キウイフルーツ

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キウイフルーツ
Kiwi (Actinidia chinensis) 2 Luc Viatour.jpg
キウイフルーツ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ツツジ目 Ericales
: マタタビ科 Actinidiaceae
: マタタビ属 Actinidia
: オニマタタビ chinensis
学名
Actinidia deliciosa あるいは Actinidia chinensis
和名
オニマタタビ、鬼木天蓼
英名
kiwifruit
木に実ったキウイフルーツ
キウイフルーツ(green, raw)
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 255 kJ (61 kcal)
炭水化物 14.66 g
- 糖分 8.99 g
- 食物繊維 3 g
脂肪 0.52 g
- 飽和脂肪酸 0.029 g
- 一価不飽和脂肪酸 0.047 g
- 多価不飽和脂肪酸 0.287 g
タンパク質 1.14 g
- トリプトファン 0.015 g
- トレオニン 0.047 g
- イソロイシン 0.051 g
- ロイシン 0.066 g
- リシン 0.061 g
- メチオニン 0.024 g
- シスチン 0.031 g
- フェニルアラニン 0.044 g
- チロシン 0.034 g
- バリン 0.057 g
- アルギニン 0.081 g
- ヒスチジン 0.027 g
- アラニン 0.053 g
- アスパラギン酸 0.126 g
- グルタミン酸 0.184 g
- グリシン 0.06 g
- プロリン 0.044 g
- セリン 0.053 g
水分 83.07 g
ビタミンA相当量 4 μg (0%)
- βカロテン 52 μg (0%)
- ルテインおよびゼアキサンチン 122 μg
ビタミンB1 0.027 mg (2%)
ビタミンB2 0.025 mg (2%)
ビタミンB3 0.341 mg (2%)
パントテン酸(ビタミンB5 0.183 mg (4%)
ビタミンB6 0.063 mg (5%)
葉酸(ビタミンB9 25 μg (6%)
コリン 7.8 mg (2%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
ビタミンC 92.7 mg (112%)
ビタミンD 0 IU (0%)
ビタミンE 1.46 mg (10%)
ビタミンK 40.3 μg (38%)
カルシウム 34 mg (3%)
鉄分 0.31 mg (2%)
マグネシウム 17 mg (5%)
マンガン 0.098 mg (5%)
セレン 0.2 μg (0%)
リン 34 mg (5%)
カリウム 312 mg (7%)
塩分 3 mg (0%)
亜鉛 0.14 mg (1%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
キウイフルーツ(100g中)の主な脂肪酸の種類[1]
項目 分量(g)
脂肪 0.52
飽和脂肪酸 0.029
16:0(パルミチン酸 0.017
18:0(ステアリン酸 0.012
一価不飽和脂肪酸 0.047
18:1(オレイン酸 0.047
多価不飽和脂肪酸 0.287
18:2(リノール酸 0.246
18:3(α-リノレン酸 0.042

キウイフルーツ(kiwifruit、学名:Actinidia deliciosa あるいは Actinidia chinensis)とは、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔓性植物、またはその果実。名称はニュージーランドのシンボルである鳥の「kiwi(キーウィ)」が語源であり、果実が同種に似ていることに由来する[2]

主に東アジアに自生するサルナシマタタビ科)の内、「シナサルナシ」という中国原産の植物を、1906年にヨーロッパ経由でニュージーランドに種子が持ち込まれた後、品種改良され1934年頃から商業栽培が始まり[3]、世界各国で食べられるようになった果物である。

日本における花期は5月頃。「キーウィーフルーツ」「キーウィフルーツ」「キウィフルーツ」などの表記も使用される。耐寒性があり冬期の最低気温-10℃程度の地域でも栽培が可能である。産地は温帯から亜熱帯で、熱帯果実ではない。

概要[編集]

以前は Actinidia chinensis という学名で統一されていたが、1984年に果実表面が粗毛に覆われた緑色果肉品種は Actinidia deliciosa、果実表面が軟かい疎毛で覆われた品種(果肉は黄色いことが多いが、黄緑色や赤色が混じるものもある)は Actinidia chinensis と、別々の種に分類された。最も一般的に市販されているヘイワード種は、A. deliciosa種である。一方、2000年より販売の始まったゴールド・キウイ(ゼスプリTM ゴールド、ホート16A種)は、 A. chinensis 種である。 鶏卵程度の大きさをもつ楕円体の果実は、皮が茶色く毛状の繊維に覆われており、鳥のキーウィに似ていることからその名が付いたとも言われている。この植物および果実自体もキウイ(またはキーウィーキーウィキウィ)と略して呼ばれる場合がある。マタタビに近縁であることから、幼木や若葉はネコ害を受けることもある。

種別[編集]

キウイフルーツ果実の食品学的な特徴としては、ビタミンCアスコルビン酸)含量が多いことや、果実としては珍しくクロロフィルを含むことなどが挙げられる。これらの果実成分の含量は、キウイフルーツの品種によって大きく異なっている。

  • グリーンキウイ(ヘイワード種)
普通のキウイフルーツ(ヘイワード種)の果肉は緑色を呈し、白色の果心の周囲に胡麻粒ほどの黒い種子が放射状に並んでいる。味は甘味と爽やかな酸味がある。糖質としては、還元糖であるグルコースフルクトースが多く、糖全体の75~85%を占め、残りの15~25%がスクロースである。有機酸としては、クエン酸キナ酸が多く、それぞれ果実質量の1%前後含む。次いで多いのがリンゴ酸で、0.2~0.3%程度含んでいる。特に未熟果では酸味が強い。また蛋白質分解酵素であるアクチニジン (酵素)を含むため、食肉軟化剤としての応用や、舌苔除去タブレット(ブレオ)等への利用が行われている。果実の生食により、消化促進効果も期待されている。
  • ゴールドキウイ(ホート16A種)
ニュージーランド産を中心に、ゴールド・キウイという、果肉が黄色いものも出回っている。普通の(果肉が緑色の)キウイよりも酸味が弱く、甘みが強い。
  • グリーンキウイ(ニューエメラルド種)
ニューエメラルドという品種は両性種であるが、それ以外の多くの品種は雌雄異株である。2009年にA. chinensis(2n=58)の遺伝子地図の作成を通して、A. chinensisがXY型の性染色体を持つ性決定様式であることが示された[4]
  • レインボーレッドキウイ
果肉は黄色・緑色があり、中心部が白く種子の部分が赤い。果皮は無毛。糖度が高く、酸味は抑えられている。主な産地は、福岡県・静岡県・愛媛県。

近縁種[編集]

  • シマサルナシ(A. rufa(Sieb.et Zucc.)Planch.ex Miq.
ミニキウイとも呼ばれ、フルーツとして生食される。
  • マタタビA.polygama(Sieb.et Zucc.)Planch.ex Maxim.

栽培[編集]

日本での商業栽培は温州ミカンなど柑橘類の余剰対策の転作作物として始まった[3]

専門知識がなくても比較的簡単に栽培ができ、一般向けにホームセンターなどの園芸コーナーで容易に苗が入手できる。雄雌を1株ずつ植え、藤棚を使いツルを上手くはわせて栽培すれば、10~11月頃には果実が収穫できる。よく成長した株の場合、一株から約1000個もの収穫を得ることもしばしばであるが、大量の結実は糖度が下がり酸が増加することで食味を低下させてしまう。表年・裏年もあるので、人工授粉と実の大きさがピンポン球大の頃に、摘果を行うことが望ましい。収穫後は30~60日程度の追熟をさせると食べられる。

利用[編集]

  • 生食 - 熟した果実の皮を剥くか、半分に切りスプーンなどで中を抉り、食用にする。サラダデザートなどへの利用もされる。
  • ゼリー - キウイフルーツにはタンパク質分解酵素「アクチニジン」が含んであり、ゼラチン使用の場合は生のままの使用は、固まらず不向きである。アクチニジンは熱・酸・アルカリに弱く、ジャムやシロップ煮など加熱処理したものには、分解する働きは無い。また、アクチニジンの含有量が少ない品種もあり、それらは生のまま使用可能である。また、寒天でも代用できる。
  • ジャム - 砂糖を加えて煮て作る。もっと煮詰めて羊羹のような菓子にする例もある。
  • 乾燥品 - スライスして凍結乾燥させた食品もある。
  • - 醸造原料として利用しワインなどが作られている。

産地[編集]

主な産地として以下がある。

イタリア[編集]

年産50万トン弱で世界最大の産地。

中華人民共和国[編集]

年産30数万トンで世界第二位の産地。

  • 陝西省周至県 - 陝西省の生産量は20万トン以上で、中国一多く、南部の秦嶺山脈に産地が多い。西安に近い周至県では「中華獼猴桃」の名で、他の産地と比べてかなり大振りのものも作られ、名産品となっている。
  • 河南省南陽市西峡県 - 原産地に近く、30数種と多様な栽培種があるといわれる。
  • 湖南省
  • 四川省

ニュージーランド[編集]

年産30万トン程度で世界第三位。

日本[編集]

2011年の全国収穫量は2万6100トン。[5]

  • 1位 愛媛県 全国シェア25%(6520トン)
  • 2位 福岡県 全国シェア16%(4130トン)
  • 3位 和歌山県 全国シェア11%(2930トン)
  • 4位 神奈川県 全国シェア7%(1820トン)
  • 5位 静岡県 全国シェア7%(1790トン)

表記・呼称について[編集]

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名前の由来となった鳥 キーウィ

キウイフルーツキーウィーフルーツ英語: kiwifruit)の名はニュージーランドで生まれたものである。果実の外観が同国の国鳥であるキーウィ鳥英語: kiwi)を思わせることからの命名。

英語での表記・呼称[編集]

ニュージーランドで栽培が開始された当初、この果物は原産地の名をとって Chinese gooseberry と呼ばれた。 販売促進を狙い、現地の輸出商社によって kiwifruit の愛称を与えられたのは、1959年のことであったとされる。 古い名称は、ニュージーランド産とオーストラリア産のものを区別したいときにわずかに使用されることがある。

北アメリカでは単に kiwi と呼ぶことが多い。ニュージーランドでは kiwi はあくまでも鳥の名及びニュージーランド人、又は「ニュージーランドの」という形容詞のことであり、kiwifruit を kiwi と呼ぶことはしないため、注意が必要である。

日本語での表記・呼称[編集]

キウイフルーツ」「キーウィーフルーツ」「キーウィフルーツ」「キウィフルーツ」などと表記され、それらを略した「キウイ」などという表現も使用される。

食物アレルギーの原因となることがあるので、この果物を使用した加工食品では、それを表記することを厚生労働省の通知により「特定原材料に準ずるもの」として推奨されている。 その厚生労働省の通知では、「キウイフルーツ」と表記されている。

中国語での表記・呼称[編集]

原産地の中国では、古くから自生のシナサルナシ(支那猿梨)を指す語としては「獼猴桃」(びこうとう。ミーホウタオ míhóutáo)が一般的であり、李時珍の『本草綱目』に収載されるなど、生薬の名としても使われた。現在でも中国本土では、栽培品のキウイフルーツもこの語で指すのが一般的である。「獼猴」はアカゲザルを意味し、サルが好んで食べる果実という命名である。

一方、香港や台湾で栽培品のキウイフルーツを指す語は、kiwifruit の音訳である「奇異果」(広東語: ケイイークオ、台湾語:キーイーコー。中国語:チーイーグオ qíyìguǒ)が一般的であり、台湾では「幾維果」(ジーウエイグオ jǐwéiguǒ)の名もある。 ほかに「陽桃」(羊桃、楊桃とも。ヤンタオ yángtáoスターフルーツまたはヤマモモを指すこともある語)、「毛梨」(マオリー máolí)、「藤梨」(トンリー ténglí)の語がある。

関連項目[編集]


参考画像[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ http://ndb.nal.usda.gov/
  2. ^ 「世界大百科事典 第2版(キーウィフルーツ)」 2006年 平凡社
  3. ^ a b 長野県中南部に自生するサルナシ (Actinidia arguta (Sieb.et Zucc.) Planch. Ex Miq.) の果実形態と収量の系統間差異 信州大学農学部AFC報告 7: 11-19 (2009)
  4. ^ Fraser LG, Tsang GK, Datson PM, De Silva HN, Harvey CF, Gill GP, Crowhurst RN, McNeilage MA (2009). “A gene-rich linkage map in the dioecious species Actinidia chinensis (kiwifruit) reveals putative X/Y sex-determining chromosomes” (pdf). BMC Genomics 10: 102(15pages). doi:10.1186/1471-2164-10-102. PMID 19284545. http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2164-10-102.pdf 2009年4月28日閲覧。. 
  5. ^ 農林水産省 平成23年産キウイフルーツの結果樹面積、収穫量及び出荷量
  6. ^ 日本記念日協会

外部リンク[編集]