スライム

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スライム

スライム: slime)は本来、ある種の性状を持った物質(どろどろ、ぬるぬるしたもの)を大ざっぱに指す言葉であった。従って粘土や泥などの無機物から、生物の分泌する粘液などの有機物、またそれらの複合体など実に様々なものがスライムと呼ばれる。

ここでは人工的に作られ、玩具や教材として使われているスライムを紹介する。

玩具としてのスライム[編集]

1978年ツクダオリジナル(現 メガハウス第4事業部)が米マテル社製玩具のスライム状の物質を日本で発売した。

この「スライム」は小さなポリバケツを模した容器に収められた、緑色の半固形の物体で、手にべとつかない程度の適度な粘性と冷たく湿った感触がある。触って遊ぶためだけの玩具であったが、それまでにない新鮮な感覚をもたらしたため大ヒットし、後に様々な類似商品も生まれた。

そもそもは第二次世界大戦の時にゴムの産地を日本軍に占拠され、ゴム不足となったアメリカで、人工的にゴムを作ろうとして生まれた物であった。

スライムの自作[編集]

ポリビニルアルコールとホウ砂で作るスライム[編集]

1985年、第8回科学教育国際会議でマイアミ大学の A.M.Sarquis が初めて日本に紹介し、理科教材として広まった。ポリビニルアルコール(PVA)は合成糊や洗濯糊の主成分であり、直鎖状の高分子である。これがホウ砂を介して架橋結合するためゲル化する。代表的な作り方は以下の通り。

  1. ホウ砂の4%水溶液を作る。ホウ砂は薬局等で眼の消毒薬として粉末で入手できる。20℃の水に対する溶解度は4.7g/100g。
    【注意】ホウ砂には毒性があり、多量に(5g -)飲むと嘔吐や下痢を起こす場合がある。
  2. 主成分がPVAの洗濯糊(通常、PVAの10%水溶液)と水を2:3の割合で混ぜ、PVAの4%水溶液を作る。このとき冷水ではなく熱湯を使うと次の反応がうまくいきやすい。
  3. 2を撹拌しながら、1の水溶液を少しずつ混ぜる(容積比10:1程度)。
  4. べとつかなくなるまでよくこねる。

澱粉で作るスライム[編集]

澱粉(片栗粉、コーンスターチ等)に水を適量(澱粉:水=3:2程度)加えると、通常は液体のように振るまうが力が加わると固化する性質(ダイラタンシー)をもったスライム状の物質ができる。 これはウーブレック(oobleck)と呼ばれ、液体と固体の性質の違いや非ニュートン流体について説明する理科教材として使われている。

この名前は、アメリカの作家ドクター・スース(Dr. Seuss)の童話『ふしぎなウーベタベタ』(Bartholomew and the Oobleck 1949年)に登場する、天から降ってきたどろどろの物体にちなんで付けられた。

このスライムや、木工用ボンド(酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤)などに澱粉と少量の塩を加えて作られたものはグラーチ(glurch; glue+starch)とも呼ばれ、やはり教材や玩具として作られる。

参考[編集]

  • 『いきいき化学 明日を拓く夢実験』 新生出版

脚注[編集]