正英
19 104 - 109 2月7日 - 2月12日 柴田岳志
20 110 - 115 2月14日 - 2月19日 鈴木圭
21 116 - 121 2月21日 - 2月26日 大賀章雅
22 122 - 127 2月28日 - 3月5日 兼歳正英
23 128 - 133 3月7日 - 3月12日 柴田岳志
24 134 - 139 3月14日 - 3月19日 田中賢二
25 140 - 145 3月21日 - 3月26日 大賀章雅
26 146 - 151 3月28日 - 4月2日 兼歳正英

松風整粒機[編集]

まつかぜせいりゅうきと読む。粉大豆しか手に入らないことから、水と粉大豆を混ぜて大豆状の粒を作り、発酵しやすくしようとの考えで友行が作った。友行の自信作だったが、できた味噌の質が悪かったこともあり途中で使用を打ち切った。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i 日本放送協会放送文化研究所 放送情報調査部 編『NHK年鑑'94』日本放送出版協会、1994年10月11日、156頁。 
  2. ^ NHKクロニクル
  3. ^ 「NHKトピックス」『放送教育』第48巻第4号、日本放送教育協会、1993年7月1日、80 - 81頁、NDLJP:2341140/41 
  4. ^ 「ご当地マップ」を参照。
  5. ^ 連続テレビ小説 制作者座談会 前編 - NHKアーカイブス
  6. ^ NHK 連続テレビ小説と視聴者 −“朝ドラ”はどう見られているか −” (PDF). メディア研究部. NHK放送文化研究所 (2020年1月30日). 2023年7月29日閲覧。(「付表1 NHK 連続テレビ小説【作品一覧表】」の154頁の50)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n 放送ライブラリー program番号:177863
  8. ^ 佐藤B作 - NHK人物録
  9. ^ a b あめくみちこ - NHK人物録

外部リンク[編集]

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
ええにょぼ
(1993年度上半期)
かりん
(1993年度下半期)
ぴあの
(1994年度上半期)
NHK BS2 連続テレビ小説・アンコール
あすか
(2005年度上半期)
かりん
(2005年度下半期)
君の名は
(2006年度)