ふしぎの国のアリス
| ふしぎの国のアリス | |
|---|---|
| Alice in Wonderland | |
| 監督 | クライド・ジェロニミ ハミルトン・ラスク ウィルフレッド・ジャクソン |
| 脚本 | ウィンストン・ヒブラー ビル・ピート ジョー・リナルディ ウィリアム・コトレル ジョー・グラント デル・コネル テッド・シアーズ アードマン・ペナー ミルト・バンタ ディック・ケルシー ディック・ヒューマー トム・オレブ ジョン・ウォルブリッジ |
| 製作 | ウォルト・ディズニー ロイ・O・ディズニー |
| 出演者 | 下記参照 |
| 音楽 | オリバー・ウォレス |
| 撮影 | ボブ・ブロートン |
| 編集 | ロイド・リチャードソン |
| 配給 | RKO Radio Pictures |
| 公開 | |
| 上映時間 | 約75分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
『ふしぎの国のアリス』(ふしぎのくにのアリス、原題:Alice in Wonderland)は、1951年7月28日に公開されたディズニー製作のアニメーション映画である。ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』に興味を持ったウォルト・ディズニーが、第二次世界大戦を乗り越えて製作した。アニメーション化にあたっては、原作の持つ言葉遊び的な要素は薄れているが、ディズニーらしいミュージカル式のおとぎ話として完成されているといえる。
本作品は、『不思議の国のアリス』を原作としているが、小説『鏡の国のアリス』のエピソードや登場キャラクターも採用されている。例えば、トゥイードル・ディーとトゥイードル・ダムは『鏡の国のアリス』(元々はマザー・グース)に登場する。本作に登場するハートの女王は、『不思議の国のアリス』のハートの女王と『鏡の国のアリス』の赤の女王を合わせたようなキャラクター造形となっている。また、本作品に登場するほうき犬は原作にはないオリジナルキャラクターである。
なおウォルト・ディズニーは1930年代戦前からこの作品をアニメ化の構想を練っており、長編映画第1作目の候補作品として挙げられていた。
目次 |
あらすじ [編集]
ある日の昼下がり。静かな川辺の野原で、アリスは姉と一緒に歴史の本を読んでいたが、すっかり退屈していた。その時、アリスはチョッキを着ている白うさぎが大きな懐中時計を持って走り去るのを見て、必死で白うさぎを追いかけた。彼女は白うさぎを追ううちに大きなトンネルまで入ったが、その先にあった大きな穴に落ちた。一番下まで落ちると、白うさぎが走っているのを見つけて、アリスは追いかけ、奇妙な空間の部屋にたどり着く。そこには小さいドアがあったので、開けようとしたが、取っ手がしゃべって「大きすぎて入れないから無理」と言われた。アリスがどうしようかと悩んでいたところ、不意にガラスのテーブルが出てきた。テーブルの上には瓶があって、そこには一切れの紙に「私を飲んで」と書いてあった。アリスがそれを飲むと、身長が約3cmに縮んだ。そこでアリスはドアを開けようとしたが、肝心な鍵をテーブル上に忘れていたのでまた入れなかった。アリスがまた悩んだところ、今度はクッキーがたくさん入った箱が不意に出てきた。そのクッキーには「私を食べて」と書いてあり、アリスがそれを食べると部屋につっかえる程大きくなった。それに驚いたアリスが泣き出したため、部屋は涙で水浸しになり、彼女はとっさにさっきの瓶の中身の残りを飲んだ。そして、瓶の中に入り込み、喋った取っ手の鍵穴を通り抜ける。
流れ着いた海岸では、ドードー鳥達がコーカス・レースをしていた。アリスはそれに加わったが、白うさぎを見てまた追いかける。その途中で、アリスはトゥイードル・ディーとトゥイードル・ダムに出会い、遊びに誘われるが1度は断る。しかし諦めない2人は粘って「セイウチと大工さんの話」を聞かせることに成功した。2人で遊びだしたのを機にその場を離れたアリスはその後、白うさぎの家にたどり着く。そこでアリスは「手袋を取ってきて」と白うさぎに言われ、家の中に入った。手袋を見つけたアリスが、2階にあったクッキーを食べてしまうと、彼女は家につっかえてしまう程大きくなり、白うさぎは驚いて逃げ出してしまう。そこへ白うさぎと共にドードー鳥が現れて、「魔物を退治する」という名目で通りかかった煙突掃除のトカゲを家に送り込むが、アリスが煤にむせたため、煙突から飛び出し行方不明に。それを見たドードー鳥は「家を焼き払おう」とアリスが大きくなった際に蹴り出した家具を壊し、マッチで火をつけてしまう。しかしドードー鳥が火を大きくしようと躍起になっている間にアリスはにんじん畑に気づき、そのうちの1本を食べて、以前より縮んだ。
逃げた白うさぎを追いかける途中で見失い、アリスはしゃべるお花達に出会い、その歌を聴く。しかし、お花達はアリスを雑草だと誤解し、アリスはお花達に追い出された。その後芋虫に出会い、不思議な詩を聞かされたアリス。「せめて身長を7cmくらいにしたい」と言った事がきっかけで芋虫を怒らせてしまうも、その怒りで蝶へ変貌した彼から大きくなるアドバイスを聞く。それを受けて、大きくなりすぎたりしたものの、アドバイス通りにマッシュルームを交互に食べながら、無事望んだ大きさになったアリス。その後アリスはチシャ猫に出会い、彼に言われてマッドハッター(いかれ帽子屋)と三月うさぎ、眠りねずみのところに行った。そこでは“誕生日じゃない日(なんでもない日)”をお祝いするというおかしなお茶会をしていた。アリスは白うさぎの行方を聞くべくそのお茶会に加わるが、なかなか話が通じない。そこへ乱入してきた白うさぎがマッドハッターに時計を壊され、失意を顕わにしながらも「遅刻遅刻」と走り出したのを追いかけるも、途中で道に迷ってしまい、アリスはとうとう白うさぎを追いかけるのを諦めた。そこへ突然チシャ猫が現れ、「この辺りの道は女王のもの」だとアリスに教える。アリスがハートの女王と会ったことがないと知ると、チシャ猫は「ハートの女王に会うなら、オレは近道を通る」と言って、アリスをトランプの国に誘い込む。
庭の生け垣の迷路で、アリスは白いバラに赤いペンキを塗っている3人のトランプ兵たちに会う。そして、そこへやってきたハートの女王に出会い、クローケーゲームに招待された。フラミンゴをクローケー代わりに、そして、針鼠をボール代わりに使うというおかしなゲームだった。しかし、不意に出くわしたチシャ猫のせいで、ハートの女王といざござを起こしてしまい、アリスは裁判にかけられる。アリスはお茶会の3人を証人として呼んだおかしな裁判のやりとりに苛々し、チシャ猫の存在を告げた際に暴れだした眠りねずみがきっかけで更に騒ぎが大きくなってしまう。そこで持っていたマッシュルームを両方食べて大きくなり、ハートの女王に向かって「デブで、わがままで、底意地の悪い暴君」と主張し、また追い回される。[1]しかし喋る取っ手にたどり着いたアリスは、自分が眠っているだけなのだと知ると「起きるのよ」と呼びかける。うなされている自分を呼ぶ姉の声で目が覚めたアリスは、芋虫が教えてくれた詩を暗唱したことで姉に「あなたは夢を見たのね」と言われ、お茶の時間に誘われるのだった。
登場キャラクター [編集]
- アリス
- 本作のヒロイン。夢の中で大冒険をする。
- 白うさぎ
- アリスを不思議の国へと導くうさぎ。しゃべれる。いつも急いでいる。チョッキを着て、懐中時計を持っている。穴に入る前と後では、服装が違う。
- 芋虫
- 水たばこをふかし、煙を吐きながら不思議な歌をうたっているイモムシ。毛虫と呼ばれても、本人は気にしていない。アリスにキノコの秘密を教える。
- ハートの女王
- 大柄でわがままで怒りっぽい。「首をはねよ!」が口癖。パンツの柄もハート。
- ハートの王
- ハートの女王よりも立場はだいぶ下。女王とは逆に小柄で気弱なため、ハートの女王には逆らわない。
- チシャ猫
- 紫とピンクの縞模様で、消えたり現れたりする、神出鬼没のネコ。アリスに不思議の国では誰もがいかれていることを話す。
- トゥイードルダムとトゥイードルディー
- 二人の違いは襟の刺しゅう。アリスに無理やりセイウチとカキの話をする。
- マッドハッター(いかれ帽子屋)と三月うさぎと眠りねずみ
- マッドハッターと三月うさぎの二人で「お誕生日じゃない日(吹き替え:なんでもない日)の歌」を歌いながらお茶会をしている。この二人が白うさぎの大切な懐中時計を壊してしまう。たくさん並んでいるポットの中の一つに眠りねずみが入っており、「ねこ」という言葉を聞くと驚いて錯乱するが、ジャムを鼻に塗られるとおとなしくなる。
- お花たち
- アリスたちに「きらめく昼下がり」を唄うが、どこから来た生き物なのかの質問に対するアリスの答えに対し、雑草だと誤解して追放する。
キャスト [編集]
| キャラクター | 原語版 | 初公開版 | ソフト版 |
|---|---|---|---|
| アリス | キャサリン・ボーモント | キャロライン洋子 | 土井美加 |
| 白うさぎ | ビル・トンプソン | 鈴木ヤスシ | 牛山茂 |
| ドードー | 富田耕生 | 吉水慶 宝亀克寿[2] |
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| ハートの女王 | ヴェルナ・フェルトン | ペギー葉山 | 小沢寿美恵 |
| マッドハッター | エド・ウィン | 熊倉一雄 | 西本裕行 |
| 三月うさぎ | ジェリー・コロンナ | 山崎唯 | 逢坂秀実 |
| チシャ猫 | スターリング・ホロウェイ | 大塚周夫 | 関時男 |
| 大工さん | J・パット・オマリー | 立壁和也 | 吉田幸紘 |
| 年老いたカキ | ? | ||
| トゥイードル・ディー | 滝口順平 | ||
| トゥイードル・ダム | 野村隆一 | ||
| セイウチ | ? | 水野龍司 | |
| アリスの姉 | ヘザー・エンジェル | ? | 高瀬佳子 |
| イモムシ | リチャード・ヘイデン | 滝口順平 | 玉城伸吾(幼虫) 吉田幸紘(蝶) |
| ドアノブ | ジョゼフ・ケーンズ | 八奈見乗児 | ? |
| 花 | クイーニー・レナード | ? | 後藤真寿美 他 |
| ハートの王 | ディンク・トラウト | ? | 浜田宏昭 |
| ドーマウス (ヤマネ) |
ジム・マクドナルド | ? | ? |
初公開版では歌はボニー・ジャックスとミンツが担当した。
吹き替え版の差異 [編集]
1984年から1987年に発売されたソフト(以下、Aとする)、1990年から2005年に発売されたソフト(以下、Bとする)、そして2005年以降に発売されているBlu-ray Discを含めたソフト(以下、Cとする)では、音声の一部が差し替えられ内容が異なっている。声優に関してはドードーの吉水慶が宝亀克寿に変更されている以外に変更はない。
- A→Bでの変更
- 歌の歌詞の変更とそれに伴った歌の新録。
- B→Cでの変更
- アリス、白うさぎ、チシャ猫、マッドハッター、三月うさぎ、ハートの女王、ドードー、トゥイードル・ディーとトゥイードル・ダム、アリスの姉の台詞の変更。いかれ帽子屋(マッドハッター)、ヤマネ(ドーマウス)、毛虫(芋虫)、大工(大工さん)の呼称の変更(括弧内は変更後の呼称)。「いかれている」「殺す・殺される」「燃やす」「デブ」といった差別的・罵倒的な表現を変更。
スタッフ [編集]
映像制作 [編集]
| 製作 | ウォルト・ディズニー、ロイ・O・ディズニー |
| 原作 | ルイス・キャロル |
| 脚本 | ウィンストン・ヒブラー、ビル・ピート、ジョー・リナルディ、ウィリアム・コトレル、ジョー・グラント デル・コネル、テッド・シアーズ、アードマン・ペナー、ミルト・バンタ、ディック・ケルセイ ディック・ヒューマー、トム・オレブ、ジョン・ウォルブリッジ |
| 音楽 | オリバー・ウォレス |
| オーケストラ指揮 | ジョセフ・ダビン |
| アリス担当作画監督 | マーク・デイビス |
| ドアノブ、ハートの女王担当作画監督 | フランク・トーマス |
| マッドハッター、チェシャ猫担当作画監督 | ウォード・キンボール |
| アクション担当作画監督 | ウォルフガング・ライザーマン |
| 作画監督 | ミルト・カール、オリー・ジョンストン、エリック・ラーソン、ジョン・ラウンズベリー、レス・クラーク、ノーム・ファーガソン |
| レイアウトチェック | ドン・ダグラディ |
| レイアウト | マクラーレン・スチュワート、トム・コドリック、チャールズ・フィリッピ、A・ケンドール・オコーナー、ヒュー・ヘネシー ドン・グリフィス、トール・パットナム、ランス・ノーレイ |
| 原画 | ハル・キング、ジャッジ・ウィッテカー、ハル・アンブロ、ビル・ジャスティス、フィル・ダンカン ボブ・カールソン、ドン・ラスク、クリフ・ノードバーグ、ハーベイ・トゥームズ、フレッド・ムーア マービン・ウッドワード、ヒュー・フレイザー、チャールズ・オーガスト・ニコルズ |
| エフェクト原画 | ジョッシュ・ミードア、ダン・マクマヌス、ジョージ・ロウレイ、ブレイン・ギブソン |
| 美術監督 | ケン・アンダーソン、ジョン・ヘンチ、クロード・コーツ |
| 背景 | レイ・ハッフィン、アート・リレイ、ディック・アンソニー、ラルフ・ヒューレット、ブライス・マック テルマ・ウィトマー |
| 色彩設計 | メアリー・ブレア |
| 特殊効果 | アブ・アイワークス |
| 撮影 | ボブ・ブロートン |
| 音響監督 | C・O・スライフィールド |
| 録音 | ハロルド・J・ステック、ロバート・O・クック |
| ミキサー | アル・ティーター |
| 編集 | ロイド・L・リチャードソン |
| 監督 | ハミルトン・ラスク、クライド・ジェロニミ、ウィルフレッド・ジャクソン |
| 総監督 | ベン・シャープスティーン |
日本語版音声制作 [編集]
| 演出 | 山田悦司、松岡裕紀 |
| 調整 | 杉原日出弥、上村利秋 |
| プロデューサー | 津司大三 |
| 脚本翻訳 | トランスグローバル |
| 録音スタジオ | 紀尾井町スタジオ、スタジオ・エコー |
| 録音制作 | トランスグローバル、スタジオ・エコー |
| 日本語版制作 | DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC |
挿入歌 [編集]
- ふしぎの国のアリス (Alice In Wonderland) メインテーマ
- 私だけの世界 (In A World Of My Own)
- はじめまして こんにちは (How D'ye Do And Shake Hands)
- ゴールデン・アフタヌーン (All In The Golden Afternoon)
- お誕生日じゃない日の歌 (The Unbirthday Song)
- ベリー・グッド・アドヴァイス (Very Good Advice)
- 時間に遅れた
未発表曲 [編集]
本作にはリプライズを除き、17曲の挿入歌が使用されている。映画の製作当時、これらの17曲以外にも複数の曲が制作されていたが、結局、不採用にされて、長らく日の目を見ることはなかった。
1999年、アメリカ合衆国で発売されたDVD版に特典映像として、ボツになった曲の1つ「I'm Odd」(チェシャ猫のテーマソング)が収録された。
当時、オリジナル版の映画(1951年)でチェシャ猫の声を演じたスターリング・ホロウェイは1992年で亡くなっており(1989年にすでに引退していた)、代役としてジム・カミングスがチェシャ猫の歌声を担当した。
カミングスは他にも、ホロウェイの持ち役(『くまのプーさん』(プー)、『ジャングル・ブック』(カー))を受け継いでいる。
日本では2005年発売の「ふしぎの国のアリス スペシャル・エディション」に収録されている。
脚注 [編集]
関連項目 [編集]
- 不思議の国のアリス
- 不思議の国のアリス (映画)
- 鏡の国のアリス
- Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ - アリス、白うさぎ、マッドハッター、チェシャ猫、ハートの女王なども登場するゲーム。
外部リンク [編集]
- ふしぎの国のアリス(日本語)
- ふしぎの国のアリス - allcinema
- ふしぎの国のアリス - KINENOTE
- Alice in Wonderland - AllMovie(英語)
- Alice in Wonderland - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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