機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY

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機動戦士ガンダム0083
STARDUST MEMORY
ジャンル ロボットアニメ
OVA
監督 加瀬充子(第1話 - 第7話)
今西隆志(第2話 - 第13話)
アニメーション制作 サンライズ
製作 サンライズバンダイ
発売日 日本の旗 1991年5月22日 - 1992年9月24日
アメリカ合衆国の旗 2002年2月23日 - 2002年5月18日
話数 全13話
映画:機動戦士ガンダム0083
ジオンの残光
監督 今西隆志
制作 サンライズ
封切日 1992年8月29日
上映時間 119分
シリーズ作品
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト アニメ
ポータル アニメ
機動戦士ガンダム0083
ジオンの残光
Mobile Suit Gundam 0083
Last Blitz of Zeon
監督 今西隆志
原作 矢立肇
富野由悠季
製作 植田益朗
高梨実
出演者 堀川亮
佐久間レイ
大塚明夫
音楽 萩田光男
主題歌 和田るみ子「True Shining」
撮影 奥井敦
編集 鶴渕友彰
製作会社 サンライズ
配給 松竹
公開 日本の旗 1992年8月29日
上映時間 119分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語英語
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機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(きどうせんしガンダム ダブルオーエイティースリー スターダストメモリー、MOBILE SUIT GUNDAM0083 STARDUST MEMORY)は、ガンダムシリーズOVA1990年制作、1991年から1992年にかけて全13話が公開・発売された。略称は「0083」。また、1992年に本作を再編集した劇場版『機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光』(- ジオンのざんこう、THE AFTERGLOW OF ZEON[1])も制作された。

概要[編集]

0080』の商業的成功を受けて製作された『機動戦士ガンダム』の外伝的OVAの一つ。作品タイトルの「0083」とは宇宙世紀0083年を指し、『機動戦士ガンダム』の宇宙世紀0079年と、当時すでに放映済みであった『機動戦士Ζガンダム』の宇宙世紀0087年の間の出来事として描かれ、両作品間の空白を埋める設定となっている。OVAリリースの途中で再編集による劇場版の製作が決定し、シリーズ後半では、大画面に耐え得る素材とするために、映像のクオリティが更に上げられた。

ビデオ・LD・DVDを合わせた全巻累計出荷は105万本に達している。さらにガンダム史上最も多くオリコン1位を獲得した作品である[2]。またガンダム史上唯一、オリコンのビデオ、LD、DVDのそれぞれのチャートで1位を取った作品でもある。

メカニック関連[編集]

登場する兵器群(モビルスーツ (MS) から戦艦、輸送機、潜水艦等まで)のデザインは『機動戦士ガンダム』に登場した兵器をリメイクしたものが中心。ただし、一年戦争を勝利した地球連邦軍のMSは戦後にマイナーチェンジあるいは新開発されたという設定、敗北したジオン公国軍の残党であるデラーズ・フリートのMSは一年戦争後期に造られた再設計型と、同じリメイクでも設定の使い分けがなされている。なお、前作OVA『0080』にて登場したリメイク機体、リック・ドムIIを本作にて再び登場させている。

MS-06F-2 後期型ザクII、RGM-79C ジム改、RB-79C ボール改修型のデザインに『ガンダム・センチネル0079』でカトキハジメがデザインした「ザク」「ジム」「ボール」のものがほぼそのまま使われている。このため、初期のスタッフクレジットにはあさのまさひこら『センチネル』関係者の名が多く入っている。

新規にデザインされた兵器もいくつか登場する。バンダイから本作でコロニー落としをすることを要求され、それを阻止できる兵器としてカトキハジメによってデザインされ、システムの全長が140メートルに達する「ガンダム試作3号機(デンドロビウム)」が設定された。

一部の機体は時代設定からすると過大な性能を擁するが、最終的には地球連邦軍の不祥事隠しのために、ガンダム開発計画そのものが抹消されたことで高性能な機体の存在を歴史から消し去り、設定的には後年にあたる『機動戦士Ζガンダム』初期の機体の性能を本作品の機体の方が上回るという矛盾を解消させている。

ストーリー関連[編集]

本作では単純に「主人公が所属している地球連邦軍=正義の味方」とせず、主人公達がデラーズ・フリートによる大量破壊を阻止しようと東奔西走する一方で、敵と通じてでも自身の利益を追求する連邦軍上層部の腐敗に関して徹底した描写がされている。一方で、敵であるデラーズ・フリートにおいても、愛国心に基づき「大義」に殉じる姿や武士道を彷彿させる潔さを感じさせる描写も多いが、彼等が大量破壊を全くいとわなかったり、シーマ・ガラハウのように過去のいきさつから「大義」とは正反対の姿勢を持つメンバーも抱えるなど、多彩な人間関係の描写もなされている。ガンダムシリーズでしばしば見られる、単純な善悪二元論に基づかない設定が本作では特に顕著である。

作中ではジャミトフ・ハイマンバスク・オムなど、後にティターンズの中心人物となる者が暗躍する描写が見られ、結末では『機動戦士Ζガンダム』で主人公陣営であるエゥーゴの敵役となるティターンズの台頭を予感させており、安易にハッピーエンドとは言えない締め括りとなっている。

ニュータイプやそれに関連する話題は劇中登場しない。ジオン軍残党達の思想面での発言も、ジオニズムの中の「スペースノイドの自主独立」という側面に限られ、「人の革新」という面は触れられない。これはプロデューサーの植田益朗の方針に基づくもので、ニュータイプという便利な超能力者を登場させてしまうと、それが作劇上安易に使われがちだからとのことである。制作に先立ち、植田は富野由悠季から「ニュータイプ、ちゃんとやってよ」とリクエストされたものの、断っている[3]

その他[編集]

  • 2006年1月27日に再アフレコ、5.1chサラウンド音声化、HDリマスター処理をした『機動戦士ガンダム0083 5.1ch DVD-BOX』がバンダイビジュアルより発売された。
  • BGMの多くは『バトルガンM‐16』『2010年』『地獄のコマンド』『ブレインストーム』『グローリー』など既存の洋画のものと酷似している。これは許可を得て使用されたものではなく、製作当時のサントラCDでは萩田光男(現・萩田光雄)の作曲ということになっていたが、一般のサントラファンから指摘を受け、発売元のビクターが対応。2006年1月25日に発売された『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY-ORIGINAL SOUNDTRACK BOX-(New Version)』ではオリジナル作曲者の名前が明記されたものの、サントラVOL.2収録曲については対応されておらず、こちらにも数曲あった洋画サントラ曲と酷似している曲については、萩田光男作曲の表記のままである。

物語[編集]

一年戦争が終結して3年、地球連邦軍再建計画に基づきガンダム開発計画が提唱され、その試作機であるガンダム試作1号機ガンダム試作2号機が性能テストのためにオーストラリアのトリントン基地に搬入される。しかし、エギーユ・デラーズ率いるジオン軍の残党「デラーズ・フリート」がこの情報をつかんでおり、極秘作戦「星の屑作戦」実施に先立って、核兵器を搭載したガンダム試作2号機を強奪せんと基地を襲撃する。

かつて「ソロモンの悪夢」と呼ばれたジオン軍エースパイロット、アナベル・ガトーは、基地の混乱に乗じて首尾よくガンダム試作2号機を強奪した。脱出を図る2号機の前に、連邦軍新米テストパイロット、コウ・ウラキが乗り込んだガンダム試作1号機が立ちはだかるも、歴戦の戦士であるガトーにあっさりとあしらわれ、コウは「まだ未熟」と屈辱的な言葉を投げかけられる。かくして2号機は朝靄の彼方に消え去り、コウを含むテストパイロット達は、ガンダムを搬入したペガサス級強襲揚陸艦「アルビオン」の乗組員に任命され、試作1号機のデータ収集、および2号機の追撃・奪還任務に就く。

補充隊員としてやってきた「不死身の第4小隊」のベルナルド・モンシアとの衝突、砂漠でジオン残党を率いるノイエン・ビッターとの戦い、月面で再起を期してヴァル・ヴァロを整備していたケリィ・レズナーとの出会いと決闘、そして上官のサウス・バニングの死など、様々な事件やライバルとの戦いを経て、コウは戦士として少しずつ成長していき、ガンダム開発計画のエンジニア、ニナ・パープルトンとも心を通わせる。

やがて、試作2号機の攻撃目標が、コンペイ島(旧ソロモン)宙域にて開催される、地球連邦軍艦隊の観艦式の式場であることが判明する。コウは試作1号機フルバーニアンで追撃するが時すでに遅く、彼の目の前で艦隊の大半が核の焔に呑み込まれて消滅した。怒りに燃えるコウとガトーの一騎打ちの末、1号機と2号機は相打ちとなり爆散。アルビオンはその任務を果たせぬまま事態は終息するかに思えた。

だが、ガトーらの真の狙いは、移送中のスペースコロニーの1基を奪って地球に落下させるコロニー落としにあった。アルビオン隊は、アナハイム・エレクトロニクス社がドック艦ラビアンローズでテストを行っていたガンダム試作3号機を強引に受領し、連邦軍上層部の命令に逆らって作戦阻止に動く。その影ではシーマ・ガラハウが暗躍し、デラーズの身柄を手土産に連邦への寝返りを画策していた。さらにコウは、かつてニナがガトーの恋人であったという事実を知ってしまう。連邦軍の腐敗、ニナの過去、めまぐるしく変化する状況に翻弄させられたコウは、やり場のない怒りとともに、実直にジオンの理想に殉じようとするガトーとの最終決戦に臨む。

登場人物[編集]

地球連邦軍/アルビオン
デラーズ・フリート

登場兵器[編集]

モビルスーツモビルアーマーなど機動兵器に分類されるものは

それ以外のものについては

地球連邦軍
ジオン公国軍
デラーズ・フリート
ティターンズ

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ[編集]

「THE WINNER」(第2話 - 第7話)
作詞 - 安藤芳彦 / 作曲 - 都志見隆 / 編曲 - 萩田光男、都志見隆 / 唄 - 松原みきビクター音楽産業
「MEN OF DESTINY」(第8話 - 第12話)
作詞 - 安藤芳彦 / 作曲 - 松原みき / 編曲 - 萩田光男 / 唄 - MIO(ビクター音楽産業)

エンディングテーマ[編集]

「MAGIC」(第1話 - 第7話)
作詞・作曲 - JACOB WHEELER / 編曲 - 志熊研三 / 唄 - JACOB WHEELER(ビクター音楽産業)
またガンダムシリーズで初めて外国人歌手が歌ったエンディング曲でもある。
「Evergreen」(第8話 - 第13話)
作詞 - 佐藤ありす / 作曲 - 鈴木キサブロー / 編曲 - 萩田光男 / 唄 - MIO(ビクター音楽産業)

劇場版[編集]

主題歌 - 「True Shining」
作詞 - 安藤芳彦/作曲 - 松原みき/編曲 - 萩田光男/唄 - 和田るみ子(ビクター音楽産業)
挿入歌 - 「Mon étoil」
作詞 - 佐藤ありす/作曲 - 田中弥生/編曲 - 萩田光男/唄 - 和田るみ子(ビクター音楽産業)

各話リスト[編集]

話数 発売日[4] サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 メカニカル
作画監督
第1話 1991年
5月23日
ガンダム強奪
STARDUST RISING
五武冬史 加瀬充子 渡辺信一郎 川元利浩 佐野浩敏
第2話 終わりなき追撃
WAR IS NOT OVER, YET
今西隆志 逢坂浩司 吉田徹
第3話 6月27日 出撃アルビオン
IRREGULARS IN ALBION
渡辺信一郎 川元利浩 佐野浩敏
第4話 8月22日 熱砂の攻防戦
THE LOST TROOPERS
赤根和樹 今西隆志 逢坂浩司 吉田徹
第5話 9月26日 ガンダム、星の海へ
SIEG, ZION!
遠藤明範 加瀬充子 川元利浩 佐野浩敏
第6話 10月24日 フォン・ブラウンの戦士
MIND OF THE MOON
渡辺信一郎 逢坂浩司 吉田徹
第7話 12月1日 蒼く輝く炎で
BURNING HEART
大熊朝秀 赤根和樹 加瀬充子 川元利浩 佐野浩敏
第8話 1992年
2月20日
策謀の宙域
CONSPIRACY OF SILENCE
加瀬充子 渡辺信一郎 逢坂浩司 吉田徹
第9話 3月19日 ソロモンの悪夢
NIGHTMARE OF SOLOMON
高橋良輔 今西隆志 赤根和樹 菅野宏紀 杉浦幸次
第10話 5月21日 激突戦域
THE HOT AREA
大熊朝秀 渡辺信一郎 川元利浩 佐野浩敏
第11話 6月21日 ラビアンローズ
IN LA-VIE-EN ROSE
高橋良輔 赤根和樹 逢坂浩司 吉田徹
第12話 8月21日 強襲、阻止限界点
ASSAULT WAVES
大熊朝秀 今西隆志 渡辺信一郎 菅野宏紀 杉浦幸次
第13話 9月24日 駆け抜ける嵐
MEN OF DESTINY
大熊朝秀 川元利浩 佐野浩敏

※サブタイトル下段の英語表記はLDのジャケットに記載されていたもの。

関連作品[編集]

G×G UNIT[編集]

1990年12月に、正式発売に先駆けて先行プロモーションも兼ねた第1話を収録したVHSテープと、劇場版『機動戦士ガンダムF91』の映画前売り券をセットにした、いわゆる「お買い得なセット」として「G×G UNIT(ダブルジー ユニット)」が発売されている。ただし、製品版の第1話の冒頭でア・バオア・クー攻防戦時のガトーとデラーズの出会いのプロローグシーンは、このビデオには収録されていない。

このビデオは、製品として発売された第1話とは異なる部分が多く、キャスト・台詞は同じものの発音や発声の間合いが違うことから別録音もしくは別テイクのものであることが分かる。

さらに、本編冒頭のコロニー残骸でのパワード・ジム対ザクIIの模擬戦闘時にBGMとして流れた曲は、製品版の同じシーンで使われた松原みきの「BACK TO PARADISE」とは歌詞が全くの別物で、このバージョンはCD等にも収録されていない。

劇場版[編集]

本作の再編集劇場版である『機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光』が1992年8月29日に全国松竹系で公開された。キャッチコピーは「星の屑満ちる時、ガンダム再び宇宙へ――」。なお、公開時期はOVA最終巻のリリース直前であり、先行して結末が描かれる形となった。ただし、北アメリカ オークリー基地に赴任したコウがニナと再会するエピローグシーンはOVA版のみのもので劇場版では描かれていない。配給収入5千万円。

漫画[編集]

加登屋みつる版[編集]

OVAの発売当時、本作のコミカライズとして『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』が加登屋みつるにより雑誌『コミックボンボン』にて連載された。本作は、永らく単行本化がなされていなかったが、2003年に講談社の『ガンダム短編集2』に収録される形で講談社より発売されており、後にコンビニコミックとして単独で刊行された。

『機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄』[編集]

2000年から、本作を元にした『機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄』が松浦まさふみの手により執筆され、全2巻の描き下ろしコミックとして発売された。それぞれに「地球編」「宇宙編」と副題が付く。

大筋のストーリーは原作と共通しているが、細部のストーリーは独自のものが描かれている他、試作3号機用コア・ファイター(原作未登場)が作中に登場している。

『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』[編集]

月刊ガンダムエース』2013年8月号より夏元雅人の作画で『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』が連載開始。本作の監督を務めた今西隆志がコンセプトアドバイザーとして参加している。

2014年2月にはコミックス第1巻と第2巻が同時発売された。

ジオン軍側登場人物の1年戦争末期時のエピソードや主人公コウ・ウラキのナイメーヘン士官学校在学中のエピソードといった大幅なストーリー追加がなされているほか、ガンダム試作1号機の追加装甲などオリジナルメカニックも多数登場している。

小説[編集]

1992年に山口宏の手による小説版が全3巻で発売されている(角川スニーカー文庫刊)。ノベライズ小説としてOVAのストーリーをほぼ踏襲すると共に、画面では読み取れない裏設定・心理描写を付け加えた作品となっている。

CDシネマ[編集]

1992年にはCDシネマとして、本編のサブストーリー(第7話と第8話の間のエピソード、劇中時間では宇宙世紀0083年11月5日)となる『ルンガ沖砲撃戦』及び、シーマ・ガラハウに焦点を当てた『宇宙(そら)の蜉蝣』が発売されている。

『宇宙の蜉蝣』は一部が映像化され、LD第7巻から第12巻の購入者特典に収録されたほか、後にDVD第2巻に収録されている。ちなみに、PS2用ゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』に、この映像が再編集されたものが付属されている。

ゲーム[編集]

スーパーロボット大戦シリーズ』を筆頭に本作が登場するゲーム作品は無数にあるため、ここでは本作を題材に単独商品化された作品のみ記述する。

1996年にファミリーソフトよりPC-98用『MOBILE SUIT GUNDAM スターダストオペレーション』が発売されている。本作は原作アニメの内容を描いたシミュレーションロールプレイングゲームであり、コウ・ウラキとアナベル・ガトーの各視点による2種類のシナリオが用意されている。

テレビ放送[編集]

2006年11月から2007年2月にかけて、TOKYO MXBS-i(現・BS-TBS)において、無料の民間系の放送局では初めてテレビ放送された。また2007年2月から同年5月にかけて、テレ玉でも、2008年1月2日から1月4日にかけて、BS11デジタルでもそれぞれ放送された。

脚注[編集]

  1. ^ 劇場公開当時は、LAST BLITZ OF ZIONと表記されていた。
  2. ^ ビデオチャートで2回、LDチャートで9回、DVDチャートで1回。
  3. ^ 植田益朗の発言は全て「映像特典」に収録されていたものである。
  4. ^ レーザーディスク及びVHSビデオの初回発売日。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]