戦場のヴァルキュリア3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
戦場のヴァルキュリアシリーズ > 戦場のヴァルキュリア3
戦場のヴァルキュリア3
ゲーム:戦場のヴァルキュリア3(通常版)
戦場のヴァルキュリア3 EXTRA EDITION(E2)
ゲームジャンル アクティブ・SRPG
対応機種 PlayStation Portable
開発元 メディア・ビジョン
発売元 セガ
プロデューサー 本山真二
ディレクター 小澤武
キャラクターデザイン 本庄雷太
音楽 崎元仁
メディア UMD
プレイ人数 1人
発売日 2011年1月27日
2011年11月24日(E2)
売上本数 15万2659本(通常版)[1]
レイティング CEROB(12才以上対象)
OVA:戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡
原作 SEGA
監督 近藤信宏
キャラクターデザイン 只野和子
アニメーション制作 A-1 Pictures
製作 PROJECT VALKYRIA3
発売日 2011年6月29日(前編)
2011年8月31日(後編)
話数 全2話
テンプレート - ノート 
ウィキプロジェクト コンピュータゲームアニメ

戦場のヴァルキュリア3[2](せんじょうのヴァルキュリアスリー)は、2011年1月27日に発売されたPlayStation Portable専用ソフト。

シミュレーションRPGアクションゲームの要素を加えた戦闘システム「BLiTZ(ブリッツ)」と、個性的なキャラクターによる戦場での人間ドラマを特徴とした[3]戦場のヴァルキュリアシリーズの3作目として製作された作品。キャッチコピーは「絶望の果て、歴史を変えた名もなき戦士たちの物語」。

戦場のヴァルキュリア』(以下『1』)と同じく架空のヨーロッパ大陸で起こったガリア戦役を舞台としており、歴史に残らなかった部隊の戦いの記録という設定で物語は描かれる。時間軸は『1』と同年、『戦場のヴァルキュリア2』の2年前となっており、前2作で既出のキャラクターも登場するなど、『2』へと繋がる内容にもなっている[4]

発売週の売上はメディアクリエイト調べ、アスキー総合研究所調べで約10.2万本を記録し[5][6]、家庭用ゲームの週刊売上ランキングで2位の結果を残した。

2011年11月24日には通常版に新たなエピソードを加え、販売価格を下げた『戦場のヴァルキュリア3 EXTRA EDITION』(E2)が発売された。

ゲーム内容[編集]

ゲームは章立てになっており、主人公が率いる部隊をプレイヤーが動かす形で進行する。進軍マップで部隊の行き先を選択し、戦闘ミッションでは部隊の各兵士を動かすのがプレイヤーの役割である。戦闘では従来のシリーズと同じくBLiTZ(ブリッツ)が採用されており、ターン制を基本的としながら自軍ユニットの行動中はリアルタイムで敵兵士が攻撃を仕掛けてくるシステムとなっている。戦闘で敗北した場合はその直前からやり押しとなる。

進軍マップは第1作におけるブックモードに相当し、地図上のシンボルを選択することで進行ルートと共にイベントシーンやミッションの選択を行うモードである[7]。場所によっては分岐するルートがあり、ルートの進め方によって展開が変化することもある。また、戦闘内容によってルートの分岐が生じるミッションがあり、その後の展開や進軍マップで現れるルートが変化することもある。

戦闘で出撃できる兵数はミッションによって異なるが最大9人となっている。『2』から採用されたエリア制(1つのマップを複数のエリアに分割する方式)が引き継がれており、1エリアに置ける最大人数は5人までである。また、ブリーフィング時に武器を変更することでそのユニットの兵種も変えることができる。

本作の特徴としては特殊化があり、クルト、リエラ、イムカの主要キャラクター3人の行動時[8]にSPと呼ばれるポイントを消費することで通常時とは異なる行動をとることができる。特殊化によって得られる能力は三人三様で、1つのミッション中に使用できるSPは限られている[3]

育成[編集]

進軍マップにある本拠地では自軍の強化ができる。本作では味方キャラクターの兵種が自由に変えられるようになっており、レベルアップの際には部隊全員をステータス別に強化させるシステムになっている。

これまでのシリーズと同様に個々のキャラクターの兵種をより性能のよい上位の兵種へクラスチェンジできるようになっているが、本作ではレベルではなく熟練度によってクラスチェンジは行われる。熟練度は戦闘ミッションでの活躍に応じて加算されるようになっており、各キャラクターの兵科ごとに溜めることでクラスチェンジが可能になる。本作では兵科は偵察、突撃、対戦車、支援、技甲、狙撃、機関銃、剣甲の8つがあり、それぞれの兵科には3段階の兵種が存在する。

戦闘での状況に応じて発動するポテンシャルもプレイヤーの意図で育成できるようになっている。育成できるのはレベルと各兵種の熟練度に応じて覚えていくバトルポテンシャルで、複数の兵種のポテンシャルを覚えていくことでより優良なハイポテンシャルを覚えることもある。ポテンシャルの習得はマスターテーブルと呼ばれる視覚化された盤上において行われ、マスターテーブルを見ることで新しいポテンシャルの習得方法もわかるようになっている[9]

この他、本拠地では装備する武器の強化や、戦車のカスタマイズが可能である[10]

物語の構成[編集]

これまでのシリーズと同じく、専制君主国家・東ヨーロッパ帝国連合と共和制連邦国家・大西洋連邦機構に挟まれた小国・ガリア公国が舞台。物語は第1作と同じ征歴1935年を時代背景に軍規違反者や脱走兵で構成された懲罰部隊であるガリア公国軍422部隊に焦点が当てられており、身に覚えのない国家反逆罪の濡れ衣を着せられ新たに懲罰部隊に配属されたクルト、ヴァルキュリア人であることに気付いていないリエラ、誰とも心を通わせようとしないダルクス人のイムカの3人がメインキャラクターである。対して本作の敵として設定されている帝国軍特別遊撃部隊カラミティ・レーヴェンの隊員は監視役を務めるリディア・アグーテを除いて全員ダルクス人で構成されているのが特徴。隊長のダハウはダルクスの独立を目指して活動しており、このダハウが本作でのボスキャラクターとなる。

物語はクルトの正規軍時代から始まり、ガリア公国軍422部隊に転属になるまでがプロローグで描かれる。クルトが転属した422部隊は「ネームレス」の通称があり、隊員は名前ではなく番号で呼ばれる懲罰部隊である。請け負う任務も正規の記録には残らない特殊なものばかりで、正規軍からは捨て駒のような扱いを受けている。士官であるクルトは転属と共に隊長扱いとなるが、新参であるクルトは隊長として認められず当初は命令を聞かない隊員たちばかりであった。そんな隊員たちをクルトは纏め上げ、部隊の錬度を上げていく。

なお、結末はマルチエンディングである[11]

開発[編集]

構想自体はディレクターの小澤武とプロデューサーの本山真二の間で前作の開発終盤から既にあったといい、前作の開発終了後に企画は立ち上げられ[12]、前作から約1年での完成となった[13]

本作は前作とハードが同じということもあって前作の内容を踏まえた上で開発が進められ、シリーズ恒例の戦闘システムBLiTZと、1つのマップを複数のエリアに分割させるという要素はシステムのベースとして前作から残る形となっている[14]。その一方で変更された要素としては、キャラクターごとにポリゴンモデルを用意するなど[15]のビジュアル面での強化、1マップにおける出撃人数が6人から9人に拡張、通信プレイの廃止などがある。通信プレイを廃止した理由としては、協力プレイを付けるよりシングルプレイに特化させた方が良いという判断があったことと、通信プレイのために専有されていたメモリのリソースをほかの部分へ回せることが挙げられており、出撃人数の増加やビジュアルの強化が行えたのは使用できるメモリ量が増えたためだとプロデューサーの本山は語っている[12]。このほか、戦車を動かすためのCPが1に統一されたり、敵軍の迎撃が大幅に強化したりと難易度や使いやすさの面での調整も行われている。

また、今作から新たに加えられたシステムとして特殊化があるが、この仕様は開発初期に決められており、特殊化ありきで戦闘のバランス調整が行われている[12]

これまでのシリーズと同様に、キャラクターデザインは本庄雷太が、音楽は崎元仁が務めている。

主題歌はMay'nが歌う『もしも君が願うのなら』(作詞 - 藤林聖子、作曲 - 鷺巣詩郎、 編曲 - CHOKKAKU・鷺巣詩郎)。

Webゲーム[編集]

2011年1月12日に公式サイト上においてブラウザゲーム・『BAN!BANG!ネームレス』のサービスが開始された。

BAN!BANG!ネームレスはtwitterと連動した射撃ゲームで、twitterのアカウントを使ってフォロアーの一人をネームレスにしたてることができる[16]

モバイル展開[編集]

本作のモバイル特設サイトにて月額会員向けにFlash小説が配信されている。全5話。

  • 第1話「リエラ、もうひとつの戦い」[17]
  • 第2話「イムカ、まつろわぬ者」[18]
  • 第3話「スプリット・アタック」
  • 第4話「動き出す心」[19]
  • 第5話「太陽」

OVA[編集]

2010年11月9日に、東京秋葉原で行なわれた『戦場のヴァルキュリア3』の発表会の場で、2011年春にOVA戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡』が発売されることが発表された。ゲーム本編にないオリジナルエピソード全2話で、コンテンツ配信サービス「PlayStation Store」で先行配信されたが、世界最悪となるソニーグループ情報漏洩事件の嚆矢となったPSNの情報漏洩により、配信されたのは1週間にも満たない。パッケージ版はブラックパッケージとブルーパッケージの2種類があり、パッケージによって特典内容が異なる。ブラックパッケージは発売・販売をセガが行い、ブルーパッケージは発売がセガ、販売がアニプレックス、DVD通常版は発売・販売がアニプレックスとなっている[20]。配信特典配布キャンペーンとして追加ミッション「イサラ、走る!」プロダクションコードがプレゼントされ、更に「因縁の対決」プロダクションコードがプレゼントされ後編にも封入された。

ストーリーはゲーム本編とも繋がる内容となっており、造反部隊の濡れ衣を着せられ正規軍からも追われていた、1935年8月上旬を背景にゲームでは描かれない一時期の出来事となっている[21]

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「灯 -TOMOSHIBI-」
作詞・歌 - 飛蘭 / 作編曲 - 中山真斗Elements Garden
エンディングテーマ「いつか咲く光の花」
作詞・歌 - 栗林みな実 / 作曲 - 黒須克彦 / 編曲 - 虹音
挿入歌「風を追う兵士の歌」(後編)
歌 - JAM Project / 作詞 - 畑亜貴 / 作・編曲 - 七瀬光

各話リスト[編集]

話数 脚本 絵コンテ 演出 総作画監督 作画監督 作画監督補佐 Web配信/DVD&BD発売日
前編 大野木寛 近藤信宏 三好正人 只野和子 中田博文、羽野広範
空流辺広子、奥野浩行
内田シンヤ 2011年4月13日配信
2011年6月29日発売
後編 鈴木健一
古田丈司
京極尚彦
中田博文、高瀬健一
渡辺奈月、奥野浩行
石井ゆみこ
2011年7月6日配信
2011年8月31日発売

イベント[編集]

May’n×ネームレス SPECIAL LIVE
2011年3月13日に開催される予定だったが、同月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を受けて中止となった[22]
『戦場のヴァルキュリア3誰がための銃瘡』プレミア上映イベント
OVAの発売を記念して2011年6月26日にプレミア上映イベントが開催された。このイベントではOVAの上映のほか、声優陣や監督らスタッフによるトークショーも行われた。[23]

漫画[編集]

戦場のヴァルキュリア3 名もなき誓いの花
電撃マオウ』2011年5月号 - 2012年4月号まで連載。漫画:藤沢真行。全2巻。
  1. 2011年10月27日発売 ISBN 978-4048860338
  2. 2012年03月27日発売 ISBN 978-4048863797
戦場のヴァルキュリア3 -赤き運命の戦乙女-
月刊コンプエース』2011年9月号より連載。漫画 : 柘植ミズキ。全1巻。
  1. 2012年02月25日発売 ISBN 978-4041201817

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 週刊ファミ通』No.1206(1月26日号)、エンターブレイン、2012年、11頁。
  2. ^ ロゴには「Unrecorded Chronicles」が表記されている。
  3. ^ a b Game Watch PSPゲームファーストインプレッション「戦場のヴァルキュリア3」- GAME Watch参照。
  4. ^ Game Watch セガ、PSP「戦場のヴァルキュリア3」 名も無き兵士達の闘いを描いたシリーズ最新作 主要キャラクターと世界観を紹介参考
  5. ^ 4gamer.net 「THE LAST STORY」11万本,「戦場のヴァルキュリア3」10万本。12タイトルが一気にランクインの「ゲームソフト週間販売ランキング」
  6. ^ 電撃オンライン ソフトウェア 週間販売ランキング TOP20
  7. ^ 4gamer.net 敵は帝国軍の特殊部隊。「戦場のヴァルキュリア3」,クルト達ネームレスの前に立ちはだかる「カラミティ・レーヴェン」とはより
  8. ^ ゲストキャラクターは含まず
  9. ^ 4gamer.net - 「戦場のヴァルキュリア3」クルト達が持つ“特殊化”の能力とは? 新しくなったバトルシステム/キャラクター育成システムを確認しようより
  10. ^ 4gamer.net - PSP「戦場のヴァルキュリア3」最新情報。ネームレス戦車長グスルグほか登場キャラクターおよび,「調達屋」の情報が公開
  11. ^ セガ公式によるゲーム説明より
  12. ^ a b c GAME watch 2011年2月4日 セガ、PSP「戦場のヴァルキュリア3」 プロデューサー本山氏特別インタビュー
  13. ^ 4gamer.net 2011年1月27日 目標どおり,前作から約1年で完成。「戦場のヴァルキュリア3」発売記念抽選会が開催に。本山真二プロデューサーのインタビューを掲載
  14. ^ 4gamer.net 2011年1月29日 システムやビジュアルなどのクオリティが大幅に進化した「戦場のヴァルキュリア3」,プロデューサー本山真二氏へのインタビューを掲載
  15. ^ 公式スタッフブログ 2010年9月30日 【ヴァルログ!】 キャラクターについて
  16. ^ セガ 『戦場のヴァルキュリア3』 公式サイトにて新コンテンツ「BAN!BANG!ネームレス」がOPEN!
  17. ^ 4gamer.net 『戦場のヴァルキュリア3』モバイル特設サイトにて 開発チーム書き下ろしのオリジナルストーリーFlash小説が配信開始!
  18. ^ 4gamer.net 【リリース】「戦場のヴァルキュリア3」,モバイルサイトでFlash小説第2話配信
  19. ^ 4gamer.net 【リリース】「戦場のヴァルキュリア3」モバイル特設サイトでFlash小説配信中
  20. ^ AV Watch OVA「戦場のヴァルキュリア3」BD/DVDが6月発売-PSPゲーム用追加コンテンツ付属。PSN先行配信
  21. ^ 『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡』公式サイト クリエイターズインタビュー 第1回
  22. ^ 公式スタッフブログ 2011年3月12日 【ヴァルログ!】イベント中止のご連絡[リンク切れ]
  23. ^ 4gamer.net 2011年6月28日 「戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡」前編のBD/DVDは2011年6月29日発売。中村悠一さん,遠藤 綾さん,浅野真澄さんらによるトークショウが行われたプレミア上映会をレポート

関連項目[編集]

外部リンク[編集]