ヴォジャノーイ

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イヴァン・ビリビンの描いたヴォジャノーイ。

ヴォジャノーイ[1]ヴォヂャノーイ[2]とも。Vodianoi, Vodjanoj[3])は、東欧に伝わる妖精。その名前は、水を意味する単語「ヴォダー[4] (voda[3])」に由来し、「水の精[3]」を意味する。

解説[編集]

ウンディーネと同じく水の精である[5]が、男性[3]で、ルサールカの夫とされる。[要出典]

ヴォジャノーイは様々な姿に変化する[5]髭を生やしたカエルのような姿をしているといわれる[要出典]が、人間の姿をとることもある。緑色の髪の老人、全身をに覆われた巨漢、裸の女性、大魚、巨人、さらにはボルゾイ海老[要出典]、小さな翼で飛行する木の幹など、様々な姿を見せる。時には、緑や白など様々な色へ変色する巨大な髭をもつ老人でもある[6]水門や水車そのものとして描かれることもある。[要出典]

ヴォジャノーイの住み処はだとされ、特に水門水車の側を好むとされている。彼らの宮殿は水晶で出来ており、さらに沈没船から調達した金銀および魔法の石で装飾されているという。昼間はその宮殿に潜んでおり、夕方になると宮殿を出て活動を始め、脚で水を叩いて遊ぶ。その水音は遠くまで響くといわれている。また、水車の羽根の下には、複数のヴォジャノーイが潜伏しているとされる。彼らは人間が水の流れを制御することを嫌い、水門の土手を壊そうとすることもある[7]

ヴォジャノーイはまた、人間を嫌い、隙をついて水中へ引きずり込むこともある。こうしてヴォジャノーイに捕らえられた人間は彼らの奴隷になってしまう[6]。しかしヴォジャノーイは、嵐の時には漁師や水夫を助けることがあり、また、豊漁をもたらすとも言われているため、人々は彼らに供物を捧げていた[3]

ロシアでは、ヴォジャノーイへの御追従のために、道行く人を水中に突き落とすこともあった[8]

オロネッツ地方のある湖に生息していたヴォジャノーイは、人間を食料にするために水中で待ち構えていたが、この地方の人間達が皆用心深く、水浴びや水汲みに湖に現れることが殆どなかったため、住居を移そうと決め別の湖へ移動していった。その際に、脚に小さな島が引っかかり、河の中に落ちた。その島は今でも人の肉眼で目視できると言われている[8]

ヴォジャノーイは不死とされているが、月相に合わせて老いたり若返ったりするとされており[6]満月の日にその力は最高潮に達し、非常に危険な存在となるという。[要出典]

他の地域でのヴォジャノーイ[編集]

チェコなどの中欧では「ヴォドニーク」と呼ばれ[9]同じ語源である。[要出典]

出典[編集]

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  1. ^ 『ロシアの神話』で確認した表記。
  2. ^ 『神の文化史事典』で確認した表記。
  3. ^ a b c d e 『神の文化史事典』p. 113(ヴォヂャノーイの項)。
  4. ^ 『ロシアの神話』p. 44(「スラヴの神話」)。
  5. ^ a b 清水睦夫「ロシア国家の起源」p. 48。
  6. ^ a b c 『ロシアの神話』p. 46(「スラヴの神話」)。
  7. ^ 『ロシアの神話』pp. 44, 46-47(「スラヴの神話」)。
  8. ^ a b 『ロシアの神話』p. 47(「スラヴの神話」)。
  9. ^ 『世界の神話伝説 総解説』改訂増補版、57頁(「スラヴの神話伝説」)。

参考文献[編集]

関連項目[編集]